障がい✖eスポーツの可能性とは?障がい者はどうやってゲームを操作している?

障がい✖eスポーツの可能性とは?障がい者はどうやってゲームを操作している?

 

eスポーツとは、コンピュータゲームやビデオゲームをつかった対戦型競技のことです。ぷよぷよ、ストリートファイター、リーグ・オブ・レジェンドなどのソフトが人気で、賞金をかけた大きな大会が開かれています。2019年にはeスポーツが茨城国体にもとりいられており、将来的にはオリンピックに加えられる可能性も!

そんなeスポーツの魅力は、場所、障がい、年齢、性別に問わず、だれでも同じようにプレイできることです。障がい✖eスポーツの可能性や、障がい者eスポーツプレイヤーを支えるデバイス、eスポーツに特化した障害福祉施設をご紹介します。

 

障がい✖eスポーツがもたらす新たな可能性

世界のeスポーツ市場は順調に拡大しており、2020年の市場規模は約9億7390万ドル(前年比+1.7%)。2023年には15億9820万ドルになると予想されています。さらに、このコロナ禍でおうち時間がふえたことにより、eスポーツの注目度が高まっています。

障がい、性別、年齢、場所にとらわれないeスポーツは、障がい者にどのような可能性をあたえるでしょうか。

 

障がい者の新しい仕事を創出

オンラインで参加できるeスポーツは場所をえらばないので、自宅で療養をしている障がい者も競技に参加できます。

またプロプレイヤーになりスポンサーがつくと、収入を得られるようになります。

そのため障がいで就職できず、引きこもりになってしまった方や、障がいのために施設や職場に通えない方もeスポーツを通して働いたり、社会的な交流の場をつくったりできます。

 

さらに発達障がいの特性には「過集中」があり、もともと集中しやすいゲームと相性が良いです。ひとつのことを極めて、技術を手に入れたい方は、eスポーツで大きく可能性が広がるでしょう。

 

eスポーツはプレイヤーだけでなく、eスポーツに関わる仕事も幅広いです。たとえば動画編集、イベントの設立や、経営管理、eスポーツを実況するMCなど。

eスポーツが普及することで、障がい者の新しい仕事をたくさん生み出すことができます。

 

障がいを越えて得られる達成感や社会的つながり

障がいがあると、達成感や社会的なつながりを感じられる機会はへってしまいます。寝たきり、自宅療養中だと、さらにそういった機会がへりますね。

しかしeスポーツは、障がいがあって外に出られない方にも、達成感や社会的つながりを感じられる場を提供します。

障がいがあるとむずかしいスポーツも遊びも、ハンディキャップはなく、健常者と同じようにおこなえます。対戦して勝てば、健常者と同じ、またはそれ以上の達成感を得られるでしょう。

そして対戦相手や、応援してくれるサポーターなど、社会的なつながりを強く感じられます。

 

脳の活性化という医療的な可能性

eスポーツの医療的な可能性にも注目です。eスポーツは頭で考え、手などを使って、コントローラーでプレイするため、脳機能のリハビリや、手足のトレーニングなどに効果的だと推測されています。

株式会社セガは、ぷよぷよeスポーツによる脳活動実験の結果を発表しました。

実験は、大学生6名を対象に、「NIRS(ニルス)」という方法をつかって、脳血流の変化を調べました。すると、ゲームプレイ中に脳の前頭前野と頭頂連合分野が活性化したことが明らかに。

前頭前野はワーキングメモリー、反応の抑制、計画など認知機能を司る大事な部位。頭頂連合分野は情報の処理や、運動知覚、空間知覚などさまざまな機能をもった部位です。

1人プレイをした場合やタイムアタック時、2人対戦時では脳の活性化に変化が見られました。2人対戦時のほうが活性化しており、対戦相手を意識したり、画面の状況に注意しなければいけなかったりするためと考えられます。

さらに勝利したい気持ちでプレイをすると、ドーパミンやアドレナリンの分泌量がふえます。すると脳の線条体や側坐核の活動が高まり、やる気や意欲のアップにもつながることがわかっています。

 

現在、株式会社ワンライフでも、eスポーツ✖障がいの医療的な可能性を探っています。

2021年から群馬大学と共同で「eスポーツが障がい者にどのような効果をあたえるか」と調査することを予定しています。

研究をおこなう前段階の実験として、頭に機械を装着してゲームをプレイしたところ、ゲームで前頭葉が活性化することがわかりました。

この研究をすすめることで、eスポーツで脳機能に関する障がいのリハビリができたり、手足など体のリハビリにも対応できるようになるでしょう。

 

 

障がい者eスポーツを支えるデバイス

身体障がいで腕や手を動かしづらいeスポーツプレイヤーは、操作ボタンを押す圧力を変えて、少しの力で押せるようにするなど、障がいに配慮してコントローラーを改良しています。

また寝たきりになった状態でも、eスポーツをプレイすることができるように、口で操作したり、ボタンが大きく押しやすくなっていたりするコントローラーも発売されています。

 

Quad Stick

障がい者e-sport

出典:QuadStick FPS game controller — QuadStick

Quad Stickは口や声で操作することができるマウスコントローラーです。顔や口まわりが動けばゲームをプレイすることができます。

4種類の呼吸センサーと唇の位置センサー、プッシュ型ボタンを搭載。画像の3つの穴に息を吹ったり吐いたりすることでクリックをしたり、あらかじめ設定したボタン操作ができるようになっています。

 

Xbox Adaptive Controller

出典:Xbox アダプティブ コントローラー

 

日本マイクロソフトが発売したコントローラー、Xbox Adaptive Controller。価格は1万円前後。

画面上の黒い大きなボタンでクリックできるので、手や指を動かしづらい方も操作がカンタンに。足で踏むタイプや息を吹きかけるタイプのスイッチを、ゲームコントローラーのボタンに割り当ててプレイすることも可能。

さらに外付けのスイッチや、ボタン、ジョイスティックなどと接続でき、XboxやWindowsパソコンにアクセスしやすくなっています。

 

 

eスポーツに特化した障害福祉施設

eスポーツの可能性に注目して、eスポーツ障がい者プレイヤーを育てる障害福祉施設も続々と開所されています。

プロプレイヤーを指導者におく本格的な事業所、グループホーム✖eスポーツという新しい形など、魅力あふれる施設を見ていきましょう。

 

ACADEMIA

アカデミア出典:https://www.acdma.jp/office/office1.html

 

ACADEMIAは大阪府を中心に展開する就労移行支援事業所。

従来の就労移行支援事業所で学べるコミュニケーションスキル、ビジネスマナー、パソコンスキルのほかに、eスポーツ座学や動画編集、ゲーム実践など新しいプログラムをとりいれています。ゲーム依存症トレーニングもあるのがポイント。

「好きを仕事に!」するための力を身につけられます。

 

e-sportの館@北小岩

画出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000163.000022736.html

 

e-sportの館@北小岩https://anispi.co.jp/waon/ は、東京都江戸川区にオープンしたeスポーツ✖グループホーム。ペット共生型施設「わおん」を運営しているアニスピホールディングスが開所しました。

家族のように一緒に過ごす入居者たちで共通でできることを模索した結果が「eスポーツ」であり、グループホームにeスポーツを取りいれたとのこと。

e-sportの館@北小岩は、日本一のeスポーツプレイヤーを排出することを目標としています。

 

ONEGAME

ワンゲーム

群馬県を中心に開所しているONEGAME 。日本でいち早く開所したeスポーツ専門の事業所。フランチャイズ化がすすんでおり、これから全国に展開する予定です。

株式会社セガと協同してイベントをおこなったり、賞金100万円という規模のeスポーツ大会を開催したりと、eスポーツの推進活動に本気な事業所。

ONEGAMEではプロのeスポーツプレイヤーや講師から、本格的にeスポーツを学べます。さらに障がい者一人ひとりに合ったコントローラーの製作にも力をいれており、最高の環境でeスポーツプロプレイヤーを目指せます。

 

 

まとめ

障がい、性別、年齢、場所に問わず、だれでも平等にできるeスポーツ。eスポーツと障がいが掛け合わさることで、障がいの壁を壊し、職、医療、新体験といったさまざまな可能性を提供します。

もともとゲームが好きだという方、eスポーツに興味がある方はぜひ障害福祉施設を見学して、プロを目指す現場をのぞいてみてください!

 

 

参考

「ぷよぷよeスポーツ」を用いた脳活動実験の結果が公開に。プレイ中に脳の重要部位の活性化を観測

e-sportsに特化した就労移行支援事業所「ACADEMIA大阪」の取り組み - 成年者向けコラム | 障害者ドットコム

eスポーツで「障害」超えろ プロ選手めざして猛練習|NIKKEI STYLE

ご自宅×eスポーツ | eスポーツリハ・生きがいづくり│株式会社ハッピーブレインHappyBrain

eスポーツで、障害者に新しい「参加」のきっかけを|日本作業療法士協会

日本初「障がい者プロゲーマー」養成所が誕生! | パラスポーツマガジン

目指せ日本一!eスポーツを極めたい障がい者のためのグループホームが東京都江戸川区に誕生!|株式会社アニスピホールディングスのプレスリリース

一般社団法人障がい者e-スポーツ協会 | 一般社団法人障がい者e-スポーツ協会