2023.11.10

子どもと一緒にいるのがつらい…良好な親子関係を築くために気がつきたい「隠れ発達障がい」の可能性

子どもと一緒にいるのがつらい…良好な親子関係を築くために気がつきたい「隠れ発達障がい」の可能性

今ではよく聞く「発達障がい」。自分の子どもにも当てはまっていないか、子育てのときに意識するご家族もふえているでしょう。

けれど、意識しているはずなのに、なぜかうまくいかない。親子関係が悪くなっている気がする。もしかしたら、本人も周囲も気がつかない「隠れ発達障がい」により、お互いに生きづらさを感じているかもしれません。

隠れ発達障がいとは何か、隠れ発達障がいをもつ親が子どもにあたえる影響や、関係を良好に保つために必要なサポートをご紹介します。

 

「隠れ発達障がい」に気がつかず親になったら

隠れ発達障がいに気づかず、親になる人がふえています。隠れ発達障がいとは何か、隠れ発達障がいをもつ親が子どもに与える影響について見ていきましょう。

 

隠れ発達障がいはグレーゾーンとも呼ばれる

ASD(自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠如・多動症)・LD(学習障がい)などの発達障がいの特徴があっても診断基準に満たない人、IQが知的障がいの基準以上・平均以下の人のことを「グレーゾーン」と呼びます。

発達障がいの人と同様に、幼少期から多動性があったり、忘れ物が多かったり、空気を読むのが苦手であったりしますが、本人が困り感をあまり感じていなかったり、周囲も問題と感じるほどではない場合、大人になるまで見過ごされてしまいます。

大人になるにつれて、仕事でミスが多くよく怒られてしまう、人間関係がうまくいかない、大事な予定を忘れてしまう、など生きづらさを感じうつ病や体調不良などの二次障がいにつながってしまうこともあります。

 

隠れ発達障がいをもつ親があたえる子どもへの影響

隠れ発達障がいを抱えたまま親になると、発達障がいの特性から、家の中の整理整頓ができずにゴミ屋敷のような環境になってしまったり、他者の気持ちがわかりにくく、子どもを褒めることや、子どもに共感することがむずかしくなるケースが考えられます。

また、行事などの予定を忘れてしまったり、友達が遊びに来た時に家の中が散らかっていたり、服が汚れていたりすると、子どもの人間関係にも間接的に影響を与えてしまうおそれがあります。

このようなことから、親だけでなく、子どもも生きづらさを感じてしまうことがあります。身近な親のことについて相談する相手もわからず、一人で生きづらさを抱えてしまうことも多いです。

 

もしかして隠れ発達障がい?と思ったら

もしかして隠れ発達障がいかもしれない、と思い当たることはありましたか?

「なんだか子どもと一緒にいるとつらくなってしまう」「うまくいかないことが多い」と感じた時に必要なことや、サポートの方法、相談できる場所について見ていきましょう。

 

自分の得意なこと、苦手なことを理解する

発達障がいは脳機能の偏りによって起こります。偏り方はそれぞれ異なるので、得意や不得意も人それぞれです。自分が得意なことは何か、苦手なことは何かを知りましょう。

子どもとのコミュニケーションの中で困ったこと、わからなかったことや、苦手だと思ったこと。家事でどうしても作業が遅くなったり、忘れがちになったりしてしまうこと。

できないことや苦手のことばかり思い出してしまい、自分を責めてしまうかもしれません。そういったときは紙に書きだしてみるのも一つの手です。「得意な事」「苦手な事」どちらも書き出してみましょう。第三者に良いところを書いてもらうのも良いですね。自分では気がつかないことが出てくるかもしれません。

家族の中で、これは「できていること」「できていないこと」を知り、できていることは自信をもちましょう。できていないことは落ち込みすぎず、できるようになる方法や、つぎのサポートを考えましょう。

 

親子の生きづらさを減らすためのサポート

発達障がいかも…と不安になったときの相談先として以下の機関があります。

  • 精神科や心療内科などの医療機関
  • 市区町村の障がい福祉課(自治体によって課の名称が異なる場合があります)
  • 発達障がい者支援センター
  • 障がい者就業・生活支援センター

子どもと一緒にいるのがつらいと感じてしまう場合には、一人で抱え込まず、周囲に助けを求めることをすすめます。

また、家族で協力してできるサポートとしては、苦手なことをできるような工夫をしたり、部分的にできないことを手伝うことなどです。

例)

  • 1日、週間、月間などのスケジュールを見えるところに書いておく
  • 「掃除」という抽象的な家事は「掃除機をかける」「ゴミを捨てる」など具体的に伝えてできることをやってもらう など

特性といっても一人ひとり違うため、必ずこうしたらできるようになるというものはなく、わかりやすい方法を見つけることが必要です。いきなり複数のことを始めるのは混乱しやすいので、一つずつ試してみましょう。

 

まとめ

うまくいかないことが多いために、親子がお互いに生きづらさを感じてしまうのはとても残念なことです。できることなら、子どもと良好な関係で、お互いに安心して楽しく過ごせるのが理想ですね。発達障がいの特性を理解して、特性や苦手なことを周囲に伝えて協力してもらったり、一人で抱え込まずに相談機関を利用したりしましょう。

 

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参考

急増中「隠れ発達障害」の親が子どもに与える影響 精神科医YouTuberが見た「生きづらい子の背景」(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース

発達障害・グレーゾーンは周囲の理解で成長!自立を目指した「スモールステップ」とは?(炭本まみ) - エキスパート - Yahoo!ニュース

大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を! | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

 

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