【令和3年度報酬改定】児童発達支援

【令和3年度報酬改定】児童発達支援

 

令和3年度の障害福祉報酬改定は、児童発達支援事業所に専門的なサービスを求める動きとなっています。

令和3年度2月4日に発表された、児童発達支援にかかわる報酬改定の内容をまとめました。

児童発達支援事業所のおもな改定内容

児童発達支援事業所のおもな改定内容は以下のとおりです。

 

・「医療的ケア児の支援」の支援を充実

・加算の見直し

・専門的支援加算の対象に「5年以上児童福祉事業に従事した保育士・児童指導員」を追加

・従業者要件に「障害福祉サービス経験者」を廃止

・家族支援の評価を充実

・身体拘束の適正化

・福祉・介護職員等に関する加算の見直し

 

「医療的ケア児の支援」を充実

2021年の報酬改定から、動ける医療的ケア児にたいして、一般の子どもたちと別に、基本報酬が設定されるようになります。また、動ける医療的ケア児にスコア制が導入されました。

引用:https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000653734.pdf

 

 新スコア3点以上の児童 …3:1

 新スコア16~31点以下の児童 …2:1

 新スコア32点以上の児童  …1:1

 

以上のように、ケアに必要な看護職員の数を配置した場合に応じて、金額が給付されます。この制度にあわせて、看護職員加配加算の要件も緩和されます。おもに重症心身障がい児が通う事業所は、人数による加算ではなくなり、「その事業所の医療的ケア児の合計点数が40点以上」の場合に加算されることになりました。これにより、ごく少数の医療的ケア児をケアしていた施設も、加算があたえられるようになります。

 

加算の見直し

児童指導員等加配加算Ⅱが廃止され、①児童指導員等加配加算、②個別サポート加算Ⅰ、③個別サポート加算Ⅱ、④専門的支援加算の4つになります。

児童指導員等加配加算

引用:令和3年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容

 

  • 児童指導員等加配加算

理学療法士や児童指導員などの専門職に、「手話通訳士」および「手話通訳者」が追加されます。

 

  • 個別サポート加算Ⅰ

重度および行動上の課題のある、ケアニーズの高い児童への支援にたいする報酬加算。ケアニーズの高い児童の判断基準は、5領域11項目の調査を用いる方向です。

 

  • 個別サポート加算Ⅱ

虐待(ネグレクトなど)を受けた児童への支援にたいする報酬加算。虐待児童が在籍している人数に応じて加算。

 

  • 専門的支援加算

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員、国リハ視覚障害学科履修者など専門の資格者を常勤として1以上配置したときに評価。

また専門的支援加算に、「5年以上児童福祉事業に従事した保育士・児童指導員」が追加されます。

 

医療連携体制加算の見直し

医療連携体制加算の算定要件や報酬が大きく見直されました。

医療連携体制加算の報酬単位は、医療的ケアがあるかどうか等で区分されるようになります。また原則、利用者を診察している主治医から個別に受けるものを「医師からの指示」とすることを明確にしなくてはいけません。

児童発達支援は、月当たりの利用者数が一定数以上の場合、医療的ケア児の基本報酬を算定します。

 

看護職員が看護する利用者

単位数

医療連携体制加算(Ⅰ)

32単位

医療連携体制加算(Ⅱ)

63単位

医療連携体制加算(Ⅲ)

125単位

医療連携体制加算(Ⅳ)

1人

800単位

2人

500単位

3人以上8人以下

400単位

医療連携体制加算(Ⅴ)

(4時間以上)

1人

1600単位

2人

960単位

3人以上8人以下

800単位

医療連携体制加算(Ⅵ)

500単位

医療連携体制加算(Ⅶ)

100単位

 

従業者要件の見直し

基本報酬の人員の要件から、「障害福祉サービス経験者」が廃止されます。

2021年3月までに開所した事業所は2年間の経過措置をとられますが、2021年4月から開所する事業所は、「障害福祉サービス経験者」が基準人員として認められません。保育士・児童指導員のみが人員基準として認められます。

 

家庭支援の評価を充実

訪問支援特別加算を家庭連携加算に統合するうえ、要件が見直されました。

事業所内相談支援加算については、個別の相談援助だけでなく、グループでの面談も加算の対象になります。

 

  • 家庭連携加算(月4回が限度)

 1時間未満・・・1回につき187単位

 1時間以上・・・1回につき280単位

 

  • 事業所相談支援加算(Ⅰ・Ⅱそれぞれ月1回が限度)

 加算Ⅰ(個別)・・・1回につき100単位

 加算Ⅱ(グループ)・・・1回につき80単位

 

 

身体拘束などの適正化

事業の運営基準に、身体拘束に関する要件が追加されます。

 

①身体拘束をおこなうときは、必要な事項を記録すること。

②身体拘束の適正化のための対策検討委員会を開き、委員会の検討結果を徹底して従業員へ周知すること。

③身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。

④従業者へ、身体拘束等の適正化のための研修を定期的におこなうこと。

 

②~④は1年間の準備期間を設け、令和4年度から義務化されます。

また令和3年度から①の運営基準を満たしていない事業所は、「身体拘束廃止未実施減算」により、基本報酬が減算されます。

令和5年4月からは、運営基準の②~④を満たしていない事業所に、「身体拘束廃止未実施減算」が適用されます。

 

 身体拘束廃止未実施減算・・・5単位/日

 

福祉・介護職員処遇改善加算・処遇改善特別加算の見直し

福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅳ)(Ⅴ)と、福祉・介護職員処遇改善特別加算は廃止されます。

令和3年3月末時点で同加算が算定されている障害福祉サービス等事業所は、1年間の経過措置を設けられます。

また加算率の算定方法は、障害福祉サービス等経営実態調査にある従業者数や報酬請求事業所数を用いて、加算率が算定されることに。

類似する複数のサービスはグループ分けして加算率が算定されます。

 

 (Ⅰ)所定単位数× 8.1%

 (Ⅱ)所定単位数× 5.9%

 (Ⅲ)所定単位数× 3.3%

 

職場環境要件も変更されました。職場環境を整えるための取り組みは、当該年度に実施することを求められます。ただし、継続して処遇改善加算を取得している事業所は、当該年度に実施できない正当な理由がある場合、例外的に前年度の取り組み実績で要件を満たすことができます。

 

福祉・介護職員等特定処遇改善加算の見直し

加配配分

引用:令和3年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容

福祉・介護職員等特定処遇改善加算の平均の賃金改善額の配分ルールについて、より柔軟な配分をできるようにするため、「経験・技能のある障害福祉人材」は「ほかの障害福祉人材」の「2倍以上とすること」としているルールを、「より高くすること」に見直されます。

また福祉・介護職員等処遇改善加算と同じく、類似している複数のサービスはグループ分けし、以下の通りに加算率が決められました。

 

 (Ⅰ)所定単位数× 1.3%

 (Ⅱ)所定単位数× 1.0%

 

まとめ

2021年の報酬改定では、医療的ケア児やケアニーズの高い児童の支援が重視されたり、児童指導員等加配加算に「手話通訳士」が追加されたりするなど、サービスの専門性を高めることが求められています。

児童福祉事業を5年以上経験している保育士や専門職を雇い、サービスの専門性を高める、人事的な対策が必要でしょう。

 

全サービスに共通する報酬改定の内容は、別記事にまとめているのでご参考ください。

 

<<参考>>

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の概要

 

 

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