2024.04.05

LGBTとは?知っておくべき多様な性「多様性と包括性の象徴」

LGBT(エルジービーティー)は、単なる言葉の羅列ではなく、包括的な意味を持ちます。この用語は、社会の中でしばしばマイノリティとされる性的指向やジェンダー・アイデンティティを持つ人々の共同体を指します。そのため、LGBTは単なる略語ではなく、政治的連帯や社会的認識の象徴として機能しています。

 

共通の経験や闘いを共有

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、そしてトランスジェンダーの各要素は、それぞれ異なる側面を持ちながらも、共通の経験や闘いを共有しています。レズビアンとゲイは、同性愛者としての差異を超えて、社会的な偏見や差別に対する共通の抵抗を持っています。

バイセクシュアルは、二元的な性別観に縛られることなく、複数の性別に対する愛やアイデンティティを表現します。そして、トランスジェンダーの人々は、自らのジェンダー・アイデンティティに関する理解や尊重を求めています。

これらの要素が組み合わさってLGBTコミュニティを形成し、彼らは共通の目標や利益のために団結しています。例えば、同性結婚の合法化や性的指向やジェンダー・アイデンティティに基づく差別の撤廃など、彼らの権利と平等を求める運動はLGBTコミュニティ全体に影響を与えます。

 

LGBTの意味

LGBT(エルジービーティー)は、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の頭文字から成る用語であり、性的指向やジェンダー・アイデンティティの多様性を包括的に表現します。この用語は、単なる略語にとどまらず、政治的連帯や社会的認識の象徴として機能しています。

 

  • レズビアン

レズビアンは、女性同士の恋愛や性的指向を持つ人々を指します。彼らはしばしば社会的な偏見や差別に直面し、自らのアイデンティティを受け入れ、尊重される権利を求めています。

 

  • ゲイ

ゲイは、男性同士の恋愛や性的指向を持つ人々を指します。彼らもまた、同様に差別や偏見に直面し、自らのアイデンティティの尊重を求めています。

 

  • バイセクシュアル

バイセクシュアルは、複数の性別に対する恋愛や性的指向を持つ人々を指します。彼らは、二元的な性別観にとらわれず、自らのアイデンティティを表現する権利を主張しています。

 

  • トランスジェンダー

トランスジェンダーは、生まれた性別と異なるジェンダー・アイデンティティを持つ人々を指します。彼らは、自らの正当なアイデンティティを認められ、尊重される権利を求めています。

 

LGBTコミュニティは、これらの異なる要素を含む多様な集団であり、共通の目標や利益のために団結しています。彼らは、同性結婚の合法化や性的指向やジェンダー・アイデンティティに基づく差別の撤廃など、自らの権利と平等を求める運動を展開しています。

さらに、LGBTコミュニティは、個々のアイデンティティや経験の多様性を認識しつつ、共通の課題に対処するための支援や連帯を提供しています。彼らの活動は、世界中で多くの進歩をもたらし、包括的で公正な社会の実現に向けて努力を続けています。

LGBTとその派生語:多様性と包摂の表現

LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)は、性的指向やジェンダー・アイデンティティの多様性を表現する用語として広く知られていますが、その他にも様々な派生語が存在します。これらの用語は、性的少数者やジェンダー・マイノリティを包括的に表現することを目的としており、それぞれの用語には異なる文化的、政治的、学術的な立場が反映されています。以下に、LGBTの派生語の概要を示します。

 

  • LGB

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルを指す用語であり、主に性的指向に焦点を当てています。

 

  • LGBTQ

LGBTにQが加わり、クィアまたはクエスチョニングを意味します。クィアは性的指向やジェンダー・アイデンティティに関する伝統的な観念を超越した包括的なアイデンティティを指し、クエスチョニングは自らの性的指向やジェンダーについて模索している人々を指します。

 

  • LGBTI

LGBTにIが加わり、インターセックスを指します。インターセックスは生物学的に性別が二元的ではない人々を指し、性的指向やジェンダー・アイデンティティに関する理解を拡張します。

 

  • LGBTA

LGBTにAが加わり、アセクシュアルを指します。アセクシュアルは他者に性的に魅力を感じない人々を指し、性的指向のスペクトラムを豊かにします。

 

  • LGBTIQ

LGBTにインターセックスとクィアが加わり、より包括的な性的指向やジェンダー・アイデンティティを表現します。

 

  • LGBTQQIA

LGBTQにインターセックスとアセクシュアルが加わり、さらに多様な性的少数者を包括します。

 

  • LGBTTQQIAAP

LGBTQQIAにストレート・アライ、パンセクシュアル、ポリアモリー、オムニセクシャルが加わり、より広範なセクシュアリティとジェンダー・アイデンティティを表現します。また、トゥー・スピリットも含まれます。

 

  • QUILTBAG

LGBTQIAにUが加わり、より包括的な表現を提供します。さらに、ジェンダークィアも含まれます。

 

これらの用語は、単なる略語にとどまらず、個々のアイデンティティや経験の多様性を認識し、包摂的なコミュニティの構築を目指しています。また、「+」を用いて更なる包括性を示すこともあります。性的少数者の権利と尊厳を尊重するために、このような多様な表現が重要であるとされています。

 

LGBTの人々に対する人権侵害

LGBTの人権は、1990年代初頭以来、国際連合の人権機関を中心に注目されてきました。国際連合人権高等弁務官事務所(OHCHR)や国際法律家委員会などが、LGBTの人々に対する人権侵害に関する報告や原則を採択してきました。

2006年に開催されたワールドアウトゲームズでは、モントリオール宣言が採択され、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの人権を宣言しました。同年、ジョグジャカルタ原則も採択され、性的指向と性同一性に関する国際人権法の適用に関する原則が示されました。

 

LGBTの権利を啓発

2011年には国際連合人権理事会で「人権と性的指向・性自認」の決議が採択され、以降、国連は「United Nations Free & Equal」キャンペーンを展開し、LGBTの権利を啓発しています。

現在、国際人権法においては、LGBTの人々の権利保護が位置づけられています。国連加盟国は、世界人権宣言や国際人権条約に基づき、以下のような義務を負っています。

 

  • 同性愛者やトランスジェンダーを暴力や差別から守ること。
  • 拷問や残虐な取り扱いを防止すること。
  • 同性愛を犯罪とする法律を撤廃すること。
  • 性的指向や性同一性に基づく差別を禁じること。
  • 全てのLGBTの人々に表現の自由、結社の自由、平和的集会の自由を保障すること。

 

また、20世紀半ばの独立後、一部の国では欧米のソドミー法などの規範を逆に利用し、反体制勢力や性的少数者を弾圧するケースも見られます。このような行為は国際的な人権基準に違反し、適切な措置が求められています。

 

日本におけるLGBTの権利

日本におけるLGBTの権利は、国際的な基準から見るとまだまだ改善の余地があります。フランクリン&マーシャル大学の「Global Barometers Report」によれば、2020年の日本のLGBT権利のスコアは「F」と評価されています。

同性結婚やシビル・ユニオンが法的に認められておらず、LGBTの人々は依然として差別や暴力にさらされています。

しかし、日本国内では一定の進展も見られます。例えば、2015年に東京都渋谷区でパートナーシップ証明書が導入され、同性カップルの関係を法的に認める取り組みが始まりました。

その後、世田谷区や北海道札幌市、茨城県などでも同様の取り組みが行われ、地方自治体でのパートナーシップ制度の導入が広がりました。

 

政治の世界でもLGBTの権利を推進する動き

また、政治の世界でもLGBTの権利を推進する動きがあります。2017年には地方議員による「LGBT自治体議員連盟」が設立され、性的少数者の権利を擁護する条例や施策を地方自治体に広めることを目指しています。

さらに、2023年には参議院でLGBT理解増進法が可決・成立し、LGBTへの理解促進が政治のレベルでも取り組まれることとなりました。

しかし、まだまだ差別や偏見が根強く残る中、LGBTの人々が本来持つ権利を実現するには、社会全体の意識改革や法制度の改革が必要です。日本のLGBTコミュニティとその支援者は、引き続き権利の実現に向けて努力を続けています。

 

LGBTへの差別や暴力

LGBTの人々は世界中で差別や暴力を受けています。国際連合は「LGBTの人々は世界中いたるところで差別に直面している」「甚大な人権侵害が起きている」と指摘しています。

セクシュアル・マイノリティに対する恐怖や憎悪、不快感、不信感は、ホモフォビア、バイフォビア、トランスフォビアなどの形で現れます。これらのフォビアは、LGBT全体を対象とする場合は「LGBTフォビア」と呼ばれます。

 

LGBTに反発する勢力

日本では、神道政治連盟や旧統一教会などの宗教右派、そしてその宗教右派と繋がりの深い保守派政治家が、LGBTに反発する勢力として指摘されています。

これらの反LGBT運動では、同性同士の結婚への反対やジェンダー・トランジションの規制、公衆トイレの利用制限などが取り上げられます。また、LGBTを学校で教えることの禁止や転向療法の提唱、LGBTに親和的な企業や作品へのボイコットなどが行われることもあります。

まとめ

日本のLGBTコミュニティとその支援者は、未来へ向けての希望と決意を持ちながら、権利の実現に向けて努力を続けています。これは単なる法的な変化だけでなく、社会全体の意識や文化の変革を求めるものです。

差別や偏見を克服し、真の包括的で平等な社会を築くためには、教育や啓発活動、政策改革など様々な分野での取り組みが不可欠です。この努力は国内外で共に行われ、LGBTの人々が安心して生きることができる社会の実現に向けて、さらなる進展を遂げることを期待しています。

 

参考

LGBT:Wikipedia

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