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発達障害があると障害年金はもらえる?

受給条件・申請方法・働いている場合の注意点を解説
「発達障害があるけれど、障害年金を受給できるのかな?」
「ADHDや自閉スペクトラム症があって、仕事や日常生活がうまくいかない」
「働いていると障害年金はもらえないの?」
このような疑問を持っている方はいませんか?
発達障害があると、仕事でミスを繰り返してしまったり、
予定やお金の管理が苦手だったり、
人間関係で強いストレスを感じたりすることがあります。
周囲からは普通に生活できているように見えても、
本人はさまざまな困難を抱えている場合がありますよね。
こうした生活上の困難を経済面から支える制度の一つが「障害年金」です。
障害年金は、一定の要件を満たした方が、
病気や障害によって日常生活や仕事に支障がある場合に受給できる公的年金制度です。
発達障害も、障害の状態や生活への影響などによって、
受給の対象となる場合があります。
この記事では、発達障害と障害年金の関係、受給条件、
申請の流れ、働いている場合の考え方について解説します。
制度を知ることは、自分に合った生活や働き方を考えるための第一歩です。
今困っている方も、ご家族や身近な方を支えたい方も、ぜひ参考にしてください。
発達障害があると障害年金を受給できる?

ADHD・ASDなどの発達障害も対象になる
障害年金は、身体障害だけを対象にした制度ではありません。
精神障害や知的障害なども対象となり、発達障害についても
一定の要件を満たせば受給できる可能性があります。
発達障害には、例えば次のようなものがあります。
- ADHD(注意欠如・多動症)
- ASD(自閉スペクトラム症)
- 学習障害(限局性学習症)など
ただし、発達障害と診断されていれば
必ず障害年金を受給できる、というわけではありません。
審査では、診断名だけでなく、障害の状態や日常生活への影響などが確認されます。
例えば、金銭管理や食事の準備、身の回りのこと、
他人との意思疎通、社会生活への適応などに
どのような困難があるのかが重要になります。
同じ診断名でも、困りごとの程度や必要な支援は人によって異なります。
そのため、ほかの人の受給例だけで、
自分が受給できるかどうかを判断することはできません。
障害者手帳がなくても申請できる?
障害年金と障害者手帳は、別の制度です。
障害者手帳を持っていなければ障害年金を申請できない、というわけではありません。
また、障害者手帳を持っているからといって、
必ず障害年金を受給できるわけでもありません。
それぞれで認定の仕組みや基準が異なるためです。
「手帳を持っていないから無理だろう」と考えている方も、
最初から諦めず、年金事務所や市区町村の窓口などで相談してみましょう。
発達障害があることと、生活上の困難を具体的に伝えることが大切
発達障害による困難は、外から見ただけでは分かりにくいことがあります。
例えば、仕事に通えていても帰宅後は疲れ切って何もできなかったり、
家族の助けがなければ食事や金銭管理が難しかったりする場合があります。
そのため、申請を考える際には単に「発達障害があります」と伝えるだけでなく、
日常生活で何に困っているのか、どのような援助を受けているのかを
整理しておくことが大切です。
自分では当たり前だと思っている苦労も、
生活への影響を理解するための重要な情報になる場合があります。
発達障害で障害年金を受給するための条件

初診日が重要になる
障害年金の申請では「初診日」が重要なポイントになります。
初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことです。
発達障害の場合、子どもの頃に医療機関を受診している方もいれば、
大人になってから初めて診断を受けた方もいます。
そのため、いつ、どの医療機関を受診したのかを確認しておくことが大切です。
初診日によって、加入していた年金制度や保険料の納付要件など、
確認すべき条件が変わります。
過去の受診先が分からない場合は、
手元にある診察券や紹介状、診療記録などを確認し、
年金事務所などに相談してみましょう。
障害の程度が認定基準に該当していること
障害年金には障害等級があり、障害の状態が基準に該当するかどうかが審査されます。
障害基礎年金は原則として1級・2級、障害厚生年金は1級・2級・3級が対象です。
どの等級に該当するかは、障害の状態などを踏まえて判断されます。
発達障害の場合も、日常生活能力や社会生活への適応状況、
意思疎通の状態、就労状況などが考慮されます。
例えば、次のような困難がある場合は具体的な状況を整理しておくとよいでしょう。
- 食事の準備や片付け、掃除などを一人で行うことが難しい
- 金銭管理や買い物、服薬の管理に援助が必要
- 対人関係やコミュニケーションに強い困難がある
- 予定の管理や手続きなどを一人で進めることが難しい
- 働いていても、職場から多くの配慮や援助を受けている
これらは確認しておきたい困りごとの例であり、
該当する項目があるだけで受給が決まるわけではありません。
個々の状況に応じて総合的に判断されます。
保険料の納付要件なども確認する
障害年金では、障害の状態だけでなく
初診日や年金加入状況などに関する要件もあります。
一般的には、初診日の前日時点で一定以上の保険料を納付していること、
または免除されていることなどが必要です。
初診日が20歳前にある場合は、保険料の納付要件が異なります。
詳しい条件は、加入していた年金制度や初診日によって変わります。
「保険料を払っていなかった時期がある」「学生だった頃に初めて受診した」など、
気になる事情がある場合は、自分だけで判断せず、
年金事務所などで確認することをおすすめします。
発達障害で障害年金を申請する流れ

まずは初診日と受診歴を確認する
障害年金の申請を考えたら、まずは初診日を確認しましょう。
初診日の証明が必要になる場合があるため、
以前通っていた医療機関や受診時期について、
分かる範囲で整理しておくと相談が進めやすくなります。
初診日が分からない場合や、
当時の医療機関が閉院している場合なども、
状況によって確認方法が異なります。
早い段階で年金事務所などに相談するとよいでしょう。
医師に日常生活の困難を具体的に伝える
障害年金の申請では、医師が作成する診断書などの書類が重要になります。
診察時には、困っていることをうまく説明できない方もいるかもしれません。
普段から困りごとをメモしておくと、自分の状態を伝えやすくなります。
例えば、「仕事がつらい」という説明だけでなく、
「指示を一度に複数受けると混乱する」
「予定変更があると対応できず、仕事が止まってしまう」
「帰宅後は疲れ切って家事ができない」など、
具体的な場面を整理してみましょう。
また、一人でできているように見えることでも、
家族からの声かけや確認が必要だったり、
通常より多くの時間や労力がかかったりすることがあります。
できないことだけでなく、
できるようにするために必要な支援や工夫も、
医師に伝えておくことが大切です。
必要書類を準備して請求する
障害年金の請求では、状況に応じて、年金請求書、医師の診断書、
受診状況等証明書、病歴・就労状況等申立書などの書類を準備します。
必要な書類や記載内容は、初診日や請求方法などによって異なります。
病歴・就労状況等申立書では、これまでの病気や障害の経過、
日常生活や仕事の状況などを記載します。
過去のことを詳しく思い出すのが難しい場合は、
学校生活や仕事の記録、家族の記憶なども参考にしながら整理するとよいでしょう。
申請書類の準備に不安がある場合は、
年金事務所や街角の年金相談センター、
社会保険労務士などに相談する方法もあります。
働いていても障害年金は受給できる?

働いているという理由だけで、受給できないとは限らない
「今は会社で働いているから、障害年金はもらえないのでは?」
と考える方もいるかもしれません。
しかし、働いていることだけを理由に、
障害年金の対象外になるわけではありません。
発達障害のある方の中には、
職場での配慮や周囲の支援によって働き続けている方もいます。
また、仕事を終えると疲労が強く、
日常生活に大きな影響が出ている方もいます。
就労状況を考える際には、仕事をしているという事実だけでなく、
仕事内容、勤務状況、職場で受けている援助や配慮、
意思疎通の状況なども考慮されます。
例えば、周囲の人がこまめに指示を出してくれる、
業務を限定してもらっている、
欠勤や休職を繰り返しているなど、
働くために必要な支援がある場合は
その実態を具体的に整理することが大切です。
もちろん、働いている方が必ず受給できるという意味ではありません。
受給できるかどうかは、障害の状態やその他の要件を踏まえて判断されます。
無理をして働き続けることだけが正解ではない
発達障害のある方の中には
「周囲に迷惑をかけたくない」「働けない自分はだめだ」と考え、
無理を重ねてしまう方もいるかもしれません。
しかし、働き方や生活の形は人それぞれです。
一般企業で働くことだけが正解ではなく、
障害福祉サービスを利用したり、働く時間を調整したり、
周囲の支援を受けながら生活したりする方法もあります。
障害年金について知ることも、自分に合った暮らし方を考えるための一つの手段です。
受給できるかどうかを一人で決めつけず、
制度の専門家に相談しながら、
自分に必要な支援を考えていきましょう。
まとめ:困りごと、一人で抱え込まないために
発達障害がある方でも、障害の状態や日常生活への影響、
初診日や年金加入状況などの要件を満たせば、
障害年金を受給できる可能性があります。
ただし、診断名だけで受給が決まるわけではありません。
自分の生活にどのような困難があり、
どのような支援を必要としているのかを整理することが大切です。
申請に不安がある方は
年金事務所や市区町村の窓口などに相談してみましょう。
必要に応じて、社会保険労務士などの専門家に相談する方法もあります。
そして、忘れないでほしいのは、
困りごとを抱えていることは、努力が足りないという意味ではないということです。
発達障害の特性によって難しいことがあるなら、
制度を利用したり、周囲の人と工夫を考えたり、
自分に合った方法を探したりしてもよいのです。
一人ですべてを解決する必要はありません。
凸凹村では、障害のある人同士が経験や工夫を共有し、
それぞれの「やってみたい」を応援し合える場所を目指しています。
自分の困りごとを言葉にしてみること、
誰かの経験を知ることも、新しい選択肢につながるかもしれません。
障害年金について調べることも、自分らしい生活を考えるための大切な一歩です。
必要な情報や支援につながりながら、自分に合った暮らし方を見つけていきましょう。
参考情報
- 日本年金機構「障害年金」
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html - 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html
※この記事は障害年金制度の一般的な情報を紹介するものであり、個別の受給可否を判断するものではありません。制度や要件は変更されることがあるため、申請前には日本年金機構などの公式情報をご確認ください。