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視覚障害者は“聞く力”の達人!相手を理解するチカラを伸ばす視点

目に見える世界が制限される中で、視覚障害者は「聴く力」に磨きをかけてきました。
ピッチの違いを識別したり、周囲の音から位置を察知したりする能力は、私たちにはない才能とも言えるでしょう。
この記事では、「聴く力」が生む強みや、それを活かすコミュニケーションや社会参加のヒントを、具体例や研究を交えて紹介します。
聴覚能力の驚くべき鋭さ

ピッチの差を見分ける力の高さ
視覚障害者は、音の高低の変化(ピッチ)を識別する能力が非常に優れており、その速度は視覚保持者の10倍以上にもなるという研究があります。
これは自然と培われた聴覚の鋭敏さといえるでしょう。
参考リンク:視覚障害者の優れた聴覚
頭の動きと両耳聴で障害物を感知
さらに障害物を目で確認できなくても、音や反響を頼りに“障害物の存在”を察知する「障害感覚」が培われます。
頭を動かしながら両耳で聴くと、音源の距離や方向の特定がさらに精度を高めることも確認されています。
「聴く力」はコミュニケーションで生きる

書かれた言葉を“音で読む”速さに注目
視覚障害者の中には、音声読み上げの速度を通常より2.6倍速く設定しても理解できる人がいるという報告もあります。
これは、聴く力の高さが情報処理速度にも及ぶ例です。
見えない世界と世界をつなぐ感性
『視界良好2』の著者・河野泰弘氏は、「それぞれの“目”を合わせれば、見えは進化するかもしれない」と述べています。
視覚の制約を、異なる感覚で補い合う可能性と捉える視点は、共生社会の方向性を指しているといえます。
参考リンク:見る力と聞く力:人と世界を共有する道筋
視覚障害者としての一歩としての“聴く力”の発見
noteで視覚障害当事者が綴る文章では、自身の苦手に感じていた「見えづらさ」が「聴く力」という武器に変わった経験が語られています。
自分の中に眠る強みに気づくヒントにもなる言葉です。
参考リンク:見えづらさが教えてくれた、「聴く力」という強み
聴く力が拓く新しい可能性

音があれば楽しめるエンタメも広がる
アメリカでは「Auditory Uta-Karuta」といった、音声でゲーム情報を伝えるよう工夫された視覚障害者向けのゲームが生まれています。
共に遊びを楽しむ文化も広がっていることは明るいニュースですね。
見えなくても伝承できる芸・文化の魅力
盲目の女流歌手・広沢理恵子さんは、視覚によらず伝承されてきた盲人伝統の「行脚芸能」を今に継承してきました。
聴覚や記憶、感受性の力で歴史をつなぐ姿が、多くの人の共感を呼んでいます。
参考リンク:ガーディアン
おわりに:聴く生活が豊かにする“つながり”
視覚障害者ゆえに研ぎ澄まされる「聴く力」は、単なる代替ではなく、豊かなコミュニケーションの源泉です。
音を通じて世界を読み、人とつながり、文化を受け継ぐ――視覚に頼らない“聴く世界”だからこそ見える豊かさがあります。
この記事が、聴くことの力を見直すきっかけになればうれしいです。