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2025.06.21

身体障がいがあっても安心!一人暮らしのための賃貸物件の選び方と支援制度まとめ

「バリアフリー物件、探せばあるって本当?」

  • 車いすでも入れる部屋が見つからない…
  • エレベーター付きって書いてあるのに、階段数段あるってどういうこと?
  • 物件はよかったのに物件までの道がかなりの坂道だった

身体障がいのある人が一人暮らしをしようとすると、「物件探し」の壁は思ったより高く感じることが多いかもしれません。

この記事では、物件選びで気をつけたい現実的なポイントや、地域選びのヒント、制度の活用法などを、実体験に基づいた視点でわかりやすくまとめました。

身体障がい者の物件探しでよくある課題

❌「バリアフリー物件」の定義が曖昧

  • スロープや手すりがあっても、廊下が狭い、玄関に段差があるなど、本当に使いやすいとは限らない。

❌ バリアフリーの情報が不足している

  • 障がいに配慮した設計かどうか、写真だけでは判断できない。
  • 不動産会社がバリアフリー知識に乏しいケースも。

❌ 賃貸の審査でハードルを感じることも

  • 「収入が安定していない」「介助が必要」などを理由に、敬遠されることがある(※差別にあたる行為)

身体障がいがある人におすすめの「物件タイプ」

✅ UR賃貸住宅

メリット

  • 礼金・仲介手数料・更新料ゼロ
  • 障がい者等向けの「ハートワン制度(優先入居)」あり
  • バリアフリー設計の物件も多い(手すり・段差解消・広めのトイレなど)

注意点

  • ハートワン制度を利用するには障害者手帳などの証明が必要
  • 首都圏や都市部に物件が集中しており、地方では選択肢が少ないことも

参照:UR賃貸住宅公式サイト

✅ 地域の公営住宅(市営・県営・都営)

メリット

  • 低家賃で入居でき、障がい者世帯向けの「優先入居枠」がある自治体が多い
  • エレベーター付き・段差解消済みの物件も一部あり

注意点

  • 古い物件が多く、バリアフリー対応が不十分なケースもある
  • 募集時期・倍率が自治体によって大きく異なるため、こまめな情報収集が必要

🔍 地域の「住宅供給公社」や「市営住宅課」の公式HPで募集状況を確認しましょう。

✅ 住宅確保要配慮者向け賃貸(セーフティネット住宅)

概要

  • 障がい者や高齢者、子育て世帯など「住宅確保が難しい人」のために登録された民間賃貸住宅
  • 入居拒否されにくく、バリアフリー対応の物件も一部あり

メリット

  • 物件情報は国の検索サイトから全国一括で探せる
  • 収入や状況に応じて家賃補助を受けられる自治体もある(例:東京都・神奈川県など)

注意点

  • 登録物件数は地域差が大きく、物件自体が少ない地域も
  • 入居条件(連帯保証人の有無など)は物件ごとに異なる

参照:セーフティネット住宅検索サイト(国土交通省)

✅ 一般の民間賃貸+改修

概要

  • 一般の賃貸物件を選び、必要に応じて手すり設置や段差解消などのバリアフリー改修を行う方法

メリット

  • 選べる物件数が多く、立地や間取りに自由度がある
  • 一部の自治体では、バリアフリー改修に対して補助金が出ることもある

注意点

  • 改修には大家さんの許可が必要(書面による合意が望ましい)
  • 「工事前の申請」が必要な補助制度も多く、事前準備が必須

地域選びのコツ|一人暮らし向け“安心エリア”とは?

✅「公共交通機関が使いやすい場所」を優先

  • バスの低床車両が多い/電車にエレベーターがある駅
  • 近くに福祉タクシーや介護タクシーが使える場所だと安心

✅「福祉が手厚い自治体」を選ぶ

  • 地域によって、移動支援・家事援助・訪問介護の支給基準が異なる
  • 例:東京都の一部や政令指定都市はサービスの選択肢が多い

✅「支援者・病院・役所」までの距離も考慮

  • 通院や相談がしやすい場所だと、急な困りごとにも対応しやすい
  • 引越し前に“最寄りの相談支援事業所”もチェック

物件選びのチェックリスト【内見時に確認しよう】

✅ 玄関に段差はないか(もしくはスロープの設置可か)
✅ 廊下の幅は車いすで通れるか(最低80cmが目安)
✅ トイレ・浴室に手すり設置可能か(または設置済みか)
✅ キッチンの高さは調整可能か
✅ インターホン・スイッチの位置は高すぎないか
✅ エレベーターの有無、車いすで乗れるサイズか
✅ 緊急通報装置や見守りサービスの導入が可能か
✅ 自宅周辺に坂道・凸凹が多くないか(実際に歩いて確認)

使える補助金・制度まとめ

制度名 内容 補足・注釈
住宅改修費助成 身体障がい者が住環境を整えるためのリフォーム費用に対する補助(手すり設置、段差解消など) ✅ 自治体ごとに対象工事・上限金額が異なる。
✅ 一般的には【事前申請】が必要で、「工事前の写真・図面・見積書」が必要。
✅ 介護保険での住宅改修(要支援・要介護認定者)とは制度が異なる。
👉 詳細は各市区町村の障がい福祉窓口に確認を。
福祉用具購入・貸与補助 車いす、歩行器、シャワーチェアなどの購入またはレンタル費用の一部を補助 ✅ 介護保険対象者(65歳以上 or 特定疾患あり)は「介護保険」が優先される。
✅ 障害者手帳所持者向けの補装具費支給制度では、「耐用年数」「再支給要件」が細かく定められている。
👉 各自治体でレンタル可能品や購入対象品が異なるため要確認。
移動支援(地域生活支援事業) 通院・買い物・余暇活動など、日常生活に必要な外出のサポート(ヘルパー派遣) ✅ 全国に制度の枠組みはあるが、「支給対象」「回数・時間数」は市区町村により大きく異なる。
例:A市は通院も支援対象、B市は通院は対象外 など。
👉 必ず「自立支援給付(移動支援)」の詳細を自治体で確認を。
障がい者向け公営住宅の優先入居 市営・県営・都営住宅での優先入居枠 ✅ 各自治体により「障がいの等級」「世帯構成」「収入要件」などの条件が異なる。
✅ 都市部では倍率が高く、応募時期が限られている場合もある。
👉 都道府県・市区の住宅供給公社HPや役所にて随時チェックを。

補足:支援制度を探すときのおすすめの行動

  • 「◯◯市 障がい者 住宅改修」などで地域名を含めて検索すると、P申請ガイドやパンフレットが見つかることが多いです。
  • 地域包括支援センターや障害者支援センターに一度相談すると、地域内で使える制度を横断的に紹介してもらえる場合があります。
  • 相談支援専門員を通じたプラン作成(サービス等利用計画)で制度利用がスムーズになることも。

不動産会社に伝えるべきこと・伝えなくていいこと

✅ 伝えたほうがスムーズなこと

  • 車いす使用の有無、段差・幅の希望条件
  • 介助が必要な時間帯(夜間 or 日中)
  • リフォーム希望(あれば)とその内容

❌ 無理に伝えなくていいこと

  • 障がいの等級
  • 収入源(年金の内訳など細かすぎる情報)
  • 持病の詳細などプライバシーにかかわる部分

体験談|「ここを妥協してよかった」「ここは妥協しなきゃよかった」

「家賃を少し上げてでも駅近にしたことで、通院がすごく楽になった」(40代・脊髄損傷)


「段差のない物件を選んだつもりが、玄関に5cmの出っ張りがあって毎回ヒヤヒヤ」(30代・車いすユーザー)

「管理人さんが常駐しているマンションにして、本当に安心感が違った」(60代・片麻痺)

まとめ:「ひとりで暮らす」ことは、自由と安心の両立

身体障がいがあっても、正しい情報と制度、少しの工夫があれば、自分らしく暮らせる場所は必ず見つかります。

  • 物件選びは“暮らし方選び”でもある
  • 不動産会社や行政としっかり連携をとるのがコツ
  • 妥協すべきところ、しないところをあらかじめ整理しておく

「不安」からの一歩を、「安心」へ変える準備を、今から始めてみませんか?

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