2023.10.17

発達障がいは早期発見が大事。しかし最も見逃されやすいADD。早期発見が大事な理由とADDについて

発達障がいは早期発見が大事。しかし最も見逃されやすいADD。早期発見が大事な理由とADDについて

子育てをしていて、違和感に気づいたことはありますか?

最近よく聞く「発達障がい」かもしれないと疑う場合は、しっかり子どもの様子を見ましょう。障がいという名前はついてますが、発達障がいを見つけるというより、子どもに合った育て方を見つけるためです。子どもに合った育て方を早期におこなうことができれば、子どもの生きづらさはへり、家庭でも困り事への対処が見つかります。

発達障がい児には早期発見が大事ですが、その中でも特に見逃されがちなのが、「ADD」という特性です。発達障がいの早期発見が大事な理由、つぎにADDとは何かを解説します。

 

発達障がいの早期発見が大事な理由

ほとんどの方は早期発見が大事だと知っているでしょう。けれど、やはり、障がいだと思いたくないという想いの方が当然強く、少しの違和感は見逃しがちです。そして見逃されたまま、「大人の発達障がい」という言葉も出てきました。大人になってから発達障がいと診断を受けた方は、多くの困難を経験しています。しかし、取り戻せない子育ての時間。発達障がいの早期発見が大事な理由を改めて見ていきましょう。

発達障がいは二次障がいを引き起こす可能性が高い

発達障がいから起こる、ほかの精神疾患を「二次障がい」といいます。とくに、うつ病や不安障がいになりやすい傾向があります。発達障がい児はまわりとくらべて失敗することが多かったり、他人と自分との違いや差に気づいて、自信を失ってしまったりするためです。

また発達障がいによる脳機能の偏りがあると、ポジティブな経験よりもネガティブな経験の方が頭に残りやすかったりします。合わない環境だと、「まわりと少し違うだけ」「個性」だけではいられず、精神疾患にかかったり、引きこもりになったりする可能性があります。

 

大人になってから気づく方が生きづらさや困難がふえる

「大人の発達障がい」という言葉をご存じでしょうか。子どもの頃に発達障がいであったことにまわりが気づかず、大人になってから、本人が発達障がいだと診断されることです。

大人の発達障がいの方の多くがうつ病や精神疾患にかかり、精神科で明らかになるケースが多いです。さらに重症化しており、環境の改善もむずかしく、十分な治療や対処を受けられていないという現状があります。

 

成長の機会を逃してしまう

発達障がい児の脳機能について、新たな常識が加わりました。
「脳は一生成長する」「脳機能ごとに成長することができる」「脳機能には強みと弱みがある」です。

たとえば、落ち着きなく一方的に話し続けてしまう子どもがいた場合、嫌だ、または障がいだと感じる方もいるでしょう。けれど、それは「人見知りせず話せる」という強みになるときもあります。

また、この場合、脳の話す機能が発達しているということになります。けれど、まわりが弱みととらえて、「黙って人の話を聞きなさい」と言われ続ければ、子どもは話さなくなり、脳の強みが弱みになります。

つまり、本人は脳機能の強みを使っているのに、まわりは弱みだと受け取っているような環境だと、子どもの生きづらさをふやしてしまいます。この強みが問題行動だととらえられないように、どのような環境が適切か、対処していくことが重要です。そのためには子どもの様子に注意して、子どもに合った接し方や育て方を知る必要があります。

 

 

発達障がいの中でも見逃されることが多いADDとは

落ち着きがなく、一方的に話し続けたり、じっとしていることができなかったりする。逆に、まったく話さず、コミュニケーションがとれない。このようにわかりやすい行動があり、まわりも困っている状況だと、発達障がいの診断は受けやすいでしょう。けれど、目立った行動がなく、本人の性格にも見えてしまう特性がだと、「診断を受けに行こう、対処を知りに行こう」とはならないかもしれません。とくにその傾向が強いのが、ADDです。

 

ADDは注意欠陥障がい

ADDは「注意欠陥障がい」のことであり、今では「不注意優勢型ADHD」と呼ばれています。多動性や衝動性が目立たず、とくに注意力が未発達な状態のことを指します。注意力が不足していると、以下のように特徴として現れます。

  • よく物を忘れる・物を失くす
  • 人との約束や時間を守れない
  • 同時進行ができない
  • 集中して人の話を聞けない
  • ぼーっとしていることがよくある
  • 片付けや整理整頓がむずかしい
  • スケジュールや金銭管理がむずかしい

注意力は、一つのことを覚えていたり、その1点に集中したり、一つの目的のために複数の作業をするときにも欠かせないものです。たとえば、部屋を綺麗にするために片づけをするとき、複数の作業をおこないますが、注意力がないと、目的を忘れて別のことをしてしまいます。

ADDは、本人の性格や気質と思われがちな上に、子どもの頃はそれほど問題にはならない特性です。

けれど、大人になったとき、管理ができなかったり、人の話を聞けなかったり、物を無くすこと、約束や時間を守れないことは大きな問題になることがあります。

 

ADDと本人の性格

ぼーっとしている子だからと、本人の性格や気質だと受け止めるのは、悪いことではありません。けれど、本人が努力しているにも関わらず、忘れ物をよくしたり人との約束を守れなかったりする場合、子どもには「失敗した経験」として残ってしまいます。

子どもの頃の失敗した経験は、大人になっても続き、自信を失うおそれがあります。ADDという診断はなくとも、そういった「失敗経験」をへらせるように、子どもに対処の仕方を教えてあげることが大事です。本人の性格だから仕方がないと見逃さず、不注意をへらす対処を子どもに教え、一緒におこなっていきましょう。

 

 

まとめ

発達障がいは、大人になってからでは遅く、二次障がいを引き起こしていたり、重症化していたりするケースが多いです。そのため早期発見が重要ですが、多くは本人の性格や気質だとして、何も対処をされなかったりします。

その中でも特に見逃されやすいのがADDです。少しの違和感を感じたときは、ADDのように本人の性格だからとせず、本人の困りごとをそのままにしないようにしましょう。子どもの失敗や困り事への対処を教え、子どもの強みを生かせるように考えていくことが大切です。

 

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参考

医師が警告!「発達障害児の育て方」ここに注意 9割の人が知らない「発達障害の新常識」とは | 子育て | 東洋経済オンライン

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