2022.01.10

復職するときに利用したいリワークとは?具体的な内容・利用のし方

リワーク

復職するときに利用したいリワークとは?具体的な内容・利用のし方

うつ病など心の病による休職から復職を考えるとき、たくさん不安がありますね。「上手く周りとなじんで仕事ができるのか」「仕事がちゃんとできるのか」「また病気が再発しないか」このように、復職に不安を抱えている人におすすめなのが「リワーク」です。

リワークとは何か、種類、最新情報、費用、リワークの利用のし方など、初めてリワークの利用を検討される方へご紹介します。

 

リワークとは?

リワークとは、精神の不調で休職された方が復職をするときに利用できるプログラムです。職場へ復帰しやすくなるように、生活面・仕事面などの準備をしたり、復職をしても精神の不調が防げるように対策したりします。

リワークは集団でおこなうプログラムが多いので、強迫性障害やパニック障害、社交不安障害などの疾患をもつ方は、リワークを受ける前に、不安への対処スキルを身につけた方がよいでしょう。リワークは以下のような方におすすめです。

 

 

リワークを実施する場所

リワークを実施している場所は、以下のとおりです。

  • 精神科など医療機関
  • 地域障害者職業センター
  • 民間企業
  • 復帰する予定の職場
  • 就労移行支援所

 

リワークの費用

どこでリワークを実施するかによって負担する費用は変わります。

医療機関でリワークをおこなう場合は、保険が適用され、自立支援医療制度も利用することができるので、自己負担額をへらせます。なお、自立支援医療制度を利用するときは、自治体の窓口へ申請が必要です。

地域障害者職業センターのリワークは無料となっていますが、雇用保険を納める民間企業の休職者が対象であり、公務員は受けられません。

就労移行支援事業所は、前年度の収入によって変わります。無料で提供しているところもありますので、一度調べてみましょう。

 

 

最新!リワーク情報

リワークプログラムは民間企業も提供しており、独自性の高いものや、最新技術を導入したものがあります。

 

リワーク✖VR

https://emou.jp/rework/

業界初となる、リワークにVRを導入したプログラム「emou」。VRの映像には上司役、先輩役などの人が映し出され、上司とのやりとりや、トラブル対応などを現実空間に近い形で練習できるものです。VRなので、苦手だと感じたところを、遠慮なく何度も繰り返し練習することができます。

人とのやりとりを練習したいけれど、まだ対面は不安だという方、リワークを実施している場所に通い続けることがむずかしそうだと感じる方におすすめです。

 

リワーク✖宿泊

https://liva.co.jp/service/murakara

株式会社リヴァが提供するリワーク✖宿泊型の「ムラカラ」。ムラカラは、奈良県下北山村でおこなわれる宿泊型の転地療養サービスです。3か月~半年ほど自然豊かな場所に宿泊しながらリワークをおこないます。ご家族やお住まいの地域から一度離れることで、リハビリに専念できるというメリットも。

 

 

リワークのメリット・デメリット

リワークのメリット・デメリットを確認してから利用の検討をしましょう。

 

リワークのメリット

・規則正しい生活を身につけられる

・職場に近い環境で復帰への準備ができる

・精神の不調による休職をふせぐ方法がわかる

・身近に相談できる専門家がいる

・コミュニケーションスキルを養える

・同じ悩みをもつ仲間と一緒に復職を目指せる

・復帰する職場にも安心感をあたえられる

 

リワークのデメリット

・通う期間が長い

・リワークを実施する場所によっては費用が大きな負担になる場合がる

・リワークが合わない可能性はある

・失業中、転職目的の方は利用できない場合がある

 

リワークに通う期間は数か月から、長くて1年以上になる人もいます。早く復職したいと考えている方にはデメリットになるかもしれません。またリワークに通い続ける日数は多いので、制度や補助を利用できないと、費用の負担が大きくなるおそれがあります。復職まで費用を支払っていけるかどうかも考えて、実施する場所をえらびましょう。

 

 

 

リワークの具体的な内容

リワークプログラムはまず体調を整えることから始まります。就労に近い、規則正しい生活を身につけてから、こころの病に関する知識の習得、ストレス管理、ソーシャルスキルトレーニング、疑似オフィスワークなどをして、復職への準備と、再休職をふせぐ方法を学んでいきます。

ただし各実施場所によって、具体的なプログラム内容はちがいます。一例としては、以下のようなことに取り組みます。

 

こころの病気の理解

うつ病や不安障害、発達障害などについて学び、自身の症状について、より理解を深めます。

 

自己管理

睡眠や食事、入浴など日常生活を記録して、生活リズムの乱れや現在の精神的な状況を知り、生活リズムを改善するきっかけをつくるプログラムです。

 

ストレスマネージメント

自分がストレスを感じる場面・原因を、支援者と一緒に分析します。自分がストレスになってしまう思考パターンや考え方の癖を見つけ出し、ストレスへの対処法を身につけます。

また、ストレスを受けたときの反応を和らげる「コーピング法」の学習を実施しているところもあります。

 

グループミーティング

同じような精神的な不調で休職している人同士が集まり、自分の症状やプログラムなど、さまざまなテーマについて話し合います。同じような悩みを共有することで、自身の精神的な不調にたいして、気づきや新しい発見をすることが目的です。

 

運動

ヨガや散歩、卓球など軽い運動やレクリエーションをおこない、体力の向上や認知機能の改善を目指します。

 

ソーシャルスキル・トレーニング

リワーク参加者が「上司」や「部下」「同僚」などの役割を演じてコミュニケーションをとり、他者とのコミュニケーションを訓練するプログラムです。 コミュニケーションをとる練習をして、対人での問題解決能力の向上を目指します。

 

オフィスワーク

復職したときに任せられるだろう仕事と似た作業をして、仕事の感覚を取り戻していきます。そのほか、仕事で必要な「報連相」や「共同作業」の練習をするところも。

オフィスワークがむずかしい場合は、資格取得や作文、読書などの方法で集中力を高める活動をします。

 

 

リワークの利用の始め方

まずはリワークを実施する場所を決めることから始めます。実施する場所ごとに、リワークの費用、内容、特色が異なります。自分の希望する条件に合ったリワーク先を見つけましょう。

 

①相談

リワークの相談先は、医療機関、職場、障害者職業センター、事業所などになるでしょう。

それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。

 

医療機関リワークのメリット

・専門医や看護師など専門家がいるので安心して取り組める

・プログラムの中に病状の回復と安定を目指した治療が含まれる

 

 医療機関のリワークのデメリット

・リワークを実施しているところが少ない

・復職者がメインのため、失業中の方は利用できない

 

職場リワークのメリット

・復職時のギャップが少ない

・休職中も社内の人と連絡がとりやすい

・試し出勤をするなど復職に向けてシミュレーションができる

 

 職場リワークのデメリット

・導入している企業が少ない

・まわりの目が気になるおそれがある

 

障害者職業センターリワークのメリット

・費用は基本的に無料

・センターは職場にもアドバイスや支援をおこなうので復職をサポートしてくれやすい

・障害や疾患に関する経験・ノウハウが豊富

 

 障害者職業センターリワークのデメリット

・公務員は利用不可

・専門医が在籍していないことが多い

・希望者が多く、利用開始まで数か月かかる場合がある

 

事業所リワークのメリット

・障害者の就職に特化した知識・ノウハウがある

・復職後のサポートまでおこなうところもある

・ビジネススキルを学べるプログラムが豊富

 

 事業所リワークのデメリット

・医療機関と比べると病状の治療に関するプログラムは少ない

・前年の収入によって利用料がかかる

 

 

②利用先の決定

利用先を決めたら、見学や体験をおこなっているところもあるので、一度自分に合っているかどうか確認をしましょう。

 

③利用の手続きをする

リワーク先に必要書類の提出を求められる場合があります。診断書の提示がほとんどになるんどで、主治医に診断書をもらいましょう。

また自立支援医療制度などを利用したい場合は、お近くの自治体の窓口で手続きをします。診断書や、医療保険に加入していることを証明できるものが必要になります。

 

④計画を作成する

多くのリワークでは、復職までの計画を作成します。会社や主治医と相談して計画を決めてから、リワーク開始です。

 

まとめ

復職のサポートや再休職を防ぐ対策をおこなう「リワーク」。医療機関や、職場、民間企業、障害者職業センター、就労移行支援事業所などがリワークを実施しています。

それぞれのメリット・デメリットを把握したり、実際に見学したりして、自分に合ったリワーク先を見つけましょう。

 

 

参考

リワーク(復職支援プログラム)って何? 取組内容や効果について徹底解説 | atGPしごとLABO

リワーク・プログラム の流れ | 働く人のメンタルヘルスサポート | 心療内科 さくらクリニック

リワーク(リワーク支援)とは?効果や行う意味、具体的なプログラムや受けられる施設などについて解説します。 | LITALICO仕事ナビ

リワークに参加するメリット|新宿御苑前リワークセンター (心療内科・精神科 日本うつ病リワーク協会 所属)

集団のリワークプログラムに合う人、合わない人 | うつと不安のカウンセリング

 

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