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2025.10.03

ADHDが仕事をするための便利アイテムと活用術

ADHD(注意欠如・多動症)の特性を持つ人にとって、仕事の場面での困りごとは少なくありません。

「集中が続かない」「整理整頓が苦手」「時間の管理が難しい」など、日常の小さな課題が積み重なると大きなストレスになりやすいのです。

しかし近年は、こうした困りごとを支える便利なアイテムやデジタルツールが増えています。
単なる補助ではなく「自分の強みを活かすためのサポート」として活用すれば、仕事の効率を上げるだけでなく、心の安心感にもつながります。

この記事では、日本で実際に手に入るアイテムやサービスを交えながら、ADHDに役立つ仕事環境づくりについて紹介します。

集中力を保つためのアイテム

タイマーで時間を見える化

ADHDの人にとって「時間感覚」が曖昧になりやすいのはよくあることです。
集中しすぎて休憩を忘れたり、逆にダラダラと作業が進まなかったりすることがあります。

そんな時に役立つのが「ポモドーロ・タイマー」。
25分作業+5分休憩のサイクルでリズムを作ることで、無理なく集中を続けられます。

日本でも人気があるのは「Time Timer(タイムタイマー)」という製品です。残り時間が色で見えるため、直感的に把握できるのが特長です。

公式サイト:タイムタイマー

Youtubeにもポモドーロ動画が沢山あるので、一度検索してみてもいいかもしれません。

 

ノイズキャンセリングイヤホンで外部刺激を遮断

オフィスやカフェなどで周囲の音に気を取られてしまう人には、ノイズキャンセリング機能のあるイヤホンが強い味方になります。

たとえば「Sony WF-1000XM5」や「Bose QuietComfort Earbuds」は、日本国内でも評価が高いモデルです。
音楽を流さなくても“静けさ”をつくれる点が、集中力維持に効果的です。

シンプルなデスク環境を整える

机の上が物で溢れると、視覚的な刺激で集中が途切れてしまいます。
必要最低限のアイテムだけを置き、整理しやすいデスク環境をつくることが大切です。

最近では、IKEAや無印良品からシンプルで使いやすい収納グッズが多く販売されています。
ラベルを貼ればさらに迷いを減らせます。

情報やタスクを整理するデジタルツール

Todo管理アプリでやることを一元化

ADHDの人は「頭の中にタスクを抱えすぎる」と混乱しやすいもの。そこで役立つのがタスク管理アプリです。

代表的なのは「Todoist」や「Google Keep」。
一度書き出して可視化することで、安心して仕事に取り組めます。

Todoist公式サイト:https://todoist.com/ja
Google Keep:https://keep.google.com/

カレンダーアプリで予定を忘れない

紙の手帳よりもスマートフォンやPCのカレンダーアプリを使うと、リマインド機能で予定を忘れにくくなります。

特にGoogleカレンダーは無料で使え、繰り返し通知も設定可能です。
「10分前に通知」「前日に通知」など細かい設定をすることで、“つい忘れる”を防ぎやすくなります。

メモを写真で残す

紙の資料や思いついたアイデアをすぐにメモできない時は、スマホのカメラで写真を撮るのも有効です。

クラウドに保存できる「Evernote」や「Notion」なら、どのデバイスからもアクセスでき、探す手間が減ります。

Evernote:https://evernote.com/ja-jp
Notion:https://www.notion.com/ja

片づけと整理整頓を助けるアイテム

収納ボックスで“置き場所の固定化”

ADHDの人が片づけに苦労する原因のひとつは「物の住所が決まっていないこと」です。

収納ボックスやトレーを活用し、「ここに戻す」とルールを決めることで散らかりにくくなります。

見える収納で迷わない

中身が見えないケースは、「何がどこにあるか忘れる」という不安を招きやすいです。

そのため、透明なケースやラベル付きの収納が役立ちます。
無印良品やニトリの収納シリーズは、シンプルで使い勝手がよいと評判です。

掃除機ロボットで“完璧にやらなくてもいい”

「片づけ=全部自分でやらなければならない」と思うと負担が大きくなります。

ルンバなどのロボット掃除機を導入すれば、“きれいを維持する”というストレスを軽くできます。

気持ちを整えるリラックスアイテム

アロマや香りで気分を切り替える

集中しすぎて疲れたときや、不安が強まったときに役立つのが香りの力です。

ラベンダーやベルガモットなどのアロマオイルは、心を落ち着ける効果があるといわれています。

ストレスボールや小物で手を動かす

会議中や考え事の最中に手を動かしていたいタイプの人には、ストレスボールやフィジェットトイ(無限プチプチなど)が役立ちます。

余分なエネルギーを発散しながら、思考に集中しやすくなります。

動画や音声で気持ちを整える

YouTubeには、ADHDや発達障害に関する情報を発信している日本人クリエイターが増えています。

たとえば「お話しタイムの鈴木さん」は、日常の工夫や体験談をわかりやすく紹介しており、同じ悩みを持つ人にとって安心材料になります。

 

職場で活用できる工夫

周囲に伝える工夫

便利アイテムを活用することに加え、職場で自分の特性を理解してもらう工夫も大切です。

例えば「会議中にメモを取るのが苦手なので、後で資料を共有してほしい」と伝えるだけで、負担が減ります。

在宅勤務と相性が良い

ADHDの人は在宅勤務を選ぶことで、周囲の刺激を減らし、自分に合った環境を整えやすくなります。

テレワークの普及に伴い、在宅勤務を認める企業も増えています。

支援制度を利用する

日本では、障害者雇用促進法に基づく合理的配慮の提供が進んでいます。

就労移行支援事業所や発達障害者支援センターなどを利用しながら、自分に合った働き方を模索することも可能です。

厚生労働省「発達障害者支援ポータルサイト」:https://hattatsu.go.jp/ddnp/person_family/social_participation/

おわりに

ADHDの特性は「困りごと」として語られることが多いですが、便利アイテムや工夫を取り入れれば、むしろ“自分らしい働き方”をつくるチャンスにもなります。

タイマーやイヤホン、収納グッズ、デジタルツールなどは、日々の小さなストレスを減らし、エネルギーを本当に大切な仕事に注ぐためのサポート役です。

「うまくできない自分」を責めるのではなく、「工夫して環境を整える自分」を誇れるように、一歩ずつ実践してみてください。

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