2024.04.10

視覚障がいとは?物を見分ける方法、ゴミの分別方法、気になるアレコレ Part1

視覚障がいを持つ人々が日常生活を豊かに送るためには、私たちの理解と支援が不可欠です。彼らのニーズに配慮し、声をかけてサポートすることは、彼らが自立して生活する上で重要な要素です。公共の場での移動や買い物、さらには日常の活動においても、私たちができる小さな配慮が大きな支えとなります。そこで、視覚障がいの方々に対する配慮やサポート方法について見ていきましょう。

 

視覚障がい者が使用している白杖はすべて同じ長さなの?

視覚障がい者が使用する白杖は、個々の身体的特性や好みに応じて異なります。例えば、身長、腕の長さ、足の長さ、歩幅、歩く速さなどがその要因です。

そのため、同じ長さの白杖を使う人はほとんどいません。長めが好みの方もいれば、短めが好きな方もいますし、また使用する状況によっても選択が変わります。白杖の種類も様々で、直杖、折りたたみ式、スライド式などがあります。

 

個々のニーズや体の変化に合わせて、適切な白杖を選ぶ

一般的には、地面から脇の下までの長さ、あるいは身長から40cmを引いた長さが目安とされていますが、これも必ずしも全ての人に当てはまるわけではありません。

特に成長期の子供の場合は、身長が変わるにつれて白杖も定期的に買い替える必要があります。そのため、個々のニーズや体の変化に合わせて、適切な白杖を選ぶことが重要です。

視覚障がい者は、触って区別できない容器の中身を間違ったりしないの?

視覚障がい者が、触れて区別できない容器の中身を間違ったりすることはあります。例えば、同じ形をした缶詰やレトルト食品、お薬のシート、買い置きしてすぐに使わない歯磨き粉や洗剤などが該当します。

これらのものはにおいや触れた感触だけでは判断できませんので、十分に整理しないと混同してしまいます。特に口に入れる飲食品やお薬は誤飲や誤用のリスクがありますので、注意が必要です。

 

画像認識アプリを利用することも増えている

視覚障がいの程度によって対処法は異なります。例えば、弱視の人は太いマジックペンで大きく書いたり、色を変えるなどして見やすくします。全盲の人は、同じ形の容器でも凹凸で中身を判別できるように、シールを貼ったり、輪ゴムをかけたりします。

最近では、画像認識アプリを利用することも増えています。スマートフォンのカメラをかざすだけで、パッケージなどを音声で教えてくれるアプリがあります。これらの技術の進歩は、視覚障がい者の生活を支援する重要な手段となっています。

 

盲導犬はどんなサポートをしてくれるの?

盲導犬は、視覚障がい者の生活をサポートする上で不可欠な存在です。彼らは文字通り、目の代わりとなり、歩行時に潜在する危険を察知し、避けるための指針となります。

例えば、街中を歩く際には、障害物や段差、曲がり角、横断歩道などを正確に教示してくれます。これにより、視覚障がい者は自信を持って安全に行動できます。

 

盲導犬には限界もある

一方で、盲導犬には限界もあります。彼らは目的地への誘導や信号の色の判別は行えません。そのため、周囲の状況を理解し、適切に対処することが重要です。

例えば、信号待ちの際には、周囲の声や流れる人々の動きを注意深く観察し、盲導犬ユーザーが安全に交差するためのアシストを提供することが求められます。

 

理解し受け入れることが欠かせない

盲導犬は、身体障害者補助犬法に基づいて訓練され、認定されています。彼らは特別な訓練を受け、良好な行動基準を維持するよう厳しく管理されます。そのため、補助犬ユーザーが社会で活動するためには、彼らの存在を理解し、受け入れることが欠かせません。

 

視覚障がい者は、缶ジュースと間違ってお酒を買ったりしないの?

視覚障がい者が缶ジュースと間違ってお酒を買ったりすることは、点字や適切な表示があれば避けられます。

例えば、アルコール飲料の缶の上部には「おさけ」という点字が打たれており、開け口の横には点字で「さけ」「おさけ」と表示されています。このような表示があれば、視覚障がい者が清涼飲料水と間違えることはありません。

 

点字や適切な表示がない場合には、間違いが生じる可能性

ただし、すべての商品がこのような表示をしているわけではなく、メーカーや商品によって異なります。そのため、点字や適切な表示がない場合には、間違いが生じる可能性があります。これを避けるためには、消費者が十分な情報を得ることが重要です。

 

弱視の人に見やすい文字はあるの?

弱視の方にとって見やすい文字とは、大きくてはっきりとした文字で、コントラストが明確なものです。

例えば、パソコンの画面では、文字が大きくて背景とのコントラストがはっきりしていると見やすくなります。一般的には、ゴシック体の書体が好まれます。背景が黒色で文字が白色の組み合わせも、視覚障がいのある方にとって見やすいです。

 

誰にでも見やすいように設計されたフォントもある

ただし、人によって見え方が異なるため、書体や色の組み合わせによる見やすさは個人差があります。最近では、デジタル化された書体として、「UDフォント」が広く利用されています。

これは、誰にでも見やすいように設計されています。さらに、より多様性を考慮した「IDフォント」も開発され、利用されるようになっています。これらの取り組みによって、より多くの人々が見やすい文字を利用できるようになることを期待しています。

 

盲導犬はどのくらいの期間活躍するの?

盲導犬は約2歳くらいで訓練を終え、その後、約8年間の現役期間を過ごします。一般的には、10歳前後で引退し、その後はボランティアに引き取られてペットとして余生を過ごします。犬の10歳は人間でいうと60歳前後に相当します。

 

静かに見守ることが大切

盲導犬は、訓練を受けて専門の任務を果たしているときは、仕事中であり、視覚障がい者とのパートナーシップを維持しています。そのため、盲導犬が仕事中であるときは、周囲の方々が優しく配慮してください。気をそらさないように、静かに見守ることが大切です。

歩行者に「青」になったことを知らせる音響式信号機は1日中鳴っているの?

音響式信号機は、通常、8時から20時までの時間帯で音が鳴るように設定されています。これは、近隣住民への配慮が考慮された結果です。しかし、視覚障がい者からは、より安全な歩行を確保するために時間帯を延長してほしいという要望が多く寄せられています。そのため、最近では早朝や夜間にも音響式信号機が鳴るように設定されている場合が増えています。

 

音響式信号機はまだまだ普及していない地域もある

音響式信号機の音には、鳥の鳴き声の擬音式と音楽のメロディ式の2つの種類があります。一般的には、青信号のときに音が鳴り、赤信号のときには音が鳴りません。

ただし、音響式信号機はまだまだ普及していない地域もあります。そのため、視覚障がい者を見かけたら、「青になりましたよ」と声をかけるなどして、彼らが安心して交差できるようサポートすることが大切です。

 

視覚に障がいのある人は、ゴミの分別やゴミ出しはどうしているの?

視覚障がいのある人がゴミの分別やゴミ出しを行う方法は、個々の状況や見え方によって異なります。一部の方は自分で触って分別することもありますが、他の方はヘルパーや家族のサポートを受けることもあります。特に弱視である人は、自力で行うことが多い傾向があります。

 

「ゴミ出しカレンダー」を事前に確認

ゴミ出しの際には、自治体から配布される「ゴミ出しカレンダー」を事前に確認します。これによって、どの日にどの種類のゴミを出すのかを把握し、準備を整えます。また、自治体によっては、ゴミ出しカレンダーの情報をアプリで提供したり、玄関前からゴミ収集所までの運搬を行政サービスが行っている場合もあります。

ただし、ゴミの分別や出し方は自治体ごとに異なるため、ご自身の居住地の市区町村のホームページを確認することが重要です。それによって、正確な情報を得て適切にゴミの処理を行うことができます。

 

視覚に障がいのある人はどうやって時間を確認するの?

視覚障がいのある人が時間を確認する方法はさまざまです。一般的な方法としては、触読式腕時計、音声式腕時計、振動式腕時計などがあります。

 

  • 触読式腕時計

触読式腕時計は、文字盤の針の位置を指で触れて確認します。この方法は、会議や集まりなどで他の人に気づかれずに時間を確認できるため、便利です。

 

  • 音声読み上げ機能

音声読み上げ機能は、スマートフォンやスマートウォッチなどに搭載されており、時間を音声で伝えてくれます。この機能を利用している人は年々増えていますが、弱視の人でも置時計を使用している場合があります。

 

  • アナログ時計、デジタル時計

大きな文字のアナログ時計や、コントラストのはっきりしたデジタル時計を使用することもあります。これらの方法を組み合わせて、視覚障がいのある人が時間を確認できるようにしています。

 

盲導犬は、信号を判断できるの?

盲導犬は信号を判断することはできません。視覚障がいのある人が盲導犬を使用している際に、信号の判断や安全確認はユーザー自身が行います。盲導犬は、ユーザーの指示や周囲の状況を頼りに、安全な横断をサポートします。

 

信号の色を区別することができない

盲導犬は、青色が見えやすく、赤色はグレーに見えるため、信号の色を区別することができません。そのため、信号待ちの際には、盲導犬ユーザー自身が車の音や周囲の様子を注意深く観察し、安全を確認してから横断します。

 

声をかけることで安全をサポート

もし、信号待ちの盲導犬ユーザーを見かけたら、「信号は○○ですよ」と声をかけることで、彼らの安全をサポートすることができます。このような配慮は、ユーザーにとってありがたいものです。

 

視覚障がい者は、牛乳と他の紙パック飲料を区別できるの?

視覚障がい者が牛乳と他の紙パック飲料を区別するためには、牛乳パックに特徴的な切り欠きが役立ちます。牛乳パックの上部には、切り欠きが付いており、これによって他の紙パック飲料と区別することができます。また、切り欠きの反対側が開け口であることもわかるようになっています。

 

スマートフォンの機能を使うこともある

最近では、スマートフォンのカメラ機能を使って書かれた文字を音声で読み上げてくれるアプリもあります。これによって、視覚障がい者はパッケージに書かれた情報を音声で確認し、商品を区別することができます。

ただし、切り欠きは中身が生乳100%の「種類別 牛乳」にのみ付いている特徴です。低脂肪牛乳などの成分調整牛乳には切り欠きが付いていない場合もあるため、注意が必要です。

 

まとめ

視覚障がいのある人々が日常生活をより快適に送るためには、私たちができることがたくさんあります。理解と配慮を持ち、声をかけてサポートを提供することが重要です。例えば、駅や公共施設で迷っている視覚障がいの方に声をかけ、必要な情報を提供することで、安心して移動できる環境を作ることができます。また、買い物や食事の際には、視覚障がいの方が必要な商品を選ぶ手助けをすることも大切です。お互いに助け合い、思いやりのある社会を築いていくために、私たち一人ひとりができることを考え、実践していきましょう。

 

参考

視覚障がい者に関するクエスチョン|ゆうゆうゆう

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