2023.10.27

子どもの不器用さが気になる。不器用なだけではない「発達性協調運動障がい」とは

子どもの不器用さが気になる。不器用なだけではない「発達性協調運動障がい」とは

よく転ぶ、ダンスや運動が苦手、ボタンかけがむずかしい、字をうまく書けない。不器用なだけだと、見落とされがちな「発達性協調運動障がい」。お子さんの様子を見ていて、気になることはありませんか?
「発達性協調運動障がい」とは何か、どのような支援が必要かについてまとめました。

 

不器用さを理解するために「発達性協調運動障がい」を知ろう

「発達性協調運動障がい」はDevelopmental Coordination Disorderの略で「DCD」とも呼ばれます。
DCDとはどのようなものか、定義やDCDの子の困り感について見ていきましょう。

 

「発達性協調運動障がい」とは?

「発達性協調運動障がい」(DCD)とは、脳機能の発達に偏りがあるために、日常生活に必要な動作や運動がむずかしくなる障がいです。

最新の精神疾患の国際的な診断基準「DSM-5-TR」によると、DCDの発生頻度は子どもの約5~8%。
ADHD(注意欠如・多動性障がい)の発生頻度、約7.2%と同じぐらいです。さらにASD(自閉症スペクトラム障がい)の約1~2%よりも高く、決して珍しくはない、発達障がいのひとつです。

また、発達性協調運動障がいは、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症など、ほかの発達障がいと重複することも多いとされています。

 

発達性協調運動障がいの「協調」とは?

「協調」とは、

  • 視知覚
  • 触覚
  • 固有覚(自分の体がどこにあるかなどを認識する感覚)

    など、さまざまな感覚を、身体の動く速さや強さ、タイミング、正確さ、姿勢やバランスなどと微調整する脳の機能です。

    ボールをキャッチするときが良い例です。ボールをキャッチするためにはボールを追う「目の運動」、ボールをキャッチできる位置に体を動かす「足の運動」、ボールを受けるための「腕や手の運動」と、複数の運動を同時にスムーズにおこなう必要があります。

    何も考えずにできそうですが、ピアノを弾くときに左右の手で違う動きをするのは、人によってむずかしく感じますよね。

     

    発達性協調運動障がいから起こる生きづらさ

    不器用な子、運動が苦手な子という印象だけではありません。そう見られることで、運動面の問題だけでなく、同世代の子どもとの遊びについていけない、馬鹿にされてしまうといった社会的な困難も生まれます。

    また、「なぜ私はいつもみんなみたいにできないんだろう」と自己肯定感の低下にもつながり、結果的に不登校などに発展するかもしれません。
     
    大人になると、日常生活で体を大きく動かすことは少なくなりますが、ひげ剃りや化粧、料理や家事など、細かい協調運動が必要になります。
    作業ができないことによる生きづらさが続くと、うつ病・不安障がいなど精神障がいなどの二次障がいに繋がる可能性もあります。

     

     

    「発達性協調運動障がい」の子への支援は?

    不器用さを少しずつ緩和するためには早期発見、乳幼児期からの支援が効果的だと言われています。
    不器用な子どもへの支援は、どのようなものが必要でしょうか。

     

    乳幼児期で気づいて二次障がいを予防する

    発達性協調運動障がいの兆候は、早くに現れます。
    お子さんは、まわりより歩き始めや発語の遅れなどが目立っていませんでしたでしょうか。

    小脳の発達が急成長する幼児期こそ、支援の効果があらわれやすいといわれています。この時期に苦手な運動をある程度できるようにしておくと、二次障がいを予防できる可能性が高まります。

     

    スモールステップで自信を育てる

    簡単にできそうなことができないと、「なんでそんなこともできないの」と周囲に言われてしまうかもしれません。努力してもできないことが多いと、苦手意識は大きくなるばかりです。

    体を動かすことが好きな子は多いです。好きなことなのに苦手意識を持つようになってしまう前に、必要な支援を受けて好きなことを伸ばしてあげたいですね。

    ただ、定型発達の子のように、お手本を見て真似したり理解したりすることは困難です。具体的に基本的なことから少しずつ「スモールステップ」で、成功体験を積み重ね、自信を育てていくことが大切です。

     

    医療機関や療育機関で支援を受ける

    不器用さや運動の苦手さが気になる場合は、乳幼児健診や地域の子育て支援センター、保健センターなどで相談ができますのでお問い合わせください。必要に応じて医療機関や療育機関の紹介をしてもらえることもあります。
    具体的な支援は、理学療法(PT)と作業療法(OT)があります。

    療育センターや、作業療法士または理学療法士がいる小児専門の医療機関で、PTやOTを受けられます。受けられる回数や内容は、それぞれの医療機関によって異なります。

    児童発達支援センターや民間の児童発達支援事業所、放課後等デイサービスでも、PTやOTを受けられる施設があります。また作業療法士、理学療法士がいない児童発達支援事業所でも、「粗大運動」や「微細運動」として、遊びの中で動作の練習をしているところもあります。一度見学をしてみると良いでしょう。

     

     

    まとめ

    「発達性協調運動障がい」は思った通りに身体をコントロールすることがむずかしい発達障がいの一つです。
    まずは本人の努力を認めて、少しでもできたら褒めてあげる。できなかったことは具体的にできる方法を一緒に考えてあげるなど、寄り添うことも大切です。
    苦手な動作をへらしてあげたい場合は、早期の支援が重要になるので、早めのうちにご相談から始めてみてはいかがでしょうか。

     

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    参考
    発達性協調運動障害(DCD) 見えているのに理解されにくい発達障害(1)“不器用”なのには理由がある - 記事 | NHK ハートネット
    発達性協調運動障害(DCD) 見えているのに理解されにくい発達障害 (2)支援のあり方 - 記事 | NHK ハートネット
    令和 4 年度障害者総合福祉推進事業 「協調運動の障害の早期の発見と適切な支援の普及のための調査」

    松山 郁夫(2022)「発達性協調運動症のある幼児児童に対する捉え方と介入」
    九州生活福祉支援研究会研究論文集第 15 巻第 2 号

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