2024.03.07

共生社会について考える「障がい者のイメージ変わった」茅ケ崎で共生社会フェスが開催

神奈川県茅ケ崎市立梅田小学校で、6年生が企画した「茅ケ崎共生社会フェス」が2日に開催されました。

このイベントでは、障がいのある同級生と触れ合うことで、地元の皆さんに共生社会について考えてもらいたいという思いから、出店を呼びかけ、準備が進められました。

 

「イメージが変わった」

1年間にわたり、約130人の6年生たちは総合的な学習の時間を通じて、障がいや共生社会について学んできました。同校には「仲よし級(特別支援学級)」があり、野里杏さん(12)は「イメージが変わった。障がいって個性だと知ってもらいたい」と話しています。

 

パン屋や漬物店17店が出店、バンド演奏なども披露

この日は校庭に地元のパン屋や漬物店、さらには障がい者の就労支援事業所がウェットスーツの端材を利用したアクセサリーを販売するなど、計17店が出店しました。

また、体育館では児童が作成した障がいに関する資料が展示され、車いすの体験コーナーも設けられました。さらに、ステージでは手話ダンスや市内の特別支援学校の生徒らによるバンド演奏が披露されました。

 

「堅苦しい言葉を使わなくても、まさに共生社会」

内山ゆかりさん(45)は、雑貨店を出店しました。彼女の次男である6年生の橙翔(だいと)君(12)は、重度の知的障がいを伴う自閉症を抱えています。

内山さんは、「今日は障がいのある人もない人も物を売って買っている。インクルーシブとかSDGSといった堅苦しい言葉を使わなくても、まさに共生社会です」と述べています。

 

自分の住む街が温かくて優しい街であってほしい

児童たちは大人たちと一緒にお店を担当し、受付や告知を行いました。このイベントを担当した戸高佑基教諭(30)は、「子どもたちは自分の住む街が温かくて優しい街であってほしいと思っている。横のつながりのあるなかで成長してほしい」と述べました。

特別支援学級は個々のニーズに合わせた教育プログラム

特別支援学級は、学校教育において障がいを持つ児童・生徒が適切な支援を受けながら学ぶためのクラスです。

これらのクラスでは、身体的・知的・感情的な障がいを持つ児童・生徒が個々のニーズに合わせた教育プログラムを提供します。

 

個別の教育計画が立てられる

障がいを持つ児童・生徒が他の児童・生徒と同じ学習機会を享受できるように支援することが特別支援学級の主な目的です。

そのために、個別の教育計画が立てられ、専門の教員や支援スタッフが児童・生徒の発達や学習上のニーズに応じた指導を行います。

このような環境で、児童・生徒は自分らしく成長し、学びを進めることができます。

 

他の生徒との交流や社会的なスキルの習得

特別支援学級では、単に学習だけでなく、他の生徒との交流や社会的なスキルの習得も重視されます。

障がいを持つ児童・生徒が他の生徒と協力し合い、コミュニケーションを取りながら成長する場としての役割も果たしています。

さらに、個々の能力や興味に合わせたカリキュラムや教材を使用し、児童・生徒が自己成長を達成できるようにサポートされます。

 

学校で安心して学ぶ場

特別支援学級は、障がいを持つ児童・生徒やその家族にとって、学校での安心して学ぶ場を提供する重要な存在です。

家族が安心して子供たちを学校に預けることができ、児童・生徒が学校生活を楽しんで過ごし、自信を持って成長するための土台となります。

 

自己実現を果たすための重要な枠組み

このように、特別支援学級は、障がいを持つ児童・生徒が学校教育の恩恵を受けながら、自己実現を果たすための重要な枠組みとなっています。

その役割は、学校教育の中で欠かせないものとして、今後も重要性を増していくことでしょう。

 

特別支援学級とインクルーシブ教育

特別支援学級とインクルーシブ教育は、現代の教育において重要な概念として位置づけられています。

これらのアプローチは、異なるニーズや背景を持つすべての児童・生徒が教育を受ける権利を保障し、彼らが自己実現を果たすための環境を提供することを目指しています。しかし、それぞれのアプローチには独自の特徴があります。

 

特別支援学級:障がいを持つ児童・生徒に特化した教育プログラム

特別支援学級は、障がいを持つ児童・生徒に特化した教育プログラムを提供することを目的としています。

これらのクラスでは、障がいに応じた個別の教育計画が立てられ、専門の教員や支援スタッフが児童・生徒のニーズに応じた指導を行います。

特別支援学級では、児童・生徒が自分のペースで学ぶことができる環境が整えられており、彼らの発達や成長を最大限にサポートします。

彼らが最適な環境で学び、成長するためのサポートが得られることを意味しています。

 

インクルーシブ教育:すべての児童・生徒が同じ学習環境

インクルーシブ教育は、障がいの有無にかかわらず、すべての児童・生徒が同じ学習環境で学ぶことを重視したアプローチです。

これは、障がいを持つ児童・生徒が他の生徒と共に学び、成長することで、相互理解や共感を促進し、社会的な結束を高めることを目指しています。

インクルーシブ教育では、適切な支援や配慮が提供されることで、すべての児童・生徒が自己実現を果たすための機会を享受できるようになります。

 

異なるアプローチを持ちながらも共通の目標

特別支援学級とインクルーシブ教育は、それぞれ異なるアプローチを持ちながらも、共通の目標を持っています。それは、障がいを持つ児童・生徒が学校での成功を達成し、社会参加や自己実現を果たすためのサポートを提供することです。両者の違いや特徴を理解し、適切な支援を行うことで、すべての児童・生徒が学びの機会を享受し、自己成長を達成することができるでしょう。

 

共生社会の実現に必要なこと

共生社会は、多様な人々がお互いを尊重し支え合う社会のあり方を指します。この概念は、異なる人々が共に生きることで、お互いに豊かな関係を築き、社会全体の発展と共に自己実現を促進することを目指しています。共生社会では、障がいや人種、性別、年齢などの違いを超えて、全ての人々が平等に権利と尊厳を享受できるように努められます。

 

包摂的な政策と制度の整備

共生社会を実現するためには、包摂的な政策や制度が必要です。障がい者やマイノリティの権利を保護し、彼らが社会に参加し、自立して生活できるようにするための施策が求められます。また、教育や雇用、医療などの分野において、平等な機会が提供されることも重要です。

 

教育と啓発の促進

共生社会を築くためには、社会全体の意識や理解を高めるための教育と啓発が欠かせません。障がいや多様性についての正しい知識を普及させることで、偏見や差別をなくし、共感や理解を深めることができます。

 

バリアフリーな環境の整備

共生社会を実現するためには、身体的・心理的なバリアを取り除くことが必要です。公共施設や交通機関、情報の提供など、全ての人が利用しやすい環境が整備されることで、社会参加の機会が広がります。

 

コミュニティの形成と支援体制の強化

共生社会では、地域コミュニティが重要な役割を果たします。障がいや困難を抱える人々が地域社会で支え合い、助け合うことで、互いに豊かな関係を築くことができます。また、専門の支援サービスや地域ボランティアなどの支援体制も必要不可欠です。

 

持続可能な発展の推進

共生社会は持続可能な発展の基盤として位置づけられます。多様性を尊重し、全ての人々が平等に参加し、自己実現を果たすことができる社会が築かれることで、持続可能な社会の実現が可能となります。

 

地域全体の共生意識を高め支援する仕組みが必要

共生社会の実現に向けて、政府は包括的な政策を策定し、それを実施するための機関を設置することが求められます。また、地域社会では、地域住民が協力し合い、多様性を尊重し支援し合う文化が醸成される必要があります。地域コミュニティが地域全体の共生意識を高め、お互いのニーズを理解し、支援するための仕組みが整備されることが重要です。

 

個人の意識改革

個々の人々にとっても、共生社会の実現に向けた積極的な取り組みが求められます。偏見や差別を排除し、多様性を受け入れる意識を持ち、他者との関係を構築することが重要です。また、自己の立場や特性に応じた社会貢献活動や支援活動に参加することで、共生社会の実現に貢献することができます。

 

互いを尊重し支え合う

共生社会の実現は、単なる政府や組織の取り組みだけでなく、個々の人々の意識や行動の変革にも依存しています。互いを尊重し支え合うことで、社会全体がより豊かで包括的なものになり、全ての人々が平等な機会を享受し、自己実現を果たすことができるでしょう。このような社会の実現に向けて、政府、地域社会、個々の人々が連携し、積極的な取り組みを行うことが不可欠です。

 

相互の理解や協力が不可欠

共生社会が実現するには、異なる人々が共に生きる中で、相互の理解や協力が不可欠です。このような社会では、単に法的な権利だけでなく、個々の人々が自らの多様性を認め合い、尊重し合う文化が育まれることが求められます。障がいや人種、性別、年齢の違いを超えて、個人の尊厳と権利を尊重し、それぞれの人々が社会において平等に扱われることが大切です。

 

教育や啓発活動

共生社会の実現には、社会全体の意識改革が欠かせません。偏見や差別をなくし、多様性を受け入れる心を育むためには、教育や啓発活動が不可欠です。学校や地域での多文化教育や人権教育の推進、メディアの役割強化などが有効な手段となります。また、企業や団体が多様性を尊重し、包括的な雇用やサービスを提供することも重要です。

 

バリアフリーな社会環境の整備

さらに、共生社会の実現には、バリアフリーな社会環境の整備も必要です。身体的なバリアや情報のアクセスの制約を取り除き、全ての人が社会参加や活動に参加できるような環境を整えることが重要です。また、地域コミュニティの支援体制の強化や、心のケアなども欠かせません。

まとめ

共生社会は、個々の人々がお互いを尊重し、助け合うことで実現されます。そのためには、政府や組織だけでなく、個々の人々が積極的に関わり、貢献することが求められます。互いを尊重し、共に協力して社会を築くことで、より豊かで包括的な共生社会を実現することができるでしょう。

 

参考 

小学6年生が「障がい者のイメージ変わった」 茅ケ崎で共生社会フェス:朝日新聞デジタル

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