障がい者は性被害に遭いやすい?性被害を防ぐために子どもにさせるべき対策

障がい者は性被害に遭いやすい?性被害を防ぐために子どもにさせるべき対策

精神障がい者や発達障がい者は性被害に遭いやすいといわれます。さらに性被害を訴えても、長い時間が経過していたり、本人がしっかり証言できなかったりして、訴えが却下されることも起こっています。そのため、性被害を未然に防ぐ、性被害に早急に対応する、という対策が重要です。

障がい者が性被害に遭っている現状や、性被害を防ぐため子どもにさせるべき対策をご紹介します。

 

障害者は健常者よりも性被害に遭っている

平成30年の刑法犯に関する統計資料(警察庁)によると、障害者が被害に遭っている推移は以下のようになっています。

※データをもとにみんなの障がいが作成


障がい女性は健常女性の2~3倍

2014年カナダでおこなわれた障がい者の性暴力調査では、ASDの成人男女は、健常女性や男性にくらべて、2~3倍性暴力を受けたことがわかっています。

少なくとも1回以上の性暴力被害に遭った割合は、ASDの女性は78%、健常女性は47.4%でした。

日本では、DPI女性障害者ネットワークが2012年におこなった調査によると、回答者87名のうち45名が性暴力を受けたことがわかっています。2014年にされた調査でも、障がい者のうち精神障がい者や発達障がい者への虐待の発生率が高いことが明らかになりました。

被害を受けた障がい女性が「性暴力」を認識していない場合もあるので、発生率・割合ともにもっと高くなるのではないかと考えられています。

参考

発達障害者への性暴力の実態に関する調査

 

障がい者が性被害に遭いやすい理由は?

発達障害者や知的障害者が性被害に遭いやすい理由は以下のことが考えられます。

・強く断ることができない

・寂しさが異性に向く

・適切な距離感がわからない

・危険な行動を予知できない

・悪いことかどうか判断できない

 

強く断ることができない

障がい女性におこなわれたアンケート調査では、「断ってはいけないように感じた」といった回答があり、「断ることは悪いこと」という意識が女性たちにあることがわかりました。

その理由は、自己肯定感の低さであったり、関係性が問題だと考えられます。

とくに支援者と障がい当事者の関係性は強いものであり、支援者の言うことをなんでも信じてしまったり、断わりづらいと感じやすくなったりします。

 

寂しさが異性に向く

発達障がい者や知的障がい者はコミュニケーションに困難があり、まわりと仲良くしたくても同性の友達から距離をとられることがあります。その寂しさや自己肯定感の低さから、異性の誘いに軽く応じてしまい、性被害に遭うケースもあります。

 

適正な距離感がわからない

発達障害者や知的障害者は、他人との距離感がわからず、ボディタッチをしたり、距離が近かったりして、相手の方を勘違いさせてしまうことがあります。

 

危険な誘いを予知できない

健常者なら危機感を感じるような誘いも、発達障害者や知的障害者は予知することがむずかしく、危険な誘いに応じて性被害に遭ってしまうことがあります。

 

悪いことがどうか判断できない

発達障害者や知的障害者は言葉の通り受け取ってしまうため、騙されて性被害に遭うことがあります。

知的障害があると良い悪いの判断もむずかしくなるため、わからないまま性暴力を受け、被害を訴えることができず、長期にわたってくり返されることも報告されています。

 

 

性被害を防ぐために!子どもにさせるべき対策は

発達障がい者の多くは自己肯定感が低く、被害に遭っても「自分が悪いのではないか」と考えて、まわりに相談できずに引きこもったり、精神障がいを引き起こしたりすることがあります。

知的障がいの場合も、その行為が悪いことなのか、まわりにどう相談すればよいのかがわからず、性被害が見過ごされてしまうことが多くあります。そのため、性被害を防ぐ、性被害に早期に気づく対策が重要です。子どもにさせるべき対策をご紹介します。

 

プライベートゾーンについて教える

プライベートゾーン

プライベートゾーンとは男女の体の性に関わる大切な場所のことで、口や舌・胸・おしり・性器が当てはまります。子どもには、「水着で隠れる部分と口がプライベートゾーンだよ」と教えるとわかりやすいです。

・プライベートゾーンは大切な場所であること
・プライベートゾーンは他人に見せたりさわらせたりしてはいけないこと
・プライベートゾーンを他人に触られそうになったら「いや」と断ること
・他人にさわられたら大人に相談すること
・自分も他人のプライベートゾーンをさわってはいけないこと

などを子どもに繰り返し教えましょう。

視覚優位のお子さんには、プライベートゾーンがテーマの絵本や塗り絵を使うとわかりやすいです。

参考

プライベートゾーンを教える絵本おすすめ5選を保育士が紹介! | 子育て楽

プライベートゾーンの教え方
プライベートゾーンを「汚いところ」や「いやらしいところ」といったようにネガティブな表現を使うのは避けましょう。
プライベートゾーンを守る理由を聞かれたら、「自分の体がとても大切なものだから」というように、ポジティブな表現で教えます。
教えるタイミングは、一緒にお風呂に入っている時や、絵本を読み聞かせている時がおすすめです。

 

大人との約束を守ること・大人に相談することを教える

発達障がいや知的障がいのお子さんは友達やまわりから間違った性知識を得て、まわりのみんなが言っているから正しいことなんだと思い込むことがあります。

間違った性知識を訂正して正しい性教育をするために、「大人との約束を守ること」「大人に相談すること」をお子さんに守ってもらうことも大切です。

 

信頼できる産婦人科医を見つけておく

早いうちから子どものかかりつけ産婦人科医を見つけておきましょう。

信頼できる産婦人科医と子どもが相談しやすい関係を作っておくと、何かあったときに子どもが相談しやすく、性被害にたいして早期に対応することができます。

 

 

まとめ

知的障害者や発達障害者は性被害に遭いやすく、健常者の2~3倍という報告もあります。

性被害に遭うと、まわりに相談できなかったり、悪いことの判断ができなかったりして、早期対応がむずかしくなります。また裁判でも証言ができず、性被害の訴えが通らないことも起こっています。

そのため性被害を防ぐ、または何かあったときに早期対応できるように対策することが重要です。お子様のために早い段階から対策しましょう。

 

 

参考

「発達障害のある女の子」は性被害に遭いやすい!? 知っておきたい対処法とは | HugKum(はぐくむ)

泣き寝入りも…障害者への性暴力の実態 「人間として扱われていない」 30歳未満の被害の半数超|【西日本新聞me】

海外における障害者への性暴力被害の状況【概要】

プライベートゾーンとは?子どもを性犯罪から守るための知識を解説|ALSOK