2024.05.30

甘え、わがまま、気力の低下…親の「愛情不足」かも?言葉が子供に与える影響:愛情を示す言葉の重要性とは?

親の言葉が子供に与える影響は計り知れません。特に、「甘え」「わがまま」「気力の低下」という感情を助長するような言葉は、子供の心に深い傷を残す可能性があります。そのため、親が子供に対して使う言葉は慎重に選ぶべきです。

 

たとえば、「ショッピングモールに行くのは無理だけど、代わりに一緒に遊ぼうね」とか、「君の気持ちを理解しているよ。一緒に解決策を考えよう」といった言葉は、子供に安心感を与え、自己肯定感を高めることにつながります。『ウチの子、最近、思春期みたいなんですが親子でイライラせずに乗り切る方法、教えてください!』の著者、道山ケイ氏が解説します。

 

厳しい言葉を使うほど自分が愛されていないと感じる

親が子供に対して厳しい言葉を使うほど、子供は自分が愛されていないと感じ、心に傷を負う可能性があります。親子関係が悪化すると、子供の問題行動が増えることもあります。そうならないためにも、親は子供の気持ちに寄り添い、理解を示すことが重要です。

 

お互いに尊重し合う関係を築く

一緒に乗り越える方法を一緒に考え、お互いに尊重し合う関係を築くことが、健全な成長に必要なのです。

愛情不足は、親の愛情が子供に的確に届いていない状態を指します。食事を例にとると、親が子供の健康を考えて玄米を出す場合でも、子供が白米を望んでいる場合には愛情不足となります。

 

親からすれば、玄米を提供することは子供の健康を気遣っての行為であり、愛情表現であると感じるかもしれません。しかし、子供にとっては自分の意思や感情が無視され、自分の求めるものではないものが押し付けられていると感じ、愛情を受け取れない場合があります。

 

自分の気持ちを理解してくれないと感じる

このような状況では、子供は親が自分の気持ちを理解してくれないと感じ、悲しい気持ちになる可能性があります。親が善意で行動しているにも関わらず、子供が求めているものとは異なるアプローチを取ってしまうことで、愛情のズレが生じます。

親が子供のことを思って行動しているとしても、その愛情表現が子供のニーズと一致しない場合、愛情不足の状態に陥ることがあります。

 

甘えの増加

愛情不足が続くと、子供の様々な変化が見られることがあります。まず、甘えの増加が挙げられます。子供は愛情を求める生き物であり、親からの愛情が不足していると感じると、さらに親に寄りかかろうとする傾向が強まります。

ただし、これが極端になると、常に要求が増える状態になり、愛情不足の兆候として警告を示すことがあります。

 

わがままへの発展

次に、わがままへの発展が考えられます。愛情不足が長期間続くと、子供は甘えから理不尽な要求(わがまま)へと発展する可能性があります。

高額なものを要求するだけでなく、暴言を吐いたり、要求が断られると暴れたりするようになることもあります。この段階に達すると、子供の心理的健康に影響を与えるおそれがあります。

 

気力の低下

最後に、気力の低下が挙げられます。子供は親からの愛情を受け取ることで自己肯定感を得るため、愛情不足によって自分が愛されていないと感じると、心の健康に影響を受けることがあります。

自分に自信を持てなくなり、朝起きることがつらくなったり、自己価値を見出せなくなったりすることがあります。このような状況下では、子供の将来への希望すら持てなくなるおそれがあります。

 

甘えの増加時は一蹴するような言葉は避ける

子供が愛情不足になりかけている場合、特に注意すべき言葉があります。その中でも、「甘えの増加」時に使ってはいけない言葉は、子供の心に深い傷を残す可能性があります。

例えば、子供が「一緒にショッピングモールに行こう」と頼んだ時に、「忙しいから無理」と一蹴するような言葉は避けるべきです。

「お腹がすいたからご飯を作って」と言われて、「時間がないからコンビニで買ってきて」と即答するのも良くありません。これらの言葉は、子供が愛情不足を感じる原因になる可能性が高いため、できるだけ使わないように心がけましょう。

 

子供が愛情不足になると、彼らの心にさまざまな変化が現れることがあります。甘えの増加はその一つであり、彼らが愛情を求める行動が増える傾向があります。

ただし、この段階で親が子供の要求を軽々しく否定すると、子供はますます孤立感や不安感を感じることになります。

そのため、親は子供の要求を真剣に受け止め、彼らの気持ちを尊重することが大切です。これによって、親子関係が良好に保たれ、子供の心の安定にもつながるでしょう。

 

代案を出すことが大切

もちろん、親も忙しい日々を送っています。仕事が忙しくて子供の要求をすぐに受け入れることが難しい時もあるでしょう。そのような場合は、代案を出すことが大切です。

例えば、「今週末は本当に時間が取れないけど、来週の月曜日に一緒に行こうね」と言うことができます。また、「今はちょっと忙しいけど、15分だけ待ってて。その後で一緒に食事しよう。冷蔵庫には昨日の残り物があるから、それ食べててね」と提案することもできます。

 

こうした代案を出すことで、親は子供の要求を拒絶するのではなく、一緒に解決策を見つけようとしていることを示します。子供はこれらの提案を受け入れることで、自分の要求が理解されていることを感じ、安心感を得ることができます。親子の信頼関係が築かれ、子供の心に余裕が生まれることで、愛情不足の兆候を軽減する一助となるでしょう。

 

「できるだけ応えよう」という姿勢を示すことが大切

子供の要求に全て応えることは現実的ではありませんが、「できるだけ応えよう」という姿勢を示すことが大切です。子供は親が自分の要求に真剣に向き合っていることを感じ、愛情を受け取ることができます。

「わがままへの発展」では要求はますます理不尽になる

また、「わがままへの発展」が進むと、子供の要求はますます理不尽になっていきます。親が子供の要求に対して否定的な言葉を使うと、子供の自尊心や自己肯定感が傷つきます。

例えば、「お前はいつからこんな人間になってしまったんだ。これ以上、お父さんを困らせないでくれ」といった言葉は、子供の人格を否定してしまうため、絶対に使ってはいけません。

 

理解を示しつつ現実を伝える

その代わりに、子供の気持ちを理解し、無理なことは無理と伝えることが大切です。例えば、「ゲーミングPCあったら、いろいろなゲームできるよね。ただ50万円はさすがに買えないよ」と理解を示しつつ、現実を伝えることができます。

 

また、親が子供の要求に対して断る際には、「人に迷惑をかけること」「人を傷つけること」「法律やルールに違反すること」といった要求には毅然とした対応が必要です。

親が子供の要求に真剣に向き合い、適切な対応をすることで、子供は安心感や信頼感を得ることができ、愛情不足の兆候を軽減することができます。

 

気力を失ったときに言ってはいけない言葉

子供が気力を失い、学校に行けなくなるという状況に直面した時、避けるべき言葉があります。その一つが、「サボったらダメでしょ。頑張りなさい」という言葉です。確かに、本当にサボっている場合は注意が必要ですが、気力が低下している時に頑張るように促すことは、子供に負担をかけてしまいます。

 

気持ちを理解し共感を示す

代わりに、次のような言葉を使うと良いでしょう。「そっか。じゃあ今日は1日休んで、お母さんとゆっくり家で過ごそうか」「疲れがたまっているのかな? あと1時間だけ寝ても変わらないなら、今日は休もうか」と子供の気持ちを理解し、共感を示します。

子供は学校を休むことに罪悪感や不安を感じているかもしれませんが、親が理解の声をかけてくれることで安心感を得るでしょう。再び元気を取り戻せば、学校に行く意欲も湧いてくるはずです。

 

不登校には様々な原因があります。友達関係のトラブルや発達障害など、それぞれの事情があるかもしれません。しかし、子供の気持ちを理解し、サポートすることが解決の第一歩です。親が子供に寄り添い、適切なサポートを提供することで、子供は心の安定を取り戻し、学校に戻る意欲を取り戻すでしょう。

 

「なかよし貯金を増やす子育て法」

田中さん(仮名)のお子さんは、中学3年生ごろから愛情不足に悩まされていました。上の子が不登校になってしまったことで、田中さんとの関わりが減り、お子さんの気力が低下し、学業や日常生活に支障をきたしていました。

要求がわがままになり、親に対して暴言も吐くようになり、学校も休みがちになり、成績も低下してしまいました。そこで、愛情不足を解消するために「なかよし貯金を増やす子育て法」と呼ばれる方法を実践することにしました。

 

田中さんは、子供が求める言葉や行動に積極的に応えることに力を入れました。子供から「好きなお菓子を買ってきてほしい」と頼まれたら、できる限り買いに行き、子供が「一緒に寝たい」と言ったら、布団が狭くても一緒に寝るようにしました。このような親の行動により、子供は愛情を感じ、心の支えを得ることができました。

 

わがままに発展しそうな場合は注意をする

しかし、子供の要求がわがままに発展しそうな場合は、田中さんは注意を怠りませんでした。例えば、子供が一日中スマホをして自分の部屋に引きこもっていた時は、その行動を注意しました。

しかし、子供の行動を頭から否定するのではなく、理解を示し、一緒に解決策を見つけるよう努めました。「スマホを触りたい気持ちはわかるよ。ただ、夜中まで触っていると生活リズムが崩れてしまうからね」と伝え、親子でルールを話し合い決めました。

 

このような取り組みの結果、田中さんのお子さんは徐々に元気を取り戻し、学校にきちんと行けるようになり、宿題もできるようになりました。また、部屋で使っていたスマホもリビングで使えるようになり、ゲームの時間も守れるようになりました。

愛情不足が解消されると、子供の気力が向上し、学校や日常生活に取り組む姿勢も良くなります。さらに、理不尽な要求が減り、子供の自立心も育まれるため、子育ても楽になるでしょう。

まとめ

愛情不足を解消するためには、親が子供の心に寄り添い、愛情を示す言葉を選ぶことが不可欠です。子供は親からの言葉で、自己価値や安心感を得ます。適切な言葉と行動によって、親子の絆が深まり、子供の心の安定につながるでしょう。

 

子供が成長する過程で、親の言葉は大きな影響を持ちます。特に愛情不足の状況では、親の言葉が子供の心に深い傷を残すことがあります。このため、親が子供に対して使う言葉は慎重に選ぶべきです。愛情を示す言葉や行動が、子供の心に安定感や自己肯定感をもたらし、健全な成長を促進します。

 

参考

「親の愛情不足」感じる子への絶対NGワード3つ #東洋経済オンライン @Toyokeizai


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