2024.02.21

障がい者が自分らしく働くことを諦めないために ビジネススクール誕生

「どこでも働けるなら、それでいい」という言葉から、障がいを持つ人々が常に諦めを抱えていることを示唆しています。障がいを持つ人々が本来持っているはずの可能性を十分に発揮することができないという課題があります。しかし、障がいがあっても、むしろそれが彼らの強みとなり、豊かな社会を築くための力になることができるという信念があります。この信念を実現するために、ビジネススクールが立ち上がりました

 

聴覚障がい者向けに字幕が付いている

D-Biz Collegeは、2023年10月に東京で誕生しました。このスクールは、eラーニングを中心としたオンライン教育プラットフォームであり、ロジカルシンキングからSNSマーケティング、財務分析、事業開発など、20以上の講座と計約200本の動画を提供しています

入会金は3万3000円で、月額1万1000円で受講し放題です。特筆すべきは、聴覚障がい者向けに字幕が付いている点です。この配慮により、障がい者の方々も同じ学びの機会を享受することができます。

また、オンライン教育の形式は、場所や時間に制約されずに学習が可能であり、多様な生徒が柔軟に受講できる環境が整っています。これにより、障がい者コミュニティだけでなく、広範な層の人々が、自分のペースで学び、成長することができるようになっています

 

成功を収めている障がい当事者が経験や知識を伝える

このスクールの最大の特徴は、成功を収めている障がい当事者が「コーチ」として参加し、学習者にロールモデルとなる支援を行う点です。例えば、筋ジストロフィーを患いながらもシンガー・ソングライターとして活躍する小澤綾子さん、視覚障がいを持ちながら経営コンサルタントとして成功する成澤俊輔さん、またブラインドサッカー日本代表として活躍した落合啓士さんなど、さまざまなバックグラウンドを持つコーチが、学習者に対して自身の経験や知識を伝えています

彼らの存在は、学習者にとって理想的な学習環境を提供しています。学習者は、これらのコーチから直接指導を受けることで、彼らの経験や成功に刺激を受け、自らの可能性を広げることができます。さらに、異なる背景や経験を持つコーチが参加していることで、多様な視点やアプローチが学習者に提供され、より豊かな学びの体験が可能となっています。このような環境が、学習者の成長や自己実現に大きく貢献しています。

渡辺佑さん「全然弱者だとは思えない」

渡辺佑さんは、経営コンサルタントであり、コミュニケーション手法「コーチング」を教える会社を経営しています。彼がD-Biz Collegeを立ち上げるきっかけは、小澤綾子さんからの紹介でした。最初は、「社会的弱者」に貢献したいという思いからスクールを立ち上げた渡辺さんでしたが、その後、障がいを持つ人々が活躍する姿を目にし、「全然弱者だとは思えない」という印象を抱きました

彼の意識が変わったのは、障がい者たちが日々の生活や仕事で自分の可能性を最大限に発揮している姿を見たからです。彼らが障がいに立ち向かい、その中で成長し、成功する様子に感銘を受けた渡辺さんは、彼らの側に立って支援し、スクールを通じて彼らの可能性を広げることを決意しました。彼の人生やビジネスの目的も、この経験から大きく変化しました。

 

障がい者雇用の実態

小澤さんや他の障がい当事者からは、障がい者雇用の実態についても深く語られました。現在の社会では、法定雇用率を満たすことが最優先され、「職場にいればいい」という考え方が広く支持されています

しかし、この考え方は、障がい者が本当に自分らしい働き方を見つけることを阻害しています。多くの障がい者が、ただ働くことだけでなく、自分の能力や情熱を発揮し、充実した人生を築きたいと願っています。そのためには、働くことが目的ではなく手段であることを理解し、それを実現するためのサポートや教育が必要です。

D-Biz Collegeは、そのような目的を持つ人々に向けて、理想的な学習環境を提供する場となっています。ここでは、障がい者が自分の夢や目標に向かって進むためのスキルや知識を身につけることができます。さらに、他の障がい者や成功を収めたコーチからの支援やアドバイスを受けながら、自らの可能性を最大限に引き出すことができます

このようなサポートがあるからこそ、障がい者も自信を持って自分の道を歩み、充実した人生を送ることができるのです。

 

受講生たちが自らの悩みや目標について議論

D-Biz Collegeには、さまざまな障がいを持つ7人の受講生が在籍しており、それぞれが自身の目標に向かって学んでいます。彼らは、様々な背景や経験を持ちながらも、共通の目標に向かって努力しています。2024年2月8日に開催されたオンラインセッションでは、受講生たちが自らの悩みや目標について熱心に議論し合いました。

それぞれが抱える課題や困難に対して、共感し支え合う姿が見られ、コミュニティ全体が一体となって成長していく様子が感じられました。彼らの議論やアイデアは、スクール全体の雰囲気やプログラムの改善にも活かされ、より効果的な支援や学習環境が提供されることになるでしょう。このようなコミュニティの活動は、受講生たちが単なる学習者以上の存在となり、お互いに学び合い、成長し合う場となっています

 

自らの夢や目標を追求

このようなプログラミングを学ぶ受講生の経験は、D-Biz Collegeの理念を象徴するものです。彼女は、以前は仕事に対して疑問や葛藤を抱えていましたが、スクールでの学びとコミュニティのサポートによって、その状況が変わりました。ポジティブな言葉や励ましの声が彼女の心を支え、ストレスが減少しました

これにより、彼女は新たな挑戦に向かう自信を取り戻し、自分の成長と可能性に向けて前進することができました。彼女の経験は、他の受講生にも影響を与え、スクール全体の雰囲気や学びの質を向上させる一助となっています。このような個々の成長が、D-Biz Collegeのコミュニティ全体の力となり、障がいを持つ人々が自らの夢や目標を追求し、充実した人生を築いていくための場を提供しています。

まとめ

D-Biz Collegeは、障がいを持つ人々に向けた革新的なビジネススクールとして、2023年に東京で誕生しました。このスクールでは、eラーニングを中心に幅広い講座が提供され、成功を収めている障がい当事者がコーチとして参加し、学習者を支援しています。また、字幕付きの動画など、バリアフリーな学習環境も整備されています。

渡辺佑さんをはじめとする創設者たちは、障がい者が自らの可能性を最大限に発揮し、自己実現を果たすことを支援する使命を掲げています。これまでの成功事例や学びを共有することで、障がい者が自信を持ち、新たな挑戦に向かう姿が見られます。

さらに、スクールのコミュニティはお互いを支え合い、共に成長する場となっています。D-Biz Collegeは、障がい者の働き方や生き方に対する社会の認識を変え、彼らが自らの夢や目標を追求し、充実した人生を築く手助けをしています。

 

参考

学んで社会を変えよう 障がい者が自分らしく働くためのビジネススクール

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