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「イヤホン難聴」と現代の聴覚リスク 若者を襲う無音の脅威とその対策
現代社会では、スマートフォンやポータブル音楽プレーヤー、ゲーム機などの普及に伴い、イヤホンやヘッドホンの使用が急増しています。通勤や通学中に音楽やポッドキャストを楽しむだけでなく、リモートワークやオンライン授業、あるいはビデオ通話でもイヤホンは欠かせないツールとなりました。しかし、その利便性の裏には、聴覚への深刻なリスクが潜んでいます。それが「イヤホン難聴」です。
この問題は、特に若年層に多く見られます。スマートフォンや音楽プレーヤーを長時間使用することが一般的となった現代では、若い世代が大音量で音楽を楽しむ傾向が強く、その結果、若年層における感音性難聴の発症リスクが高まっているのです。本記事では、イヤホン難聴のメカニズム、一般的な難聴との違い、そしてその予防策や社会的影響について、徹底的に解説していきます。
難聴とは?
難聴は、音を聞き取る能力が低下する状態であり、その程度や原因はさまざまです。一般的に難聴は、次のような3つのタイプに分類されます。
伝音性難聴
伝音性難聴は、音が外耳や中耳を通って内耳に届くまでの過程に問題がある場合に発生します。このタイプの難聴は、外耳道の閉塞、耳垢の詰まり、鼓膜の損傷、または中耳の炎症(中耳炎)などによって引き起こされます。治療方法としては、耳垢の除去や中耳炎の治療、鼓膜の修復手術などがあり、比較的治療可能なケースが多いです。
感音性難聴
感音性難聴は、音を感知する内耳の有毛細胞や、聴覚神経に障がいが発生することによって引き起こされます。内耳にある有毛細胞は、音の振動を電気信号に変換し、それを脳に伝える役割を果たしていますが、これらの細胞が損傷すると音がうまく伝わらなくなります。感音性難聴は加齢や遺伝、または強い騒音に長期間さらされることによって発症することが一般的です。
混合性難聴
混合性難聴は、伝音性難聴と感音性難聴の両方が同時に発生するケースです。たとえば、外耳や中耳に問題があると同時に、内耳の有毛細胞にもダメージがある場合がこれに該当します。治療には、伝音性の要因に対する外科的処置や感音性の要因に対する補聴器などが併用されます。
難聴は単なる聴覚の問題にとどまらず、心理的・社会的にも大きな影響を与えることがあります。特に、重度の難聴や適切な対策を講じなかった場合、コミュニケーションの困難や孤立感、うつ病のリスクが増加することが報告されています。
イヤホン難聴の特徴
イヤホン難聴とは、長時間大音量で音楽や音声を聴くことによって内耳の有毛細胞が損傷し、感音性難聴が引き起こされる状態です。特にイヤホンは、ヘッドホンに比べて耳に近い位置で音を直接伝えるため、音圧が耳に集中しやすく、内耳への負担が大きくなる傾向があります。これにより、聴覚に対するダメージが蓄積され、最終的には難聴を引き起こすリスクが高まります。
イヤホン難聴の原因
イヤホン難聴の主な原因は、大音量での長時間使用です。耳に入る音量はデシベル(dB)という単位で表されますが、通常の会話は約60dB、交通量の多い道路は約80dBです。イヤホンを使って90dB以上の音量で音楽を聴くと、内耳の有毛細胞が損傷するリスクが高まります。特に、80〜85dB以上の音量を長時間にわたって聞くことは非常に危険です。
さらに、イヤホンを使用する場所や状況も影響します。たとえば、電車やバスの中など騒音が多い環境では、外部の音をかき消すために音量を上げがちです。しかし、これは耳に大きな負担をかけ、イヤホン難聴のリスクを増加させる要因となります。
症状と進行
イヤホン難聴は徐々に進行することが多く、最初は自覚しにくいことが多いです。初期症状としては、耳鳴りや特定の音域の聞き取りにくさが挙げられます。耳鳴りは、耳の中で鈴や虫の鳴き声のような音が聞こえる状態で、長時間の大音量によって内耳が疲労した際に発生しやすくなります。
さらに進行すると、特定の周波数の音が聞こえにくくなり、会話の中で特定の単語や音が聞き取れないと感じることが増えます。特に高音域の音が聞こえにくくなるのが一般的ですが、場合によっては低音域の音も影響を受けます。最終的には、日常会話に支障をきたすレベルまで聴覚が低下することがあり、治療が難しくなる場合もあります。
難聴の心理的・社会的影響
難聴が個人の生活に及ぼす影響は計り知れません。特に、コミュニケーションに障がいが生じることで、以下のような心理的・社会的影響が生じることがあります。
社会的孤立とコミュニケーションの困難
聴覚が低下すると、他者との会話がスムーズにできなくなることが増え、これにより人々との交流が減少します。特に、騒がしい場所や多くの人が集まる環境では、周囲の音が聞き取りづらくなり、会話に集中するのが難しくなります。その結果、会話に参加することが億劫になり、次第に社会的孤立感を感じるようになることがあります。
ストレスや不安感の増加
難聴によってコミュニケーションが困難になると、ストレスや不安感が増加します。日常的な会話の中で聞き取れなかったり、誤解されたりすることが続くと、自信を失うこともあります。また、他者に対して何度も「もう一度言ってください」と頼むことが恥ずかしく感じられ、会話自体を避けるようになることも少なくありません。
認知機能の低下と精神的健康への影響
難聴は、単に音を聞き取れないだけでなく、脳の認知機能にも影響を与えることがあります。音を理解しようとする際に脳が余分なエネルギーを使うため、他の認知活動にかけるリソースが減少し、結果として認知機能が低下することがあります。これにより、記憶力や注意力、問題解決能力が低下する可能性があり、高齢者においては認知症のリスクが増加することも報告されています。
イヤホン難聴の予防策
イヤホン難聴を防ぐためには、いくつかの具体的な対策を講じる必要があります。
適切な音量設定
音量を控えめに設定することが最も重要です。一般的には、80dB以下の音量で音楽を聴くことが推奨されており、長時間の使用を避けることも必要です。また、音楽プレーヤーやスマートフォンには、最大音量を制限する機能が搭載されていることが多いため、それを活用して音量を一定範囲内に保つことが推奨されます。
使用時間の制限と耳の休息
WHOでは、1日の使用時間を1時間以内に制限することが推奨されています。また、長時間イヤホンを使用した場合は、定期的に耳を休めることが大切です。耳を適度に休ませることで、内耳にかかる負担を軽減し、聴覚の健康を保つことができます。
ノイズキャンセリングイヤホンの使用
周囲の騒音が多い環境で音量を上げがちになるため、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンを使用することで、外部の音を遮断し、より低い音量で音楽を楽しむことができます。これにより、耳にかかる負担を大幅に減らすことができ、イヤホン難聴のリスクを軽減できます。
定期的な聴力検査
定期的に聴力検査を受けることも重要です。特に、耳鳴りや聞き取りにくさを感じる場合は、専門の医師に相談することで早期発見が可能です。早期に問題を発見することで、症状の進行を食い止めることができます。
社会的対応とサポート
難聴に対する社会的対応も不可欠です。音楽業界やヘッドホン・イヤホンメーカー、教育機関が協力して、難聴予防に対する啓発活動を行うことが求められています。
まとめ
現代社会において、イヤホンやヘッドホンの使用は日常の一部となっていますが、その利便性の裏には重大な聴覚リスクが潜んでいます。イヤホン難聴は、大音量での長時間使用によって引き起こされる感音性難聴の一種であり、特に若年層に多く見られる深刻な問題です。しかし、音量管理や使用時間の制限、定期的な聴力検査などを通じて、十分に予防することが可能です。
イヤホンの正しい使い方を身につけ、聴覚を守ることは、将来の健康を維持するために欠かせないステップです。日常生活で少しの注意を払うことで、イヤホン難聴を防ぎ、健やかな聴覚を保ち続けましょう。また、社会全体でこの問題への認識を高め、聴覚の健康を守る取り組みが一層進むことが期待されます。
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障がい者が障がい者の課題解決を行う新しいコミュニティ凸凹村 伊勢崎西部SCみんなのバリアフリー運動会に突撃!
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障がい者就労継続支援とは?支援サービスの種類や内容について解説!
障がい者就労継続支援という言葉をご存知でしょうか?障がい者就労継続支援とは、障がい者総合支援法で定められた障がい者の就労をサポートするサービスの総称です。ここでは、障がい者就労継続支援の種類や内容について解説します。
3つの障がい者の就労支援サービス
障がい者が一般の企業での就労が困難な場合、どのような支援サービスを利用すればよいのでしょうか。障がい者総合支援法では、次の三つの支援サービスが定められています。
就労移行支援事業
このサービスは、一般就労を目指す障がい者がスムーズに職場に移行できるように支援するものです。職業訓練や職場実習を通じて、障がい者が就労に必要なスキルを身に付けることが目的です。
就労継続支援A型事業
A型事業は、障がい者が雇用契約を結び、働きながら訓練を受けることを支援します。利用者は賃金を受け取りながら、一般企業での就労を目指して訓練を受けます。
就労継続支援B型事業
B型事業は、雇用契約を結ばずに働く場を提供し、障がい者が自分のペースで働けるように支援します。利用者は工賃を受け取りながら、社会参加や生活の質の向上を目指します。
障がい者総合支援法とは
障がい者総合支援法は、「障がい者及び障がい児が基本的人権を享受する個人としての尊厳にふさわしい日常生活または社会生活を営む」ことを目的とした法律です。この法律に基づき、国は「地域生活支援事業」などを通じて総合的な支援を行っています。
この障がい者総合支援法の理念に基づいて定められた支援サービスが、先述の就労移行支援事業、就労継続支援A型事業、就労継続支援B型事業の三つです。本記事では、これら三つの支援サービスの違いや特徴について解説します。
(参考:https://www.shakyo.or.jp/news/pamphlet_201804.pdf)
就労継続支援とは
就労継続支援は、障がい者総合支援法の訓練等給付に位置づけられているサービスです。就労継続支援にはA型とB型があり、それぞれ異なる特徴があります。
就労継続支援A型
就労継続支援A型は、通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が可能な障がい者に対して提供されるサービスです。このサービスでは、雇用契約を結ぶことで就労の機会を提供し、生産活動の機会も提供されます。また、就労に必要な知識や能力を向上させるための訓練やその他の支援も行います。
期間
就労継続支援A型の利用期間には制限がありません。「一般の事業所に雇用されることが困難」という前提があるため、継続的かつ福祉的な支援を要することから、期間に制限が設けられていません。
対象者
就労継続支援A型の対象者は以下の通りです。
就労移行支援事業を利用したが、企業等の雇用に結びつかなかった者
特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、企業等の雇用に結びつかなかった者
就労経験があるが、現に雇用関係にない者
このサービスは原則として65歳未満が対象ですが、65歳以前に支給決定を受けている場合は継続利用が可能です。
条件
対象者のいずれかに該当し、サービス利用の希望がある場合、障がい支援区分の認定は不要です。
就労継続支援B型
就労継続支援B型は、通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が難しい障がい者に対して提供されるサービスです。このサービスでは、就労の機会や生産活動の機会を提供し、就労に必要な知識や能力の向上のための訓練なども行います。
期間
就労継続支援B型の利用期間には制限がありません。A型と同様に、「一般の事業所に雇用されることが困難」という前提があるため、継続的かつ福祉的な支援が必要とされることから、期間の制限が設けられていません。
対象者
就労継続支援B型の対象者は以下の通りです。
就労経験があるが、年齢や体力面で一般企業に雇用されることが困難となった者
50歳に達している者または障がい者基礎年金1級受給者
上記の①または②に該当しないが、就労移行支援事業者等によるアセスメントで就労面に係る課題が把握されている者
条件
対象者のいずれかに該当し、サービス利用の希望がある場合、障がい支援区分の認定は不要です。
就労移行支援と就労継続支援の違いとは
出典:障がい者就労継続支援とは?支援サービスの種類や内容について解説
障がい者総合支援法において定められた就労移行支援と就労継続支援にはその支援の目的と、サービスを受けることができる対象者に大きな違いがあります。就労移行支援は、一般企業に一般枠又は障がい者枠で就職を希望する障がい者を対象に、就職のためのスキルを身につけることを目的としています。
それに対して就労継続支援とは、A型・B型共に現状では一般企業への就職に不安がある、または困難な障がい者を対象に、働く場を提供することが目的となっています。就労移行支援と就労継続支援A型及びB型には、このような大きな違いがあります。ここからは、それぞれの支援サービスの細かな内容を見ていきます。
就労移行支援とは
就労移行支援は、一般企業に一般枠または障がい者枠での採用を目指す障がい者に対して、就職に必要なスキルを身につけるための支援サービスです。これらのサービスを提供する施設は「就労移行支援事業所」と呼ばれます。
就労移行支援の対象者
精神障がい、発達障がい、身体障がい、知的障がい、または障がい者総合支援法の対象疾病を持っている人
障がい者手帳を持っていなくても、医師や自治体が支援サービスを受ける必要があると判断した場合
65歳未満の人
就労移行支援事業所を利用するには?
住んでいる自治体の福祉課などの窓口に相談
通所できる範囲内にある事業所の紹介
紹介された事業所を見学し、通所を希望する事業所を決定
必要書類を揃えて管轄している行政窓口に障がい福祉サービス受給者証を申請
受給者証が発行された後、希望する就労移行支援事業所と利用契約を結ぶ
就労移行支援事業所で受けられるサポート
希望する職種に就くための職業訓練
履歴書等の応募書類の添削や面接対策
就職に関する支援や相談、適性に沿った職場探しのアドバイス
実際の企業での職場実習
就職後の職場定着支援、長期就労に結び付けるための相談
就労移行支援事業所の利用料と利用期限
市町村民税課税世帯の通所者:月額9,300円
市町村民税課税世帯の20歳以上の入所施設利用者、グループホーム・ケアホーム利用者:月額37,200円
利用期限:生涯で2年間まで
2年間で就職できなかった場合、自治体に申請すれば最長1年間の利用期間延長が認められることもあります。この2年間には就職後の定着支援は含まれません。
就労継続支援A型事業とは
就労継続支援A型事業とは、一般の企業への就職が難しい障がい者、またはそれに相当すると認められた人や難病を持つ人が、一定の支援を受けながら働くことができる事業所を指します。これにより、リハビリや訓練を兼ねて働くことが可能です。
平均賃金
最低賃金以上の給与が得られ、その平均賃金は約70,000円です。A型事業所で働くことは、リハビリや訓練の一環としても機能します。
利用料金
就労継続支援A型事業所では雇用契約を結び、一般的な就労形態に近い形で働けますが、収入によっては利用料金が発生することもあります。自己負担額は原則一割で、具体的には以下の通りです。
市町村民税所得割が16万円以下の障がい者:9,300円
それより収入が多い世帯の障がい者や20歳以上の入所施設利用者、グループホーム・ケアホーム利用者:37,200円
ただし、生活保護受給世帯や市町村民税が非課税の世帯の障がい者は無料で支援サービスを受けられます。
対象者
就労継続支援A型事業の対象者は、精神障がい、身体障がい、知的障がい、発達障がい、難病を持つ18歳以上65歳未満の方で、主治医の了解が必要です。また、必ずしも障がい者手帳を持っている必要はなく、医師が利用の必要性を認めれば支援サービスを受けることができます。対象者の具体的な条件は以下の通りです。
就労経験はあるが現在は就労していない
就労移行支援事業所を利用したが一般企業に就職できなかった
特別支援学校を卒業後、就職活動を行ったが就職できなかった
障がいや難病の方が利用する場合、医師の判断に加え、仕事内容に見合った最低限の能力や体力が必要です。
就労日数・時間
就労継続支援A型事業所での勤務時間や曜日、日数は作業内容によって異なります。一般的には1日に4時間から8時間の勤務が行われ、週3日以上の就労が求められます。
作業内容
就労継続支援A型事業所の作業内容は多岐にわたります。例えば、以下のような職種があります。
飲食店での製造や提供
販売店での接客、販売、品出し
パソコンによるデータ入力
商品の袋詰めなどの軽作業
工場での部品加工
多様な職種があることで、多くの就労機会が確保されています。
利用方法
就労継続支援A型事業所を利用するには、まず主治医と相談し、許可を得る必要があります。その後、希望する求人を探し応募します。面接を受けた後、採用が内定したら市区町村の窓口で就労継続支援A型事業所の利用申請を行い、受給者証の発行を受けます。その後、事業所と雇用契約を結び、通所が開始されます。就労継続支援A型事業所には利用期間の制限がなく、長期間にわたる利用が可能です。
就労継続支援B型事業とは
就労継続支援B型事業とは、一般の企業や就労継続支援A型事業所での就職が難しい障がい者、またはそれに相当する難病を持つ人が利用できる支援サービスです。以下では、対象者や利用方法などについて詳しく説明します。
対象者
就労継続支援B型事業の対象者は、以下の条件を満たす人です。
一般企業や就労継続支援A型事業所での就労経験があるが、年齢や体力面で就労が困難になった人
障がい基礎年金1級を受給している人
就労移行支援事業所などによる評価で、就労面の課題が把握されている人
これらの条件を満たしていれば、障がい者手帳がなくても医師の診断で利用が可能です。
利用料
就労継続支援B型事業所の利用料は、就労継続支援A型事業所と同額です。自己負担額は原則一割で、具体的には以下の通りです。
市町村民税所得割が16万円以下の障がい者:9,300円
それより収入が多い世帯の障がい者や20歳以上の入所施設利用者、グループホーム・ケアホーム利用者:37,200円
ただし、生活保護受給世帯や市町村民税が非課税の世帯の障がい者は無料で支援サービスを受けられます。
労働条件
就労継続支援B型事業所では雇用契約を結ばないため、自分のペースで働くことが可能です。例えば、一日一時間だけ、または週に一日だけといった柔軟な働き方ができます。これにより、A型事業所での就労が困難な方でも働くことができます。
平均賃金
就労継続支援B型事業所で得られる工賃は、最低賃金が保証されるA型事業所とは異なり、一日いくらと決まっている事業所や、作業の成果に応じて工賃が支払われる事業所などさまざまです。平均工賃が3,000円を上回ることが事業所指定の要件となっています。事業者は平均工賃の目標水準を設定し、実績と併せて都道府県知事に報告し、公表する義務があります。
作業内容
B型事業所の作業内容は、A型事業所と比較すると軽度な作業が多いです。具体的には、以下のような作業があります。
ボールペン等の組み立て
商品の袋詰め・値付け
農作業
サービス利用方法
就労継続支援B型事業所の利用方法は以下の通りです。
主治医に相談し、許可を得る
希望の事業所を探し、相談
市区町村の窓口に利用申請を行い、受給者証を発行してもらう
事業所で正式な手続きを行い、利用開始
利用期間
就労継続支援B型事業所の利用期間には制限がなく、長期間にわたって利用可能です。
まとめ
ここまで就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型の違いについて解説してきました。障がい者総合支援法によって定められたこれら3つの支援サービスの内容と、その違いについてお判りいただけたと思います。これらの違いをよく把握し、自分に必要な支援を行ってくれる事業所を選んで支援サービスを受けるようにしましょう。
参考
障がい者就労継続支援とは?支援サービスの種類や内容について解説
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ASD(自閉スペクトラム症)とは?診断や特徴、子どもへの対応について
ASD(自閉スペクトラム症)は、「コミュニケーションがうまく取れない」「人との関わりが苦手」「こだわりが強い」といった特性を持つ障がいです。この障がいには、かつて「自閉症」「アスペルガー症候群」「高機能自閉症」と呼ばれていた子どもたちも含まれます。
「子どもの発達に不安を感じる」「自閉症かもしれない」と思っているご家庭に向けて、ASD(自閉スペクトラム症)の診断基準や特徴を解説します。特に幼児期から小学校入学前の子どもにはどのような行動や困りごとがあるのか、またその対応方法についても詳しく説明します。
ASD(自閉スペクトラム症)とは
ASD(自閉スペクトラム症)は、「対人関係や社会的なやりとりの障がい」と「こだわり行動」という2つの基本特性を持つ発達障がいです。ASDとは、自閉スペクトラム症の英語表記である「Autism Spectrum Disorder」の頭文字を取ったものです。ASD(自閉スペクトラム症)の基本特性について解説します。
対人関係や社会的なやりとりの障がい
ASDの最初の基本特性は、「対人関係や社会的なやりとりの障がい」です。ASDを持つ人は、人との関わりが苦手で、社会的な場面での挑戦が継続します。彼らはしばしば場の空気を読み取ったり、比喩や皮肉を理解したり、相手の気持ちや暗黙のルールを理解することに難しさを感じます。また、言われたことを直接的に受け取る傾向があります。
こだわり行動
ASDのもう一つの基本特性は、「こだわり行動」です。ASDの人々は、物の配置や順序、自分のやり方に対する強い固執、あるいは特定の興味や関心の極端な偏りを示すことがあります。これらのこだわりは個々に異なり、その程度や種類も人それぞれです。
その他の特性として、手先の不器用さや感覚刺激への過敏や鈍さが見られることもあります。ASDは個々の人によって表れ方が異なるため、それぞれの特性や困りごとに合わせた支援や理解が重要です。
ASD(自閉スペクトラム症)の原因
ASDは、脳の障がいに起因するとされています。生まれつきの脳の機能に何らかの不具合があるために発生すると考えられており、親のしつけや育て方、本人の性格とは無関係であることが確認されています。
この脳の機能の不具合による障がいは完全に治ることはありませんが、対人関係や社会性の困難に対する配慮と、本人の特性に適した環境調整、そして療育・教育の提供によって、症状の改善や発達の促進が期待されます。特定の支援や理解が提供されることで、ASDの人々が可能な限り自立し、満足できる生活を送ることが目指されています。
『DSM-5』より「自閉スペクトラム症」に統合
『DSM-5』において、2013年以降、「自閉スペクトラム症」が診断名として採用されるようになりました。これにより、それまでの「自閉症」「アスペルガー症候群」「広汎性発達障がい」などの診断名が統合され、境界なく連続したスペクトラムとして捉えられるようになりました。2022年に発刊された『DSM-5-TR』(日本語版は2023年)でも、「自閉スペクトラム症」が引き続き診断名として使用されています。
ASD(自閉スペクトラム症)の診断について
ASDの特性は、生後2年目(12ヶ月〜24ヶ月)に見られることが多く、早ければ1歳半検診の時点で気づかれることもあります。しかしながら、ASDの特性が見られるからといって、それを確定的な診断とすることはできません。診断は医療機関でしか行うことができません。
ASDの診断は専門の医師や専門チームによって行われます。全ての病院がASDの診断を行うわけではなく、大学病院や総合病院、または専門的な診療を行う小児科、児童精神科、小児神経科、発達外来などが診断を行うことが多いです。
ASDの診断には、観察と評価尺度の使用、発達や行動の詳細な評価、家族や保護者からの情報収集などが含まれます。診断プロセスは個々の特性や発達の進行によって異なりますが、適切な支援や介入を提供するために重要です。
ASDの特性を持つ可能性がある場合は、専門医の診断と適切なサポートを受けることが早期介入の鍵となります。
ASD(自閉スペクトラム症)の診断基準
ASDの診断基準は、アメリカ精神医学会が発行している「DSM-5」(精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版)に記されています。以下は主な診断基準です。
特性による困りごとの存在: ASDの特性である「対人関係や社会的なやりとりの障がい」「こだわり行動」などによる問題が、複数の状況(学校や家庭など)で起きていることが求められます。
影響の大きさ: これらの特性が日常生活や社会生活において重大な影響を与えていることが必要です。例えば、学業の遅れ、社会的孤立、日常生活のルーチンの困難などが考慮されます。
継続性: これらの特性が少なくとも6か月以上継続していることが診断の基準として記されています。一時的な問題や一過性の行動パターンでは診断されません。
ASDの診断は、これらの基準をもとに専門の医師や専門チームが行います。具体的な診断プロセスには、問診、行動観察、心理検査や知能検査などが含まれ、診断が確定するまで数日にわたって評価が行われることが一般的です。
ASDの早期発見と診断は、早期介入や適切な支援を提供するために非常に重要です。診断が確定した場合、個別に合わせた教育的・行動的支援を通じて、ASDを持つ人々が可能な限り満足できる生活を送ることを支援することが目的とされています。
ASD(自閉スペクトラム症)の診断方法
診断方法の手順
問診: 初めに医師は保護者や家族から、子どもの日常生活や行動、発達の経過に関する詳細な情報を収集します。母子手帳、保育園や幼稚園の連絡帳、学校の通知表など、様々な記録やメモを持参することが推奨されます。これにより、日常生活での困りごとや特異な行動の発現を把握します。
行動観察: 医師や専門家が実際に子どもと接し、日常の活動や遊びの中での行動を観察します。ASDの特性である社会的な相互作用の困難さやこだわり行動の表れなどを直接確認することが目的です。
心理検査や知能検査: 次に、さまざまな心理検査や知能検査が行われます。これには、知能を測るための検査(例: WISC-IV 知能検査)、発達水準や認知機能を評価する検査などが含まれます。これらのテストは年齢や発達段階に応じて選択され、専門的な判断基準に基づいて行われます。
生理学的検査: 必要に応じて、生理学的な検査も実施される場合があります。例えば、脳波検査や遺伝子検査がその例です。これらの検査は、ASDの診断を補完し、他の医学的な要因を排除するのに役立ちます。
総合的な判断: 上記の検査結果をもとに、専門家チームが総合的な判断を下します。ASDの診断が確定するには、診断基準を満たしていることが必要です。一度の受診だけで診断が下ることは稀であり、通常は数日にわたる評価と検査が必要です。
ASD(自閉スペクトラム症)の治療方法
ASD(自閉スペクトラム症)の治療方法
ASDは、生まれつき脳の機能に何らかの不具合がある障がいです。そのため、完全に治るということはなく、子どもの特性に合わせた「環境調整」や「療育」といった方法により、困り事を軽減していくことを目指します。
環境調整
環境調整とは、ASDの子どもの特性に合わせて環境を調整し、困り事が起きないようにすることをいいます。
例えば急な変化に対応するのが難しくパニックになってしまうことのある子どもには、一日の予定を時計のイラストなどを用いて視覚的にわかりやすく伝える、ということがあります。
また、その場に合わせた振る舞いが苦手な子どもには、仕切りなどを使って場所を明確に区別する方法もあります。子ども部屋の中に段ボールなどで、「遊ぶ場所」「勉強場所」「おもちゃを片付ける場所」と明確に分けることで、子ども安心してそれぞれの作業を行うことができるようになります。
療育
療育とは、ASDなど障がいのある子ども一人ひとりの障がい特性や発達の段階に合わせて、対人関係や学習のサポートを行い、困り事の解消やスムーズな社会参加を促していきます。
療育を受けることができる場所としては「児童発達支援センター」や「児童発達支援事業所」などがあります。こちらは未就学の子どもが対象となっており、小学生~18歳までの子どもは「放課後等デイサービス」が対象となります。
ASD(自閉スペクトラム症)の子どもの特徴
子どものASDのサインや特徴的な行動について、特に発達特性が表れやすいと言われている1歳、2歳、3歳、就学前と年齢別に解説します。ただしそれぞれの年齢段階での行動特徴には個人差もあります。
ASD(自閉スペクトラム症)の子どもの年齢別行動特徴
生後~1歳の例
抱っこをいやがる
あまり泣かない・あやしても笑わない
ミルクを飲まない・偏食ぎみ
寝つきが悪い・すぐ目を覚ます など
2歳~3歳の例
発語や言葉が遅い
名前を呼んでも反応しない
人と視線をあわせようとしない
ひとり遊びを好む
一緒に見てほしいものを指し示すことが難しい
触られることを嫌がる など
小学校入学前(4~6歳)の例
特定の順番で活動することや道順やものの位置などにこだわる
集団行動をするのが苦手
同年齢の友達とうまく遊ぶことができない(自分勝手な行動をとったり、状況を読むことができないなど)
同じ遊びを繰り返す
ごっこ遊びが苦手 など
ASD(自閉スペクトラム症)の子どもへの対応方法
ASDの子どもはどんな困りごとが起こりやすいのか、その対応方法とあわせて解説します。
言葉での説明が伝わりづらい
ASDの子どもの中には抽象的な言葉や言い回しの理解が難しく、注意の切り替えができなかったり、複数のことを同時にすることが苦手な子どももいます。例えば「手を洗ってから、おやつを食べる」といった、2つのことを一度に伝えようとすると、言葉を聞き逃してしまいます。
対応方法
短い文章で、1つずつ伝える
注意をひいてから伝える
具体的な言葉で伝える
視覚的に伝える など
時間を守ることが苦手
ASDの子どもは時間など目に見えない概念を理解することが不得意な傾向があります。そのため予定がいつ始まって、いつ終わるのかが分からないことで不安を感じることがあります。
対応方法
いつ、なにをするか作業の見通しを伝える
時計のイラストつきの予定表・タイマーなど、視覚的に伝える など
相手の気持ちや表情・身振り手振りが分からない
ASDの子どもは表情や身振り手振り、視線などから、相手の状況を読むことや気持ちを理解することが苦手な場合が多いです。結果的に友だちを意図せず傷つけたり、集団行動を乱してしまうことがあります。
対応方法
表情だけではなく、言葉や動作なども交えて伝える
あれ・それなど、代名詞は避ける
ルールや指示は分かりやすく伝える など
光や音、温度、匂いなどに過敏に反応する(感覚過敏)
ASDの中でも感覚過敏のある子どもは、音や温度、匂い、光など、感覚刺激に敏感に反応します。過敏な感覚がパニックやかんしゃくを引き起こす原因になることもあります。いっぽう、痛みなどには鈍感な子どももいます。
対応方法
装飾のない静かな環境を用意する
音や光など、感覚刺激の原因になるものを少なくする
騒がしい場所ではイヤマフや耳栓、フードをかぶる など
ここまでASDの子どもの困り事の傾向や対応方法を紹介してきました。そのほかにも、ASDの子どもは、さまざまな場面で困り事を抱えて不安を感じやすく、自己肯定感が育まれにくいといえます。
「1つのことに集中して取り組むことができる」「行動力がある」など、ASDの特性を子どもの個性ととらえることや、親や周囲の人が特性を理解し、ほめる機会を増やし、自信を感じやすい接し方をすることで達成感や安心感を得ることができます。
まとめ
子どものASDは、コミュニケーションの困難さや社会的な関わりの苦手さ、こだわりの強さなどの特性が見られます。しかし、ASDは明確な境界線がなく、診断が容易ではありません。
ASDが疑われた場合、早期に適切な支援やサポートを受けることが重要です。診断は専門医のチームによって行われ、問診や行動観察、心理検査など多岐にわたる検査を通じて行われます。
発達障がい、特にASDは、親のしつけや子育てによるものではなく、生まれつきの脳の特性に起因するものです。親や家族は自責の念にかられることなく、子どもの個々の特性を理解し、適切な環境を整えることが大切です。
周囲の支援や理解を得ながら、子どもの強みを見つけ、肯定的に支援していくことが、ASDを持つ子どもの成長と発達を促すための鍵となります。
参考
ASD(自閉スペクトラム症)とは?診断や特徴、子どもへの対応について|リタリコ
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子どもの学習障がい(LD)とは?特徴や教科ごとの勉強方法を紹介
学習障がい(LD)の子どもには、どのような特徴があるのでしょうか。学校生活が進む中で、授業やテストが本格化すると、「国語は得意だけれど算数がとても苦手」「文字は書けるけれど作文がどうしても書けない」など、知的な遅れは見られないものの、読み書きや計算など特定の分野で著しく遅れが見られることがあります。これらは学習障がいの可能性があります。
学習障がいを持つ子どもたちには、個別に対応した勉強法が必要です。例えば、視覚や聴覚を活用した教材を使ったり、短い時間で集中して学習する方法を取り入れることが効果的です。また、教師や保護者のサポートも欠かせません。子どもたちが自分のペースで学び、成功体験を積むことができるような環境を整えることが大切です。
学習障がい(LD)とは
学習障がい(LD)とは、知的発達の遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のうち、1つ以上の習得・活用に困難を示す発達障がいのことで、LD(Learning ・Disorder)と略されることもあります。
医学的な学習障がい(限局性学習症/限局性学習障がい)の診断基準と教育的な学習障がいの定義は異なりますが、ここでは文部科学省の定義に沿って解説します。学習障がいの種類は主に3つに分類されます。
ディスレクシア(読字障がい)
ディスレクシアとは、「字を読むことに困難がある障がい」の通称です。具体的な特性には以下のものがあります。
文字の読み方・形を認識するのが難しい:文字や単語を正しく読み取ることが困難で、読書に時間がかかります。
文章の理解が難しい:読んだ内容を理解し、意味を把握するのに苦労します。
ディスグラフィア(書字表出障がい)
ディスグラフィアとは、「字を書くことに困難がある障がい」の通称です。具体的な特性には以下のものがあります。
文字の形を認識しづらい:正しい形で文字を書くことが難しく、誤字が多くなります。
視覚情報の処理が難しい:視覚から得る情報をうまく処理できず、書く内容の構成に困難を感じます。
ディスカリキュリア(算数障がい)
ディスカリキュリアとは、「算数・計算、その場にないものを推論することが困難な障がい」の通称です。具体的な特性には以下のものがあります。
数を概念として捉えるのが苦手:順番に数えることはできても、数の概念や数量の理解が難しいです。
計算や数の操作が苦手:基本的な算数の計算が苦手で、数の関係やパターンを理解するのに困難を感じます。
学習障がい(LD)の原因
学習障がい(LD)の原因は分かっていません。目や耳、皮膚などさまざまな感覚器官を通して入る情報を受容し、整理し、関係づけ、表すという脳機能になんらかの機能障がいがあると考えられています。
学習障がいは生まれ育った家庭や環境、つまり、家庭でのしつけや育て方が原因ではありません。学習障がいのある子どもの特性や支援は一人ひとり異なります。環境を整え、学習方法を工夫することで困難を軽減することができます。
学習障がい(LD)の診断
学習障がい(LD)は、子どもが小学校に入学し、本格的に学習を始めることで判明することが多いです。保育園や幼稚園のころは、文字を書いても鏡文字になることが珍しくなく、計算や漢字もまだ習わないため、学習障がいの兆候があっても気づく機会が少ないのが一般的です。小学校に通うようになってから、以下のような特定の学習に困難を感じる場合は、発達障がいの診断ができる医療機関を受診することを検討すると良いでしょう。
似た文字をいつも間違える
数は数えられても計算ができない
受診の手順
相談窓口
どの医療機関を受診すれば良いかわからない場合は、かかりつけの小児科、発達障がい者支援センター、または自治体の障がい福祉窓口に相談します。発達障がいの診断は予約や紹介状が必要なことがあるため、早めの相談が重要です。
問診
受診後、最初に問診が行われます。どんな学習が苦手なのか、それまでの成育歴や既往症などを詳しく聞かれます。
心理検査
知能検査や発達検査などの心理検査が行われます。必要に応じて、脳波検査などで脳の疾患についても確認することがあります。
検査の進行
検査は一日で終わることはなく、数日に渡って行われることが多いです。
診断結果
すべての検査が終わった後、問診や各種検査の結果をもとに診断が下されます。
診断基準
医療機関で診断を受ける場合、『DSM-5(精神障がいの診断・統計マニュアル第5版)』に基づいて「限局性学習症/限局性学習障がい」という診断名がつくことが多いです。DSM-5は国際的に認知されている診断基準で、学習障がいの特性を詳しく評価するために使用されます。
学習障がい(LD)の子どもの特徴
学習障がい(LD)の「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力の障がいは、単独の場合もあれば、いくつか組み合わされていたり、それぞれ特性傾向の強弱があったりと、タイプは子どもによってさまざまです。
具体的にどのような特徴や困りごとがあるのか、教科やコミュニケーションなど項目別にチェックしてみましょう。
国語についての特徴チェック例
たどり読みになる、逐次(ちくじ)読みになる、行の読み飛ばしがある
読み間違うことが多く、文末などを適当に自分で変えて読んでしまう
読んでも、意味が理解できない
文字を思い出せない、思い出すのに時間がかかる
書き取りや、文章・作文を書くことが苦手
漢字の部首(へんとつくり)を間違う
「わ」と「は」、「お」と「を」のように同じ音(オン)の表記に誤りが多い
文章のルールが分からない(主語が抜ける、「てにをは」の誤りなど)
算数についての特徴チェック例
暗算ができない、計算のときに指を使わないとできない
算数の繰り上がり、繰り下がりが理解できない
九九を暗記しても計算に使えない
文章問題が苦手、分からない
算数の応用問題・証明問題・図形問題が苦手
コミュニケーションについての特徴チェック例
学習障がい(LD)には「聞く・話す」ことに偏りがあったり、苦手だったりします。そのため、コミュニケーションにおける困りごとを抱えている場合もあります。ADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)と重複していることもあります。
一対一だと話がスムーズにできるが、集団の中だと難しい
仲良くしたくても気持ちを言葉で伝えられずグループに入れない
相手の言うことが理解できない、仲間内のルールが理解できない
聞いたことをすぐに忘れてしまう、話す内容を思い出せない
話題が飛ぶことが多い、話したいことだけを話す
反語やシャレが分からない
相手の返事や表情に注意を払わない、その場の雰囲気を読むことが難しい
運動面などでの特徴チェック例
学習障がい(LD)の特性として、運動機能自体の問題はありません。しかし、頭で理解して体を動かすことが苦手な場合があり、運動のほか図画工作や書道なども苦手といった特徴があります。
全身を協調させて運動することや団体競技が苦手
基本的な動作がゆっくりな特性がある
指先が不器用なため、図画工作、書道など実技系の授業が苦手
学習障がい(LD)の子どもの勉強方法の工夫
学習障がい(LD)のある子どもが勉強につまづいていたり、困りごとがあったりする場合は、まずは家庭で、「どんなときに困っているか?」など子どもに直接聞いてみることが大切です。
また、家庭から見た子どもの様子を含めて、何に困っているのか具体的に確認した上で、勉強方法の工夫をすることが必要です。以下、具体例をご紹介します。
ディスレクシア(読字障がい)の工夫例
定規・厚紙シートを利用する
飛ばし読みをしてしまう場合には、定規を当てるとうまく読めるようになることもあります。定規を適当な位置に置くことが難しい場合は、厚紙を工作して一行だけ見える窓つきシート(縦書き用・横書き用など)を当てて読むと効果的です。
まとまりごとに“/”を入れる
一文字ずつたどたどしく読む場合には、教科書の文章を、文節や言葉のまとまりごとにマーカーで“/”を入れると、言葉のまとまりを意識しやすくなります。
絵本を読む
絵本は絵をヒントに内容がイメージしやすく、音読することで、文字と音と意味が合致します。
読みやすい書体にする
タブレットやスマートフォンの表示を、教科書体など、読字しやすいフォントにしておくことで読みやすさを補助します
ディスグラフィア(書字表出障がい)の工夫例
マス目は大きめ・十字の補助線入りのノートを使う
平仮名や漢字を構成する部品・パーツを意識・認識することが苦手な場合には、文字の形を分かりやすくすることが必要です。例えば文字をパーツごとに分けて、なぞり書きするところから始めるのも工夫の一つです。
そのほか1行8~4マスなどマス目が大きく、十字の補助線入りのノートを使うことで、文字を上下、左右のパーツで捉えやすくなるため、文字を書きやすくなることもあります。
漢字の「意味」が分かることを最優先にする
漢字の練習をする場合は、まず漢字を見て意味が分かるようにすることが必要です。次に読めること、そして書けることという順番で、「読み」と「書き」に分けて取り組むと文字を認識したり、書いたりすることのトレーニング効果があります。
ディスカリキュリア(算数障がい)の工夫例
さまざまな物の数を数える
すぐに計算に取り組むのではなく、まずは「家族とお菓子を分ける」「レシートとおつりが合っているか確かめる」など、日頃の生活上で数に結びつくことを身につけると、数字を理解することの第一歩になります。
九九の表を子どもがつくる
九九の暗算では、「聞く力」の弱い子どもには、「しはさんじゅうに(4×8=32)」というような暗記法より、「よんはちさんじゅうに」など通常の数字の読み方で覚えたり、表を自分でつくって書いたりする方法があります。
学習障がい(LD)のある子どもが活用できる教材
学習障がい(LD)のある子どもが勉強する際の教材や学習サポートについては、子どもの特性に合わせてICTを活用するなどの方法があります。以下、教材の活用例をご紹介します。
デジタル教科書を利用する
2020年度からタブレット端末などを利用する「デジタル教科書」の導入が小中高校でスタートしました。読み上げ機能、文字の拡大表示機能、フリガナ機能、ハイライト機能などがあり、子どもの特性に合う機能や設定にすることでより効果的に学習ができるようになります。
タブレット学習
WEBにある学習障がいの小学生向けの無料教材を活用することもできます。そのほか、キーボード入力や手書き入力することで、正しい漢字の書き方を学んだり、ノートをとったり、テストを受けたりすることもできます。
デジタルカメラを活用
板書をノートに書き写すのが苦手な場合、黒板の文字をデジタルカメラやタブレットで撮影し、帰宅後にそれを見ながらゆっくりと書き写すなども工夫の一つです。カメラやタブレットなどを持ち込む場合は、事前に学校の先生と相談しておきましょう。
そろばん・計算機を使う
数を数えるときに指を使う子どもは、自分なりの工夫で指を使っていると考えられます。その場合、例えばそろばんを提案して活用することもできます。そのほか、計算そのものの勉強ではないときに計算機を使うなど、負担を減らすことも工夫の一つとして挙げられます。
学習障がい(LD)のある子どもへの支援方法
前章で解説した「勉強方法の工夫」以外でできる支援(手助け)の方法について解説します。ここでは学習障がい(LD)のある子どもが受けることができる、学校での支援について紹介します。
学校と合理的配慮を相談する
合理的配慮とは「障がいのある子供に対し、その状況に応じて、学校教育を受ける場合に個別に必要とされるもの」とされています。
引用:文部科学省「障がいのある子供の教育支援の手引」20ページ
この場合の「障がい」は診断のあるなし関わらず、学校生活や学習に困難がある状態を指します。学習障がい(LD)の合理的配慮の例としては、プリントに書かれている文字を大きくする、フリガナを振る、音声読み上げソフトを使用するなどがあります。また、テストを別室で受けさせてもらう、テスト時間を伸ばしてもらうなども合理的配慮の例として見られます。
合理的配慮を希望する場合は相談する
先ほど紹介したデジタルカメラやタブレットなどの学習をサポートする電子機器やツールなどの学校での使用許可をもらうことも、合理的配慮といえるでしょう。
他にも、学習障がい(LD)による学習の遅れなどで自尊感情が下がっている場合に、成功体験を増やすような活動を促したり、相談や休憩できる場所を作るなどの取り組みもあります。
合理的配慮は学校と相談しながら進めていきます。子どもにどういった配慮が必要か、学校として実現できるかなどを含めて具体的な取り組みを決めていきます。
合理的配慮を希望する場合は、まずは担任や学年主任、スクールカウンセラーなどに相談するようにしましょう。
通級指導教室に通う
通級指導教室とは、障がいのある子どもに合った授業を受けることができる制度です。普段は通常の学級で授業を受けていますが、通級指導教室の時間だけ別の授業を受けることになります。
学習障がいも通級指導教室の対象となっており、苦手な学習に対して専門的な指導を受けることができます。
通級指導教室はすべての学校に設置されているわけではなく、在籍校にない場合は、通級指導教室の時間だけ他の学校に移動するといったこともあります。
通級指導教室の申請は自治体により異なる場合がありますので、まずは在籍校の担任や学年主任、スクールカウンセラーなどに相談してみるといいでしょう。
まとめ
小学生の学習障がい(LD)は、知的な遅れはないものの、読み書きや計算など特定の学習課題において顕著な遅れが生じることがあります。もし子どもが学習障がいかもしれないと感じた場合、学校のスクールカウンセラーや地域の公的専門機関に相談し、必要に応じて検査や診断を受けることが重要です。
診断が出なくても、相談を通じて子どもの困りごとに合わせた勉強方法や支援策を見つけることができます。保護者と学校、専門機関が連携し、子どもの生活や学びの環境を整えることが、彼らの生きづらさを軽減し、成長を促すために重要です。
参考
子どもの学習障がい(LD)とは?特徴や教科ごとの勉強方法を紹介|リタリコ
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障がい者が障がい者の課題解決を行う新しいコミュニティ凸凹村「村長乙武洋匡の対談部屋」心のバリアフリー パート②公開!
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アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)とは?その特徴と対応方法
以前は、言葉や知的発達に遅れがない場合、「アスペルガー症候群」という名称が用いられていました。しかし、アメリカ精神医学会発刊の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)において、自閉的特徴を持つ疾患が統合され、2022年発刊の『DSM-5-TR』では「自閉スペクトラム症(ASD)」という診断名になりました。本記事では、この新しい診断名を使用しています。
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の特徴
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の特徴には、次のような点が挙げられます。遠回しな表現や比喩を使った表現、表情や仕草から相手の感情を読み取ることに困難さがあるため、自分の話ばかりしてしまったり、相手が傷つく言葉を悪気なく伝えてしまったりすることがあります。また、一度決まったルーティンが崩れたり、新しい環境に適応する必要が生じたりするなど、変化に対する抵抗が強いとも言われています。
知的発達や言語発達の遅れがないため発見が遅れやすい
知的発達や言語発達に遅れがないため、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)は発見が遅れやすいという特徴もあります。幼少期からアイコンタクトの少なさや気持ちの共有がしにくいといったコミュニケーションの取りにくさを感じることはありますが、発達的な課題があることに気づかれにくいのです。
また、表面的な言語的コミュニケーションを取ることができ、学力的にも問題がない場合が多いため、大人になるまで診断がつかないこともあります。
アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)の原因と早期療育
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の原因は明確には分かっていませんが、先天的な遺伝的要因が素因として考えられています。これが胎児期や出生後に脳や心身の発達過程で様々な環境要因と相互に影響し合い、結果として脳機能障がいとして現れると言われています。
近年、発達が気になるお子さまへの早期療育を行う例が増えてきています。早期から介入し療育を行うことで、特性自体を治療することは難しいものの、いじめ、不登校、抑うつなどの二次的な問題を予防することができると言われています。このような早期療育は、特性の理解と適切なサポートを通じて、子どもたちがより良い生活を送るための重要な手段となっています。
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の特徴
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)には、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性があります。
社会的コミュニケーションの困難
ASDの人々は、会話自体は問題なくできるものの、行間を読むことが苦手な傾向があります。そのため、言葉を文字通りに受け取り、人の発言を勘違いしやすく、傷ついてしまうこともあります。具体的な特徴として、曖昧なコミュニケーションが苦手だったり、その場にふさわしい話し方ができない場合があります。また、複数の人がいる場面で誰に対して発言しているのか分からなかったり、相手や環境の変化に気づかないことがあります。
対人関係の困難
場の空気を読むことや相手の気持ちを理解し、それに寄り添った言動が苦手な傾向があります。そのため、場にそぐわない言動をしたり、自己中心的と思われたり、意図せず相手を傷つけてしまうことがあります。このような特性から、対人関係を上手に築くことが難しくなることがあります。
こだわりが強い
一旦興味を持つと過剰なほど熱中し、他のことが目に入らなくなったり、自分の興味のあることをずっと話し続ける傾向があります。また、法則性や規則性のあるものを好み、異常なほどのこだわりを見せることがあります。これらの法則や規則が崩れることを極端に嫌うため、ルールや予定が変更になると混乱することもあります。しかし、この特性は強みとして活かすこともでき、興味のある分野では大量の情報を記憶し、詳細に説明できる人も多くいます。
感覚の偏り
ASDの人々には、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚のどれかが非常に過敏な「感覚過敏」が多く見られます。例えば、服の肌触りや匂いにこだわり、いつも同じ服を着たがったり、ザワザワした職場や教室で過ごすことに苦痛を感じたりする場合があります。また、食事において偏食があり、強い匂いのする食べ物が苦手なこともあります。このように感覚に対する強いこだわりがある場合があります。
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)によく見られる行動リスト
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の特徴として、以下のような行動がよく見られます。
相手の反応や状況を察することが難しい
表情や声のトーンから感情を読み取ることが難しい:相手の気持ちや感情を表情や声のトーンから読み取ることが苦手です。
発言が一方的
交互に話すことができない:会話のキャッチボールが苦手で、自分の関心のある話を一方的にし続けてしまうことがあります。
大人との会話を好む
大人との会話を好む:同年代の子どもよりも、自分に合わせて会話を進めてくれる大人との会話を好む傾向があります。
言葉の裏の意味や曖昧な表現が分からない
皮肉が分からない:例えば、皮肉を言われても理解できないことが多いです。「最近どう?」といった曖昧な質問の意図が分からないこともあります。
特定のものやことがらにこだわる
変化に対する不安や緊張:想像力を巡らせることが苦手なため、ちょっとした変化に不安や緊張を感じ、いつも通りであることにこだわることがあります。
ものの形や図柄が変わらないものを好む
一定のパターンや規則性を好む:駅名や国旗などの変わらないものが好きです。自分なりのルールに従ってミニカーを並べるなどの遊びを好むこともあります。
同じ動作を繰り返す
反復的な動作:体を揺らす、クルクル回るなどの動作を繰り返します。また、ルールに対して非常に厳格で、柔軟に対応するのが難しいです。
これらの行動は、ASDの人々が日常生活で直面する典型的な課題や特性を反映しています。理解とサポートを通じて、彼らがより良い生活を送るための助けとなることが重要です。
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の大人と子どもの症状の違い
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の症状は、大人と子どもで多くの部分が共通しています。症状は子どもの頃から持続し、大人になると社会的な状況や求められるスキルの変化により、その影響が異なる形で現れることがあります。
子どもの症状
コミュニケーションや対人関係の困難:友達がなかなかできなかったり、曖昧な表現や皮肉が理解できず、相手の気持ちを読み取ることが難しいため、いじめの対象になることがあります。
こだわり行動:特定のルーティンや活動に固執し、新しいことや変化に対して強い抵抗を示すことがあります。
支援と環境:学校では授業や宿題などのルーティンが決められており、周囲の大人からのサポートもあるため、彼らの特徴が目立ちにくい場合もあります。
大人の症状
就職活動や仕事での困難:大人になると、上司や部下、同僚とのコミュニケーションが増え、場の空気を読んだり、相手の発言の裏にある意図を理解したりするスキルが求められるようになります。これが苦手なため、職場での対人関係で問題が生じやすくなります。
対人関係の問題:子どもの頃から持っていた対人関係の困難さが、大人になってからの職場や社会生活で顕著に現れ、悩みの原因となることがあります。
診断の遅れ:大人になって初めて対人関係の問題に気づき、医療機関を受診して診断を受けるケースも多く見られます。
子どもと大人の違い
サポートの有無:子どもは学校や家庭でのサポートを受けやすい環境にある一方、大人になるとサポートを受ける機会が減少し、自分自身で対処しなければならない場面が増えます。
求められるスキルの変化:子どもの頃は決まったルーティンの中で生活できることが多いですが、大人になると柔軟な対応や高度なコミュニケーションスキルが求められるようになります。
以上のように、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の症状は大人と子どもで共通する点が多いものの、年齢による社会的な要求や環境の違いにより、その影響が異なる形で現れることが多いです。
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の子どもとの接し方
見てすぐ分かる環境に整える
漠然とした空間や時間の把握が難しいお子さまには、視覚的に理解しやすい環境を整えることが効果的です。イラストや写真を使って手順や1日のスケジュールを明確に示したり、空間を目的に合わせて仕切ったりすることで、何をする場所なのかが分かりやすくなり、行動しやすくなります。
指示は短く具体的に
抽象的な表現ではなく、具体的な言葉で指示を出すことが重要です。「ちゃんと片づけてね」ではなく、「車を箱に入れて」と具体的に伝えると、お子さまが何をすればよいか分かりやすくなります。また、「走らない」ではなく「歩こう」のように、否定形ではなく肯定形で指示を出すと、適切な行動が理解しやすくなります。
注意を引いて、事前に伝える
コミュニケーションを取る際には、お子さまの注意を引くことが重要です。肩を叩く、目を合わせるなどしてから話しかけると、伝えたいことを確実に伝えやすくなります。口頭だけでなく、視覚的なサポートを併用することも有効です。
できる行動に着目し、できない行動は事前・事後の関わりを工夫する
対人コミュニケーションが難しいお子さまには、具体的な行動の手本を示すことが大切です。うまく行動できた時には、すぐにほめるなど、その子にとってうれしいと感じる場面を増やすことで、行動の定着が促されます。現時点でできていることを積極的にほめたり、難しい行動を段階的に促すなどの工夫をして、周りとのスムーズなコミュニケーションをサポートします。
実践例
視覚的な支援:毎日のスケジュールをイラストで示したカレンダーを作る。たとえば、朝のルーティン(顔を洗う、歯を磨く、朝食を食べる)をイラストと一緒にリストにして掲示します。
具体的な指示:片づける時には「おもちゃを棚に置いて」と具体的な動作を示します。行動を促すときには「手を洗おう」と具体的な動作を肯定的に伝えます。
注意を引く方法:話しかける前に肩を軽く叩いて注意を引き、「これから話すよ」と目を合わせて伝えます。視覚的な支援として、重要な指示はイラスト付きのメモに書いて渡すことも有効です。
成功体験の強化:お子さまができた行動について、すぐに「よくできたね」と具体的にほめる。たとえば、「今日、おもちゃをちゃんと片づけられてすごいね」とほめることで、行動が定着しやすくなります。
このような接し方を心がけることで、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)のお子さまが安心して生活できる環境を整え、よりスムーズにコミュニケーションを取れるようサポートすることができます。
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の治療
現在のところ、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の症状を根本的に治療することはできません。しかし、トレーニングによって本人のコミュニケーション能力を高めたり、周囲からのサポートによって困難さを減らすことはできます。子どもの頃に受けるそういったアプローチのことを「療育(発達支援)」と呼んでいます。
「療育(発達支援)」とは言葉や身体機能など発達に遅れの見られる子どもについて、生活への不自由をなくすよう専門的な教育支援プログラムにのっとり、トレーニングをしていくことを言います。また、大人になってからはSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)と呼ばれる対人関係をうまくおこなうための社会生活技能を身につけたり、障がいの特性を自分で理解し自己管理をするためのトレーニングを受けることがあります。
また、対人関係などの悩みにより眠れなくなったり、抑うつ的になったりした際には、それらの二次的な症状を緩和させるために薬物療法が用いられることがあります。ただ、薬には副作用やその人ごとに合う合わないがあります。そのため低年齢の子どもの場合はより慎重に進めるべきという専門家もいます。主治医の先生と信頼関係を築き、よく相談した上で服薬していけるとよいでしょう。
まとめ
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)にはさまざまな症状がありますが、その症状には個人差があります。早期にそれらの特性に気づき、一人一人に合った環境をつくること、苦手なことの対応方法を工夫して、特性を強みとしながら、その人らしい生き方を考えていきましょう。理解とサポートを通じて、ASDの方々がより良い生活を送れるよう、共に歩んでいくことが大切です。
参考
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)とは?|LITALICOジュニア
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睡眠改善のプロフェッショナル 小西悟氏にインタビュー!睡眠改善メソッドを通じた健康と幸せのサポート
この度は、睡眠改善サロン ボンヌール 小西悟様にインタビューをさせていただきました!小西様は、これまでのキャリアで多岐にわたる職種を経験し、特に睡眠不足やストレスが原因で何度も病気と戦ってこられました。
そんな中、睡眠改善メソッドとの出会いをきっかけに体調を回復し、現在は睡眠改善を通じて皆さまの健康と幸せをサポートする活動に力を注いでいらっしゃいます。本稿では、小西様がこの活動を始められたきっかけや思い、今後の展望、そして皆さまにお伝えしたいことについて詳しくお話しいたします。
ぜひ、最後までお読みいただき、小西様の情熱と取り組みをご理解いただければ幸いです。
睡眠不足やストレスにより「うつ病」を5回も発症
私は1983年にある企業に入社し、研究、営業、総務など、37年間にわたり様々な職種を経験しました。この間、睡眠不足やストレスにより「うつ病」を5回も発症し、そのたびに休職を余儀なくされました。
4回目の発症時には「双極性障がい(躁うつ病)」と診断され、最後の5回目は嘱託契約中に発症し、契約期間内に復職できず、結局は不本意ながら退職することになりました。
その後も長らく体調が回復せず、苦しい日々を送っていました。そんな時、睡眠改善メソッドという最高最強の睡眠改善・体調改善方法を知り、実践することにしました。その結果、体調が改善し元気に活動できているため、本当に睡眠改善メソッドに出会えて良かったと思っています。
第二の人生のミッション
また、私の息子は重度の自閉症であり、幼少期から特別支援学校にお世話になりました。いろいろありましたが、家族みんなで支え合いながら彼を育ててきました。この経験から、うつ病を患いながら復職を目指す方やそのご家族、さらには精神的に辛い状況にある方や障がいをお持ちの方々とそのご家族に寄り添い、支援していくことを私の第二の人生のミッションとして掲げています。
ですので、睡眠に関するお悩みや相談はもちろんのこと、その他にも何かお困りのことがあれば、遠慮なくご連絡ください。いつでもお話をお聞きします。また、下記にQRコードを示しますが、公式LINEに登録していただければ、特典情報の提供や情報交換をさせていただきますので、皆様のご登録をお待ちしております。
支援を必要としている方に知って欲しい
現在活動をしていますが、ターゲットとしている方にリーチできていません。睡眠関連のブログから集客をしていましたが、今年に入ってからは人づてを中心に変更して取り組んでいます。SNSだけの場合に比べて集客は多少前進していますが、まだまだ十分ではありません。
多くの方からの相談を募集中
コミュニティで行うフェスやマルシェでの集客も試みていますが、まだまだ不十分です。特に、ミッションに掲げているうつ病や障がいをお持ちの方にリーチできていません。もちろん、こういった障がいをお持ちの方だけが対象ではないですが、集客面でなかなかうまくいっていません。
また、公共の機関(市、区、支所、社会福祉協議会、PTA協議会)、地域コミュニティ等へ活動のチラシを配布し、面談での説明要望等を昨年後半に実施しました。一部の社会福祉協議会関係では、2か所の老人福祉センターでセミナーを実施しましたが、これもまだ十分とは言えません。
コラボレーションなどを行いたい
睡眠に関する正しい知識を広めるために、セミナー活動や個別カウンセリングを中心に進めていきたいと考えています。
また、他分野の方とのコラボレーションで何かできないかとも思っています。もし何か良いアイデアがありましたら、ぜひご教示いただければと思います。また、コラボレーションをしたいというお問い合わせも募集しておりますので、お気軽にご連絡ください。
重要な睡眠を少しでもサポートしたい
障がいをお持ちの方が、よりいきいきとしたときめきのある幸せな生活を送れるようにしたいと考えています。そのために、健康面や精神面で非常に重要な睡眠について、少しでも改善をサポートしていきたいと思います。
無料相談公式LINEから受け付け中
無料相談を公式LINEから受け付けています。また、睡眠に関するセミナーの開催についても随時受け付けています。開催日や内容等はご相談のうえ決定いたします。次のQRコードからご応募ください。
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まとめ
小西悟様の情熱と経験が詰まったインタビューをお読みいただき、誠にありがとうございました。睡眠改善を通じて、皆さまの健康と幸福をサポートするための小西様の取り組みは、多くの方々にとって希望と勇気を与えるものでしょう。
お困りのことや相談がありましたら、ぜひ公式LINEやSNSを通じてご連絡ください。これからも小西様の活動にご注目いただき、一緒により良い生活を目指していきましょう!

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