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自立生活センターとは?支援内容・相談の流れをわかりやすく解説
障がいがあることで「当たり前の生活」が制限される現実は、今なお多く存在します。移動、住まい、仕事、人間関係…。それぞれの場面で「支援が必要なのに、どこに相談すればいいかわからない」という声は少なくありません。
そんなとき、頼りになる存在のひとつが「自立生活センター」です。
この記事では、自立生活センターとは何か、どんな支援を行っているのか、どのように相談すればいいのかをわかりやすく解説します。
1. 自立生活センターとは?その目的と役割
自立生活センターの定義と成り立ち
自立生活センターは、障がいのある当事者が中心となって運営する福祉団体です。その原点は1970年代のアメリカにあり「施設ではなく地域で自分らしく暮らしたい」という当事者たちの声から生まれました。
日本では1986年に初のCILが誕生し、現在では全国各地に100カ所以上のセンターがあります
参考:全国自立生活センター協議会
「支援する人」も「される人」も、障がい当事者
自立生活センターの特徴のひとつは、スタッフの多くが障がい当事者であるということ。これは「自分たちのことは自分たちで決める」という理念に基づいています。
“障がいがあるから助けられる存在”ではなく“経験を活かして助ける側にもなれる”という相互支援の形が、自立生活センターを特別な場にしています。
施設や入所ではなく、「地域で暮らす自由」を支援
自立生活センターは、利用者を特別な「福祉の対象」として扱うのではなく、一人ひとりの「地域での暮らし」を支える伴走者として機能しています。介助の手配、家探し、行政との交渉など、生活のあらゆる面で「その人らしく生きる」ための支援を行っています。
参考動画:自立生活センター十彩
https://youtu.be/8AztVpK3Qxc?si=Z6V8rHieV1CQ__RP
2. 自立生活センターで受けられる主な支援内容
ピア・カウンセリング(当事者同士の相談)
ピア・カウンセリングとは、同じような経験をした障がい当事者同士による相談支援です。「こんなことを話してもわかってもらえない…」と感じやすい障がいの悩みに対して、共通の視点で向き合い、力になってくれます。
精神的な安心感や、自信の回復につながることも多く、「ただ話を聞いてもらえる」ことの大切さを実感できます。
参照:全国自立生活支援センター協議会 ピアカウンセリングとは
介助者の手配・自立生活のサポート
地域で暮らすには、身体介助や外出支援などの人的サポートが必要になることがあります。自立生活センターでは、介助者(ヘルパー)とのマッチングや生活の組み立て方のアドバイスなどを通じて、「住み慣れた地域で自立した生活を送る」支援をしています。
行政サービスの申請のサポートや、ケアマネジャーとの連携も行います。
住宅探し・引っ越し支援
多くの人が悩むのが「障がい者のための住宅探し」。「車いすでは入れない」「保証人がいない」「断られてしまった」などの壁に直面することもあります。
自立生活センターでは、地域の不動産情報をもとに、住宅探しの同行や交渉支援も行っています。自治体の住宅施策や福祉制度も含めてアドバイスを受けることができます。
就労や学校生活、制度利用の相談
「仕事がしたい」「学校に通いたい」「就労移行支援ってどこで受けられるの?」こういったライフプランに関する相談も可能です。
自立生活センターは、制度や支援機関との「つなぎ役」として、多職種と連携しながら個別の相談に対応してくれます。
3. 実際の相談の流れ:利用のステップ
まずは電話やメールで問い合わせ
ほとんどの自立生活センターでは、相談は無料・予約制です。まずは電話やメールで「こういうことで困っている」と伝えましょう。最初の一歩に勇気が必要ですが、スタッフの多くは同じような経験を持っています。構えず、素直な気持ちで連絡してみてください。
面談やヒアリング|悩みをじっくり聴いてもらう
初回相談では、スタッフとの面談が行われます。
どんな支援を希望しているか
日常生活で何が困っているか
自分の希望や夢は何か
こうした話をゆっくり聴きながら本人の気持ちを尊重した支援計画を一緒に考えていきます。
必要に応じて福祉制度の紹介や同行支援
本人の希望に応じて、役所への同行や支援制度の紹介、他の専門機関への橋渡しなどを行います。「何が使えるのかわからない」という方にとって、自立生活センターは“福祉のパイプ役”のような存在になってくれます。
4. 自立生活センターを利用するメリット
「自分の言葉」で話せる安心感
一般の相談機関では「専門用語が多い」「こちらの気持ちが伝わらない」といったもどかしさがあります。しかし自立生活センターでは、当事者の立場に立った支援がベースなので、安心して話すことができます。
制度や支援の“使い方”を教えてくれる
「この制度がある」だけでなく「どう使えば自分の生活がラクになるか」を一緒に考えてくれるのが自立生活センターの強みです。“制度の説明”ではなく、“人生のデザイン”を一緒に考えてくれる場所、それが自立生活センターです。
社会とのつながりができる
自立生活センターでは、サロン・交流イベント・講座なども開催しており、「孤立しがちな生活」に居場所とつながりを生み出してくれます。一人で悩まずに、他者との出会いの中で「こんなふうに生きられるんだ」と感じられるきっかけになるかもしれません。
5. 実際の取り組みと当事者の声
実例:重度障がい者が一人暮らしを実現
ある地方都市の自立生活センターでは、呼吸器を使用している方が自宅での一人暮らしを実現しました。自立生活センターが介助体制の構築、福祉制度との調整、行政交渉を支援し、地域での生活が現実のものとなった事例です。
利用者の声「初めて“わかってもらえた”と感じた」
「役所では“できません”と言われたけれど、自立生活センターでは“どうすればできるか”を一緒に考えてくれた」(30代、男性)
「同じ障がいがある人と話して、自分の感じていることはおかしくないと思えた」(20代、女性)
といった声が多く寄せられています。
6. どこにある?どう探す?
自立生活センター協議会の一覧
全国の自立生活センターは、公式サイトから調べることができ、地域別の一覧と連絡先が掲載されています。
▶ 全国の自立生活センター一覧(全国自立生活センター協議会)
市町村の障がい福祉課・相談支援事業所に尋ねてもOK
地域によっては、行政や相談支援事業所から自立生活センターを紹介してもらえることもあります。怖がらず「自立生活センターって近くにありますか?」と聞いてみましょう。
7. どんな人が利用できる?費用は?よくある疑問
どんな障がいの人でも対象?
身体障がい、知的障がい、精神障がい、難病など、障がいの種類を問わず相談可能です。ただし、センターごとに専門領域に差があるため、事前に内容を確認しましょう。
利用料金はかかる?
相談自体は基本無料のところが多いです。
同行支援や出張には費用がかかる場合もありますが、その都度説明があります。
家族や支援者も相談できる?
はい。
本人が動けない場合でも、家族や支援者が代理で相談することができます。
まとめ:「一人で頑張らなくていい」を伝える場として
「誰にも頼れない」「どこに相談してもダメだった」
そんな経験をしたことがある方こそ、自立生活センターに一度話してみてほしいと思います。
支援とは、「手を出すこと」ではなく「手を離さずに見守ること」。自立生活センターは、その想いを形にしている場所です。

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- 生活
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【保存版】片麻痺・しびれで眠れない夜に|身体障がいと快適な眠りのための対策ガイド
身体障がい、特に麻痺を伴う方にとって、夜の「眠れなさ」は非常につらい問題です。しびれや痛み、体位交換の困難、寝具との相性など、眠るために乗り越えなければならない障壁は想像以上に多く存在します。
本記事では「麻痺によるしびれや痛みで眠れない」という悩みに焦点を当て、原因から具体的な快眠対策、福祉用具やサポート情報までを幅広く紹介します。眠りの質を少しでも改善し、毎日の生活に少しでも楽さを取り戻すヒントとなることを願って。
1. 麻痺と睡眠の関係|なぜ眠りにくいのか
麻痺のしびれ・疼痛が眠りを妨げる
麻痺のある方にとって、「しびれ=感覚が鈍い」と思われがちですが、実際にはジリジリ・ビリビリとした不快な感覚や痛みが続き、それが睡眠を大きく妨げる要因となります。これは「中枢性疼痛(ちゅうすうせいとうつう)」と呼ばれ、脳卒中や脊髄損傷の後遺症でよく見られます。
寝ようとするとかえって痛みやしびれに意識が集中し、リラックスが難しくなる。そんな悪循環を、多くの方が経験しています。
体位の自由がきかず、寝返りが難しい
健常な体であれば、無意識に寝返りを打つことで血流や筋肉の緊張を調整しながら眠れます。しかし麻痺があると、麻痺側に負荷をかけることが難しく、同じ姿勢が続いてしまうことが多くなります。
その結果、圧迫感や不快感が強まり、途中で目が覚めたり、浅い眠りしか取れなかったりします。
精神的ストレスや不安も睡眠を悪化させる
「また今夜も眠れないのでは」「横になるのが怖い」といった不安やストレスも、睡眠を妨げる大きな要因です。
こうした不安は脳の覚醒を高め、自律神経のバランスを崩しやすくなり、眠りが浅くなるという悪循環を招きます。
2. 医学的に見た「片麻痺としびれ」の仕組み
中枢性疼痛と末梢性疼痛の違い
しびれや痛みには大きく分けて「中枢性」と「末梢性」の2種類があります。
中枢性疼痛:脳や脊髄に損傷がある場合。感覚が異常に増幅される。
末梢性疼痛:神経が圧迫・損傷されて起こる。ピリピリ、チクチクすることが多い。
片麻痺では、脳卒中などによる中枢性の感覚障害が多く見られ、治療が難しいこともしばしば。しびれがあるからといって「感覚が残っている証拠」と誤解されることもありますが、しびれや痛みは“回復とは関係ない苦痛”であることが多いのです。
参照:桑名眼科脳神経クリニック 中枢性神経障害性疼痛
自律神経と痛みの関係
痛みや不快感が続くと、自律神経が乱れがちになります。特に交感神経が優位になると、身体が「戦闘モード」になってしまい、睡眠に適した状態を作れません。
しびれを「気にしないようにする」だけでは解決しにくい理由はここにあります。
専門医に相談すべきタイミング
しびれや痛みが強くなってきたり、眠れない状態が続いて生活に支障をきたしている場合は、ペインクリニックやリハビリ科の専門医に相談することが大切です。薬物療法・神経ブロック・運動療法など、多角的なアプローチが可能なこともあります。
参照:ペインクリニックとは
3. 快眠を支える工夫と対策
寝具を見直す
マットレス・まくらの選び方
片麻痺がある場合、体圧分散型のマットレスが有効です。麻痺側への圧迫を減らし、寝返りをしやすくする構造になっているものを選ぶと、負担を大幅に減らすことができます。
まくらも、首と肩のラインに合った高さや硬さが重要。麻痺側を下にして寝ることが多い方は、左右で高さや硬さが違う「左右非対称の枕」も試してみる価値があります。
参照:THE PILLOW(左右非対称の枕)
姿勢サポート用のクッションや抱きまくら
横向きにしか寝られない、仰向けが苦しいという場合、身体の傾きを安定させるサポートクッションがあると非常に便利です。特に「抱きまくら」や「膝下に入れるクッション」などは、筋緊張を緩和しリラックスに役立ちます。
「体が沈みすぎない」「自然に支えてくれる」タイプを選びましょう。
しびれを緩和する温熱・冷却ケア
寝る前に温熱パッドや湯たんぽで麻痺側を温めることで、しびれが和らぐ場合があります。逆に、炎症や浮腫がある場合はアイスパックで冷やす方が楽になることも。
どちらが合うかは個人差があるため、症状や体調に応じて試してみるのがよいでしょう。
4. 日常生活からできる快眠習慣づくり
寝る前のリラックスルーティンを整える
眠る前にスマホやテレビを見ると脳が興奮し、眠りが遠ざかります。その代わりに、以下のような「寝る前習慣」を取り入れてみましょう!
ゆっくりとしたストレッチ(可能な範囲で)
湯船につかって体を温める
好きな音楽やアロマでリラックスする
こうした習慣が「眠るスイッチ」を自然と入れてくれます。
▽オススメの寝る前ストレッチはこちら
https://www.youtube.com/watch?v=prEz_P2Ytms
https://www.youtube.com/watch?v=t-E3Eg4E92o
カフェイン・アルコールの摂取を控える
意外と見落とされがちなのが、「飲み物の影響」。カフェイン(コーヒー、緑茶、エナジードリンク)は覚醒作用があり、しびれを強く感じさせることもあります。またアルコールも、眠りが浅くなり途中で何度も目が覚めてしまいます。
就寝前はカフェインレスのハーブティーや白湯などがオススメです。
参照:NELL(ネル)マットレス ハーブティーは安眠に効果あり?おすすめの飲み方や注意点を解説
日中の過ごし方が夜の眠りを左右する
昼間に体を動かさずずっと座っていると、夜の眠気がうまく訪れません。片麻痺があっても、少しのストレッチや軽い活動を心がけることで、体内時計が整いやすくなります。また、朝起きたら太陽の光を浴びることで、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が安定します。
参照:無呼吸ラボ 乱れがちな体内時計のリズムを保つ鍵は太陽の光にあり
5. 薬や治療に頼ることも選択肢に
神経痛や不眠に効果のある薬の活用
どうしても眠れない日が続く場合、医師の処方による神経痛緩和薬(プレガバリンなど)や睡眠導入剤の活用も視野に入れましょう。自己判断で市販薬を使い続けるのではなく、症状に合った薬を短期的に使うことで心身を整えることも大切です。
漢方やサプリメントも検討
西洋薬が合わない方には、漢方薬やハーブ由来のサプリなども選択肢になります。たとえば「芍薬甘草湯」や「加味逍遙散」は、筋緊張や自律神経の乱れに効果があるとされます。
ただし、体質によって効き方が異なるため、薬剤師や医師に相談のうえで取り入れるのが安心です。
通院だけでなく訪問診療や在宅リハも視野に
通院が難しい方は、訪問リハビリや在宅診療の仕組みもあります。理学療法士や作業療法士に来てもらって、寝具の見直しやストレッチのアドバイスを受けることで、快眠への近道となることもあります。
おわりに:「眠れる自分」を少しずつ取り戻すために
「しびれが強くて、今夜も眠れないかもしれない」そんな不安な夜を何度も経験している方にとって、眠りの質が生活のすべてを左右すると言っても過言ではありません。
完璧な解決策は見つからなくても、「少しでも楽になる方法を重ねていく」ことが未来の自分を支える力になります。無理をせず、自分にやさしく、今日できることをひとつずつ。

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【完全ガイド】身体障がいとバリアフリーな職場環境|働きやすさを実現するためにできること
はじめに:“働けるけど働きにくい”現実と向き合う
身体障がいのある人が「働ける能力」を持っていても、「働きやすい環境」が整っていなければ、その力は十分に発揮されません。
近年、障がい者雇用率制度の影響もあり、身体障がいのある人が職場で働く機会は増えつつあります。しかし実際には、移動・設備・コミュニケーションなど、多くの「バリア=障壁」が存在し、就労継続に苦労するケースも少なくありません。
この記事では、身体障がいを持つ方が働きやすい「バリアフリーな職場づくり」について、多角的に紹介していきます。ご本人だけでなく、企業や人事担当者の方、同僚や支援者の方にも役立つ内容を意識しています。
1. 身体障がいのある人にとっての“バリア”とは何か
「物理的バリア」はまだまだ多い
身体障がいのある人にとって、最もわかりやすいのが「物理的なバリア」です。たとえば、車いす利用者にとっては段差や狭い廊下、手の届かないスイッチなど。義足を使用している人にとっても、滑りやすい床材や長い移動距離は負担になります。
一見、何も問題がないように見える建物でも、「バリアフリー設計」がなされていなければ、日常的な困難に直面します。
情報やコミュニケーションの壁も
「バリアフリー」というと建物や設備の改善を思い浮かべがちですが、それだけではありません。
たとえば聴覚障がいを持つ方にとっては、口頭での指示や電話対応が大きな負担になることがあります。視覚障がいを伴う場合、文書の読み上げやデジタルデバイスのアクセシビリティも重要です。
職場における「情報のバリアフリー」もまた、非常に大切なポイントなのです。
心の壁、意識の壁が一番高いことも
物理的・情報的なバリアと同時に、見落とされがちなのが「意識のバリア」です。「配慮しすぎて何も頼めない」「できないと思ってしまう」「腫れ物に触るような対応をされる」など、無意識の偏見や遠慮が、職場における分断や孤立を生み出してしまうこともあります。
2. バリアフリーな職場を実現するための基本視点
ユニバーサルデザインの考え方を取り入れる
ユニバーサルデザインとは、「すべての人にとって使いやすい設計思想」のこと。障がいの有無に関係なく使える仕組みを最初から導入しておくことで、後から特別な配慮を必要とせず、自然と多様性を受け入れる職場になります。
たとえば、昇降可能なデスクや段差のないフロア、電子機器の音声読み上げ機能などは、誰にとっても便利で働きやすい工夫です。
参照:練馬区公式ホームページ
対話による「個別配慮」がカギになる
身体障がいといっても、その症状や影響は人それぞれです。同じく車いすを使っていても「移乗ができる人」「できない人」「長時間座位が困難な人」などさまざま。
だからこそ、本人との丁寧な対話を通して「何に困っているのか」「どこに配慮が必要なのか」を明確にしていくことが重要です。
マニュアル化ではなく、相手に応じた「個別の支援」が信頼関係を生み出します。
「合理的配慮」は法律で義務化されている
企業には、障がい者に対して「合理的配慮」を提供する義務があります(障害者差別解消法・障害者雇用促進法)。これは「できる範囲で柔軟に対応する」ことを意味しており、過重な負担とならない範囲での職場調整や制度整備が求められています。
参照:内閣府
3. 働きやすさを支える職場環境の工夫
出入り口・トイレ・共有スペースの整備
建物全体のバリアフリー化は、最初の大きな一歩です。自動ドアの設置、スロープの設置、多目的トイレの確保、エレベーターの点検など、基本的なインフラ整備は欠かせません。
また、会議室や休憩スペースも「動きやすい」「使いやすい」配置が重要です。物理的な移動のしやすさは、職場での自立を促します。
通勤やテレワークへの柔軟な対応
多くの身体障がいのある方にとって、通勤そのものが大きなハードルになることも。そのため、時差出勤・通勤支援・送迎制度の導入や、自宅から働けるテレワーク環境の整備が重要です。
テレワークであれば、体調に応じた働き方や、移動ストレスのない働き方が可能になります。
職場内でのIT活用による支援
ITツールを活用することで、さまざまなサポートが可能になります。たとえば、音声入力ソフト、拡大読書機能、チャットツールでの連絡、バーチャル会議など、身体的な制約をカバーできる手段は年々増えています。
「テクノロジーは障がいの壁を壊す鍵」と言われるように、働き方を変える大きな武器になるのです。
4. 実際の職場で見られる好事例と取り組み
大企業が導入するインクルーシブな制度
日本の大手企業では、身体障がいのある方の雇用を積極的に進めるところが増えています。たとえば、富士通では「特例子会社」を設立し、障がいのある社員が専門性を活かしながら働ける環境を提供しています。
バリアフリー設計だけでなく、キャリアアップ支援にも力を入れており、他企業のモデルケースとなっています。
参照:富士通ハーモニー株式会社
中小企業でもできる柔軟な対応
中小企業でも、創意工夫をもって対応する事例があります。あるITベンチャー企業では、身体障がいのある社員に対して、業務を完全リモート化し、週1回だけの通勤にすることで負担を大きく軽減しました。
コストをかけずとも、工夫と対話によって「働ける環境」は整えられるのです。
5. 身体障がいのある当事者が働く上で大切にしたい視点
遠慮しすぎず、自分のニーズを伝える勇気
職場での配慮は「伝えないと気づいてもらえない」ことが多くあります。我慢して働き続けるより、「こうしてもらえると助かる」と率直に伝えることが、長く安心して働ける職場づくりにつながります。
もちろん、伝え方やタイミングには配慮が必要ですが、「遠慮しない権利」も大切にしていきたいポイントです。
自分に合う働き方・職種を見つけていく
「働きやすい職場」は、設備面だけでなく「仕事内容との相性」にも大きく左右されます。たとえば、外回りよりもデスクワークの方が向いている、短時間勤務から始めたい、PC操作が得意…など、自分の強みや制限を整理することで、選択肢が広がっていきます。
就労移行支援事業所やハローワークの相談員などを頼りながら、少しずつ「自分に合った働き方」を探す姿勢も重要です。
6. 企業側ができること|本当の“共生”を目指して
研修・啓発による意識改革
どんなに制度や設備が整っていても、職場全体の「理解」がなければ共生は成り立ちません。定期的な障がい理解の研修や、ロールプレイを通したコミュニケーション訓練などを取り入れることで、「違いを自然に受け入れる職場文化」を育てていくことが可能になります。
「できない」ではなく「どうすればできるか」を考える文化
企業にとって大切なのは、障がいを理由に選別することではなく、「どうすれば一緒に働けるか」を柔軟に考えることです。バリアフリーは“設備”の話ではなく、“価値観”の話でもあります。多様な働き方を支える文化そのものが、企業の魅力や競争力にもつながっていくのです。
まとめ:誰もが活躍できる社会へ
身体障がいのある人が働きやすい職場づくりは、「障がい者のためだけの配慮」ではありません。それは誰にとっても優しい職場であり、将来的に誰もが必要とする“働きやすさ”の実現でもあります。
「困っている人がいたら、まずは話を聞いてみる」「制度や設備は完璧でなくても、改善の姿勢を持ち続ける」そんな一歩一歩の積み重ねが、バリアフリーな社会をつくっていく力になるのです。
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- 精神障がい
- コミュニケーション
ドキドキするけど頼みたい!吃音でも安心して注文するコツ
飲食店やカフェ、コンビニでの注文。「食べたいものが決まっているのに、言葉が出ない」「店員さんに注目されるのがつらい」──吃音がある人にとって、注文の場面は日常の中でもハードルが高い場面です。
この記事では、吃音のある方ができるだけ安心して、スマートに注文をこなせる方法やコツ、心構えを紹介します。また、もしうまく話せなかったときでも落ち込みすぎないためのヒントも盛り込んでいます。
注文時に感じやすいプレッシャーと吃音の関係
注文=「スムーズに話さなければ」という思い込み
待っている人が後ろにいると焦る
注目されている気がして緊張する
噛んだり詰まったりするのが「迷惑」と思ってしまう
吃音がある人ほど「早く正確に話さなきゃ」というプレッシャーにより、かえって言葉が出にくくなる傾向があります。でも実際には、多少詰まっても気にしていない店員さんが多いですし、相手に伝われば大丈夫。完璧じゃなくてもいいんです。
吃音でも安心して注文するコツ
言いやすいメニューを先に選ぶ
吃音が出やすい言葉を避けるだけでも安心感が違います。
自分が比較的スムーズに言いやすいメニュー名を選ぶ
言いにくい「カタカナ語」や「語頭が詰まりやすい言葉」は避ける
迷ったときは「これください」と指差しでもOK!
注文文を“パターン化”しておく
スクリプトを作って、脳内で練習しておきましょう。
「〇〇を、ください」
「〇〇、お願いします」
「テイクアウトで、〇〇ひとつ」
事前に「このお店ではこう言おう」と決めておくと、脳が“自動化”してくれて詰まりにくくなります。
ゆっくり・深呼吸・タイミングを意識
話す前の“間”をどう使うかが大切です。
並んでいるときに深呼吸でリズムを整える
自分の番が来ても一呼吸おいてから話し始める
焦らずゆっくり、息を吐くイメージで声を出す
「すぐに話さなきゃ!」と思うと、言葉はますます出にくくなります。“自分のペース”を取り戻すのがカギです。
メモやスマホを活用する
話す以外の伝え方を“堂々と”使ってみましょう。
事前にスマホのメモ帳にメニュー名を打ち込み、店員さんに見せる
紙に書いて渡す(アナログだけど確実)
タブレット注文やモバイルオーダーを活用する
「話さなくて済む方法」は恥ずかしいことではありません。自分がラクに注文できる手段を選ぶことこそ、“賢い工夫”です。
「どもるかも」と言ってしまうのも手
打ち明けることで、プレッシャーが軽くなることもあります。
「ちょっと言葉が出にくいかもしれません」
「すみません、少し話すのが苦手で…」
一言伝えることで店員さんの理解が得られ、空気がやわらかくなることも多いです。話す前に言ってしまうことで、自分の緊張も少し和らぐ場合もあります。
うまく言えなかったとき、落ち込まないために
「詰まってもいい」「伝わればOK」という自分ルールを
他人はあなたが思うほど気にしていない
店員さんは「注文を聞き取る」のが仕事。多少詰まっても問題なし
落ち込んだら「注文できた自分、すごい!」と褒めてあげよう
吃音があると失敗をひとりで何度も反芻しがち。でも、うまくいかなかったことよりも「やった」という行動に価値があるんです。
まとめ:「自分なりのやり方」で食べたい気持ちを叶えよう
吃音があるからこそ、注文の場面はとても勇気がいります。でも、コツや工夫、心構えひとつで、気持ちのハードルは確実に下がっていきます。
言い方を工夫するタイミングをずらす話す以外の方法で伝える事前に準備する
どれもあなたが「自分らしく、食べたいものを頼む」ための選択肢。無理せず、でもちょっとずつ挑戦できるように、一緒にコツを見つけていきましょう。

- 夏
- 生活
夏の暑さ対策 障がい者でも安心な外出グッズ&工夫集
身体障がいの有無にかかわらず、暑さや熱中症への対策は外出の安心につながります。特に身体の体温調節に不安がある方や、車いす・バギーを使う方には、専用グッズや工夫があると快適さ・安全性がぐっと上がります。
この記事では、実用的で使いやすいアイテムを厳選し、外出時に役立つポイントを詳しくご紹介します。
便利な外出グッズ
送風付きクールアイテムで“風”を感じる快適さ
暑さ対策の基本は「風を感じること」。送風グッズは、はっきりとした涼感と不快感の軽減につながります。
🔹 おすすめアイテム一覧
車椅子用送風ファン(クリップ&羽なしタイプ)
抱っこファン(ネックストラップ型)
扇風機付きクールシート(送風+冷感マット)
ポイント説明
クリップ型の羽なし扇風機は、安全性と軽量さを兼ね備え、背中や脇に風を送れて快適です。実際に使っている方は「地面の熱を背中に感じにくくなった」「汗による不快感が減った」と高く評価。
ただ、気温が高すぎると熱風を送ることになり、熱中症のリスクが上がるため注意が必要です。体を濡れタオルや汗拭きシートで拭いてから風を当てるようにしたり、冷却プレートが付いているものを選ぶようにしましょう。
参考:夏の日に!車椅子の暑さ対策6つのヒント(京都きものサロン創夢)
保冷系グッズで体を内部からしっかり冷やす
日差しや送風だけでは足りない時は、体を冷やすグッズも効果的。特に首筋や脇の下など太い血管付近を冷やすと全身に涼しさが広がります。
🔹 実用アイテム一覧
首掛け保冷剤ポーチ(フィルム式・ジェル式)
冷感タオル・UVカットブランケット(吸水性・通気性あり)
保冷パッド・ジェル入りクッション(車椅子座席用)
ポイント説明
冷感タオルは、濡らすだけで数時間持続し、重ねて使えばゲリラ豪雨のような激暑にも対応できます。また、座席用クッションは地面からの輻射熱を防ぎ、体表温度を安定させる効果も。
参考:暑さ対策におすすめの人気冷却グッズ徹底解説!(MY KITCHENCAR)
日差し対策グッズで“温度そのもの”を防ぐ
直射日光は体温を上げる最大の原因です。UVカットグッズは見た目以上に重要です。
🔹 おすすめアイテム
UVカット日傘(遮光率99%・軽量タイプ)
通気性帽子や広めつば帽子(通気孔付き)
車椅子用日よけサンシェード(UPF50+)
ポイント説明
日傘は自立姿勢でも使用できます。帽子は首まで影ができる設計を選ぶと、日焼け対策にも有効。車椅子に付ける遮光シェードは、日陰のような安心空間を創り出すアイテムとして人気です。
参考:熱中症対策に効果のある日傘・帽子は?
水分と塩分補給の“持ち運び”アイテム
外出中は"体の中から冷やす"ことも忘れずに。携帯できる飲み物や補給グッズがあると安心です。
🔹 ポイント
経口補水液(OS-1など)
ミニ水筒入りスポーツドリンク
塩飴・塩タブレット(1粒タイプ)
ポイント説明
OS-1などの経口補水液は即効性があり、脱水の初期段階に効果的だと厚労省も推奨しています。また、スポーツドリンクはポーチで常に手元に。塩飴はバッグやサコッシュに忍ばせておくと便利。
参考:塩分補給と水分補給について(厚生労働省)
外出前・外出中にチェックしたい5つのポイント
夏のお出かけは、**事前の準備と「気づく力」**が大きな安心につながります。以下の5つのポイントを意識しておくと、突然の体調不良や不安な場面でも慌てず対応しやすくなります。
1. 定期的な水分補給
20分おきに少しずつ、こまめに水分を摂ることが大切です。のどが渇いたと感じた時には、すでに軽度の脱水状態になっていることも。携帯しやすい小型のボトルやストロー付きマグなど、自分が飲みやすい容器を選んでおくとスムーズに補給できます。甘いジュースよりも、水や経口補水液、塩分を含んだ飲料がおすすめです。
2. 体感温度を測る
首や背中を手で触れて、汗の量や皮膚の温度をこまめに確認しましょう。特に車椅子使用時は、背中に熱がこもりやすいため注意が必要です。背中が熱くなっていたら、いったん止まって送風ファンを当てたり、保冷パッドで冷やすようにすると効果的。周囲に比べて自分の体が熱いと感じたら、無理せず涼しい場所へ移動しましょう。
3. 風の通り道を確保
リュックと背中の間、座面などに冷却シートや通気素材を挟むと、熱のこもりを防げます。とくに背もたれや座面に体が密着していると、空気の循環がなくなり体温が上がりやすくなります。メッシュ素材のクッションや、ジェルパッド入りの冷却マットを使うと通気性と快適さがアップします。車椅子やバギーの場合は、背面に取り付ける送風ファンとの併用もおすすめです。
4. 日陰を探す
日差しの強い日は「どこで休憩するか」も計画のうちに入れておきましょう。ベンチや建物の陰、駅ナカの広場、バス停の屋根の下など、休めるスポットを見つけたら迷わず活用を。公園などでレジャーシートを広げて休む場合も、必ず木陰やテントの中を選んでください。長く移動する時は、「次に休める場所までの距離」を常に意識して行動すると、疲れや熱中症のリスクを軽減できます。
5. 緊急時の移動動線確認
もしもの時に備え、「どこに避難できるか」「誰に頼れるか」を知っておくと安心です。最寄りのコンビニ、公衆トイレ、自販機、福祉対応施設など、休憩や避難に使えそうな場所を事前に地図で確認しておきましょう。スマホの地図アプリ(Googleマップなど)に「休憩」「バリアフリー」「日陰」などのキーワードを保存しておくのも便利です。万が一体調が悪くなった時に、短い距離で涼しい場所にたどり着けるようにするのがポイントです。
これらのチェックポイントを習慣化しておくことで、夏の外出に自信が持てるようになります。日々の生活の中で少しずつ取り入れながら、自分に合った対策を見つけていきましょう。
まとめ
安全に外出を楽しむための暑さ対策には、
“風を送る”グッズ、
“冷やす”保冷アイテム、
“遮る”日差し対策、
“補給”用飲み物・塩分、
“使いやすさ”を工夫する小物
の5要素を組み合わせることで、安心して外出できる環境が整います。特に身体的な負担が大きい方にとって、これらのグッズは命を守る大切なサポートになります。
ぜひ、活用してみてください!
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https://www.minnanosyougai.com/article1/amekansetsu/
https://www.minnanosyougai.com/article1/kannkakukabinnodekake/

- 趣味
- 仕事
好きなことが見つからない人へ|やりたいことの探し方入門
「自分の好きなことがわからない」「やりたいことがないまま年齢だけ重ねてしまった」と感じていませんか?実は、そうした悩みは年齢や立場に関係なく、多くの人が一度は抱えるものです。
「やりたいこと」はある日突然空から降ってくるわけではありません。大切なのは“見つけ方を知る”こと。
この記事では「好きなことが見つからない」と感じるあなたに向けて、自己理解のワークや向き・不向きの整理方法、実践的な行動ステップをご紹介します。
「やりたいことが見つからない」本当の理由
原因①:自己理解が浅い
子どもの頃から「周りの期待」や「社会的な正解」に合わせて生きてきた人ほど、自分自身の本音に鈍感になりがちです。何が好きか、何が嫌いか、本当はどうしたいのか。そこに向き合う機会がないまま大人になっていることがよくあります。
原因②:選択肢が多すぎて迷ってしまう
SNSやネットの発達で、世の中には魅力的な「やりたいこと」が溢れています。しかし、その分「本当に自分に合っているのか」「他の方が良いのでは」と迷いが生じやすいのも事実です。
原因③:理想が高すぎて行動できない
「これが本当にやりたいことなのか確信が持てない」と悩み、行動できずにいる人も多くいます。でも本当は、「完璧な正解」を求めすぎてしまっているのかもしれません。
自己理解ワーク
①あえて「嫌いなこと」を書き出す
やりたいことを探すためには、「やりたくないこと」を明確にするのもひとつの手段です。
たとえば以下のような問いを、自分に投げかけてみてください。
人と接するときに苦痛に感じるのはどんなとき?
仕事や勉強で「うんざり」したのはどんな瞬間?
どんな作業や状況にストレスを感じる?
これらを洗い出していくことで、逆に「自分に向いている働き方」や「大切にしたい価値観」が浮かび上がってきます。
②「好き」「得意」「価値観」の3つを整理
やりたいことは、次の3つの重なりにあります。
好きなこと=興味がある・やってみたいと思うこと
例:文章を書く、料理、動画編集、人と話す など
得意なこと=自然にできること、他人より苦労せずこなせること
例:整理整頓、タイピング、聞き上手、分析力 など
大切にしている価値観=生き方や選択に関係する心の軸
例:自由、安心感、成長、社会貢献 など
この3つをワークシートで書き出し、「重なる部分」に注目することで、自分にとって自然体でいられる「やりたいことの種」が見えてきます。
③診断ツールと他己分析
自己診断ツールを活用する
厚生労働省が提供する「職業興味検査」など、無料で受けられる診断ツールが多数存在します。科学的な手法に基づいた診断は、主観だけでは見えない特性を発見する助けになります。
適職診断ツール(ミヅカラ)
④他己分析で「他人からの自分」を知る
自分で気づけない“強み”や“魅力”は、案外まわりの人が知っていたりします。「私ってどんな時にイキイキして見える?」「向いていそうな仕事ってある?」といった質問を、親しい友人や家族に聞いてみましょう。
ステップアップ
行動ベースで試す
自己理解を進めたら、「やりたいかも」と思ったことを小さく試してみるステップへ。重要なのは、いきなり転職したり習い事を始めたりすることではなく、「体験」してみること。
例えば……
動画編集が気になる → YouTubeで無料講座を見る
カウンセラーに興味 → noteで心理学コラムを読む
カフェ経営が夢 → 週末に店主インタビュー記事を読む
行動に移してみると、「やっぱり違った」と気づくこともあります。それも大切な収穫。頭だけで考えず、まず一歩踏み出すことがカギです。
向き・不向きの判断軸を持つ
行動を重ねたあとは、「自分に合っていたかどうか」を振り返る時間が必要です。
向いているサイン
やっていて時間を忘れる
疲れても充実感がある
自分らしさを発揮できる
不向きのサイン
毎回苦痛を感じる
ミスが多く、改善も難しい
自分の価値観とズレがある
習慣化と集中力の工夫で継続力UP
「やりたいこと」は、一度見つけたからといってすぐ軌道に乗るわけではありません。日常生活の中で小さく取り組み続ける「習慣化」が重要です。
スマホの使用時間を制限する
1日15分だけでも続ける
週末に振り返りノートを書く
特に現代では「集中力の低下」がやりたいことの発見・継続を妨げる大きな障壁。デジタルデトックスや朝の静かな時間を使うなど、環境整備もポイントです。
まとめと次の一歩
「やりたいこと探し」は、自分の内面を見つめる旅でもあります。以下の5ステップを順に踏むことで、誰でも“本音”に近づくことができます。
やりたくないことを整理
好き・得意・価値観を見える化
診断・他人の声で客観視
行動で体験・検証
継続的に振り返る習慣
完璧な答えを求めすぎず「まずは動く」ことが何より大切です。
参考リンク・書籍
やりたいことがわからない原因と対処法(THE PORT)苦手・ストレスから考える適職(キャリアパーク)世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方やりたいことの見つけ方とは?自分がほんとうにしたい仕事を見つける方法(はたらくティブ)向き不向きの判断軸と適職の見つけ方(認知科学コーチング研究所)集中力を高める実践的な10の方法(みんチャレブログ)
関連記事
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- 住まい
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- 身体障がい
- 発達障がい
障がい者グループホームの選び方
「ひとりで暮らしてみたいけれど、サポートも必要」そんな想いを抱える障がいのある方にとって、グループホームは“自分らしく暮らす”ための有力な選択肢です。
本記事では、グループホームの基本知識から、タイプごとの違い、入居までのステップ、費用の目安、実際の選び方まで詳しく解説します。実際に制度を利用する人だけでなく、家族・支援者にとっても参考になる内容です。
「安心できる場所で、自立を目指したい」――そんな願いを叶えるための第一歩として、ぜひこの記事を読んでみてください。
グループホームの種類と特徴
① 介護サービス包括型
主に夜間・休日に食事・入浴・排せつ支援あり。
利用者数・事業所数とも最多で、軽度〜中等度の障がいの方に多く選ばれます
② 外部サービス利用型
主に夜間に相談や日常生活上の援助を提供。身体介護は外部の居宅介護サービスに委託。
比較的軽度の方に向いており、費用は場合により高くなることも。
③ 日中活動サービス支援型
平日昼間もスタッフ支援あり。医療的ケアや短期入所対応が特徴。
重度の障がいがある方にも対応可能になった新型サービス。
④ サテライト型住居
グループホーム近くのアパートやマンションで生活。定期巡回支援あり。
将来の一人暮らしを見据える人に適しており、利用期限2年。
最新トレンド情報
動物との共生型ホーム
犬や猫と暮らすことで、情緒安定やQOL向上につながると報告例あり。
全国で60カ所以上が確認されています。
IoT・見守り技術の導入
転倒自動検知センサー、健康状態の遠隔モニタリングなどで安心感がアップ。
オンライン医療連携
医師との遠隔相談や服薬指導が可能で、通院負担も低減されています。
利用者にとってのメリット
①「ちょうどいい距離感」で暮らせる安心感
一人暮らしの自立性と、実家暮らしの安心感。グループホームは、その“ちょうど中間”のような存在です。
食事や掃除などを自分でやりながら
必要なときはスタッフに助けてもらえる
他の入居者との関わりも、自分のペースでOK
②「少しずつできることが増える」自信につながる
日常生活そのものが、生活スキルのトレーニングになります。
ゴミ出し、洗濯、買い物などを練習できる
スタッフが必要なところだけそっと支援
簡単な料理や金銭管理にも挑戦しやすい
自分のペースで“できること”が増えるたびに、自信が育っていく。一人暮らしへのステップアップを目指す人にもぴったりです。
③ 経済的な負担が少ない暮らし方
公的制度を活用することで、費用の不安を抑えられます。
サービス利用料:原則1割負担(上限あり)
家賃補助(1〜2.5万円)で実質家賃が下がる
食費・光熱費も定額制で管理しやすい
地域によって補助の内容が異なるため、市区町村の福祉課で事前確認がおすすめです。
選び方のステップガイド
STEP 1|自分のニーズを整理しよう
まずは「自分がどんな暮らしを望んでいるか」を具体的に言葉にしましょう。支援者や家族と一緒に整理するのもおすすめです。
夜間もスタッフにそばにいてほしい?
食事や入浴に介助が必要?
にぎやかな環境より静かなほうが落ち着く?
将来は一人暮らしを目指している?
どのくらいの距離で家族・支援者と関わりたい?
自分に合う支援のタイプを知ることが、ミスマッチを防ぐ第一歩です。
STEP 2|支援区分と類型を確認しよう
障がい支援区分(0〜6)は、どの類型のホームを利用できるかに影響します。
ホームの種類
こんな人におすすめ
介護サービス包括型
生活全般にわたって支援が必要な人
外部サービス利用型
生活は自立しているが、相談や見守りが欲しい人
日中サービス支援型
日中の見守り・支援が必要な人
サテライト型
将来の単身生活を目指す人、静かな環境を希望する人
STEP 3|費用の見通しを立てよう
グループホームの費用は、場所・支援の内容・家賃補助の有無で差が出ます。
月額の目安(全国平均)
費用項目
相場(概算)
備考
サービス利用料(1割負担)
5,000〜15,000円
障害福祉サービス費の1割
家賃
30,000〜50,000円
家賃補助により実質負担減可
食費・光熱費等
25,000〜35,000円
定額制のところも多い
特定障害者特別給付費(補足給付)家賃のうち上限1〜2.5万円まで国が負担。さらに市区町村で独自の助成がある場合も!
STEP 4|複数のホームを見学・体験しよう
パンフレットや写真だけでは分からない“雰囲気”や“肌感覚”を確かめましょう。
見学時のチェックポイント
室内のバリアフリー化(段差、手すり、トイレの広さなど)
スタッフの対応は丁寧か?急かすような態度はないか?
利用者の様子は落ち着いているか?年齢層や性別構成は?
食事は手作り?外部委託?内容・栄養バランスは?
緊急時(発作、転倒など)の対応体制は?
可能であれば「体験入居」をしてみましょう。数日でも過ごしてみると、生活の合う・合わないがよく分かります。
STEP5|サービス等利用計画を作成しよう
正式に利用するには、「サービス等利用計画」が必要です(※相談支援専門員が作成します)。
内容に含まれるもの:
どのような暮らしを望んでいるか(将来像)
グループホームでどのような支援を受けたいか
医療・就労・日中活動などとの連携方針
「自分の想い」をなるべく具体的に伝えましょう。支援内容に反映されやすくなります。
STEP6|契約・入居準備をしよう
契約前に「重要事項説明書」を受け取り、内容をよく読みましょう。施設によっては保証人や身元引受人が必要になる場合もあります。
入居前に準備するもの
印鑑(実印)と本人確認書類
生活用品(衣類、寝具、日用品など)
医療・服薬関係の情報(お薬手帳、通院記録)
緊急連絡先や支援機関の連絡表
STEP7|入居後の振り返り
入居後は6か月ごとに支援内容を見直す「モニタリング」があります。スタッフや相談支援員と一緒に、現状を振り返って改善点を話し合いましょう。
モニタリングで確認すること
スタッフの支援内容は十分か
他の利用者との関係でストレスがないか
サテライト型や単身生活への移行希望はあるか?
不満や困りごとは遠慮せず伝えましょう。状況に応じて、別のグループホームへの変更も可能です。
よくある質問
Q. 支援区分が「非該当」でも入居できますか?
A. はい、制度上は可能ですが、実際には断られることが多いです。
制度上、「非該当」や「区分1〜6」の人すべてがグループホームの利用対象です。
ただし、ホーム側は国からの報酬(給付費)を収入源とするため、「非該当」や「区分1」の場合、報酬が少なくなるため、入居を断られることがあります。
また「区分なしでも利用可能だが自己負担が高額になる」(区分認定されていないとサービス利用料が利用者負担になる)という実態もあります
参照:障がい福祉専門の税理士事務所
Q. ASD・ADHDなど発達障がいだけでも利用できますか?
A. はい、発達障がいのみでも問題なく利用できます。
発達障がい(ASD・ADHD・LD含む)単独で入居できるホームは増えており、「発達障がい専門グループホーム」も存在します。
実際、重度の発達障がい者も対応可能な「日中活動支援型ホーム」などもあり、単なる施設入所より柔軟な選択肢があります。
参照:株式会社キズキ 発達障害のある人のグループホーム利用まとめ
Q. 支援区分が高すぎても入居できない場合がありますか?
A. 支援区分が高すぎると、サポートが不足する場合があります。
ホームによって受け入れられる支援区分に上限があり、高度な支援(例:区分6など)が必要な場合は、対応できるスタッフ数やスキルを備えていないケースもあります。
こうした場合は、「日中サービス支援型」や「介護包括型」、「施設入所支援」など高支援体制の類型を選ぶ必要があります。
参照:しゃふくさん
Q. 医療的ケアが必要でも利用できますか?
A. できますが、ホームの選び方が重要です。
日中サービス支援型や、医療連携が可能なホームであれば、看護師巡回やオンライン診療などで対応できます。
医療依存度が高い場合、「施設入所支援(障がい者支援施設)」も含めて複数の選択肢を検討するのが望ましいです。
参照:SMILE HOUSE
まとめ:理想の暮らしを形にするために
自分の「欲しい生活」を明確に
類型の違いを理解し、マッチするものを選ぶ
見学で「肌感覚」を確認
支援計画と費用の見通しをしっかり持とう
グループホームは「暮らしの安心」と「自立支援」の両方を可能にする住まいです。見学や関係機関との相談を重ね、あなたらしい毎日が送れる居場所を見つけてください。
関連記事
https://www.minnanosyougai.com/article1/shintaichintai/

- 精神障がい
- 発達障がい
- コミュニケーション
「感情が爆発してしまう」もう自分を責めないための、怒り・悲しみとの付き合い方
感情が爆発するのは「弱いから」じゃない
「また怒ってしまった…」「泣きたくないのに涙が止まらない」そんなふうに自分を責めてしまうこと、ありませんか?
感情があふれてしまうのは、気持ちをうまく出せなかった積み重ねが原因であることがほとんどです。特に、発達障がい・精神障がい・HSP(繊細な気質)などがある方は、感覚や感情に振り回されやすく、感情の調整(セルフコントロール)が難しいと感じることがあります。もちろん、健常者の方でも、強いストレスや人間関係の摩擦が続くと、同じような経験をします。
この記事では、「感情が爆発する仕組み」と「自分を守るためのセルフケア」を紹介します。
感情が爆発するメカニズム
小さな我慢の積み重ねが「大爆発」を引き起こす
その場では我慢した
でも心の中では納得していない
それが何度も重なる↓ある日、ささいなことで怒りや涙が止まらなくなる
このようなケース、非常によくあります。これは**「感情のバケツ理論」**と呼ばれ、心の中にたまった感情があふれ出すイメージです。
脳の仕組みと「暴走モード」
怒りや恐怖などの感情は、脳の「扁桃体(へんとうたい)」という部位が関係しています。強いストレスを感じると、この部分が“非常警報”を鳴らし、理性をつかさどる前頭葉の働きが弱まってしまうのです。
結果として…
カッとなって暴言を吐く
涙が止まらない
自分を傷つけたくなる
といった自分でもコントロールできない行動が出てしまうのです。
こんな人は要注意|セルフチェックリスト
怒ると手が震えたり、物にあたってしまう
「怒りたくないのに止められない」と感じる
気づいたら涙が止まらなくなっている
頭の中で過去のことを何度も繰り返し考えてしまう
「自分の感情がわからない」と感じることがある
些細な言葉に必要以上に傷つく
人前で感情を出すことが恥ずかしいと思っている
感情を見せたあと、強い自己嫌悪に襲われる
→3つ以上当てはまる場合、感情のコントロールに関するケアやスキルが有効です。
感情があふれそうなときの対処法
「今、自分は怒ってる/悲しんでる」と言葉にする
感情の“ラベリング”はとても大切です。自分の今の気持ちに「名前をつける」だけで、脳が落ち着くという研究があります。
「今、私はすごく怒ってる」
「悲しくて涙が出そう」
「悔しさで胸が痛い」
→ 感情を“外に出す”だけで、意外と落ち着いてきます。
10秒の「間」を意識する
感情が湧いた瞬間、すぐに言い返したくなることもありますが、**「10秒間、黙って呼吸する」**ことをルールにしてみてください。
息をゆっくり吐く
壁や空を眺める
手をぎゅっと握ってから開く
→ それだけで怒りのピークが少し収まり、「冷静に反応する力」が戻ってきます。
“安全な場所”を決めておく
感情が爆発しそうなときに「ここに行けば落ち着く」という場所をあらかじめ決めておくと安心です。
自分の部屋
トイレの個室
ベランダや公園のベンチ
カフェや図書館の静かな席
→ その場を“避難”して落ち着く時間を持つのは、とても有効な対処法です。
感情コントロールを育てる日々のトレーニング
「自分の気持ちノート」をつけてみる
今日の気持ちを簡単にメモするだけでも、自分の感情パターンが見えてきます。
「今日は〇〇にイラッとした」
「でも、そのあと〇〇して少し落ち着いた」
→ 書くことで客観視ができ、自分を責めすぎることが減ります。
「自分を守る言葉」を持っておく
怒りや悲しみが湧いたときに、自分にかける言葉を準備しておくと安心です。
「今はそれだけつらいんだね」
「怒って当然だよ」
「落ち着いたら考えよう」
→ 自分の感情を否定しない声かけが、コントロールにつながります。
専門家と一緒に整えるという選択肢も
「感情のコントロールが本当に難しい」と感じる場合は、精神科医やカウンセラー、支援機関との連携も大切です。
特に以下のような場合は、専門的なサポートを受けることで大きな改善が期待できます
自傷・他害がある
日常生活が回らなくなるほどの情緒不安定
フラッシュバックやパニックが起きる
→「治す」というより、「自分らしく生きるための道具」として相談機関を活用してみましょう。
おすすめ本
『「怒り」がスーッと消える本』(和田秀樹/PHP文庫)
「怒りっぽい性格を変えたい」「小さなことでイライラしてしまう」――そんな悩みを持つ人に向けた、“怒り”の仕組みと対処法をやさしく解説した一冊。感情を押さえつけるのではなく、「怒りの背景にある本音」を知ることの大切さが語られています。事例も豊富で、精神論ではなく実践的な考え方や言い換えの工夫が満載。怒りに振り回されずに過ごしたい人の、入門書としておすすめです。
『「自己肯定感低めの人」のための本』(山根洋士/アスコム)
心理カウンセラーとして8000人以上の相談実績がある著者が、「自己肯定感の低さ=心のクセ」を見つけ直す方法を教える一冊。心のクセを見つめ直し、毎日を楽にするヒントが満載。“自分の気持ちがわからない” を少しずつ取り戻したい人におすすめです。
『感情的にならない本』(和田秀樹/新講社ワイド文庫)
怒り・不安・嫉妬・落ち込みなど「感情に振り回される自分がつらい」と感じている人に向けた、感情マネジメントの実用書。精神科医ならではの視点で「感情は抑えるより、“距離をとる”方がうまくいく」という考え方を提案します。小さなコツや考え方の転換が多数紹介されており、日常の中で実践しやすい内容になっています。
まとめ:感情があふれるのは「心が正直」だから
怒ってしまった。泣いてしまった。それは、あなたが「感じる力を失っていない」証拠でもあります。
感情は、敵ではなく、あなたの味方です。ただ少しだけ、扱い方を練習する必要があるだけ。誰にでも爆発する日があるからこそ、今日からできるケアを始めてみませんか?
関連記事
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https://www.minnanosyougai.com/article1/iikatarennsyuu/
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- コミュニケーション
【障がい者の自助会とは】孤独を癒し、心を支える「仲間とのつながり」
「わかってもらえる場所」は、誰にとっても必要です。
障がいがあると日常の中で「自分だけが苦しんでいるのではないか」「誰にも理解されないかもしれない」という孤独感が強まることがあります。
そんなとき、自助会(ピアサポートグループ)は「同じ経験をした人と安心して話せる居場所」として、多くの人に“心の支え”になっています。
自助会とは?支援機関とはちがう「共感の場」
自助会の特徴
同じ障がい・経験を持つ人が集う
対等な関係で語り合える
医療や福祉と違い「支援者と利用者」の関係ではない
支援機関との違い
比較項目
自助会
医療・福祉機関
関係性
対等な仲間同士
支援者と利用者
目的
共感・感情の共有
生活支援・治療・就労
雰囲気
自由・自主性重視
専門性・契約ベース
費用
無料~低額
有料・保険適用あり
自助会は「話を聴いてくれる人」ではなく、「わかってくれる人」に出会える場です。
自助会の種類・障がい別に見る特色
自助会は障がいの種別ごとや目的ごとに特色や雰囲気が異なります。自分の状態に近いグループを探すことが大切です。
発達障がい系(ASD・ADHDなど)
感覚過敏・こだわり・対人困難などの悩みを共有
沈黙があっても気まずくない、非言語重視の会も
オンライン開催も多く、全国から参加できるケースも
精神障がい系(うつ・双極性障害など)
「病気の波」に共感が得られやすい
WRAP(元気回復行動プラン)や認知行動療法を取り入れる会も
定期的に通うことで、気持ちのリズムが整いやすくなる
身体障がい・難病系
バリアフリー・福祉制度・介護の情報を共有
ALS、脊髄損傷、難病などの特定疾患に特化した会もあり
地域や医療機関と連携して開催されることも
自助会に参加するメリット
孤独感がやわらぐ
「自分だけがつらいんじゃなかった」と気づくことで、心が少し軽くなります。他人の体験を聴くだけでも、共通点や共感を見つけやすく、孤立感が和らぎます。
例:「イヤーマフを使ってるって話を聞いて、私だけじゃないんだと思えた」
自己肯定感が育つ
自分の体験が誰かの役に立つ
「ありがとう」と言われることで、自分の存在価値を実感できる
支える側に回ることで、生きる力が育つ
情報収集・制度活用のヒントが得られる
福祉制度・障害年金・就労支援の情報交換
「こんなふうに生活してるよ」という当事者ならではの工夫
病院・福祉事務所では聞けないリアルな声を聞ける
自助会の探し方・選び方
探し方
地域の障害福祉課や支援センターに問い合わせ
ネット検索(例:「○○市 発達障害 自助会」)
SNS・YouTube・noteなどで活動を紹介している当事者団体
選び方のポイント
話さなくても参加できる雰囲気か
年齢層や障がい種別が自分と近いか
自分が「安心できる」と感じる場かどうか
「続けなきゃ」と思う必要はありません。いくつか試して、自分に合う場所を見つけましょう。
参加時の注意点
自助会も“人が集まる場所”なので合う・合わないがある
話しすぎて疲れてしまうこともあるので「今日は聴くだけ」でもOK
トラブルがあれば距離を取る、自分を守ることを優先
「自助会だから全部話さなきゃ」と思う必要はありません。無理せず、自分のペースで参加しましょう。
自助会と支援制度の併用で広がる可能性
医療や就労支援など、公的制度で支えられる部分も多い
一方で、制度の隙間を埋めるのが自助会の「つながり」
生活面は制度で、心の面は自助会で支える――そんな補完関係が理想です
まとめ:安心して“自分”を出せる場所が自助会
自助会は「何かを治す場」ではありません。自分の弱さや不安を出してもいい「安心していられる場所」です。
無理に頑張らなくていい。空気を読まなくてもいい。沈黙が続いても大丈夫。
そんな場所があると、人生が少しだけ楽になります。ぜひ、自助会という選択肢をあなたの「生きるヒント」として知ってください。

- 精神障がい
- 発達障がい
はじめての認知行動療法(CBT)こころのクセを見直し、「わたし」を楽にする方法
認知行動療法(CBT)ってなに?
「考え方」と「行動」を整えて、こころを軽くする治療法
認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy / CBT)とは、「自動的な思考」や「思い込み」に気づき、それをバランスのよいものに修正していく心理療法です。
落ち込み・不安・イライラなど、つらい感情は「ものの受け取り方(認知)」と深く関わっています。
たとえば…
「また失敗した。私は何をやってもダメだ」
「あの人が挨拶しなかった。嫌われているのかも」
こういった思考のクセに気づき、「他の見方はないかな?」と視点を変える練習を通じて、気持ちを落ち着かせていくのが認知行動療法です。
どんな悩みに効果があるの?
幅広い精神的な問題に対応|再発予防にも有効
認知行動療法は、うつ病や不安障害、パニック障害、強迫性障害(OCD)、PTSD、摂食障害、睡眠障害、社会不安障害など、多くの心理的困りごとに有効とされています。
日本の厚生労働省やWHO(世界保健機関)も、有効性の高い治療として推奨しています。
また、薬物療法と比べて「スキルが身につきやすく再発予防にもなる」という点が注目されています。
CBTの基本的な考え方
「出来事」→「考え」→「感情」→「行動」
私たちは、「出来事そのもの」ではなく、それをどう“解釈したか”によって感情が決まります。
例:職場で上司に声をかけられなかった
Aさん:「嫌われてるのかも」→不安になって1日中落ち込む
Bさん:「忙しかったんだろう」→気にせず仕事を続ける
このように、“同じ出来事”でも受け取り方によって心の反応がまったく変わるのです。
CBTでは、この「自動的な考え=思考のクセ」に気づき、よりバランスの取れた見方に変えていくことを目指します。
実際にやること|どんなセッションなの?
話すだけじゃない。書く・考える・行動するワークが中心
認知行動療法は、カウンセラーと一緒に課題を“整理しながら”進める実践型のセラピーです。
具体的には…
✅ 認知再構成法
思考のクセや極端な思い込みに気づき、柔軟に考え直す練習。
✅ 行動活性化
うつ状態で動けないとき、小さな行動(掃除・散歩など)を計画・実行して「できた感覚」を取り戻す。
✅ 曝露療法
恐怖や不安を避けていた場面に、少しずつ慣れていく練習(対人不安、強迫などで有効)。
✅ 課題(ホームワーク)
毎回、自宅で簡単な記録や実験を行い、それを次回に一緒にふりかえる。
CBTは受け身ではなく、自分自身が「練習することで変化を体感できる」心理療法です。
CBTのメリットと注意点
メリット|再発予防、自己理解、短期で成果が見えやすい
✅ スキルとして身につくので再発しにくい✅ 感情の理由がわかり、自分を責めなくなる✅ 数ヶ月(10~20回前後)で効果が期待できる
注意点|相性・継続・重症度によっては限界もある
CBTが合わないと感じる人もいます(性格・相性の問題)
重度のうつや統合失調症などでは、薬物療法と併用が推奨されることも
継続して取り組む姿勢が必要(習慣づけが大切)
CBTを受けるにはどうすればいい?
病院?カウンセラー?保険はきく?
▼ ① 医療機関での認知行動療法(保険適用あり)
・精神科や心療内科での診察と併用(要紹介状の場合あり)・臨床心理士や公認心理師が担当・うつ病・不安障害など一部疾患では保険適用される(自己負担3割程度)
▼ ② 自費カウンセリング
・心理士によるカウンセリングルーム、オンライン対応も増加中・1回あたり5,000円〜12,000円程度・保険適用外だが、自由度が高く、気軽に始めやすい
▼ ③ オンライン・書籍・アプリでもできる
CBTワークブック(書籍)や認知記録表でのセルフ実践
アプリ(例:Awarefy, CogSelf, iCBT など)を使った自己練習も可能
認知行動療法を受けたい人へ|クリニック・カウンセラーの探し方アドバイス
1. 保険適用で受けたい人向け(精神科・心療内科)
ポイント
医師が診察した上で、CBTの必要性を判断 → 臨床心理士/公認心理師が実施
一部の疾患(うつ病・不安障害など)では健康保険が適用され、費用が3割負担に
探し方
厚生労働省が認可する「CBT 外来」「うつ病 CBT 専門外来」などの名称で検索例)「認知行動療法 外来 ○○(地名)」「うつ CBT 外来 ○○(地名)」
心療内科・精神科の公式HPで「認知行動療法対応」「臨床心理士在籍」などの記載をチェック
注意点
CBT実施中の施設は全国的にまだ少なめ
対応できる疾患・年齢(子ども/大人)に制限がある場合も
自費でじっくり取り組みたい人向け(民間カウンセリング)
ポイント
健康保険は使えないが、時間をかけて自分のペースで取り組みやすい
初回無料カウンセリングやお試しプランを設けている所もあり始めやすい
探し方
Googleやポータルサイトで「認知行動療法 カウンセリング ○○(地名)」で検索
オンライン対応のカウンセリングも増加中。「オンラインカウンセリング CBT」などで検索
見ておきたいチェックポイント
「臨床心理士」「公認心理師」の資格があるか
認知行動療法の実践経験・得意分野
料金体系、継続のしやすさ(高すぎないか、無理なく通える距離か)
自分で試したい人向け(アプリ・書籍)
オススメアプリ
Awarefy(アウェアファイ):認知記録やマインドフルネス機能付き(iOS/Android)
こころログ:思考と気分の記録ができる日本語対応アプリ
認知行動療法思考日記:セルフモニタリングにオススメ
書籍+ノートでの自己実践も可能
『こころが晴れるノート』や『マンガでわかる認知行動療法』など、やさしく学べる本からスタートするのもおすすめです。
CBTをもっと知りたい人におすすめの本
📘『こころが晴れるノート うつと不安の認知療法自習帳』(大野裕/創元社)
やさしい言葉と書き込み式ワークで進められる定番入門書。精神科医が監修しており信頼性も◎。
📘『マンガでわかる認知行動療法』(福井至/池田書店)
ストーリー仕立てで、感情と行動のつながりがわかりやすい。初心者にぴったり。
📘『心がスッと軽くなる 認知行動療法ノート 自分でできる27のプチレッスン』(福井至/貝谷久宜 / ナツメ社)
1レッスン15分程度で取り組める、プチワーク満載のノート形式。手軽に継続できる工夫が豊富。
まとめ:考え方を変えることで、気持ちは変えられる
「自分を責めるクセがつらい」「このままじゃ何も変わらない気がする」そんなあなたに、認知行動療法はきっと役立ちます。
私たちは「考え方」や「行動パターン」によって、自分を縛ってしまうことがあります。でもそれらは、見直すことで“変えることができる”のです。
小さな一歩でも、確実に未来は変わっていきます。「こころのトレーニング」、始めてみませんか?

- 精神障がい
- 発達障がい
「ちゃんとしなきゃ」が止まらない。アダルトチルドレンの生きづらさ
「私はずっと“いい子”だった」
親の顔色をうかがい、感情を飲み込んで育った。頼ることが苦手で、なのに人の期待には応えてしまう。
…それ、もしかすると「AC(アダルトチルドレン)」かもしれません。
この記事では、ACの意味や背景、そして回復のヒントを、心の痛みに寄り添いながら丁寧に解説していきます。生きづらさの「理由」に気づいたとき、自分を責める苦しさから少しずつ解放されるかもしれません。
アダルトチルドレン(AC)とは?
大人になっても心が癒えていない「子ども」
アダルトチルドレン(AC)とは、「子ども時代に安心・信頼・自由を得られなかった人が、大人になってもその影響で生きづらさを感じる状態」を指します。
病名ではなく、自分を理解する“ひとつのレンズ”です。他人から見れば「しっかりした人」でも、心の奥では「人に頼れない」「感情を出せない」苦しさを抱えています。
“普通の家庭”でもACになることがある
ACという言葉を聞くと、「虐待や依存症があるような特別な家庭の話では?」と思うかもしれません。でも実際には、一見すると“問題のない家庭”でも、子どもの心が置き去りにされていればACになり得ます。
たとえば…
親の期待が強く、自由に選択できなかった
「泣くな」「我慢しなさい」と感情を抑えさせられた
家族の問題を子どもが背負っていた(親の相談役、弟妹の世話係など)
大切なのは、「何があったか」よりも「どう感じていたか」。ACとは、**感情をしまいこんで生きてきた“心の生存者”**なのです。
セルフチェックリスト|10の質問でわかるあなたの中のAC傾向
以下の質問に、「あてはまる」と思った数を数えてみてください。多ければ多いほど、AC的な傾向を抱えている可能性があります。
🔍 10のセルフチェック
子どもの頃、「いい子だね」と言われることが多かった
人の期待に応えることが、自分の価値だと思ってしまう
「感情を出すのはよくない」と思って育った
親や家族の顔色を気にして行動していた
頼まれごとを断るのが苦手
人に頼ることに強い抵抗や不安を感じる
他人との距離感がうまくつかめない(近づきすぎる/離れすぎる)
自分にだけとても厳しく、失敗を許せない
「私はどこかおかしいのでは」と感じることがある
恋愛・人間関係でいつも同じパターンにハマって苦しくなる
🌱 結果の目安
0~3個:あまり強くは感じていないか、他の要因の可能性あり
4~6個:AC的な傾向があり、生きづらさを感じやすいかもしれません
7個以上:ACの影響が日常生活に強く出ている可能性が高いです。
※このチェックは診断ではありません。気づきのきっかけとしてご活用ください。
ACが感じやすい生きづらさ
人といてもしんどい。ひとりでもさみしい。
ACの人は、人との距離感がうまくつかめなかったり、感情に蓋をしてしまったりする傾向があります。幼い頃に「頼ること」や「甘えること」が否定された経験から、大人になっても無意識にそれを避けてしまうのです。
よくある感覚や行動のパターン
自分の気持ちがわからず、「何がしたいのか」見失う
人間関係で「嫌われないように」と頑張りすぎてしまう
褒められても素直に受け取れず、「もっと頑張らなきゃ」と思ってしまう
助けを求めることに罪悪感を感じる
「いい子だったね」と言われても、うれしくない。本当は、「そのままでいいんだよ」って言ってほしかった。
なぜACは「今も苦しい」のか
子ども時代の“守り方”が、大人になって自分を縛る
ACの苦しさの多くは、**子ども時代に自分を守るために身につけた“生き残りの方法”**が、大人になっても自動的に作動してしまうことにあります。
親に怒られないように、本音を隠した
感情を抑えることで、家庭の混乱から身を守った
「役に立つ子」になることで、自分の存在価値を保った
でも、それらの行動は**「その場しのぎの防御反応」**。今のあなたにはもう、そんなにがんばらなくてもいいのです。
「うまくやってるのに苦しい」の正体
ACの人は「しっかりしている」「責任感がある」と言われがちです。でも、それは苦しさの裏返し。
周囲に合わせすぎて、自分の感情がわからなくなる
頼られることで安心するが、自分が助けを求められない
一人で抱え込み、限界がきてから崩れてしまう
この“繰り返しのパターン”に気づくことが、回復の最初の一歩になります。
回復のステップ|感情に気づき、向き合う
「変わる」よりも「自分に戻る」こと
ACの回復は、「性格を変えること」ではありません。ずっと閉じ込めてきた“本当の気持ち”と向き合うことです。
まずは、こう問いかけてみてください。
本当は、あのときどう感じていた?
どんな言葉をかけてほしかった?
今、どんな気持ちを無視してる?
気づくのが怖いときは、ノートに書いてみたり、信頼できる人に少し話してみたりすることから始めましょう。
自分にやさしくなる“練習”も大事
「こう感じてもいいんだよ」と自分に許可を出す
「今日はよくやった」と1日の終わりに声をかけてみる
無理にポジティブにならず、「苦しいままでも大丈夫」と認める
これらはすべて、インナーチャイルド(内なる子ども)を癒す小さなステップになります。
回復のためのサポートを知ろう
一人で抱え込まないで
回復は、一人きりではとても大変です。だからこそ、「安心できる場所」や「共感してくれる人」とつながることがとても大切です。
おすすめのサポートや方法
ACやインナーチャイルドを扱う専門カウンセリング
アダルトチルドレンの自助グループ(ACOAなど)
心理学や体験談の本を通じた“共感”と“理解”の深まり
話すのが苦手なら、無理に話さなくてもいい。でも、聴いてくれる人がいるだけで心は変わります。
ACは「弱さ」ではない
がんばってきた証としてのAC
ACの人は、弱かったから傷ついたのではありません。がんばっても報われなかった経験を、心の奥で引きずっているだけなのです。
家族の平和のために、自分を後回しにしてきた
期待に応えなければ存在を許されないと感じていた
自分を責めることで、家族の崩壊を止めようとした
そんなふうに生きてきたあなたは、誰よりも耐え、努力してきた人です。
役立つおすすめ書籍5選
1. 『アダルト・チルドレン癒しのワークブック』
著者:西尾和美(学陽書房)→ 日本にACという言葉を広めた第一人者による解説と癒しのヒントが詰まった一冊。信頼性・内容ともに非常に高いです。
2. 『インナーチャイルドと仲直りする方法』
著者:由井寅子(ビジネス社)→ 感情を閉じ込めた“子どもの自分”との向き合い方をやさしく解説。実践ワーク付き。
3. 『毒になる親 一生苦しむ子ども』
著者:スーザン・フォワード(講談社)→ ACの核心に迫る一冊。親との関係を見つめ直す視点を提供してくれます。
4. 『いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本』
著者:根本裕幸(ディスカヴァー・トゥエンティワン)→ ACに限らず、対人不安・自己否定に苦しむ人にぴったり。優しい語り口。
5. 『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』
著者:岡田尊司(光文社新書)→ ACの背景にある「愛着の傷」に焦点を当てた専門的かつわかりやすい良書。ファクトベースの内容です。
まとめ:「私が悪かったんじゃない」と気づけたら
もしあなたが今、しんどさを抱えているのなら――ACという言葉が、少しだけその理由を照らしてくれるかもしれません。
「過去に何があったか」よりも、「今、どうしたいか」。もう、ひとりで抱えなくていい。
あなたには、「そのままでいていい」未来を生きる価値があります。ゆっくりでいい、一歩ずつ歩いていきましょう。

- 精神障がい
- 発達障がい
『普通に食べたいのに食べられない』心の葛藤と摂食障がいの本当
「痩せたいわけじゃない。食べたい。でも、こわい。」「食べるのが止まらない。苦しい。でも、やめられない。」
これは、摂食障がいを抱える人の中にあるリアルな葛藤です。「ただ普通に、食べられたらいいのに」
「食べること」には生きるための行動だけでなく、感情・自尊心・人間関係のパターンが色濃く表れます。この記事では、摂食障がいの基本的な知識だけでなく、苦しんでいる心の内側にも目を向けながら、回復へのヒントを探ります。
摂食障がいとは?
食の問題ではなく、心のSOS
摂食障がいとは、食行動に強いこだわりや異常が現れる精神疾患です。単に「痩せたい」「太りたくない」ではなく、不安や孤独、自分への否定感などを“食”を通して表現している状態です。
代表的なタイプと特徴
神経性やせ症(拒食症) 食べる量を極端に制限し、体重が著しく低下。自分を“太っている”と感じてしまうボディイメージの歪みがある。
神経性過食症(過食症) 過食と嘔吐・下剤の乱用を繰り返す。食への執着と自己嫌悪を行き来する。
過食性障がい(むちゃ食い障がい) 衝動的に大量に食べるが、排出行為は伴わない。コントロール不能な「むちゃ食い」が継続。
回避・制限性食物摂取障がい(ARFID) 味や匂い、食感への敏感さなどが原因で食事量が極端に減る(摂食障がいの新しい分類)。
「食べること」が苦しい理由
“食=不安”という感情の根っこ
「食べると太る」「食べると罪悪感がある」こうした感情は、自己否定やコントロール欲求と深く結びついています。
「食べたらダメ」=“いい子でいなければ”という思い込み
「食べてしまった」=“私はダメな人間”という全否定
「痩せている私」だけが存在価値を持てる
これらは家庭環境や過去の傷つき体験、自尊心の低さからくる「思い込み」として心の中に根づいています。
「ちゃんと食べなきゃ」は呪いになることも
周囲の「しっかり食べて」「少し太った方がいいよ」という言葉も、摂食障がいの人には強烈なプレッシャーとなります。
❝ 体重や食べた量で、自分の価値を測ってしまう。食べたことをなかったことにしたくて、すぐにトイレに走った。 ❞
これが、食行動の背後にある「こころの叫び」です。
摂食障がいになりやすい人の傾向
性格傾向:まじめで我慢強く、優しい人
摂食障がいを経験する人の多くに共通するのが以下のような傾向です
完璧主義・努力家
人に迷惑をかけたくない
感情を飲み込むクセがある
人からどう思われるかを過剰に気にする
環境要因:育った環境や文化の影響も
子どもの頃、他人や親から体型や食事に厳しく指摘された
「いい子」「成績優秀」「我慢が美徳」と言われ続けた・思い込んでいる
SNSやメディアの「痩せ=美しさ」という価値観に強く影響された
こうした背景が心の奥に「ありのままの自分では価値がない」という根深い思い込みをつくり、食を通じた自分コントロールにつながっていくのです。
回復とは、「普通に食べる」ことではない
治すより「自分と仲直りする」こと
摂食障がいの回復とは「以前のように食べられるようになること」ではなく、“自分との関係性”を変えていくことです。
「ちゃんと食べられなくてもいい」と思える
「食べられない日があっても自分を責めない」
「太っても自分の価値は変わらない」と思えるようになる
これが“心の回復”です。
少しずつ、身体感覚を取り戻す
食べたい・食べたくないという感覚に注意を向ける
食事中の“味”や“匂い”を味わうようにしてみる
食後の罪悪感に気づいて、そっと受け流す
食べることを“罰”にしない。それが少しずつ「自分を生きる」練習になっていきます。
周囲ができることは「そばにいる」こと
避けたい言葉・態度
「もっと食べなよ」「それじゃ足りないよ」
「私なんてもっと太ってるよ」
「あなたは細いから大丈夫」
→ これらはすべて「食べる=責められること」として心に残ります。
代わりにできること
食事の話題以外をたくさん共有する
何もできなくても「そばにいるよ」と伝える
良い・悪いではなく「苦しかったね」と気持ちを受け止める
大切なのは「何か言おうとしないこと」かもしれません。沈黙の中にある“安心”が、回復の土台になります。
回復への道しるべ|支援とつながる勇気を
摂食障がいは、ひとりで抱えるにはあまりにも重たいものです。しかし、支援やつながりによって、必ず“光”は見えてきます。
どこに相談したらいい?
心療内科・精神科(摂食障がい外来)
精神保健福祉センター・地域包括支援センター
自助グループ(NABAなど)「摂食障がい 自助グループ (お住まいの地域)」で検索するのもおすすめ
児童・生徒であれば、スクールカウンセラーや養護教諭
「言葉にならない気持ち」でも大丈夫
「助けて」と言えなくても、「しんどいです」だけで十分です。回復への第一歩は「ひとりじゃない」と気づけた瞬間から始まります。
おわりに:“食べられない私”も、ちゃんと生きている
「食べたいのに食べられない」「普通に戻れない自分が、情けない」
でも、そんなあなたも、ちゃんと生きています。毎日、目の前の苦しみと向き合って、あなたは踏んばっている。それだけで、十分に価値のあることです。
どうか、あなたの「食べること=生きること」が少しずつ楽になりますように。誰かのためではなく、あなた自身の人生のために。