2024.04.05

「味がしない!?」コロナかと思ったら花粉症のせいで味覚障がいに!ひどくなる前にやるべきこととは?

今年の花粉症シーズン、SNS上で花粉症が悪化し味覚障がいになったとの報告が相次いでいます。副鼻腔炎や鼻詰まりにより嗅覚や味覚が影響を受けるケースが増え、中には新型コロナウイルスと勘違いする声もあります。そこで、Xで花粉症情報を発信している耳鼻咽喉科専門医のDr.おべさん(@dr_obebe)に、今年の状況について尋ねました。

 

花粉症が悪化する原因とは

今年は花粉症(スギ花粉)がひどくなって、味覚や嗅覚異常を訴える患者が増えています。2023年の花粉飛散量が多かったことや、新型コロナウイルスの影響でマスク着用が増えていたことが、今年の症状の悪化に影響している可能性があります。

また、暖冬の影響で花粉飛散時期が早まると予想されていましたが、関東地方では例年と同様の状況だったそうです。さらに、小児のスギ花粉症の相談も増えているとのことです。

 

副鼻腔炎や咽頭炎などの合併症が起こることがある

今年は花粉症の症状が重くなっている可能性があります。Dr.おべさんによれば、花粉症の管理が不十分な場合、副鼻腔炎や咽頭炎などの合併症が起こることがあります。これらの症状は自然治癒が難しく、耳鼻科での受診が必要です。

治療には抗生物質や去痰薬、そして花粉症の治療薬の強化が必要とされています。また、味覚障がいを訴える患者も一部に見られ、その症状は様々です。一定の傾向はなく、甘味や塩味だけが残る場合や、全体的に味がわからなくなる場合、口の中が常に苦いと感じる場合などが報告されています。

 

味覚だけでなく嗅覚にも影響

味覚だけでなく、嗅覚異常を訴える人もいます。味覚と嗅覚は密接な関係にあります。そのため、本人が味覚障がいだと思っていても、実は嗅覚の問題である場合もあります。

また、鼻詰まりによる口呼吸や一部の花粉症治療薬の副作用で口腔内が乾燥することも、味覚に影響を与える可能性があります。耳鼻科医は、問診や鼻腔内・咽頭の状態を観察しながら、患者の症状を鑑別していきます。

 

症状が改善されれば嗅覚・味覚も復活

花粉症や副鼻腔炎などによる味覚・嗅覚障がいがある場合、一般的にはその症状が改善されれば、嗅覚・味覚も復活します。副鼻腔炎や咽頭炎の症状が改善すると、粘膜の状態も改善され、1、2週間以内には満足のいく嗅覚・味覚が戻ることが多いとのことです。

ただし、副鼻腔炎が治った後でも、嗅覚障がいが残る場合があり、これは『感冒後嗅覚障がい』と呼ばれます。この場合、治癒には半年から年単位の時間がかかることもあります。

しかし、花粉症の鼻詰まりによる嗅覚障がいや口腔内の乾燥による味覚障がいは、花粉症治療薬の強化や点鼻薬の併用、鼻詰まりの改善などで徐々に改善されることが期待されます。

 

花粉症がひどくなる前の対処法

来年に備えて花粉症がひどくなる前の対処法として、Dr.おべさんがオススメするのは初期の段階での受診です。1月から2月上旬の初期段階なら、まだ耳鼻科も比較的空いているため、待ち時間が少なく済むでしょう。

また、症状がひどくなる前に治療を開始することで、鼻咽腔粘膜の状態を安定させ、副鼻腔炎や咽頭炎のリスクを減らすことができます。そして、自分が花粉症であることを認めることも重要です。

花粉症と認めることで、治療を開始することができ、症状の軽減が期待できます。自分が花粉症であることを認めるのが難しい場合は、まずは薬を試してみることをおすすめします。

 

薬のことを知って自分に合う薬を選ぶ

おべさんが2月に出版した電子書籍「花粉症の正しい治療法~アレルギー性鼻炎の新常識~」(Kindle)では、おべさん自身が重症花粉症患者でありながら耳鼻咽喉科専門医として、アレルギー性鼻炎・花粉症について深く向き合い、治療法についてわかりやすく解説しています。

ただ出された薬を何も考えずに飲むのではなく、少し理解した上で自分に合った薬を選ぶことで、より効果的な治療が期待できます。漢方や舌下免疫療法、最新の注射薬についても詳しくまとめられていますので、興味のある方は一読してみると良いでしょう。

また、おべさんはXでも花粉症に関するお役立ち情報を発信しているそうなので、ぜひ参考にしてください。(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

味覚障がい:原因、症状、治療法

味覚障がいは、味覚を感じる能力が低下または失われる状態を指します。この状態では、食べ物や飲み物の味が正しく認識されず、影響を受ける人の生活や栄養摂取に悪影響を与える可能性があります。ここでは、味覚障がいの原因、症状、および治療法について解説します。

 

原因

味覚障がいの原因はさまざまですが、一般的なものには以下が含まれます。

 

  • 上気道感染症

風邪やインフルエンザなどの上気道感染症は、嗅覚や味覚に影響を与えることがあります。

 

  • 副鼻腔炎

副鼻腔炎は、鼻や喉の感染症や炎症によって引き起こされ、嗅覚と味覚に影響を与える可能性があります。

 

  • 薬物

特定の薬物や薬品の使用は、味覚障がいを引き起こす可能性があります。

 

  • 神経障がい

脳や神経系の疾患や損傷は、味覚障がいを引き起こす可能性があります。

 

  • 化学物質の暴露

有害な化学物質や毒素にさらされることで、味覚に影響を与えることがあります。

 

症状

味覚障がいの症状は個人によって異なりますが、一般的な症状には以下が含まれます。

 

  • 味の変化

食べ物や飲み物の味が変わることがあります。特定の味だけが感じられる場合や、全体的な味の減少が見られることもあります。

 

  • 食欲の減退

味覚障がいにより、食事の楽しみや満足感が失われることがあり、食欲が減退することがあります。

 

  • 嗅覚異常

嗅覚と味覚は密接に関連しており、嗅覚異常も味覚障がいと一緒に現れることがあります。

 

治療法

味覚障がいの治療法は、その原因や症状に応じて異なりますが、以下の方法が一般的に使用されます。

 

  • 原因治療

味覚障がいの原因が特定されれば、その原因を治療することが重要です。たとえば、副鼻腔炎や上気道感染症の場合は、抗生物質や抗炎症薬が処方されることがあります。

 

  • 食事の調整

味覚障がいのある人は、食事の味を楽しむために調味料や香辛料を調整することができます。また、栄養バランスを保つために、栄養士の助言を受けることも重要です。

 

  • リハビリテーション

味覚障がいに対するリハビリテーションプログラムが存在し、特定の食品を試して味覚を訓練することができます。

 

  • サポートグループ

味覚障がいを持つ人々は、他の人との経験を共有し、支え合うためのサポートグループに参加することが役立つ場合があります。

 

味覚障がいは、日常生活に大きな影響を与えることがありますが、適切な治療法や管理方法を見つけることで、その影響を軽減することができます。医師や専門家との協力が重要です。

 

副鼻腔炎:原因、症状、治療法

副鼻腔炎は、副鼻腔(顔面の骨の中にある空洞)の粘膜が感染または炎症を起こす状態を指します。この状態は、鼻の通気機能を損ない、痛みや圧迫感などの不快な症状を引き起こすことがあります。以下では、副鼻腔炎の原因、症状、および治療法について説明します。

 

原因

副鼻腔炎の主な原因には、以下の要因が含まれます。

 

  • 細菌やウイルスの感染

細菌やウイルスによる感染が、副鼻腔炎の主な原因の一つです。上気道感染症や風邪が原因となることがよくあります。

 

  • アレルギー

花粉やハウスダストなどのアレルゲンによるアレルギー反応が、副鼻腔炎を引き起こすことがあります。

 

  • 鼻ポリープ

鼻ポリープは、副鼻腔の排液を妨げることがあり、副鼻腔炎の発症を促す可能性があります。

 

  • 鼻の異常構造

鼻の異常構造や鼻腔の狭窄などが、副鼻腔の通気機能を妨げ、炎症を引き起こすことがあります。

 

症状

副鼻腔炎の主な症状には、以下が含まれます。

 

  • 鼻づまり

副鼻腔の炎症により、鼻づまりや鼻水が引き起こされることがあります。

 

  • 顔面痛

副鼻腔炎による炎症や圧迫感により、顔面や頭部に痛みや圧迫感が現れることがあります。

 

  • 頭痛

副鼻腔炎による炎症や圧迫感が、頭痛を引き起こすことがあります。

 

  • 嗅覚障がい

副鼻腔炎により、嗅覚が低下することがあります。

 

治療法

副鼻腔炎の治療法は、原因や症状に応じて異なりますが、以下の方法が一般的に使用されます。

 

  • 抗生物質の使用

細菌感染が原因の場合、抗生物質が処方されることがあります。

 

  • 抗炎症薬の使用

炎症を抑えるために、抗炎症薬が使用されることがあります。

 

  • 鼻スプレー

ステロイド含有の鼻スプレーが、副鼻腔炎の症状を軽減するのに役立つ場合があります。

 

  • 手術

嚢胞性副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎などの重症な場合、手術が必要な場合があります。手術は、鼻ポリープの除去や副鼻腔のドレナージを目的として行われることがあります。

 

副鼻腔炎は、不快な症状を引き起こすことがありますが、適切な治療法や管理方法を見つけることで、その影響を軽減することができます。医師や専門家との協力が重要です。

まとめ

花粉症は、春に訪れる季節の悩みの一つですが、協力して乗り越えましょう。互いに助け合い、経験や対策を共有することで、症状を軽減し、快適な日々を過ごすことができます。マスクやアレルギー対策はもちろん、定期的な花粉情報の確認や室内での過ごし方の工夫も大切です。

 

参考

「味がしない!コロナかと思ったら…」花粉症がひどくなって味覚障がいに!? 今年の花粉症は…専門医に聞いた(まいどなニュース)Yahooニュース

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