2024.02.21

男性更年期障がいとは?「なんとなく不調」「突然のほてりや発汗」

男性更年期障がい、通称加齢性腺機能低下症やLOH症候群と呼ばれるこれらの状態は、病気ではないものの、中高年男性が「なんとなく不調」「突然のほてりや発汗」などの不定愁訴に悩まされることがあります

これらは、女性に特有と思われる更年期の症状と同様に、男性にも現れることがあります。その原因として、性ホルモンの低下やそのバランスの乱れが挙げられます。

 

女性の更年期障がいと男性の更年期障がいの違い

女性の更年期障がいは、通常、閉経前後の約10年間に急激なエストロゲンの減少によって引き起こされ、閉経後は徐々に症状が緩和されていきます。

一方、男性の場合、男性ホルモンであるテストステロンは一般的に中年以降になると徐々に減少していきます。その速度や程度、時期は個人差が大きく、そのため、男性でも40代以降、どの年齢でも更年期症状が発現する可能性があります。

ただし、男性と女性の更年期症状には違いがあり、男性の場合は加齢性腺機能低下症やLOH症候群と呼ばれるものが該当します。

 

テストステロンは認知機能や血管の健康にも関与

男性ホルモンであるテストステロンは、筋骨隆々の肉体や性機能だけでなく、認知機能や血管の健康にも関与しています。そのため、中高年男性の健康を維持するためには、男性ホルモンの適切なレベルを維持することが重要です。

男性ホルモンの減少は、ストレスや睡眠不足などの生活習慣の影響を受けることがあり、そのため生活習慣の改善が症状の改善に繋がる可能性があります

さまざまな症状

男性更年期障がいには、身体的な症状、精神的な症状、性機能に関する症状が含まれます。

 

身体的な症状

・突然のほてりや発汗

・急激な体重増加または減少

・疲れや倦怠感

・筋肉の減少や筋力の低下

・関節の痛みやこわばり

・骨粗しょう症のリスク増加

・高血圧や高コレステロールなどの循環器系の問題

 

精神的な症状

・不安や焦燥感

・イライラや怒りの感情の増加

・抑うつや憂鬱感

・集中力や記憶力の低下

・睡眠障がいや不眠症

・自己評価の低下や自尊心の低下

 

性機能に関する症状

・性欲の低下

・ED

 

これらの症状は、個々の男性によって異なる程度で現れることがあり、年齢や健康状態などの要因によっても影響を受けます。

 

男性ホルモンの減少と生活習慣病

男性ホルモンの減少によって引き起こされる代表的な症状は、勃起障がい(ED)です。日本の60歳代の男性の60%以上にこの症状が見られ、決して珍しいことではありません。

 

血管病として

EDの原因としてかつては、気の持ちようや糖尿病などの生活習慣病が指摘されてきましたが、近年では"血管病"とも考えられています。なぜなら、血管の機能と深く関連しており、血管の健康が損なわれると(動脈硬化が進み、血流が悪化すると)、EDが発生しやすくなるからです。

 

男性ホルモンの減少と健康リスク

加齢男性での低テストステロン値は、抑うつ状態や疾患リスク増加と関連しています。また、男性ホルモンの減少は認知症や筋肉減少症などにも関連しています。

 

男性ホルモンの重要性と健康

男性ホルモンは、男性の健康維持に重要な役割を果たします。もし男性更年期障がいやEDを自覚した場合は、生活改善のほか、定期的な健康診断や前立腺腫瘍マーカー検査(PSA検査)を受けるなど、健康管理に積極的に取り組むことが重要です

 

男性更年期障がいの治療方法

男性更年期障がいの治療には、様々なアプローチがあります。まず、体調不良や血液検査で男性ホルモンの低下が確認された場合、加齢性腺機能低下症と診断されます。この状態において、ストレスや睡眠、運動、食事などの生活習慣の改善が重要です。これらの改善が症状の軽減に効果を発揮することがあります。

 

治療薬

漢方薬やED治療薬、抗うつ薬などが処方されることもあります。これらの薬物は症状の緩和や改善を目指して使用されます。特に、ED治療薬は勃起障がいの症状に対処するために利用されます。

一方、男性ホルモンの値が著しく低く、症状が重い場合には、テストステロン補充療法が選択されることもあります。この治療法では、体内に不足しているテストステロンを補うことで、症状の改善を図ります

テストステロン補充療法は保険治療としても認められており、一般的にはテストステロンの筋肉注射が用いられます。これは、2から4週間おきに行われ、症状の改善が確認されるまで継続されます。この治療法は、男性更年期障がいによる症状の軽減や生活の質の向上に役立ちます。

まとめ

男性更年期障がいの治療は個々の症状や状態に合わせて多岐にわたります。医師との相談を通じて最適な治療法を選択し、健康な生活を取り戻すことが大切です。

 

参考

男性更年期障がい(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)

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