適応障がいとは?症状・原因・治療法

適応障がいとは?症状・原因・治療法

ストレス社会といわれている現代、適応障がいは急増し、患者数は100万人以上にもなるといわれています。適応障がいは私たちが普段感じているストレスから起こるものなので、だれもがかかる可能性のある疾患です。

適応障がいとは何か、その症状や原因、治療法などを解説します。

 

適応障がいとは?

適応障がいとは、環境や人間関係などのストレスがその人の限界を超え、気分や行動面にあらわれてしまう状態を指します。適応障がいが続くと、仕事や学業、社会生活に大きな影響が出てしまいます。

また適応障がいから「うつ病」に移行するおそれがあるので、早期発見・治療が必要です。

 

精神疾患の診断にも使われている「アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5)」によれば、適応障がいの診断基準は以下になります。

 

・ストレスの原因が明確であり、その原因となることが起きて3か月以内に症状が出ている

・以下の2つのうち片方、または両方に当てはまる場合

 -社会、職業など生活面で重大な機能的障がいがある

 -ストレスの原因となるものにふさわしくないレベルの症状や苦痛がある

・ほかの精神疾患には当てはまらない

・死別にたいする通常の反応ではあらわれない

・ストレスの原因がなくなったとき、症状が6か月以上続かない

 

適応障がいとうつ病のちがい

適応障がいと典型的なうつ病は同じように扱われることが多いですが、最も大きな違いは、「ストレスの対象がなくなった後」にあらわれます。

うつ病はストレスの原因がなくなっても症状は回復しませんが、適応障がいは徐々に回復していきます。

このほか「適応障がい」と「うつ病」の違いをまとめたのでご覧ください。

適応障がい

うつ病

特定できる原因が必ずある

特定できる原因がないことが多い

突然大きな声を上げたり、泣き出したりするなど気分のムラが大きくあらわれる。アルコール依存や虚偽の発言、他者にたいして過度に攻撃的になることが多い

アルコール依存や虚偽の発言、他者への攻撃性は比較的少ない

自分の起こした行動の結果に罪悪感をもたないことが多い

無気力さがあり、自分を過度に責めてしまう傾向がある

ストレスの原因から離れると、症状がしだいに回復する

ストレスの原因がなくなっても、症状が回復しない

薬があまり効かない

薬がよく効く

 

適応障がいの症状は?

適応障がいの症状はストレスを受けた状況や本人の性格に影響されるので、さまざまなものがあります。

おもに症状としてあらわれるのは、①過度な不安による症状②うつ症状③問題行動を中心とする症状④身体症状が中心のもの、の4つだといわれています。

①不安や恐怖感、焦りによる動悸・吐き気など

②憂鬱、喪失感、絶望感、涙もろくなる

③アルコール依存や、ケンカ、危険運転など他者への攻撃性が高まる

④頭痛、腹痛、倦怠感など身体症状

 

 

適応障がいの原因は?

適応障がいの原因には「外部要因」と「内部要因」があります。

 

適応障がいの外部要因

外部要因は、多くの人が同じように受ける、社会生活や環境からのストレスです。仕事や学校、家庭、恋愛のほか、被災経験や病気なども外部要因になります。

 

適応障がいの内部要因

内部要因とは、ストレスにたいする反応や心の在り方のことをいいます。

似た環境や同じストレスの原因があっても、適応障がいにならない人となる人がいるように、人それぞれストレスにたいする反応はちがいます。

そのストレスをどのぐらい強く感じているか、そのストレスをへらそうと動くか動かないか。育った環境や性格でストレスに耐性ができていない場合は、内部要因だととらえることができます。

 

 

適応障がいになりやすい人はいる?

適応障がいになりやすい人は、「内向型」だといわれます。

まず人の認知の在り方は、

    • 客観・外向型
    • 客観・内向型
    • 主観・外向型
    • 主観・内向型

    の4つのタイプがあります。

     

    「客観・外向型」や「主観・外向型」はストレスへの対処の選択をもてたり、楽観的に受け止めたりすることができます。

    「客観・内向型」に分類される人は、視野が狭く、理想や責任感に没入するタイプです。まじめで完璧主義ですが、許容範囲を超えるとストレスの対処がわからなくなります。「主観・内向型」は、必要以上に重くストレスを受け止め、ネガティブ思考になるタイプです。劣等感や自己肯定感の低さがあります。

    「主観・内向型」に分類される人が最も適応障がい者に多いタイプです。その次に「客観・内向型」が適応障がいになりやすいといわれています。

     

    適応障がいの治療法

    適応障がいの治療に薬をつかうことはありますが、症状を抑えるものであって根本的な治療にはなりません。そのため、おもに「環境を整えること」や「精神療法」の2つで治療がおこなわれます。

     

    環境を整える

    適応障がいを治すのに有効なのは「ストレスの要因を取り除くこと」です。そのため引っ越しをしたり、転職をしたり、特定の人と距離を置いたりするなど、環境を整えることが必要になります。

    しかし仕事の内容や、家族、人間関係など完全に除去できるものではない場合は、つぎの方法が使われます。

     

    精神療法

    精神療法は「認知行動療法」などをつかって、ストレスへの反応や心の在り方を変えます。

    カウンセリングをおこない、自分の考え方や行動を変えていくことで、ストレスの原因から適切に対処できる力を身につけることが目的です。

    精神療法は即効性のものはなく、人によっては治療が長期間になる可能性があります。

     

     

    まとめ

    適応障がいはストレスが限界を超え、身体や生活に影響が出ている状態のことをいいます。いまはストレス社会と呼ばれ、ほとんどの人がストレスを受けて生活しており、適応障がいはだれでもかかる可能性のある疾患です。

    適応障がいかもしれないと感じながら我慢し続けると、適応障がいが慢性化したり、うつ病に移行したりするおそれがあります。なので強いストレスを感じたら、周囲に相談や助けを求めることが大切です。

    まわりに相談できる人がおらず、対応がむずかしい場合は、早めに心療内科や精神科を受診しましょう。

    参考

    適応障害|病気解説|医療法人 池澤クリニック|心療内科・精神科・内科

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    適応障害(適応反応症) 人形町メンタルクリニック 中央区・日本橋 心療内科・精神科

    適応障害ってどんな障害?仕事に与える影響や向いている仕事を紹介 | atGPしごとLABO

    「適応障害」になりやすい人を悩ませる循環気質 | 健康 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

    適応障害はどのように回復していきますか?|症状別のよくある質問|名古屋市瑞穂区の心療内科・精神科あらたまこころのクリニック

    適応障害とは?症状や治療法を解説 原因は強いストレス | NHK健康チャンネル

    うつ病と適応障害との違いについて