2024.05.28

厚生年金加入者のための障がい厚生年金ガイド:受給条件と金額をわかりやすく解説!Part2

障がい厚生年金の受給要件を確認するために、まずはフローチャートを使って、自分が該当するかどうかをチェックしてみましょう。

このガイドでは、初診日から保険料納付要件、障がいの等級に至るまでのステップを一つずつ確認し、わかりやすく説明しています。障がい年金を受け取るための条件をクリアしているか、しっかりと確認してみましょう。

 

障がい厚生年金の受給要件を確認するフローチャート

障がい厚生年金の受給要件を満たしているか確認したい方は、以下のフローで確認しましょう。

出典:障がい者が受け取れる厚生年金は?加入者が知るべき年金種別と受給条件

 

(1)初診日に厚生年金保険の被保険者でしたか?

「はい」の場合、次のステップに進みましょう。「いいえ」の場合は、障がい厚生年金は受け取れません。

 

(2)初診日の前日において保険料納付要件を満たしていますか?

未納期間がある場合には、未納期間が3分の1より多くないか確認してみてください。

 

保険料納付要件

初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること

 

※ただし、保険料の納付要件の特例により、初診日が令和8年より4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。

保険料納付要件を満たしている場合は、次のステップに進みましょう。保険料納付要件を満たしていない場合は、障がい厚生年金や障がい手当金(一時金)は受け取れません。

 

(3)初診日から1年6カ月を経過していますか?

「はい」の場合には、次のステップに進みましょう。「いいえ」の場合は、初診日から1年6カ月経過するまで待ってください。なお、初診日とは、障がいの原因となった病気やケガについて、初めて医師などの診療を受けた日をいいます。

 

(4)初診日から1年6カ月経過した日に、1級・2級または3級の障がいの状態ですか?

1級・2級または3級の障がいの状態とは、以下の状態をいいます。

出典:日本年金機構|障がい年金ガイド令和5年度版(PDF)

 

「はい」の場合には、障がい厚生年金の受給要件に該当します。ただし、実際に障がい年金を受給できるかは、障がい年金を申請後の審査で決まります。診断書を見て、上記の状態であることが伝わらないケースでは、障がい年金が不支給となることがあるので注意しましょう。

 

「いいえ」の方でも、65歳より前に1級・2級・3級の状態になった方、もともとある障がいと新たな障がいを合わせることで65歳前に1級・2級の障がいの状態になった方も、障がい厚生年金の受給要件に該当します。

 

また、初診日から5年以内に症状が固定し、障がい手当金の障がいの状態になった方は、障がい厚生年金はもらえませんが「障がい手当金」の受給要件に該当します。

上記以外の方は、残念ながら、障がい厚生年金や障がい手当金の受給要件に該当しません。フローチャートで「受給要件に当てはまっている」という方は、続いて、次章から「支給が決まった場合にいくらもらえるのか」を確認していきましょう。

障がい者が受け取れる障がい厚生年金の金額詳細

障がい厚生年金の受給要件に該当することが分かったら、次に知りたいのが「支給される場合にいくらもらえるか」ではないでしょうか。障がい厚生年金および障がい手当金の金額は、以下のように障がいの程度によって異なります。

出典:日本年金機構「障がい年金ガイド(令和5年度版)」

 

障がいの程度が1級の場合

等級ごとに、もらえる金額や計算方法を詳しく解説していきます。障がいの程度が1級と認められた場合には、障がい基礎年金と障がい厚生年金を受け取ることができます。

障がい基礎年金(1級)  

993,750円

(昭和31年4月1年以前に生まれた方は990,750円)

子どもがいる方は、プラスして「子の加算」を受け取れます。

障がい厚生年金(1級)

報酬比例の年金額×1.25倍の金額を受給できます

65歳未満(※)の配偶者がいる場合には、配偶者の加給年金228,700円が加算されます。

※大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限はありません。

 

(1)障がい基礎年金(1級)の計算方法

障がいの程度が1級の方が受け取れる障がい基礎年金は、年額993,750円+子どもの加算分です。※昭和31年4月1年以前に生まれた方は990,750円です。

さらに、子ども(※)がいる方は「子の加算」を受け取れます。※18歳になった後の最初の3月31日までの子、20歳未満で障がい等級1級・2級の障がいの状態にある子

 

・子ども2人まで、1人につき228,700円

・子ども3人目からは、1人につき76,200円

 

例えば、15歳と17歳の子どもがいる方の場合は、993,750円+228,700円+228,700円=1,451,150円を受け取ることができます。

子なし

子1人

子2人

子3人

993,750 円

1,222,450 円

1,451,150 円

1,527,350 円

 

(2)障がい厚生年金(1級)の計算方法

障がいの程度が1級の場合にもらえる障がい厚生年金は、報酬比例の年金額×1.25倍の金額です。この「報酬比例の年金額」というのは人によって金額が違い、給与が高く会社勤めの期間が長いほど年金額が多くなります。

65歳未満の配偶者がいる場合には、配偶者の加給年金228,700円が加算されます。ただし、大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限はありません。

 

障がいの程度が2級の場合

障がいの程度が2級の場合には、障がい基礎年金と障がい厚生年金を受け取ることができます。

障がい基礎年金(2級)

795,000円

(昭和31年4月1年以前に生まれた方は792,600円)

子どもがいる方は、プラスして「子の加算」を受け取れます。

障がい厚生年金(2級)

報酬比例の年金額×1倍の金額を受給できます

65歳未満(※)の配偶者がいる場合には、配偶者の加給年金228,700円が加算されます。

※大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限はありません。

 

(1)障がい基礎年金(2級)の計算方法

障がいの程度(2級)の方が受け取れる障がい基礎年金は、年額795,000円+子どもの加算分です。※昭和31年4月1年以前に生まれた方は792,600円です。

さらに、子ども(※)がいる方は「子の加算」を受け取れます。※18歳になった後の最初の3月31日までの子、20歳未満で障がい等級1級・2級の障がいの状態にある子

 

・子ども2人まで、1人につき228,700円

・子ども3人目からは、1人につき76,200円

 

例えば、15歳と17歳の子どもがいる方の場合は、795,000円+228,700円+228,700円=1,252,400円を受け取ることができます。

子なし

子1人

子2人

子3人

795,000 円

1,023,700 円

1,252,400 円

1,328,600円

 

(2)障がい厚生年金(2級)の計算方法

障がいの程度が2級の場合には、報酬比例の年金額×1倍の金額を受給できます。この「報酬比例の年金額」というのは人によって金額が違い、給与が高く会社勤めの期間が長いほど年金額が多くなります。

65歳未満の配偶者がいる場合には、配偶者の加給年金228,700円が加算されます。ただし、大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限はありません。

 

障がいの程度が3級の場合

障がいの程度が3級の場合には、障がい基礎年金はもらえず、障がい厚生年金のみを受け取ることができます。障がい厚生年金の支給額は、報酬比例の年金額×1倍の金額です。

この「報酬比例の年金額」というのは人によって金額が違い、給与が高く会社勤めの期間が長いほど年金額が多くなります。障がいの程度が3級の場合には、配偶者の加給年金はありません。

障がい基礎年金

支給なし

障がい厚生年金(3級)

報酬比例の年金額×1倍の金額を受給できます。

障がいの程度が3級の場合には、配偶者の加給年金はありません。

 

初診から5年以内に治って障がいの程度が3級よりも軽い場合

初診日から5年以内に治って(症状が固定して)おり、その程度が3級よりも軽い場合には、障がい手当金を受け取ることができます。

障がい一時金の支給額は、報酬比例の年金額×2倍の金額です。この「報酬比例の年金額」というのは人によって金額が違い、給与が高く会社勤めの期間が長いほど年金額が多くなります。

最低保障額1,171,400円なので、計算して1,171,400円を下回る場合には、1,171,400円が支払われます。障がい手当金は一時金であり、一回受け取ったら終わりです。

障がい基礎年金

支給なし

障がい厚生年金

支給なし

障がい手当金(一時金)  

報酬比例の年金額×2倍を、一時金として受け取れます

最低保障額1,171,400円

まとめ

障がい厚生年金の受給要件を満たしているか確認できましたでしょうか。受給要件に該当する場合は、実際の受給額についても確認しておくことをお勧めします。

具体的な金額や計算方法については、次章の「支給が決まった場合にいくらもらえるのか」をご参照ください。あなたの状況に応じた適切な手続きを行い、支援を受けるための第一歩を踏み出しましょう。

 

参考

障がい者が受け取れる厚生年金は?加入者が知るべき年金種別と受給条件


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