2022.03.28

災害時の障がい者支援!DWATとは?どのような支援を受けられる?

DWAT

災害時の障がい者支援!DWATとは?どのような支援を受けられる?

障がいをもつ方や高齢者など、福祉的な支援が必要な方は、災害時、支援を受けられるのかどうか、不安が大きいでしょう。災害時も支援を必要とする方のために、「DWAT」があります。DWATとは何か、DWATのメンバーや構成についてご紹介します。

 

DWATとは?

DWATとは、「Disaster Welfare Assistance Team」の略であり、「災害福祉支援チーム」という意味になります。

「災害福祉支援チーム」は、災害時の二次被害をふせぐため、避難所などに派遣され、配慮が必要な方へ福祉支援をおこないます。配慮が必要な方(以下、要配慮者)は、「高齢者・障がい者・乳幼児そのほか特に配慮を要する者」と定義されています。

DWATは災害救助法が適用される、または適用される可能性がある大規模災害が起こったときに活動します。

各県、各市でチームがつくられており、県や市などの管理団体が要請することで避難所に派遣されます。

 

DWAT・DMAT・DPATの違いは?

DWATのほかに「DMAT」や「DPAT」などがあり、この二つも災害時に活躍し、支援をおこないます。

DWAT・DMAT・DPATの違いは以下のとおりです。

 

DWAT

避難所で災害時に配慮が必要な人にたいして、福祉支援をおこなうチーム。避難所の環境整備などもおこなう。
DMAT 災害拠点病院では対応しきれない、重症の救急患者に医療支援をおこなう医療チーム。被災者の健康管理もおこなう。
DPAT 災害拠点精神科病院などで対応しきれない、精神病患者に医療支援をおこなう医療チーム。しかし精神疾患だけを対象とするのではなく、被災者のPTSDなど精神疾患の発症を予防するように支援したり、一般住民が災害時に受けたこころのケアの支援もおこなう。

 

 

どのようなメンバーで構成されている?

直近では北海道のDWATが発足しました。北海道のDWATの登録メンバーの要件は、

「社会福祉士」「介護福祉士」など資格保有者であり、実務経験3年以上の方です。

各都道府県と協定を結んだ福祉関係団体に所属する個人会員や、会員施設などから推薦された福祉専門職の方が申し込むと、DWATメンバーの候補者になれます。その候補者が研修を修了し、DWATのメンバーに加えられます。

北海道DWATの研修時間は6時間。DWATの仕組みや、災害時を想定した演習をおこなって、被災者支援を学びます。

このほか、最近では乳児や妊婦も支援できるように、看護師や助産師をメンバーに加える動きも積極的にすすめられています。

メンバーにえらばれる傾向のある資格や職種
資格
社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員・介護職員初任者研修修了者・介護福祉士実務者研修就労者・相談支援専門員・精神保健福祉士・手話通訳士・保育士・看護師・リハビリ専門職・管理栄養士・臨床心理士 など

職種
生活相談員・生活支援員・社会福祉士・介護職員・ケアマネージャー・訪問介護員・手話通訳者・地域包括支援センター職員 など

 

 

DWATの活動内容は?

DWATはそれぞれ違う職種の4〜6名ほどでチームを組み、約5日間活動して交代します。派遣期間は、災害が起こってから3日〜1か月までです。

 

避難所に必要な福祉支援の把握・要配慮者の対応

避難所で求められている福祉支援を把握して、派遣団体に報告します。また緊急の対応が必要な要配慮者や、一般避難所での生活が困難な人を見つけ、福祉避難所や福祉施設などへ移送を決めます。

一般避難所とは公民館や学校施設など、公共施設で、その地域の方が避難する場所です。福祉避難所は、専門的な支援が必要な方のために環境が整備された避難所です。老人ホームや障がい者支援施設などが避難場所になります。

そのほか避難所などで起こっている福祉的な問題を整理し、行政や医療・福祉機関と問題を共有して、連携した支援体制を整えることが活動内容の一つです。

 

要配慮者からの相談対応や介護を要する人へ支援

要配慮者からの相談に応じて、関係機関への情報提供や、支援体制を整えます。

また避難生活を送るなかで、介護など支援が必要な場合は、食事・解除など支援をおこないます。

 

避難所の環境整備

避難所で、要配慮者に望ましくない環境など、福祉的な問題が発生している場合は解消に向けて活動します。そのほか、避難者からの相談に広く応じて、避難所生活の困難をへらすために必要なことをおこないます。

 

まとめ

DWATは災害時、障がい者など要配慮者が避難所でスムーズに福祉的な支援を受けられるように、幅広くサポートするチームです。社会福祉士や手話通訳士、精神保健福祉士など専門的な資格や職業のメンバーが支援をおこない、避難所で起こるであろう困難をへらすように活動しています。

災害が起こった時の対処法はこちらをご確認ください。

障がい者の防災対策~備え・もちもの・緊急時の対応~

 

参考

医療・保険・福祉に関する分野横断的な支援体制について 厚生労働省

https://www.pref.chiba.lg.jp/kenshidou/dwat/documents/leaflet.pdf

 

関連情報

みんなの障がいへ掲載希望の⽅

みんなの障がいについて、詳しく知りたい方は、
まずはお気軽に資料請求・ご連絡ください。

施設掲載に関するご案内