2024.03.07

摂食障がいを公表した遠野なぎこさん「お薬でもどうにもならない」治療が難しく克服には時間と専門的な支援が必要

遠野なぎこ(44)さんが、10代から摂食障がいに苦しんできたことを公表しました。Instagramで自身の体調について報告してきた彼女は、最近「自分でも、お薬でもどうにもならない」という新たな“病”を明かしました。

 

過食嘔吐の症状

1月7日には、年が明けてすぐに体調不良になり、食事ができない状態に陥ったことを投稿しています。その後、体調が徐々に回復してきたと思われていましたが、2月15日の更新では「『久しぶりの“症状”』出てしまった。何カ月ぶりだろう。“過食嘔吐”。ずっーと治っていたのに。」と、複雑な気持ちを吐露しました。

 

自分でもお薬でもどうにもならない

25日には、「『“寂しがりが止まらない” 』。仕事があっても。彼氏がいても。いつも何かが満たされない。“寂しがり”という名の病。自分でも、お薬でもどうにもならない。ツラい。」と新たな“病”を告白しました。

さらに、「思い出せるのは、愛おしいあのどうしようもない感情と優しい温もりだけ。」と、飼っていたペットとの思い出を振り返り、「ちょっぴり苦しい夜です。手をつないでいようね。」とコメントしています。

 

ファンから多くの励ましの声

この投稿には、ファンから多くの励ましの声が寄せられています。「私も同じく寂しがりです。つらいですよね」「なぎちゃんは大切な人です。そのままのなぎちゃんでいいのです」といった声が、遠野なぎこさんを支える一助となっています。

 

心の闘いと理解を求める

摂食障がいは、食べることに関する心理的な問題であり、その影響は身体的な健康に及びます。

この問題は、食べる量を極端に減らす拒食症、食べ過ぎてからの嘔吐や過剰な運動を行う過食症、またはこれらの症状が混在する過食嘔吐症などの形で現れます。

女優の遠野なぎこさん(44)が自身の長年にわたる摂食障がいについて公表し、その厳しい現実を告白したことで、この問題に対する理解が深まりました。

遠野さんの勇気ある行動は、摂食障がいに対する社会的な認識を高め、患者が適切な支援を受けられるようになる可能性があります。

また、摂食障がいに対する偏見や誤解を減らすことで、患者が安心して相談できる環境が整うことも期待されます。

 

心の健康にも大きな影響を与える

摂食障がいは、単なる食欲の問題に留まらず、心の健康にも大きな影響を与えます。

この疾患に苦しむ人々は、食べ物や体重に対する異常なコントロール欲求や、自己価値感の低下、そして社会的な孤立感など、さまざまな心理的な問題に直面しています。

遠野なぎこさんの告白は、これらの苦しみを抱える人々に勇気と希望を与えると同時に、一般社会に対して摂食障がいに対する理解を促す重要なメッセージでもあります。

 

治療が難しい

摂食障がいは治療が難しく、その克服には時間と専門的な支援が必要です。

心理療法(カウンセリングや心理療法)、栄養療法、医薬療法など、総合的なアプローチが一般的に推奨されます。心理療法では、認知行動療法(CBT)が効果的であり、健康的な食習慣を身につけ、自己評価を改善することを目指します。

栄養療法では、専門家が適切な食事プランを提供し、栄養失調を改善します。また、医薬療法では、抗うつ薬や抗不安薬が症状の軽減に役立つことがあります。

 

周囲の支援も欠かせない

治療だけでなく、家族や友人の理解と支援も欠かせません。

周囲のの優しさや理解が、患者が摂食障がいと向き合い、克服するための力になることは計り知れません。摂食障がいは、一人で抱え込むべきではありません。共に立ち向かい、共に克服することが大切です。

摂食障がいとは?

摂食障がいは、食事や体重に関する異常な心理的な問題が原因で食欲や食事行動に影響を与える疾患です。主な症状、原因、そして治療法について解説します。

 

拒食症

  • 食事制限と体重管理

拒食症の人は、極端な食事制限を行います。食べる量を極力減らし、カロリーを制限することが特徴です。また、体重を徹底的に管理し、極端な痩せことを目指します。

 

  • 体の変化と健康への影響

長期にわたる食事制限により、体重が極端に低下し、栄養失調や身体的な弱体化が起こります。皮膚や髪の毛の状態が悪化し、月経が停止することもあります。

 

  • 心理的な側面

食べることに対する異常な恐れや不安があります。自己評価が食事や体重管理に完全に依存しており、自己価値感が極端に低下しています。

 

過食症

  • 食べ過ぎと嘔吐

過食症の人は、一度に大量の食べ物を摂取し、その後自己嘔吐や下剤の乱用、過度な運動などを行います。これは食べ過ぎに対する罪悪感や不安を和らげるために行われます。

 

  • 体重の変動と身体的な影響

過食と嘔吐の繰り返しにより、体重が急激に変動し、消化器系の問題や歯の損傷、電解質のバランスの乱れなどが生じることがあります。

 

  • 秘密主義と罪悪感

過食症の人は、自分の行動を秘密にしようとし、周囲に隠します。そのため、罪悪感や恥ずかしさが常に付きまといます。

 

過食嘔吐症

  • 過食と自己嘔吐のサイクル

過食嘔吐症の人は、一度に大量の食べ物を摂取し、その後の自己嘔吐や過度の運動を行わない場合もあります。これにより、食欲と罪悪感のサイクルが生じます。

 

  • 体重増加と肥満

過食症の特徴的な症状であるため、体重の増加や肥満が見られることがあります。これにより、肥満関連の健康問題が発生する可能性があります。

 

  • 情緒不安定と自己否定

過食嘔吐症の人は、食事と体重管理に関する強い感情的なストレスを経験し、自己否定感が高まります。

 

これらの症状は、摂食障がいの種類や個々の状況によって異なりますが、一般的には心身に深刻な影響を及ぼす可能性があります。早期の治療と適切な支援が重要です。

 

遺伝的要因

家族内で摂食障がいを持つ人がいる場合、遺伝的な傾向が摂食障がいの発症に関与する可能性があります。遺伝子レベルでの特定の傾向や脳内化学物質のバランスの変化が、摂食行動や体像に影響を与えることが考えられます。

 

心理的要因

自己価値感の低下や身体への不満、過度の完璧主義、自己コントロールの欲求など、心理的な問題が摂食障がいの発症に関与します。トラウマやストレスが過食や拒食の行動を引き起こすことがあります。

 

社会的要因

美の概念や理想体型への社会的なプレッシャーや、メディアからの理想化された体型のイメージが、摂食障がいの発症に影響を与えることがあります。

また、家族や同僚、友人の間での食事制限やダイエット文化が、摂食障がいを引き起こす要因となることがあります。

 

これらの要因は相互に関連し、個々人の経験や状況によって異なります。摂食障がいの発症には、遺伝的な傾向と環境要因の相互作用が重要な役割を果たしています。そのため、総合的なアプローチが治療と予防において重要です。

治療法

治療法はカウンセリングや心理療法、栄養療法、医薬療法があります。自己判断ではなく、医師に相談して適切な処置を行ってもらいましょう。

 

心理療法(カウンセリングや心理療法)

  • 認知行動療法(CBT)

 摂食障がいの主な治療法の一つであり、食事や体重に関する歪んだ考え方や行動パターンを改善することを目指します。患者が健康的な食事習慣を身につけ、自己評価を改善する支援を提供します。

 

  • 心理的サポート

カウンセリングやサポートグループへの参加など、患者が自己受容やストレス管理、感情調整などのスキルを獲得するのに役立ちます。

 

栄養療法

  • 栄養評価とアドバイス

専門の栄養士や管理栄養士が、患者の栄養状態を評価し、適切な食事プランを作成します。バランスの取れた食事や栄養補助食品の摂取が推奨されます。

 

  • 摂食行動の正常化

適切な食事療法を通じて、患者が健康的な食習慣を身につけることを支援します。

 

医薬療法

  • 抗うつ薬や抗不安薬の使用

摂食障がいに伴ううつ病や不安障がいの症状を軽減するために、精神科医が適切な薬物療法を処方することがあります。ただし、薬物療法は心理療法と併用されることが一般的であり、単独では行われることはまれです。

 

これらの治療法は、患者の状況や症状に応じて個別に適用されます。総合的なアプローチが重要であり、心理療法、栄養療法、医薬療法の組み合わせが効果的な治療を提供します。また、家族や友人の支援も欠かせない要素です。早期の治療と適切なサポートが、摂食障がいの克服に向けた重要なステップです。

 

まとめ

摂食障がいは、心の健康に深刻な影響を及ぼす疾患であり、遠野なぎこさんの勇気ある告白が社会的な理解を深めました。治療には心理療法や栄養療法、医薬療法などの総合的アプローチが必要で、家族や友人の支援も不可欠です。共に立ち向かい、共に克服することが重要です。

 

参考

10代からの摂食障がいを公表・遠野なぎこ「お薬でもどうにもならない」新たな“病”を告白し励ましの声(ABEMA TIMES)Yahooニュース

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