NewsNewsみんなの障がいニュース
みんなの障がいニュースは、最新の障がいに関する話題や時事ニュースを、
コラム形式でわかりやすくお届けします。

- コラム
ADHDの私から。「おすすめしたい、自分自身に合った回避術」
私の障がいは【ADHD】です。
ADHDで検索をすると、「注意力が足りない、衝動的で落ち着きがないといった特性があるために、日常生活に支障をきたしてしまう障がい」と出てきます。
私の場合、その場の空気が読めなくて、他の人と違う行動をしてしまったり、話しかけられても相手の言っていることが理解できなくて、違う言動をとってしまいます。
それで相手の方が私の受け取り方の違いにびっくりしているのを見て、相手の方に迷惑をかけてしまったと心の中で反省し、自分自身何も言えず固まってしまうことがよくあります。
そんなやり取りが続くと、気持ちが落ち込んだり、相手とのコミュニケーションに萎縮したりしてしまいます。
自分の殻に気持ちを閉じ込め、無表情になって、何も手に付かなくなってしまうこともありました。片付けもできなくなり、部屋が物だらけになってしまうことも。
この障がいをもつ人は真面目で責任感が強く、失敗を他の人よりも重く捉えてしまう結果、うつ病になってしまうこともあるそうです。(諸説あり)そこで、自分にあった回避術を見つけることが必要だと、私は思っています。
その回避術のひとつとして、庭の草取りをおすすめします。庭の草取りはすごく気分転換できます。
集中して草取りをしていく中で、捨てる草を何かに活かせないか?と考えるようになったのですが、とても楽しいです。野草の特性を調べて、お茶や入浴剤を作ってみるなど、やりたいことや興味があることを見つけられます。それに集中することでやる気を引き出し、実際にやってみて、幸せな気持ちになっています。
私の場合は、その回避術が自分自身に合っていると思います。
私のことを理解して温かい目で見てくれる家族も身近にいてくれるので、今では気持ちが大分安定してきていて、毎日を幸せに暮らせています。同じ悩みをもつ方にも、私の回避術を参考にしていただけたらと思います。
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- コラム
右上肢機能障がいの私から。「障がいだからこそ、やってみよう」
私は先天性による右上肢機能障がいという障がいがあります。右腕が真っすぐにならず常に曲がった状態になっています。腕の成長が遅れた状態になっており、大きさと太さのままは、ほぼ幼少期のままです。
物心がついた頃には今の状態であったため、とくに自分自身に違和感はありませんでした。けれど、小学生になり、周りの友人との違いに悩んだ時もありました。特に体育の授業で鉄棒をする時、鉄棒は腕を使うため、やりたくても出来ない事に自分自身が嫌になり、その事で周りから、からかわれる経験もしました。
ただ幸いにも先生からは頻繁に声をかけて励ましてもらったり、友人からも悩みや愚痴をたくさん聞いてもらったりしました。
そのおかげかもしれません。なにか大きなきっかけがあったわけではないのですが、ある時から、何よりもまずは自分自身が、現実を受け入れなければならないという気持ちをもつ事に切り替えました。「障がいがある現実はこれから先も変える事が出来ない」と自分に言い聞かせた感じです。
今では、取りにくい狭い場所に物が落ちた時、左腕が入らず取れない時は、小さい右腕を入れて取ったりなど、意外と便利で重宝したりしています!(笑)
障がいがあって良かった所を見るようにしたり、障がいを障がいだけと思わずにチャレンジしてみる事を意識して、生活するように心がけています。スポーツでバレーボールやバスケットボールなどをみんなでやったり、登山に誘われたので、急勾配な所を登ったりもしました。
障がいだからとあきらめず、障がいがあるからこそ、やってみてほしいと思います。
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発達障がい児の子育てに重要な「レジリエンス」の育て方
発達障がい児の子育てに重要な「レジリエンス」の育て方
「レジリエンス」とは、「立ち直り力」ともいいます。何をされても凹まない強さではなく、凹んでも、落ち込みすぎず、良い方向へ立ち直れる力です。とくに発達障がいのお子さんは生きづらさを感じやすく、つらい出来事や失敗を多く経験しがちなので、「レジリエンス」がとても重要になります。レジリエンスがあると、二次障がいを防ぎ、大人になっても、お子さんを支えてくれます。発達障がいのお子さんこそ身につけたいレジリエンスとは何か、レジリエンスの育て方について解説します。
レジリエンスとは?発達障がいの子どもに必要?
超ストレス社会と言われている現代。精神的にどれほど強くても、失敗やストレスが続くと、いつか心が折れてしまいます。そこで今求められているのが、レジリエンスです。凹んでも何度でも良い方向へ立ち上がれる「しなやかさ」が、今の子どもたちや、とくに発達障がいのお子さんに欠かせないものとなっています。このレジリエンスとは何か詳しく見ていきましょう。
二次障がいをふせぐ
発達障がいの特性は本人やまわりの努力によって減らすことはできますが、なくすことはできません。どこかで、勉強や人間関係などでつまずくことがあるでしょう。そして失敗を繰り返すと、自信を失い、不安がちになり、睡眠の質が悪くなるなど、「二次障がい」が起こるおそれがあります。
けれど、失敗を経験したときにレジリエンスが育っていると、マイナス思考をやめて、もう一度頑張ることができます。前向きな思考により、まわりや自分を信用できます。すると社会性が育つので、二次障がいもふせげるようになります。
社会に適応する力になる
発達障がいのお子さんの子育てでは、よく「自尊心」が大事だと言われていますね。お子さんを頑張ってほめているお母さんも多いでしょう。
自尊心とレジリエンスは違います。自尊心は成功したり、ほめられたりすると育ちますが、「失敗には弱く、受け入れられない」という側面があります。
それを支えるのがレジリエンスです。レジリエンスがあると、失敗という現実を受け入れられるので、再チャレンジしたり、まわりに頼ったりできます。さらに、まわりに頼るときにソーシャルスキルがあると、人にスムーズに相談できますね。
自尊心
レジリエンス
ソーシャルスキル
自尊心をもって物事に積極的に取り組み、失敗したり困難な状況になったりしたら、まわりにちゃんと頼る事ができる。この三つは補い合う関係にあり、社会に適応する大きな力になります。
レジリエンスの三要素
レジリエンスがある人には、以下の3つの心理的な特徴があります。
新しい事に興味関心がある
感情をコントロールできる
未来志向が明るく前向き
新しい事に興味をもち、チャレンジする意欲があること。何か失敗をしても、自身の気持ちを切り替える方法を知っていれば、失敗を引きずりません。そして「一生懸命努力すれば叶う」と、未来にたいして明るく前向きであれば、また頑張ることができます。この三つの要素を育てることで、お子さんのレジリエンスを高めることができます。
発達障がいのお子さんが身につけたいレジリエンスの育て方
レジリエンスは日々の生活のなかでゆっくりと育っていくものです。長い子育てのなか、このレジリエンスを育てるには、何に気を付け、どのようにすれば良いのかをご説明します。
生活習慣を整える
レジリエンスを育てるには、気持ちが安定していることが第一歩です。気持ちを安定させるためには、安定した生活が必要なので、まずは必ず生活習慣を整えるようにしましょう。
お子さんの生活に乱れがある場合は、なにが原因かを見定めてください。発達障がいの特性で習慣が乱れている場合は、障がいの特性にあわせて対処します。家庭内での改善がむずかしいときは、医師に相談するのも良いでしょう。
人を頼って成功する体験をふやす
生活が整い、自律性が育ってきたら、次のステップです。お子さんの興味関心やペースを尊重して、さまざまな体験をさせましょう。
ただ、発達障がいのお子さんは失敗することの方が多いです。ご家族でサポートして、意見を言いやすくしたり、失敗よりも成功体験をふやしたりしてください。
なにか目標設定をするときは、お子さんが「ほとんどできていること」を目安に。ほとんどできていることがちゃんとできるようになったら、目標達成です。お子さんも成功しやすく、達成感を感じられます。
子どもの興味を育てる
子どもの意欲関心があることを積極的に肯定しましょう。ただ好奇心をほめるだけではなく、子どもに自分で選んで決めさせることが大事です。お子さんが興味をもったことにたいして、選択肢を示してあげましょう。
「どちらがいいか」「何をするか」を子どもに決めさせることで、子どもが自分で決めたことに責任をもちます。責任をもって取り組むからこそ、達成感を得られます。
そのほか、お子さんに役割をもたせるのも、自主性を育て物事に興味をもたせることに有効です。お子さんがこなしやすく、少しでも関心がある家事を手伝ってもらいましょう。
気持ちを切り替える
イライラしたとき、落ち着かないとき、気持ちを少し切り替える方法を身につけられるように、サポートしましょう。深呼吸や、お子さんが落ち着く持ち物など。
個人の力では限界があるので、頼れる人をつくるのも有効です。安心する居場所があったり、相談しやすい相手がいると、ネガティブな気持ちを引きずらず、レジリエンスを高めることができます。
家族だけではなく、外のつながりをつくると良いでしょう。同じ障がい者同士で悩みを共有し、解決できる『凸凹村』というコミュニティサイトがあります。匿名性の低いフェイスブックでつながることができるので、ネット上でも安心です。
ご参加はこちらから。
まとめ
ストレスが多い現代社会。とくに、発達障がいのお子さんはストレスや困難を避けられません。そこで、自尊心を高めるのと同じぐらいに欠かせないのが、レジリエンスです。レジリエンスを高めて、お子さんがこれからの社会に適応できるようにサポートしましょう。
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参考
発達障害の子の立ち直り力「レジリエンス」を育てる本 著:藤野 博/日戸 由刈【監修】

- コラム
左手指全指機能全廃の私から。「障がいの差は努力や工夫で埋められる」
私は生まれつき、左手指全指機能全廃という障がいを持っています。
どういう障がいかというと、左肘から下の神経がほぼ全廃してしまい、左の手首を曲げたり、左手を握ったり、左手で物をつまんだりすることができません。
私は子どもの頃からスポーツが大好きで、中学までは、あまり手を使わない競技のサッカーをしていました。サッカーに楽しさややりがいを見つけて長く続けていましたが、高校生になってからは競技を変え、バドミントン部に入部しました。
なんとなく新しいことに挑戦してみたかったからです。
それに、バドミントンなら片手しか使わないので、私でもできると思っていました。しかし、やっぱり難しいこともありました。
それはサーブです。サーブは両手を使います。そこで私は片手でもサーブをできないかと考えました。そして、右手でシャトルとラケットを持てば、片手でサーブができると思いつきました。右手でシャトルを上にあげて、右手でラケットを振って打つ方法です。やって見ると簡単にロングサーブはできましたが、ショートサーブの方はなかなかうまくできませんでした。
けれど、私は諦めませんでした。サッカーでもむずかしい事はありましたが、長く続けたことで乗り切れると知っていたので、そこから毎日サーブの練習をしました。1年ぐらい経った時、やっと上手くできるようになり、ミスの回数も減りました。
最近また、新しいことに挑戦しています。それはeスポーツです。皆さんも一度は聞いたことがあると思います。友達にeスポーツの大会に連れて行ってもらい、観戦して、私もeスポーツをやってみたいと思いました。
eスポーツでは、ボタンの配置を変えたり、足音を視覚化させたり、多くの種類の操作をするための機械があるので、障がい特性に合わせて機械を選んだり、設定を工夫することで障がいを持っている人でもみんなと同じようにプレーすることができると私は思っています。
スポーツをやるうえで、やっぱり障がいはハンデになると思います。しかし、その差は努力や工夫で埋まることをいろんなスポーツをやって身をもって知ってきました。スポーツだけでなく、他のことでもその経験を生かして頑張っていきたいです。
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- 寄稿
「障がいの社会モデル」と「障がいの個人モデル」
「障がいの社会モデル」と「障がいの個人モデル」
障がい者には、簡単に説明すると、「その障がいは社会の問題である」と考える「社会モデル」と、「その障がいは個人の問題である」とする「個人モデル」の二つがあります。
社会モデルと個人モデルは意見が対立しがちですが、障がい者が健常者と生きていく社会の中で、どちらも欠かせない、大事な考えです。この障がいの社会モデルと個人モデルについて詳しくお話します。
障がい者の社会モデルと個人モデルとは
「障がいの社会モデル」とは、「障がいとは、健常者を前提とした社会から、何も抵抗することもできず、不平等に課せられるものだ」というスタンスに基づいた考えです。「障がい者に平等の権利を」という主張は、この考えからきています。
国連の障がい者権利条約などでも採用されています。しかし、世界的に主流となっているかというと、そうでもありません。
障がい者の個人モデルはかつての主流
障がいの社会モデルには、対として「障がいの個人モデル」が存在します。課題に直面する障がい者に対して、「障がい者自身」に「障がい」があるとするのが個人モデルです。個人モデルはリハビリなど医学的アプローチも絡むためか医学モデルと呼ばれることもあります。
日本は2014年まで個人モデルを主としてきました。2014年に日本も障がい者権利条約に同意したことで、ちょっとしたブレイクスルーが起きました。社会モデルが少しずつ知られるようになったのです。
社会モデルと個人モデルの具体例
吃音症で例えるなら、言語聴覚士による指導のもと、発話トレーニングをするのが個人モデルのアプローチです。個人の力で、障がいによる問題をへらすことを指します。
周囲の人が吃音をいじらないように、周囲に注意する環境整備や合理的配慮が、社会モデルのアプローチとなります。共生社会やインクルーシブ社会には欠かせない考えです。
社会モデルと個人モデルはどちらも欠かせない考え
社会モデルには「何でも社会に求めすぎて、自分から動かず、障がいによる困難を他人のせいにしがちになってしまう」という批判もあります。
けれど、障がいは個人の問題であると考える「個人モデル」側の方からすれば、「社会を変えるより、まず自分が変われよ」と言いたくもなるでしょう。
自分で調べて動かなければ、医療や福祉といった支援にはアクセスできません。どれだけ社会が支援しても、本人が動かなければ、状況はよくならないです。そのため、個人モデルもまた、障がい者がよりよく生きていくためには大切な考えになります。
しかし、一人で出来る努力は一人分でしかありません。本人だけではどうしようもない事の方が圧倒的に多いです。
例えば、吃音症の人がいくら発話トレーニングを積んで喋れるようになっても、まわりが過去の吃音をいつまでも引きずったり、まだ残っている吃音を面白がったりする環境のままでは、本人の自尊心を奪ってしまいます。逆境に強い人なら良いですが、頑張っても報われない状況が続いたり、大勢の人にからかれたりすると、一人の心は折れてしまいますね。
社会モデルと個人モデルは手を取り合えないのか
個人モデルとして、個人で障がいの問題をへらすために努力した人が、社会からいじめられたり避けられたりせず、生きやすい社会だと思えることが理想的です。
けれど、残念ながら、「個人モデル」と「社会モデル」は対立しています。
障がいを個人の問題だとする「個人モデル」には、正当な要求であっても突っぱねることが多く見られます。「障がい者にも平等な権利を」と主張する社会モデル派の人たちにたいして、「甘え」「恫喝」「弱者の盾」とする見方です。
一方、社会モデルでも「社会が課す障がい」の一例として、「心のバリアフリー」を掲げています。「甘え」「恫喝」「弱者の盾」とする個人モデルの見方を、無知や偏見や差別といったように批判的に見る動きがあります。
障がい者がより生きやすい社会をつくるためにはどちらも欠かせないのですが、両者はどちらかといえば、歩み寄るよりも争っている場面の方が多いことになりますね。
著:障害者ドットコム
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休み明け、子どもが学校に行かない。発達障がいの子は不登校になりやすい?どう接したらいい?
休み明け、子どもが学校に行かない。発達障がいの子は不登校になりやすい?どう接したらいい?
休み明け、お子さんが引きこもりがちになり、不安に思うことが多いでしょう。とくに発達障がいの特性があるお子さんの場合、いろいろなことを考えてしまうかもしれません。やっと学校生活になじめたと思ったのに、このまま、ずっと不登校になってしまうのか。勉強や将来に支障が出ないか。どうやって傷つけず、また学校に通ってもらえるか。子どもと家での接し方もわからなくなっているというお母さんに、お子さんの不登校への理解を深め、心がけておきたい接し方についてご説明します。
休み明け、発達障がいのある子どもが不登校になる理由は?
お子様の学校生活を心配したり、または自分を責めたりしていませんか。不登校になったとき、「何が悪かったのか」を探しても、あまり意味がありません。不登校は、さまざまな要因が複雑に絡み合ってできています。
発達障がいと環境的な要因
発達障がいのお子さんは人間関係や勉強でストレスを抱えやすいです。けれど、鈍くもあり、学校に平日毎日行っていたときにはストレスに気づかないこともあります。それが、長期の休みに入り、学校という環境から離れることで、自分がストレスをためこんでいたことに気づきます。
さらに発達障がいのお子さんは、ネガティブな部分を覚えやすいという特性があります。ネガティブな部分に気づき、楽しかったことよりも悪いことがよく記憶に残るので、長期休み明け、学校に行くのが億劫になりがちです。発達障がいの特性に、環境的な要因が組み合わさって不登校になるケースです。
いじめの可能性はある?
最近の「いじめ」はもっと陰湿にわかりづらくなっています。匿名性の高いネットや、SNSをつかったいじめがふえ、問題が解決しにくくなっていることが多いです。長期休みの間、とくにネットにふれる機会が多くなるでしょう。
お子さんが体調不良を訴えていたり、症状が悪化していたりする場合は、いじめも可能性の一つとして考えましょう。ただし、見極めが大切です。いじめかと思って過干渉になっても、発達障がいのお子さんの心の負担がふえてしまいます。
つぎに文科省が作成した「いじめのサイン発見シート」の項目をご紹介しますので、目安としてご参考ください。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/__icsFiles/afieldfile/2018/08/21/1400260_001_1.pdf
発達障がいの子どもが不登校になっているときに心がけたい接し方
不登校になっている理由を話してほしい、学校に行ってほしい。発達障がいだからこそより気を付けなくてはいけないと心配や不安があったりして、お子様にどのように接したらよいのかわからなくなっているかもしれません。発達障がいのお子さんが不登校になっているときに心がけたい接し方をご説明します。
理由を無理に聞き出そうとしない
原因を解決すれば、子どもがまた学校に行けるようになるのではと思うかもしれません。けれど、もともと気持ちを伝えるのがむずかしい発達障がいのお子さんには、理由を伝えることは大きなストレスになります。
また、お子さん自身が、自分のストレスの本当の原因に気づいていない可能性もあります。不登校でなくなるには、「気づいていない部分」が重要なこともあります。お子さんには理由を無理に聞き出そうとはせず、注意深く見たり、お子さんを休ませたりすることを優先しましょう。
休む期間をあらかじめ決める
学校を休みがちになっている状況は、ご家族だけではなく、お子さん自身もつらく感じています。「明日には行こう」と決意して、「また行けなかった…」と繰り返す毎日。自分への無力感と、親に申し訳ないという想いが積み重なります。このような失敗経験をふやすことは、発達障がいのお子さんには避けた方が良いことです。なので、ご両親から休む期間を提案することが、ひとつの解決策になります。
「あなたが休むことを受け入れているよ」という気持ちがお子さんに伝わり、心の負担をへらすことができます。子どもと話し合って、どのぐらいの期間休むかを一緒に決めましょう。日にちの見通しが立つことで、わからないことへの「不安」をへらすこともできますし、お子さんの今のストレスがどのぐらいであるのかを知ることもできます。
休んでいる間、家での役割をあたえる
不登校になっているとき、お子さんは自分を責め、自分は何もできないと無力感に悩まされていることがあります。この無力感が積み重なると、引きこもりがちになってしまいます。お子さんが話せる状況であれば、学校を休んでいる間の過ごし方にルールを設けましょう。「朝ごはんは一緒に食べよう」「ゲームは1日○時間」など。お手伝いを頼むのも良いでしょう。
「休んでいるんだからやってよね」という姿勢は見せないように気を付けてください。お子さんに居場所をつくる意味で、お子さんにルールや役割をあたえ、自信につなげたり、「ここにいてもいいのだ」という安心感をもたせましょう。
まとめ
長期休み明け、発達障がいのお子さんが不登校になる理由はさまざまです。特性による影響だけではなく、環境的な要因が絡んでいることもあります。お子様自身も原因をつかめきれていないことも多いです。学校を休んでいる理由を無理に聞き出さず、寄り添う姿勢を見せ、まずはお子様の心の負担をへらし、また「学校に行こう」と頑張る気持ちを育むようにしましょう。
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参考
『NPOカタリバがみんなと作った 不登校―親子のための教科書』 著書:今村久美

- コラム
左手指全指機能全廃の私から。「障がいがあっても、みんなと同じようにできる」
私は生まれつき、左手指全指機能全廃という障がいを持っています。
どういう障がいかというと、左肘から下の神経がほぼ全廃してしまい、左の手首を曲げたり、手を握ったり、物をつまんだりすることができません。
なので、生まれた時からずっと右手を使って生活しています。
小さい頃の私は、生まれつき左手が使えなかったので、左手は使えないものだと思い、あまりショックを受けることはありませんでした。ゲームと運動が大好きで、よく友達と家でゲームしたり公園で遊んだりしました。
けれど、兄弟がやっていた空手ができないのは、ショックでした。
何か習い事がしたくなって、親と相談して、兄弟がやっていた空手を習い始めましたが、片手だけでは危険ということですぐにやめてしまいました。そのほかのスポーツも大好きでしたが、片手が使えないという理由であきらめたことは多くあります。
空手を続けることはむずかしいとわかったとき、次に手を使わないサッカーをやってみてはどうかと親に提案されました。
サッカーはよくテレビで見ていたし、遊びでたくさんやって楽しかったので興味があり、挑戦することに決めました。最初は少し緊張もありましたが、足をよく使うスポーツなので、片手しか使えない私でもみんなと同じようにプレーすることができました。サッカーは5歳ぐらいから始めて、中学生まで部活などで真剣に取り組みました。
しかし、サッカーでも片手が使えないことで不利な点が2つ見えてきました。
1つ目は、スローインです。コート外にボールが出てしまった時、両手を使ってボールをコート中に投げるので、両手を使えない私は遠くまで投げることができませんでした。
2つ目は接触プレーをする時です。サッカーではボールを敵から奪うときなど、相手と接触する時に、手や腕を上手く使うことが多いので、私だと力負けをしたりすることが多かったです。
それでも基本的には足を使うスポーツなので、みんなと変わらずプレーできることが嬉しくて、長く続けることができました。長く続けることで、不利な点を補うこともできるようになりました。
片手だからという理由で、兄弟がやっていた空手ができなかったり、サッカーでも上を目指すことはあきらめましたが、サッカーを長く続けたことは、大事な思い出です。みんなとサッカーができて、勝敗など同じ経験をすることができました。一生懸命何かを続けることで、片手でもみんなと同じようにできることを学べました。
今の自分でいられるのは、この経験があったからだと思っています。
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痙性斜頸の私から。「首が左側に傾いて、変わった日常」
自分は「ジストニア」の「形成斜頸」という首の曲がる病気です。首が左に傾いてる状態で体も左に曲がっています。
日常でのやりにくい事は、右側にあるものを取ることです。また、道を横断する時に、左右の確認をしようとして、やりにくさを感じます。道を横断する時には、両側が見えるように体の向きを変えて車を確認し、渡っています。
階段を降りる時に一段見落としたり忘れる時があります。今のところケガにはなっていませんが、転倒が怖いので、階段を降りるときは手すりを使って降りています。階段を上ることは難しくないのですが、降りる時は注意して確認しながら降りています。
首が曲がっているせいか、自然と道の左側に寄っている時もありました。自分はまっすぐ歩いていたつもりですが、父親に、左に進んでるよと言われて気づきました。
頭の手術をしたのもあって、これまで出来ていたことの多くが難しくなりました。たまに一瞬、歩く時どうやって歩くのか忘れてしまいそうになります。そのほか生活に必要な基本的なことを多く忘れ、やりにくさを感じる場面が多いです。
病気になる前はできていた車の運転もできなくなり、今の移動の手段は歩くことだけです。田舎なので、歩いて行けるところが少なく、車がないと不便だと感じています。
「形成斜頸」という病気で、やりにくさを感じる場面がたくさんありますが、リハビリをしながら改善できるよう頑張っていきたいと思っています。
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- 寄稿
相談支援の現場から語る「地域共生社会」とは。
相談支援の現場で感じる複雑な生活課題の現状
私たちの日常には、生活の課題や困難がいろいろあります。高齢者、障がい者、子育て世代など、さまざまな背景を持つ人々が、それぞれ問題を抱えています。2015年からは「生活困窮者支援制度」の導入により、「生活に非常に困っているものの、公的福祉サービスを利用できない人々」への支援が強化されるよう、努力がされてきました。
それにもかかわらず、複雑な問題を持つ人々の数は増え続けています。私が相談支援をしている中でも、次のような、いわゆる「困難ケース」と呼ばれる解決困難な事例に遭遇するようになりました。
家庭環境が複雑で、頼れる身内がいない
老老介護(いわゆる8050問題)で共倒れになる
ネットショッピング、ゲーム、ギャンブルなどの浪費が止まらない
経済的困窮で子どもが教育を受けられず、負の連鎖が続く
重度の障がいに対応できるヘルパーが見つからない
介護も育児もどっちもしないといけない
障がいのある人の家族が亡くなったり、要介護状態になって孤立してしまった
引きこもり、ホームレス、ネットカフェ難民になって、支援を求めにくい
相談支援の日々の場面で見る困難なケースは、単なる制度やサービスで解決できるものではありません。また、いくつも複雑な問題を持っている人の中には、誰とも会話をしないまま孤立してしまうケースが多いのが現状です。孤立すると人は閉じこもりがちになり、その結果、ますます支援が必要な人々が見つけられにくくなっています。
課題を抱えている人には、どこに行けばよいかわからず、支援機関に辿り着かなかったり、自己肯定感が低くて「自分なんて支援を受ける価値もない」と思ってしまう人もたくさんいます。一方で、支援する側は、孤立している人に支援を届けたいと思うのですが、彼らがどこにいるのかさえ分からないため、必要な支援をすることがむずかしいのが現状です。
専門職だけでなく、地域全体で支える
やっとのことで繋がったとしても、急に相談に来なくなったり、連絡が取れなくなったりすることが珍しくありません。継続的な支援が重要であるにもかかわらず、業務が多忙で、その支援がいつの間にか疎かになってしまうことがあります。
正直なところ、私自身もこの業界で25年以上の経験を持つにも関わらず、キャパオーバーとなって、どうにもできなくなってしまうこともありました。支援者自身もこのような状況に悩んでいるのです。私は、過労で倒れたり、燃え尽きたりして辞めてしまう支援者の姿を何人も見てきました。
支援者一人一人の力は限られています。支援者だけで全ての問題を解決しようとするのは現実的ではなく、総合的なアプローチが必要です。だからこそ、専門職だけではなく、より多くの人々の協力と理解が求められるのです。
こうした中で登場したのが「地域共生社会」という考え方です。
この考え方は、単なる制度やサービスを提供するだけではなく、地域全体で一人ひとりの生活を支え、共により良い生活を築いていくというものです。
厚生労働省の定義する「地域共生社会」とは、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながり、地域住民全員で暮らしと生きがいを共に作り上げる社会のことを指します。この考え方は、社会福祉法にも盛り込まれています。
「地域共生社会」という新しい繋がりのカタチ
一昔前までは、自然と地域のつながりの中で生活していました。隣人との助け合い、地域のイベントや行事に参加することは、日常の一部でした。しかし、現代社会においては、テクノロジーの進化や生活スタイルの変化により、SNSを通じて遠くの人々と繋がることが増えて、身近な人々とのつながりは希薄になっています。
地域共生社会は、そのような現代の課題に応え、新しい形のつながりを再び築いていくものです。それは、ただ隣人と挨拶を交わすだけではなく、一緒に地域の問題を考え、行動することです。また、高齢者や障がい者、子どもたちが地域の一員として活躍できるような環境を作っていくことも含まれます。
このような地域共生社会を実現するためには、私たち一人ひとりが地域での役割や責任を持ち、それを果たすことが必要です。支援するのも、支援されるのも、私たち一人ひとりです。その相互の関係性の中で、新しい形の「地域共生社会」を築いていくのです。
私たちは何ができるか
そのために、まず私たちが取り組むべきは、自分の地域に目を向けることから始めることです。
近所の公園で開かれるイベントに参加する
地域のボランティア活動に手を伸ばす
地域の子どもたちや高齢者との交流の場を増やす
など、日常生活の中での小さな行動が、大きなつながりを生む第一歩となります。
また、テクノロジーを活用して、地域の情報共有や協力の仕組みを作ることも有効です。地域のLINEグループやFacebookグループを作り、情報やニーズを共有することで、互いに助け合うことができます。地域の課題が明確になり、共同での解決策を見つけていくことが可能になります。
地域共生社会は単に人と人が繋がるだけではなく、それぞれの持つ資源や知識、技術を共有し合い、共に成長していくものです。その実現には、個人の行動だけでなく、行政、企業、学校など、各団体が手を取り合って協力していくことが不可欠です。
最後に
地域共生社会は一度のイベントや活動では実現できません。深い絆や共同体意識を築いていくためには、長期的な視点での取り組みが必要です。私たち一人ひとりが地域共生社会の実現に向けて、積極的に行動を起こしていく社会になることを心から願っています。
著:障害者ドットコム代表取締役 川田祐一
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痙性斜頸の私から。「仕事、趣味。新しい人生を頑張っていきたい」
前回お話しましたが、自分がなった病気は、「ジストニア」の「形成斜頸」という首の曲がる病気です。最初は別の病気だったのですが、診断された薬を飲んだら、副作用で首を動かすこともできない状態になり、それからは、まともに歩く事もできなくなってしまいました。
「ジストニア」はすぐに治る病気ですが簡単に治らない場合もあり、遺伝性もある病気で、国指定の難病でもあります。自分がなったのは急性のジストニアでした。
今、就労継続支援B型で、パソコンに触れながら日々を過ごしています。最初はまともにイラストレーターの操作ができなかったので、パソコンがうまく使えるようになるまで苦労しました。手指がよく動かず、タイピングも遅かったですが、毎日やっているので、今は少しだけ早くなりました。一番大変だった作業はマウス操作です。細かい操作がむずかしく、細い線にカーソルを合わせるのが上手くできませんでした( ;∀;)
前の仕事は工場作業員で、パソコンにあんまり触れて来なかったので、事業所でのデザイン作業は最初むずかしく感じましたが、今では経験を積み、いろいろな作業ができるようになりました。
事業所のパソコンに慣れてきた頃、もともと興味もあり、勉強のために自分のノートパソコンも買いました。帰宅後は動画を観たり、たまにゲームもやっています。
最近はAdobeイラストレーターを使った仕事をいっぱいやっています。ポスターや年賀状のイラストやデザインを作ったりしています。
たまに自分が描いた絵を動画にして、事業所のSNSにアップもしています。お魚のイラストをいっぱい書くようにしていて、あんまり上手でないですが頑張って作っています。
まだまだ理想のデザインがつくれるように、いろいろな作業ができるようにこれからも日々パソコンを勉強したいと思っています。
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痙性斜頸の私から。「一般的に知られていない、この病気について知ってほしい」
自分は「ジストニア」の「形成斜頸」という首の曲がる病気です。形成斜頸は国指定の難病で、遺伝性のある病気と、服薬による急性で起こる病気です。自分の場合は鬱の薬を飲んだことで、首が曲がった状態で固まってしまいました。
急性のジストニアは治療法の開発が進み、回復することが可能となっていますが、根本的治療はまだ確立されていません。症状に対する治療(対症療法)がほとんどです。パーキンソン病とは異なり、有効性の確実な薬剤に乏しいため、副作用に注意しながら、試行錯誤されることがあります。
現在の自分の症状としては、首が左に傾いてる状態で、体も左に曲がっています。二か所同時に発症したため、手術が必要になり、今までに三回も手術を受けました。手術後は、リハビリと服薬をして頑張っています。就寝時は眠れない事がほとんどで、睡眠不足になっています。
少しでも体がまっすぐに元に戻るように、家でできる小さいリハビリとしてぶら下がりと、お風呂で少しでも逆に曲がるように、ラジオ体操の「体を横に曲げる体操」を毎日やっています。
今はリハビリと服薬をしながら、就労継続支援B型事業所に通っています。リハビリが長く、つらいかもと不安ですが、頑張っていきたいと思います。治ったら、親や姉・兄とリハビリセンターの皆様にお世話になった御礼を言いたいです。また、一般就労をして、できたらパソコンを使うようなお仕事に携わっていきたいと思っています。
この病気は一般的に知られていない病気で、自分もなって初めて知りました。今回のようなコラムなどで、文章で病気を伝えて、皆様にこの病気を知ってほしいです。
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子どもが朝起きない…引きこもりがち…病気?もしかして起立性調節障がい?
子どもが朝起きない…引きこもりがち…病気?もしかして起立性調節障がい?
なかなか朝に起きてこないお子さん。叱っても起きてこず、引きこもりがちになり、子どもとの距離が広がるばかりで変わらない状況に疲れていませんか。もしかしたら、お子さまは起きたくても起きられないような病気にかかっているのかもしれません。発達障がいや、思春期に発症しやすい「起立性調節障がい」とは何か、起立性調節障がいの診断基準、治療法などについて解説します。
起立性調節障がいとは?
起立性調節障がいは、午前中に、頭痛や立ちくらみ、めまい、動悸などが起こりやすくなる病気です。朝に起きられない、夜に眠れないという症状もあります。ただ、「朝は不調だったのに、いつのまにか元気に」「楽しい事がある日は朝から元気」なこともあり、「サボり」と誤解されやすい病気です。
自律神経の乱れが原因のひとつ
起立性調節障がいの原因は、血圧をコントロールする自律神経の不調です。自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。幼少期は体が活発になる「交感神経」が優位で、大人になると体がリラックス状態になる「副交感神経」が優位になります。ちょうど思春期の頃は、移り変わりの時期のため、自律神経が乱れやすくなっています。中学生の約10%、不登校の30-40%が起立性調節障がいにかかっているといわれています。
「過剰に適応する子」「まじめな子」がなりやすい
自律神経の乱れは、精神的なストレスからも起こります。
まわりに合わせすぎてしまう子
成績もよく、まじめな優等生
このようなお子さんは「不満や不安など気持ちをため込みやすい」点があります。なので、ちょうど自律神経が乱れやすい時期と重なって、起立性調節障がいを発症しやすくなっています。
発達障がい児が発症する割合は35%前後
自閉症スペクトラム障がいやADHDのお子さまの発症率は、35%前後と高くなっています。発達障がいのあるお子様は、環境によるストレスが大きかったり、思春期には人との違いに悩みやすかったりします。このとき、起立性調節障がいを気にかけるだけでなく、発達障がいに向けた対処が必要になります。お子さまの行動で気になることがある場合は、医師に相談してみましょう。
起立性調節障がいの診断基準は?
起立性調節障がいは、発達障がいが一緒にあったり、睡眠障がいや片頭痛、鉄欠乏性貧血など似た病気が多くあったりします。なので、起立性調節障がいだと自己判断しないようにご注意ください。起立性調節障がいのサインや診断方法をご説明します。
子どもの起立性調節障がいが疑われるサイン
起立性調節障がいが疑われるサインは11項目あります。
立ちくらみやめまいを起こしやすい
立っていると気持ち悪くなる、ひどくなると倒れる
入浴時やあまり良くない話を聞いたとき、体調が悪くなる
少し動くと動悸や息切れがする
朝起きられず、午前中は調子が悪い
顔色が青白い
食欲不振
頭痛
へそのあたりが急に痛いと時々訴える
倦怠感がある、または疲れやすい
乗り物に酔いやすい
このうち、3つ以上が当てはまっていると、起立性調節障がいの可能性があります。
「新起立試験」で分かる4つのタイプ
起立性調節障がいには、4つのタイプがあります。
起立直後、立ちくらみ・めまいが多いタイプ
起立直後の動悸息切れが多いタイプ
立っているときに失神するタイプ
起立から少し経って症状が出るタイプ
病院では「血液検査」やカウンセリングなどをおこない、他の病気ではないかを確認します。つぎに、「新起立試験」を用いて診断します。
新起立試験とは、横になった状態から立ち上がったときの血圧回復時間や、血圧・心拍数の変化を見る検査です。この検査をおこなうと、お子さまの起立性調節障がいが4つのタイプのうち、どれに当てはまるかがわかります。
子どもが起立性調節障がいだった場合、治療法は?
起立性調節障がいの治療には、子どもが治療に前向きであること、ご家族の理解が大事です。まず医師が子どもと親に起立性調節障がいとは何かを説明し、障がいへの理解を深めます。検査でわかったタイプに合わせて、ご家族で治療をおこなっていきます。
正しい姿勢や、生活習慣を身につける
血圧の変化をへらす、ゆっくり立つ姿勢を覚える
起床時間を一定にして規則正しい生活を心がける
15分の散歩など軽い運動をすすめる
水分や塩分をしっかり摂る
など、自律神経の乱れをふせぐように生活や姿勢を整えます。腹圧バンドや弾性ストッキングなど、血圧の低下を防止する装具を身につける場合もあります。
ストレスをへらすための環境調整・心理療法
自律神経の乱れがストレスからくる場合、ストレスをへらすためにカウンセリングをおこないます。また、学校などとも連携をして、起立性調節障がいの理解を深めたり、注意点を伝えたりします。起立性調節障がいのお子さまが過ごしやすい環境に整えることも、完治に近づくのに重要です。
重症の場合は薬物治療も
規則正しい生活、ストレスをへらす環境調整・心理療法などをおこなっても回復しない場合は、薬物治療も考えられます。ミドドリンやアメジニウムなど自律神経の働きをよくする薬が用いられることもあります。ただし、副作用が確認されているため、薬物治療は医師とよく話し合う必要があります。
まとめ
子どもがいくら叱っても朝に起きてこないとき、心配なときは、起立性調節障がいを考えてみるのもひとつです。そして起立性調節障がいのサインが見られる場合は、自己判断せず、内科や小児科に行き、診断を受けましょう。起立性調節障がいの治療には、子どもの意思と、ご家族の協力が大切です。
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参考
起立性調節障害お悩み解消BOOK 「朝起きられない」子に親ができること! 著者:吉田 誠司
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798177120