2024.03.28

発達障がい、35歳の男性が発見した「気が散って仕方ない人」のための道具 集中できるように工夫

ADHD(注意欠陥・多動症)の当事者である借金玉さんは、大手金融機関での仕事に挑戦しましたが、うまくいかずに退職しました。その後、起業を試みましたが失敗し、多額の借金を抱え、1ヵ月も家から出られない「うつの底」に沈んだ経験を持っています。

最新の著書『発達障がいサバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』では、借金玉さんが数々の失敗から得た「生活を維持するための術」が紹介されています。この本は、「生きるためには働かなくてもいいが、働かなければ生きていけない」という、多くの人に忘れられがちな事実を強調しています。生活術は仕事の基盤であり、仕事をする上で欠かせない要素なのです。

この記事では、借金玉さんの著書から「在宅ワーク」「休息法」「お金の使い方」「食事」「うつとの向き合い方」など、「ラクになった!」と感じるライフハックが紹介され、その裏にある思想や考え方に迫ります。自分の悩みや課題を明確にし、解決策を見出すためのヒントが満載です。

 

発達障がいに対応した最適な作業環境を構築

発達障がいに対応した最適な作業環境を構築することが、営業と文章の両方をこなす上で欠かせない要素と確信するようになりました。そのために、2年の歳月をかけて環境を整えてきました。この環境は以下の4つの考え方に基づいています。

まず第一に、ほぼすべての必要なものが手の届く範囲にあることです。一つの場所から離れることなく、作業に必要なものを瞬時に取り出せるようにしています。

次に、作業スペースをできるだけ広く確保しています。広々とした空間は、集中力を高め、ストレスを軽減するのに効果的です。

また、身体への負荷を最小限に抑えるために心掛けています。姿勢や動作に気を配り、適度な休憩を取ることで、疲労を蓄積させずに作業に集中できるようにしています。

最後に、怠ってはいけないチェックすべき事柄が、常に視界に入るようにしています。これにより、重要なタスクや期限を見逃すことなく、作業を効率的に進めることができます。これらの考え方に基づいた作業環境は、私にとって欠かせないものとなっています。

 

作業スペースの広さは何よりも重要

まず、机の重要性について考えます。作業スペースの広さは何よりも重要です。もちろん、小さいスペースを上手に使うこともスキルですが、私にはそれが難しいです。私にとって、作業スペースの広さは脳のメモリの大きさに直結します。そのため、私は2つの机をL字型に組み合わせて使っています。

一つはパソコン作業、もう一つは紙ベースの事務作業用です。この2つのスペースは別々でなければなりません。また、座高が高めなので、私にフィットする75センチの高さの机を選びました。さらに、高さを昇降調整できるものを合わせて使っています。

次に、モニタについて考えます。モニタも2台あるのは、作業スペースを広くするためです。私は短期記憶が弱いので、タブを切り替えるだけでなく、画面から消えたものはすぐに忘れてしまいます。かつて会社で仕事をしていたときは、自分のモニタを持ち込んでデュアルモニタにしていました。

身体の負担を減らす工夫

そして、イスについてです。長時間座り作業をする場合、身体的なダメージを軽減する必要があります。私は腰が悪いので、ポスチャーフィットのついたアーロンチェアを使っています。このイスは友人からのプレゼントでしたが、以前は安いイスを使っていたときに腰痛に悩まされていました。アーロンチェアを使ってみるまでは、自分には高価なイスは必要ないと思っていましたが、実際に座ってみると腰痛が改善されて驚きました。

キーボードまわりでは、真ん中から2つに割れた分割型のキーボードを使っています。初めて使う人にはなじみがないかもしれませんが、実際に使ってみると、キーボードに向かって脇を締める動作が背中や肩に負担をかけていたことを実感できます。キーボードを打つときやトラックボールを使うときには、腕を預けるリストレストが必需品です。

年間200万字以上打つ私が、このキーボードまわりの工夫を怠った結果、かつてはひどい腱鞘炎に悩まされ、痛み止めを飲みながら仕事を続ける羽目になりました。その結果、胃まで壊れてしまいました。

デスクオーガナイザーは、向かって左側にあります。中が見通せるメッシュのものを使うことが重要です。どれだけ消しゴムを買っても、どれだけシャープペンシルの芯を買ってもなくしてしまうあなたは、このデスクオーガナイザーを採用するべきです。

 

集中できるよう刺激を減らす

私は感覚過敏が非常に強いため、音を遮るイヤーマフは手放せません。仕事をしていると、突然ちょっとした音が気になって何もできなくなることがあります。そんなときにイヤーマフは本当に助けになります。

壁は、目の前にある壁が視界を遮り、集中を阻害するものが目に入らないように据え付けられています。これは実は、大きな棚の背中なのです。自習室などで一人分のスペースが仕切りに囲まれていると、妙に集中できるという体験をした人は多いと思いますが、あの設備を自宅につくらない理由はひとつもありません。

 

障がいとの向き合い方

障がいを抱えて苦しんでいる人に、何の具体性もなく「頑張れ」というのは、サバンナに放り出されたコアラに全力ダッシュでインパラを狩れって話ですよね。本書はそういう内容にならないよう心掛けました。意識の高い自己啓発書みたいに「インパラは首が弱点」とかは書いてないので安心してください。どの項目も必ず「あたりまえのことはできないのが前提」で、その先に何をすればいいかを書いています。

 

発達障がいについて理解を深める

発達障がいは、個々の発達プロセスにおける異常や遅れを特徴とする神経発達の障がいです。これらの障がいは、日常生活や社会的相互作用において様々な困難を引き起こすことがありますが、正しい理解と適切な支援が提供されることで、個々の能力を最大限に発揮することができます。

 

主な発達障がいの種類

  • 注意欠陥・多動性障がい (ADHD)

ADHDは、注意力や衝動性の制御、過活動などの特徴があります。学校や職場での集中力の欠如や多動性が主な症状として現れます。

 

  • 自閉スペクトラム障がい (ASD)

ASDは、社会的相互作用やコミュニケーション、興味・行動の制約に特徴があります。軽度の症例から重度の症例まで幅広いスペクトラムを持ちます。

 

  • 学習障がい

学習障がいは、読み書きや計算などの学習に関する困難を特徴とします。読解力や数学の理解力の遅れが主な症状です。

 

  • 発話・言語障がい

発話・言語障がいは、発話の遅れや言語理解の困難など、コミュニケーションに関する問題を引き起こします。

 

発達障がいの影響

発達障がいは、個々の人に異なる影響を与えますが、一般的な影響には以下が含まれます。

 

  • 学業や職場での困難

発達障がいを持つ人々は、学習や職場での困難に直面することがあります。注意力の欠如やコミュニケーションの問題が、日常生活での成功を妨げることがあります。

 

  • 社会的相互作用の困難

社会的相互作用や友情の構築においても、発達障がいは困難をもたらすことがあります。コミュニケーションの課題や社会的なルールへの理解の遅れが、関係の構築を妨げることがあります。

 

  • 自己認識の困難

発達障がいを持つ人々は、自己認識や自己理解においても困難を経験することがあります。自己評価や自己肯定感が低下することがあります。

 

発達障がいへの理解と支援

発達障がいを抱える人が社会進出して安定して生活するには、以下のような点が重要です。

 

  • 理解と受容

社会全体が発達障がいを理解し、受容することが重要です。周囲の人々がその人の特性や困難さを理解し、支援することで、彼らは自信を持ち、自分の能力を発揮できる環境に身を置くことができます。

 

  • 適切な支援体制

教育機関や職場など、日常生活において適切な支援体制が必要です。個々のニーズに合わせた支援やアクセス可能なリソースが提供されることで、彼らの成長と発展が促進されます。

 

  • 柔軟な学習環境

学習環境が柔軟であることが重要です。教育機関や職場では、発達障がいを持つ人が自分のペースで学び、仕事を行うことができるような環境が整えられるべきです。また、異なる学習スタイルやコミュニケーション方法に対応するための支援も重要です。

 

  • 就労支援

発達障がいを持つ人々には、適切な就労支援が必要です。職場での適切な配慮やサポートを受けることで、彼らは自己成長を達成し、生産的なメンバーとして社会に貢献することができます。

 

  • 自己管理のサポート

発達障がいを持つ人々には、日常生活や社会的な相互作用での自己管理をサポートする仕組みが必要です。時間管理やストレス管理、コミュニケーションスキルの向上など、自己成長を促すための支援が必要です。

 

  • コミュニティの参加

社会参加の機会を提供することも重要です。スポーツや趣味、ボランティア活動など、さまざまなコミュニティに参加することで、彼らは自己実現を達成し、社会とのつながりを強化することができます。

まとめ

発達障がいのある人が集中できるよう様々な工夫をすることは、自己実現のために必要なことだと思いました。

発達障がいを持つ人々が社会で生きるためには、包括的な支援と理解ある環境が必要です。個々のニーズに合わせた支援が提供されることで、彼らは自己実現を達成し、社会的な成員として自己実現を果たすことができます。

 

参考

35歳、発達障がいの僕が発見した「すぐ気が散ってやばい」人を救う道具ベスト8【書籍オンライン編集部セレクション】 | 発達障がいサバイバルガイド | ダイヤモンド・オンライン

関連情報

みんなの障がいへ掲載希望の⽅

みんなの障がいについて、詳しく知りたい方は、
まずはお気軽に資料請求・ご連絡ください。

施設掲載に関するご案内