2024.06.11

あなたに合ったベストな就労継続支援A型事業所を選ぶポイント

A型事業所は、障がい者が安心して働き、スキルを磨きながら自立を目指すための大切なステップです。しかし、全国には多くのA型事業所があり、それぞれ仕事内容や雰囲気、支援内容が異なります。そのため、自分に最適な事業所を見つけることはとても重要です。

 

本記事では、あなたに合ったベストなA型事業所を選ぶための5つのポイントについて詳しく解説します。これらのポイントを参考にすることで、自分に合った環境で働き、充実した日々を過ごすための一助となるでしょう。これから新たな一歩を踏み出すために、ぜひ最後までお読みいただき、あなたに最適なA型事業所を見つけてください。

 

あなたに合ったベストな就労継続支援A型事業所を選ぶポイント

A型事業所を利用するにあたってメリットや注意点を踏まえて、「A型事業所っていいな」「働いてみたい!」と思った方は多いと思います。そこで、注意したいのは、事業所によって仕事内容や雰囲気は、実にさまざまだということです。

あなたにとって働きやすい環境を選んだり、一般就労のためにスキルアップを目指したりするには、以下の5つのポイントが非常に重要になります。

  • あなたに合った仕事内容である
  • 事業所の雰囲気が良い
  • 給与金額に納得できる
  • 通いやすい場所にある
  • 企業などへの就職を目指すなら一般就労への移行率が高い

見学や面接の際には、これらのポイントを参考に、あなたに合ったベストなA型事業所を選びましょう。

 

あなたに合った仕事内容である

就労継続支援A型事業所を選ぶ上で、あなたに合った仕事内容であるかは、とても大切です。

なぜなら、あなたに合わない仕事や、全く興味が持てない仕事内容では、知識や技術を身に着けられるほど、長く働き続けるのは難しいからです。

厚生労働省就労継続支援A型に係る報酬・基準について〈論点等〉によると、A型事業所は全国に4,415か所(令和5年4月)あります。

事業所によって仕事内容はさまざまなので、ホームページを見たり、実際に見学したりして、あなたが希望する仕事内容ができるかを事前に確認しましょう。

一般就労を目指すならスキルアップできる仕事内容を選ぼう

一般就労を目指すなら、単純作業が中心の仕事ではなく、データ入力や金銭管理を伴う販売業など、スキルアップできる仕事内容ができるA型事業所を選びましょう。

働きたい業種の企業で必要とされるスキルが身に着く仕事内容を選べば、就職に有利になります。

 

事業所の雰囲気が良い

事業所の雰囲気が良いと、通うのが楽しみになります。最初は短時間労働でも、徐々に勤務時間や勤務日数を増やすと、事業所の雰囲気があなたに合わなければ、事業所にいるのが、辛く感じてしまう可能性があります。見学や面接の際には、事業所の雰囲気を知るために、以下の様子に注意してみましょう。

  • 職員の利用者への接し方
  • 利用者の仕事への取り組み方
  • 利用者同士のコミュニケーション

あなたが「この職員や利用者の方たちと一緒に働いてみたい!」と思えるなら、事業所の雰囲気は良いといえます。

 

給与金額に納得できる

給与金額に納得できるかどうかも、重要なポイントとなります。なぜなら、給与は働くためのモチベーションに直結するからです。

A型事業所では、事業所と利用者の間で雇用契約を結び、最低賃金以上の給料が得られますが、短時間労働から始めることが多いため、必ずしもあなたが想定していた額が支払われる訳ではありません。

見学や面接の際に、給与金額について質問するのはマイナスポイントにはならないので、あなたが納得できる給与金額を得られるA型事業所を選びましょう。

 

通いやすい場所にある

通いやすい場所にあると、通勤時の負担が少なくなります。例えば、自宅から電車で1駅の事業所と、電車で5駅移動してからバスに乗り換えなければならない事業所では、電車で1駅の事業所の方が、通勤は楽です。

公共交通機関を利用しない場合では、車通勤が可能だったり、送迎があったりすると、通いやすいでしょう。障がい者の方にとって、通勤時間が長いと、身体的・精神的に負担がかかる場合があります。

やりたい仕事ができて、事業所の雰囲気も良く、給与金額に納得できても、自宅から通いにくい場所にある事業所は選択しない方がいいでしょう。

 

企業などへの就職を目指すなら一般就労への移行率が高い

企業などへの就職を目指すなら、一般就労への移行率が高い事業所を選びましょう。なぜなら、事業所によって、以下のように目標感が異なることがあるからです。

  • 「働く」ことに、挑戦する
  • 「働く」ことに、やりがいを覚える
  • 仕事を通して知識や技術を身に着け、一般就労を目指す

一般就労の移行率が高いA型事業所なら、職員の求職支援体制が手厚いだけでなく、周囲の利用者のモチベーションも高く、良い影響を受けられる可能性があります。

企業などへの就職を考えているなら、事業所のホームページの記載を見たり、見学・面接で質問したりして、一般就労への移行率を確認しましょう。

就労継続支援A型事業所を利用するまでの流れ

就労継続支援A型事業所を選ぶ際には、ホームページを見たり、実際に見学に行きましょう。

「A型事業所を利用してみたい」という方は多いと思いますが、実際に利用するまでどのような流れになるのか気になりますよね。A型事業所を利用するまでの流れは、以下の通りです。

就労継続支援A型事業所を利用するまでの流れ   

(1) A型事業所を探す

(2) 希望する事業所を見学する

(3) 面接を受ける

(4) 市区町村窓口で利用申請する

(5) 事業所と雇用契約を結び、利用開始する

 

A型事業所を探す

まずは、通いたいA型事業所を探しましょう。探す方法には、以下の3つがあります。

  • インターネットで「お住まいの地域+就労継続支援A型事業所」と検索する
  • 市区町村の障がい福祉課で、紹介してもらう
  • ハローワークで紹介してもらう

希望する仕事内容ができる、通いやすい場所にあるなど、あなたの条件に合うA型事業所を見つけましょう。

 

希望する事業所を見学する

気になるA型事業所を見つけたら、問い合わせをして見学しましょう。見学の際には、その事業所の職員や利用者の雰囲気をよく見て、通いたいと思えるかどうかを判断します。

利用を開始してから「こんなはずじゃなかった」と思わないように、給与金額や、企業などへの就職を目指している場合は一般就労への移行率なども質問して、疑問点をクリアにしておくことも重要です。

 

面接を受ける

見学したA型事業所で働きたいと思ったら、面接を受けましょう。面接に応募するには、ハローワークの紹介状が必要なので、ハローワークの障がい者用窓口でもらいます。面接の際に持参、もしくは事前送付するのは、以下の2点です。

  • ハローワークでもらった紹介状
  • 履歴書

 

面接では簡単な自己紹介や経歴の他に、以下のことを聞かれるので、正直に伝えましょう。

  • 健康状態
  • 障がいや病気の状態、症状
  • 配慮してほしいことはどのようなことか
  • できないことや、苦手なことはどのようなことか

 

市区町村窓口で利用申請する

A型事業所を利用するには、自治体に受給証を発行してもらう必要があるので、市区町村の障がい福祉窓口で利用申請しましょう。申請すると、以下の流れで受給証の支給が決定します。

  • (1)市区町村の担当職員から、生活状況などの聞き取り調査を受ける
  • (2)利用予定のA型事業所の職員と相談しながら、サービス等利用計画案を作成・提出する
  • (3)聞き取り調査結果とサービス等利用計画案を元に自治体で審査が行われ、支給が決定する

市区町村によって異なりますが、申請から支給決定までに約2か月かかるところが多いです。事業所探しと利用申請を同時に進行めた方がスムーズな場合もあるので、利用開始を急ぐ方は、事業所に相談しましょう。

サービス等利用計画案とは、以下のような書式で、A型事業所を利用するにあたって、必要とする支援内容や目標、利用頻度などを総合的に盛り込んだ計画書のことです。

出典:杉並区公式ホームページ「サービス等利用計画・児童支援利用計画

サービス等利用計画案はA型事業所利用後も、6か月に1度以上のペースで見直すので、高い目標を掲げる必要はありませんが、この機会にあなたの課題を考えてみましょう。

 

事業所と雇用契約を結び、利用開始する

受給証支給が決定すると、事業所と雇用契約を結び、サービスを利用開始します。新しい環境で見知らぬ人たちと慣れない仕事をするので、不安もあると思いますが、職員がサポートしてくれるので、緊張しなくても大丈夫です。

無理せず少しずつ仕事を覚えて、やりがいを感じながら、あなたの目標に近付けることを祈っています。

まとめ

就労継続支援A型事業所について、詳しくご説明させていただきました。改めて、ポイントをおさらいしていきましょう。就労継続支援A型事業所とは、以下のような特徴があります。

  • 障がい者に働く場所を提供して支援する障がい福祉サービスの1つ
  • 対象者は身体・知的・精神障がい者で一般企業での就労が困難な方
  • 利用期間の制限はなく雇用契約が続く限り利用可能

A型事業所での主な支援内容は、以下の3つです。

  • 日常生活・社会生活の自立
  • 仕事の技能訓練
  • 一般企業などへの求職活動の支援

就労継続支援A型事業所の他にも就労支援の障がい福祉サービスがありますが、就労継続支援B型事業所との違いは、以下の通りです。

就労継続支援A型事業所

就労継続支援B型事業所

雇用契約

あり

なし

対象者

・身体・知的・精神障がい者で、一般企業での就労が困難な人

・原則18歳から65歳未満で、自治体の判断によって受給証が発行された人

・就労経験があるものの、年齢や体力面で一般企業への就労が困難な人

・50歳に達している人

・障がい基礎年金1級受給者

報酬形態

給料(最低賃金以上)

工賃(最低賃金に満たない場合もある)

月平均報酬額  

8万1,645円(令和3年度)

1万6,507円(令和3年度)

参考:厚生労働省「就労継続支援A型に係る報酬・基準について〈論点等〉
参考:厚生労働省「就労継続支援B型に係る報酬・基準について〈論点等〉

A型事業所を利用するメリットは、以下の5つです。

  • 支援を受けながら雇用契約を結んで働ける
  • 最低賃金が保証されている
  • 仕事を通して人と交流できる
  • 知識や技術が身に着く
  • 一般就労への求職支援を受けられる

一方で、以下の5つの注意点があります。

  • 人によっては利用料金がかかる
  • 短時間労働が多く給料だけでは生活できないことがある
  • 職員や他の利用者との関係が良くないと精神的な負担になる
  • 人気の事業所は利用できない場合がある
  • 事業所での仕事内容が就職の役に立たないことがある

A型事業所を選ぶ際には、以下の5つのポイントを参考にしてみましょう。

  • あなたに合った仕事内容である
  • 事業所の雰囲気が良い
  • 給与金額に納得できる
  • 通いやすい場所にある
  • 企業などへの就職を目指すなら一般就労への移行率が高い

A型事業所を利用するまでの流れは、以下の通りです。

就労継続支援A型事業所を利用するまでの流れ    

(1) A型事業所を探す

(2) 希望する事業所を見学する

(3) 面接を受ける

(4) 市区町村窓口で利用申請する

(5) 事業所と雇用契約を結び、利用開始する

自分にぴったりの就労継続支援A型事業所を見つけるためには、仕事内容や職場の雰囲気、給与金額、通勤のしやすさ、そして一般就労への移行率などのポイントをしっかりと確認することが重要です。見学や面接を通じて、あなたが安心して働ける環境を見つけてください。適切な事業所を選ぶことで、より充実した仕事生活を送り、さらには一般就労へのステップアップを目指すことができます。

就労継続支援A型事業所は、あなたにとって新しい挑戦と成長の場となるでしょう。初めての環境で不安を感じることもあるかもしれませんが、職員や他の利用者と協力しながら、自分のペースで進んでいくことが大切です。焦らず無理せず、少しずつ仕事を覚えていきましょう。

 

参考

就労継続支援A型事業所を解説!雇用形態、対象者、仕事内容、給与額は?


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