2024.03.04

「史上初の身体障がい者お笑いタレント」30年近く本音で闘い続けたホーキング青山さん

ホーキング青山さんは、「史上初の身体障がい者お笑いタレント」として名高く、自らが障がい者であることを笑いに変え、独自のバリアフリー論を提唱していました。

昨年12月12日、都内の病院で50歳で亡くなりました。死因は明らかにされていませんが、青山さんは昨年11月から体調不良を訴え、自宅で療養していたそうです。

 

自らをさらけ出して笑いを取る青山さん

青山さんは、先天性多発性関節拘縮症(AMC)により手足などの関節が未発達で動かない状態でした。

この病気の発症率は数万人に一人という稀なものです。普段は電動車椅子を使用して生活していました。青山さんは1994年、20歳の時に大川興業から芸人デビューしました。

この時期、物理学者スティーブン・ホーキング博士の本がベストセラーとなっており、その影響で芸名を「ホーキング」としたと言われています。

当時は障がい者が自らをさらけ出して笑いを取ることが考えられない時代でしたが、青山さんはその先駆者として著書『考える障がい者』(新潮新書)で語っています。この本は2017年に出版されましたが、社会の態度は依然として変わっていないことに改めて気づかされます。

 

きれいごとで終わらせていないかと問いかける

ホーキング青山さんはこのように述べていました。

「障がいは個性」とか言うけど、実際はそんなこと思ってもいないくせに言う人がいるし、「障がい者の社会参加」とか言うけど、本気でそうしようと思っているわけでもないのに言う人もいる。やっぱり皆、見栄ばかり張っているんだ>

<私がいつも不満に感じるのは、「障がい者と健常者の相互理解」と言いながら、結局はすべての思考が「健常者が障がい者を理解すべき」という点で行き詰まってしまうこと。それに尽きます

お笑いの世界で、30年近くも青山さんは本音を述べながら闘い続けました。コンプライアンス違反やらで言葉を封じるよりも、本音をぶつけ合える社会こそが分断をなくす手段なのだと感じました。

 

笑いとバリアフリーの先駆者

ホーキング青山さんは、日本のお笑い界において一風変わった存在として知られています。彼は自らを「史上初の身体障がい者お笑いタレント」と名乗り、その独自のスタイルで障がい者の社会参加とバリアフリーの重要性を訴え続けました

 

芸風とメッセージ

青山さんの芸風は、彼自身の障がいや社会の偏見に対する皮肉やユーモアに溢れていました。

彼は車椅子を使いながらステージでパフォーマンスをし、自らの体験や日常生活のエピソードを笑いに変えて観客を楽しませました。

その中には、身体的な制約や障がいに対する挑戦、そして社会の偏見に対する風刺が含まれていました。

 

社会的影響とバリアフリーへの訴え

青山さんの活動は、単なる笑いの提供にとどまりませんでした。彼は障がい者の社会参加とバリアフリーの実現に向けて積極的に活動しました。

そのメッセージは、障がい者が自らの個性や能力を発揮し、社会との共生を図ることの重要性を訴えるものでした。彼は自らの経験を通じて、社会の偏見や制約に立ち向かい、笑いを通じて人々に希望と勇気を与えました。

 

遺産とその先へ

ホーキング青山さんの死去により、日本のお笑い界は大きな損失を被りました。しかし、彼の遺産は永遠に残ります。彼の勇気とユーモアは、障がい者の社会参加とバリアフリーの実現に向けた闘いを続ける人々に希望と活力を与え続けるでしょう。

ホーキング青山さんは、その独自の芸風とメッセージで多くの人々の心を打ちました。彼の功績と遺産は、笑いと共に生きることの重要性を示し、障がい者と健常者が共に社会を築いていくための道を切り拓きました。

 

先天性多発性関節拘縮症(AMC)とは?

先天性多発性関節拘縮症(AMC)は、関節が生まれつき曲がったり、動かなかったりする先天性の状態です。この病気は、胎児期に筋肉や関節が正常に発達しないことによって引き起こされます。AMCは生まれつきの障がいであり、身体的な障がいの一種です。この状態は、患者の日常生活や身体的な能力に大きな影響を与えることがあります。以下に、AMCの主な特徴と治療法について詳しく説明します。

 

症状

AMCの症状は個人によって異なりますが、一般的な症状には次のようなものがあります。

  • 関節が曲がり固定されている
  • 筋肉が発達不全である
  • 手や足の形が異常である
  • 胸郭の形が変形している場合がある
  • 他の健康上の問題や合併症がある場合がある(例:呼吸困難、心臓病)

AMCの症状は個人によって異なりますが、一般的には関節が曲がり固定されていることがあります。また、筋肉の発達不全や異常な形状の手や足、そして胸郭の形が変形していることもよく見られます。これに加えて、呼吸困難や心臓病などの他の健康上の問題や合併症がAMCを患う人々に現れることもあります。

 

動作や活動に制限

関節の曲がりや固定は、日常生活における動作や活動に制限をもたらす可能性があります。筋肉の発達不全は、体のバランスや姿勢を制御するのに影響を与えることがあります。手や足の形の異常は、歩行や持ち物の取り扱いなどの日常の活動に影響を及ぼすことがあります。さらに、胸郭の変形は、肺や心臓の機能に影響を及ぼす可能性があります。

 

症状は様々

これらの症状は、AMCの程度や個々の患者の状況によって異なります。一部の患者は比較的軽度の症状しか経験せず、他の人はより重度の症状や合併症に苦しむことがあります。そのため、治療や支援の計画は、患者の個々のニーズや状況に合わせてカスタマイズされる必要があります。

治療法

AMCの治療法は、症状の程度や患者の年齢によって異なります。治療法には以下が含まれます。

  • 物理療法や作業療法

関節や筋肉の柔軟性を向上させ、日常生活動作の改善を図る。

  • 外科手術

重度の場合、手術によって関節の拘縮を矯正し、機能を回復させる。

  • 医療機器の使用

車椅子や装具などの補助具を使用して、患者の生活をサポートする。

AMCの治療法は、患者の症状の程度や年齢、一般的な健康状態に応じて個別にカスタマイズされます。物理療法や作業療法は、関節の柔軟性を向上させ、筋肉の力を増強して日常生活での動作を改善するのに役立ちます。これらの療法は、患者が最大限の機能性を維持し、可能な限り独立した生活を送ることを支援します。

 

外科手術が必要な場合もある

一方、症状が重度で機能障がいが深刻な場合、外科手術が必要となることがあります。外科手術では、関節の拘縮を矯正し、正しい姿勢や運動範囲を取り戻すために手術が行われます。手術後は、適切なリハビリテーションが重要となり、手術後の回復をサポートするために物理療法や作業療法が再び活用されます。

 

車椅子や装具などの補助具

また、医療機器の使用も治療の一環として考慮されます。車椅子や装具などの補助具は、日常生活での移動や活動をサポートし、患者の生活の質を向上させるのに役立ちます。これらの補助具は、患者の個々のニーズや制約に合わせて選択され、適切に適応されることが重要です。

総合的に、AMCの治療は症状や患者の状況に応じて多面的なアプローチが取られます。患者と医療チームとの継続的なコミュニケーションと協力が、最良の治療結果を達成するために不可欠です。

 

患者の個々の状況に合わせることが重要

AMCは、その症状の多様性や重症度に応じて、個々の患者に異なる影響を与えることがあります。一部の患者は比較的軽度の症状しか経験せず、他の人はより深刻な症状や合併症に苦しむことがあります。

そのため、治療法や支援の計画は、患者の個々のニーズや状況に合わせてカスタマイズされる必要があります。

 

物理療法や作業療法が用いられる

治療法としては、物理療法や作業療法が一般的に用いられます。これらの療法は、関節の柔軟性を向上させ、筋肉の力を増強して日常生活での動作を改善するのに役立ちます。

また、外科手術が必要な場合もあります。外科手術では、関節の拘縮を矯正し、正しい姿勢や運動範囲を取り戻すために手術が行われます。

手術後は、適切なリハビリテーションが重要となり、手術後の回復をサポートするために物理療法や作業療法が再び活用されます。

さらに、医療機器の使用も治療の一環として考慮されます。車椅子や装具などの補助具は、日常生活での移動や活動をサポートし、患者の生活の質を向上させるのに役立ちます。

これらの補助具は、患者の個々のニーズや制約に合わせて選択され、適切に適応されることが重要です。

まとめ

総合的に、AMCの治療は症状や患者の状況に応じて多面的なアプローチが取られます。患者と医療チームとの継続的なコミュニケーションと協力が、最良の治療結果を達成するために不可欠です。このような専門的なケアと支援が提供されることで、AMCを持つ人々がより健康的で充実した生活を送ることができるでしょう。

 

参考

お笑い芸人・ホーキング青山さん 「史上初の身体障がい者お笑いタレント」を自称 本音の衝突こそが世の中の分断なくす(夕刊フジ)Yahooニュース

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