- 発達障がい
片づけられないADHDが楽しみながら整理整頓できるコツ

ADHD(注意欠如・多動症)の特性としてよく挙げられるのが、「片づけが苦手」という悩みです。
やるべきことに集中できなかったり、目の前の物に気を取られて整理が中断したりすることが多くあります。
そのため、「片づけられない自分はダメだ」と感じてしまう方も少なくありません。
しかし実際には、ADHDの特性を理解し、工夫を加えることで、整理整頓は“楽しみながら”できるようになります。
本記事では、ADHDの方が無理なく片づけを続けられる方法を、具体的なコツと実例を交えてご紹介します。
ADHDの特性を理解することから始めよう

注意の切り替えが難しい
ADHDの方は、興味のあることには集中できる一方で、興味が持てないタスクには集中を維持するのが困難です。
片づけは「終わりが見えにくい作業」なので、取りかかるまでに時間がかかるのも自然なことです。
物への注意が散りやすい
「片づけよう」と思っても、途中で見つけた雑誌を読み始めたり、別の場所の片づけに移ってしまったりすることがあります。
これはADHDの特性であり、意志が弱いわけではありません。
仕組み化で改善できる
だからこそ、「やり方を工夫して、楽しみながら続けられる仕組み」を作ることが重要になります。
片づけを“楽しい”に変える工夫

ゲーム感覚で進める
片づけを「タスク」ではなく「ゲーム」に変えると、ADHDの特性に合いやすくなります。
- タイマーを3分に設定して「どれだけ片づけられるか」チャレンジ
- 音楽を流して「1曲分でできる範囲」だけを片づける
- スマホアプリで達成を記録する
ゲーム化することで「楽しい感覚」が先行し、無理なく続けられるようになります。
視覚的にわかりやすくする
収納場所に写真やイラストのラベルをつけることで、「どこに戻すか」が一目でわかります。
とくにADHDの方は「見える化」が有効です。
- 箱に中身の写真を貼る
- 引き出しに色分けシールを使う
- オープン収納で“見えている状態”にする
こうした工夫は、「探すストレス」を減らし、片づけを習慣化しやすくします。
ごほうびを設定する
小さな片づけが終わったら、自分にご褒美をあげましょう。
お茶を飲む、好きな音楽を聴くなど、“楽しいこと”を関連づけることで、片づけをポジティブな行為として脳が認識しやすくなります。
ADHDの人におすすめの片づけ方法

小さな単位に分ける
「部屋を片づける」と考えると途方に暮れますが、「机の上だけ」「バッグの中だけ」と細かく区切れば達成しやすくなります。
モノを減らす習慣を作る
片づけが苦手な人ほど、モノが多すぎることで負担が増えてしまいます。
買い物前に「本当に必要?」と自分に問いかけたり、1つ増えたら1つ手放す“ワンイン・ワンアウト”のルールを作るのも効果的です。
定位置を決める
ADHDの方は「後で置こう」と思うと忘れがちなので、「必ずここに置く」という定位置を決めておくと安心です。
鍵や財布などの“なくすと困る物”から始めると良いでしょう。
片づけを支える便利アイテム

カラーボックス&収納ケース
中が見える透明ケースや色で分けられるカラーボックスは、ADHDの人に向いています。
100円ショップでも手に入るため、手軽に始められます。
タイマー付き家電・アプリ
「掃除を10分だけ」と区切るのに便利なタイマーや、ゲーム感覚でタスクを管理できるアプリもおすすめです。
参考リンク:片付けられないのは発達障害のせい?実際の事例や対策について紹介します
支援を受けながら片づけを続ける

専門家に相談する
片づけがどうしても進まない場合、整理収納アドバイザーや発達障害支援センターに相談するのも有効です。
第三者のサポートで、負担が軽減されます。
家族や友人に「一緒にやってもらう」
1人でやると気が散りやすい場合でも、誰かと一緒なら「会話しながら」「進捗を共有しながら」進められるため、楽しく片づけられます。
動画で学ぶ
整理整頓の具体例を動画で学ぶのもおすすめです。
参考動画:
まとめ:片づけは「楽しく」続けることが大事
ADHDの人が片づけられないのは、「性格のせい」ではなく「特性によるもの」です。
そして工夫次第で片づけは“楽しい時間”に変えることができます。
- ゲーム感覚で片づける
- 視覚的にわかりやすくする
- 小さな単位に分ける
- 支援やアイテムを活用する
このように工夫を重ねながら、少しずつ自分に合った整理整頓法を見つけていきましょう。
「片づけは苦手だけど、自分なりに工夫してやっている」と思えるだけでも、心はぐっと軽くなります。