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障がい×SNS発信 ― あなたの声が世界を変える時代

障がいを抱える当事者、支援者、家族…さまざまな“声”が、いまSNSを通じて社会に届きつつあります。
「発信すること」で、理解の輪が広がり、偏見の壁が揺れ、少しずつ“共生”の景色が見えるようになってきました。
本記事では、障がいを持つ人がSNSで発信する意義、具体的な方法、注意すべきことを整理します。
あなたの“発信”が、誰かの希望になるかもしれません。
なぜ「当事者のSNS発信」が注目されているのか

社会への“直接届ける声”としての価値
障がいに関する情報は、専門家や報道だけでは伝わりにくい“リアルな暮らし”があります。
そうした暮らしを「当事者の言葉」で発信することで、社会や支援の在り方を変えるきっかけになります。
実際、遺伝性疾患や難病の当事者がSNSで自らの体験を発信する動きが増えています。
参考リンク: 病気や障がいがある当事者の「SNS発信」、社会に届けるためのポイントは?
若者・デジタルネイティブ世代の影響力
若い世代を中心に、SNSはコミュニケーションと自己表現の場となっています。
障がいを抱える人たちも、TikTok、YouTube、Instagram、X(旧Twitter)などで“自分らしさ”を発信する姿が増えており、フォロワー数をベースに影響力を持つケースも出ています。
参考リンク: 総フォロワー6.5万人のインフルエンサーが描く発達障害当事者から見える世界を没入体験
情報の“共創”と“つながり”の時代へ
SNS発信は一方通行ではなく、共感・共有・対話を生みます。
障がいに関しては「理解されない」という孤立感が生まれやすいですが、発信を通じて“同じ経験を持つ人”“理解を示した人”がつながることで、新たなネットワークが生まれています。
SNS発信を始める前に知っておきたいポイント

目的とターゲットを明確にする
なぜ発信したいのか、誰に届けたいのかを考えることが出発点です。
例えば「同じ障がいを持つ若者に安心を届けたい」「職場で理解を促したい」など、自分の“声”が持つ意味を言葉にしましょう。
プラットフォームと形式を選ぶ
SNSにはそれぞれ特徴があります。
- YouTube/動画形式:視覚・聴覚で語ることで理解を深めやすいです。
- Instagram/フィード+ストーリーズ:暮らしの一コマを軽く発信しやすいです。
- X(旧Twitter)/テキスト+リンク:短文で「気づき」を共有し、議論を喚起できます。
自身の“強み”(言葉、動画、写真)や生活リズムに合った形式を選びましょう。
参考リンク:「軽度知的障害」とともに生きる。当事者としてYouTubeで発信を続けるえりかんさんが伝えたいこと
発信の守りとリスクに備える
SNS発信には光だけでなく“影”もあります。
誹謗中傷、プライバシーの露出、誤情報の拡散などのリスクがあります。
発達障がいのある人がSNSでトラブルに巻き込まれる実例も報告されています。
発信を続けるためには、無理をせず、自分のペース・安全な範囲で取り組むことが大切です。
参考リンク:発達障害のある方がSNSでどのようなトラブルに巻き込まれる危険性があるか【利用者ブログ】
実践:発信を続けるための3つのステップ

ステップ① “小さな1投稿”から始める
例えば、障がいとの付き合い方を1分で語る動画、日常の“困った”を正直に綴ったツイート等。
大きな演説ではなく、リアルな“声”が共感を生みます。
ステップ② 継続と振り返りを習慣化する
定期的な投稿(例:週1回)と、投稿後の反応を振り返ることで、発信内容がブラッシュアップされ、自分の発信スタイルが見えてきます。
「どんな投稿が反応されやすいか」「自分が書いて心が軽くなるか」などを観察しましょう。
ステップ③ フォロワー・コミュニティとの関係を育てる
発信は“届ける”だけでなく、“つながる”ことも大切です。
コメントに応える、小さなメッセージを返す、他の当事者の投稿にいいねやリプライを送ることで、フォロワーは“ただの数字”から“つながった仲間”になります。
結果として、発信者自身の居場所・支えにもなります。
発信をさらに価値あるものにするために

自分の「声の核」を持つ
「何を伝えたいか」を深く考えることで、ブレずに発信を続けやすくなります。
例えば「私だから知っている働き方」「視覚障がいと旅行のリアル」「ASD当事者の時間管理術」など。
ビジュアル・ストーリーを意識する
動画や写真、テキストを組み合わせることで、視覚的にも印象的な発信が可能です。
例えば、発達障がいを抱える当事者が「朝のルーティン」を動画で見せることで“わかる”発信になります。
発信を“つながる活動”に発展させる
フォロワーとのやり取りを出発点に、オンラインイベント、ライブ配信、コラボ投稿などに発展させることで、発信が“孤立しない”活動になります。
例えば、障がい当事者が集まる座談会をライブ配信するなどの試みも。
参考リンク:障がいがあっても、自分らしく。S N S座談会―プロに学ぶ発信力のコツ
注意すべき点と守るべきルール

プライバシーと開示のバランス
自身や周囲の人のプライバシーを守りつつ、リアルな体験を届けるには“どこまで開示するか”を事前に考えることが重要です。
誹謗中傷・炎上リスクの備え
障がいをテーマにした発信は、ポジティブな意味でも注目されやすい反面、批判や誤解の対象にもなり得ます。
発信を続けるためには、心が疲れたら休む、支援者と相談する等の“出口”を持つことが大切です。
参考リンク:LITALICO発達ナビ
コンテンツのアクセシビリティ確保
動画なら字幕・手話、画像なら代替テキスト、テキストなら読みやすいフォント・構成など、障がいに応じた配慮が必要です。
これにより「伝わる」発信が実現します。
まとめ:あなたの“声”が変える、未来の景色
障がいを持っているからこそ見えている景色があります。
その景色を、スマホの画面を通して、SNSという場で発信すること。
それは、別の誰かの「わかる」に寄り添い、社会にひとつの問いを投げかける行為です。
ちょっとした不安、ちょっとした喜び、ちょっとした工夫――それらを言葉にすることで、孤立感は“つながり”に変わります。
SNSは、あなたの声を“届くもの”に変えるツールです。
そして、届いた声はきっと、誰かの未来を少しだけ変える力を持っています。