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【障がい者の自助会とは】孤独を癒し、心を支える「仲間とのつながり」

「わかってもらえる場所」は、誰にとっても必要です。
障がいがあると日常の中で
「自分だけが苦しんでいるのではないか」
「誰にも理解されないかもしれない」
という孤独感が強まることがあります。
そんなとき、自助会(ピアサポートグループ)は「同じ経験をした人と安心して話せる居場所」として、多くの人に“心の支え”になっています。
自助会とは?支援機関とはちがう「共感の場」

自助会の特徴
- 同じ障がい・経験を持つ人が集う
- 対等な関係で語り合える
- 医療や福祉と違い「支援者と利用者」の関係ではない
支援機関との違い
比較項目 | 自助会 | 医療・福祉機関 |
---|---|---|
関係性 | 対等な仲間同士 | 支援者と利用者 |
目的 | 共感・感情の共有 | 生活支援・治療・就労 |
雰囲気 | 自由・自主性重視 | 専門性・契約ベース |
費用 | 無料~低額 | 有料・保険適用あり |
自助会は「話を聴いてくれる人」ではなく、「わかってくれる人」に出会える場です。
自助会の種類・障がい別に見る特色

自助会は障がいの種別ごとや目的ごとに特色や雰囲気が異なります。
自分の状態に近いグループを探すことが大切です。
発達障がい系(ASD・ADHDなど)
- 感覚過敏・こだわり・対人困難などの悩みを共有
- 沈黙があっても気まずくない、非言語重視の会も
- オンライン開催も多く、全国から参加できるケースも
精神障がい系(うつ・双極性障害など)
- 「病気の波」に共感が得られやすい
- WRAP(元気回復行動プラン)や認知行動療法を取り入れる会も
- 定期的に通うことで、気持ちのリズムが整いやすくなる
身体障がい・難病系
- バリアフリー・福祉制度・介護の情報を共有
- ALS、脊髄損傷、難病などの特定疾患に特化した会もあり
- 地域や医療機関と連携して開催されることも
自助会に参加するメリット

孤独感がやわらぐ
「自分だけがつらいんじゃなかった」と気づくことで、心が少し軽くなります。
他人の体験を聴くだけでも、共通点や共感を見つけやすく、孤立感が和らぎます。
例:「イヤーマフを使ってるって話を聞いて、私だけじゃないんだと思えた」
自己肯定感が育つ
- 自分の体験が誰かの役に立つ
- 「ありがとう」と言われることで、自分の存在価値を実感できる
- 支える側に回ることで、生きる力が育つ
情報収集・制度活用のヒントが得られる
- 福祉制度・障害年金・就労支援の情報交換
- 「こんなふうに生活してるよ」という当事者ならではの工夫
- 病院・福祉事務所では聞けないリアルな声を聞ける
自助会の探し方・選び方

探し方
- 地域の障害福祉課や支援センターに問い合わせ
- ネット検索(例:「○○市 発達障害 自助会」)
- SNS・YouTube・noteなどで活動を紹介している当事者団体
選び方のポイント
- 話さなくても参加できる雰囲気か
- 年齢層や障がい種別が自分と近いか
- 自分が「安心できる」と感じる場かどうか
「続けなきゃ」と思う必要はありません。
いくつか試して、自分に合う場所を見つけましょう。
参加時の注意点
- 自助会も“人が集まる場所”なので合う・合わないがある
- 話しすぎて疲れてしまうこともあるので「今日は聴くだけ」でもOK
- トラブルがあれば距離を取る、自分を守ることを優先
「自助会だから全部話さなきゃ」と思う必要はありません。
無理せず、自分のペースで参加しましょう。
自助会と支援制度の併用で広がる可能性
- 医療や就労支援など、公的制度で支えられる部分も多い
- 一方で、制度の隙間を埋めるのが自助会の「つながり」
- 生活面は制度で、心の面は自助会で支える――そんな補完関係が理想です
まとめ:安心して“自分”を出せる場所が自助会
自助会は「何かを治す場」ではありません。
自分の弱さや不安を出してもいい「安心していられる場所」です。
無理に頑張らなくていい。
空気を読まなくてもいい。
沈黙が続いても大丈夫。
そんな場所があると、人生が少しだけ楽になります。
ぜひ、自助会という選択肢をあなたの「生きるヒント」として知ってください。