2021.09.09

アビリンピック競技種目一覧(電子・機械系)

アビリンピック競技種目一覧(電子・機械系)

働く障がい者の就労スキルを競うアビリンピック。アビリンピックには数十種類の種目があります。そのなかで、電子・機械系に関する種目の内容と審査ポイントをご紹介します。

・機械CAD

・パソコン組立

・電子機器組立

・コンピュータプログラミング

 

機械CAD

機械CADとは、CADというソフトをつかって、機械などの設計図をつくる技術です。競技課題は2つあり、①「ロボットハンドの部品図と組立図」、②「軸即投影法による組立図と立体図」の作成です。

競技時間は3時間10分。まず課題の組立図、部品図を見て、製品を立体的に把握します。そして3次元CADツールを使って、作図や寸法の記入をおこない、図面として完成させます。

各選手の競技中の作図は、見学用ディスプレイで見られるようになっています。

選手の素早く正確な作図に注目です。

 

機械CADの審査ポイント

機械CADは以下のポイントを評価します。

・指示事項をしっかり把握できているか

・課題図面を読んで正しく図形が書けていること

・寸法記入法や幾何公差、表面性形状などを規格にそって記入できているか

・CADをつかって、モデリングができていること

・作業時間内に作業を終わること

 

パソコン組立

「パソコン組立」は、仕様書にしたがってパソコンを組み立てる技術と、パソコンを使用できる状態にする設定技術を競う種目です。

競技時間は4時間。デスクトップパソコンの中身を組み立て、ソフトフェアのインストールや設定をして、利用できるまでの作業を競います。

 

まずマザーボードにCPUやメモリーなどを取りつけます。パソコンケースの中にそのマザーボードや、電源、ハードディスクなどを決められた順番通りに設置し、結線。そして完成したパソコンにWindows10などOSをダウンロードし、ネットワークなど必要な設定をしたら、競技終了です。

パソコンのパーツは精密機械が多く、破損・故障をしやすいです。限られた時間で真剣に、適切に取り組む選手たちの姿勢が見どころです。

 

パソコン組立の審査ポイント

・パソコンが正常に動作しているか

・各パーツが正しく配置されているか

・作業時間内に作業を終わらせていること

 

 

電子機器組立

「電子機器組立」は、仕様書にしたがって電子機器を組み立てる技術を競います。

競技時間は4時間。まずベニヤ板の上に電線を張り、配線づくりをおこないます。つぎにプリント基板に電子部品を差し込み、回路を組み立てます。そしてフレームを組み立て、コンセントやスイッチ、トランスなど必要な部品を取り付け、配線をして、すべての部品を取り付けます。最後に、電子機器が正常に動作するかを確認して終了です。

競技の見どころは、「はんだこて」です。電子機器には、はんだこてを使用する場所が100か所以上あり、部品によっては熱に弱いなど条件があります。そのすべての配線に正しくはんだづけをおこなうには、非常に高いスキルが必要です。

選手によって取り付け方、作業の仕方がちがうので、選手それぞれのスタイルも見どころです。

 

電子機器組立の審査ポイント

電子機器組立では、以下のポイントを評価します。

・電子機器は正常に動作するか

・配線など仕上がりの美しさ

・時間内に競技を終わらせているか

 

コンピュータプログラミング

「コンピュータプログラミング」の競技時間は6時間あり、午前と午後に分かれておこなわれます。

競技課題は2つ。1つは、ペンをもつロボットを動かすプログラミングをつくり、そのロボットを実際に動かして、指定された図形を描きます。もう1つの課題では、他の人がプログラムを理解したり、改良したりできるように、プログラムの説明書を作成します。

課題にすべての手順が示されているわけではないので、課題への戦略を立てることから競技が始まります。各選手の創造性や個性があらわれる場面です。

課題の戦略を考えたり、ロボットの特性を理解したり、他の人へわかりやすくプログラミングを伝えることなど、総合的な技術が求められます。

 

コンピュータプログラミングの審査ポイント

コンピュータプログラミングの審査ポイントは5つあります。

・ロボットが描いた図形の正確さと美しさ

・ロボットが図形を描く時間の長さ

・プログラムのシンプルさ(余計なプログラミングがないか)

・図形を描く方法の独創性

・説明書のわかりやすさ

 

まとめ

今回ご紹介した、

・機械CAD

・パソコン組立

・電子機器組立

・コンピュータプログラミング

など電子・機械系の種目は、少しのミスで不具合が起きてしまうことがあるので、高い集中力と、とても繊細で高度なスキルが必要になります。アビリンピックで実際に競技を見ると、その技術に驚かされるでしょう。

また電子・機械系のスキルに自信のある方は、ぜひアビリンピックに挑戦してみてください。アビリンピック全体の内容や競技、出場方法は以下の記事にあります。

https://www.minnanosyougai.com/article1/%e9%9a%9c%e3%81%8c%e3%81%84%e8%80%85%e3%81%ae%e5%b0%b1%e5%8a%b4%e3%82%b9%e3%82%ad%e3%83%ab%e3%82%92%e7%ab%b6%e3%81%86%ef%bc%81%e3%82%a2%e3%83%93%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%83%94%e3%83%83%e3%82%af%e3%81%a8/

 

<参考>

技能競技種目のご紹介(動画)|独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構

104(第40回)【機械CAD】パネル原稿

アビリンピック過去問題|第17回神奈川(2019)機械CAD | 障がい者としごとマガジン

121(第40回)【パソコン組立】パネル

第38回全国障害者技能競技大会事前公表課題|独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構

106(第40回)【電子機器組立】パネル原稿

アビリンピック過去問題|第37回全国(2017)コンピュータプログラミング | 障がい者としごとマガジン

 

 

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