- 活動・取材レポ
第14回 凸凹村交流会レポート


身近な悩みから「障がい者と社会の分断」まで
9月26日、第14回凸凹村交流会を開催しました!
今月は21日に続いて、今回が2回目の交流会です。
凸凹村交流会は、
障害を「できないこと」や「ネガティブなもの」として捉えるのではなく、
障害があるからこそ感じる悩みや困りごとを、みんなで話しながら
解決していくことを大切にしています。
今回も、日常生活のちょっとした悩みから、障害者と社会の分断、
インクルーシブ、障害者手帳、カスタマーハラスメント、
そして「働く」ということまで、
さまざまなテーマについて話が広がりました。
今回は自己紹介を短めに、自由に話せる時間を長く
今回は顔見知りのメンバーが多かったこともあり、最初の自己紹介は簡略化。
サムライブルー41号さんから
「話したい人が自分から手を挙げるような自己申告制にしてはどうか」
という提案もあり、近況報告や相談したいことがある人が、
それぞれのタイミングで話すスタイルで進めました。
もちろん
- 聞くだけの参加もOK
- 途中入退室もOK
- 話したくないことは話さなくてOK
- 自分と違う意見が出ても、まずは受け止める
という、凸凹村交流会ならではのスタイルは今回も変わりません。
「何か話さなければ」と無理をするのではなく、
その人が参加しやすい形で関われることを大切にしています。
「水を飲めばいい」だけではない?ドライマウスの悩み
最初に話題になったのは、清水謙太郎さんからのドライマウス(口の乾き)についての相談でした。
緊張する場面や慣れない場所、苦手な匂いなど、
さまざまな要因で口が乾いてしまい、
それが吐き気につながることがあるそうです。
相談員さんに相談した際には「水を飲めばいい」と言われたものの、
水を飲み続ければトイレが近くなってしまうという別の悩みもあります。
そこで参加者から、いろいろなアイデアが出ました。
飴を舐めたり、ガムを噛んだりして唾液の分泌を促す方法。
口の中で舌を回して、唾液を出しやすくする方法。
歯医者勤務の経験がある私からは、
耳の後ろにある唾液腺をマッサージする方法や、
ドライマウス向けのうがい薬についても紹介しました。
チャットからも「口をゆすぐ」「口腔ケアをする」といった意見が出ました。
一つの悩みに対して、一人が答えを出すのではなく、
参加者それぞれが
「自分はこうしている」「こういう方法もあるかも」
と経験を持ち寄る。
こうした情報交換ができるのも、凸凹村交流会の面白いところです。
清水さんは、以前夏場に飴を舐めていたことを思い出し、改めて試してみることに。
次回の交流会では、その後どうだったのかを聞けるかもしれません。
※今回出た対処法は参加者の体験や提案であり、症状が続く場合などは医療機関や専門家への相談も大切です。
「障害者と社会は分断されている?」から始まった議論
今回、特に盛り上がったのが、
障害者と社会の分断、そしてインクルーシブについての話でした。
光さんから、
「障害者同士の人間関係はできていても、
障害福祉の枠を一歩出たところで
一般社会との人間関係を築くことが難しい人も多いのではないか」
という問題提起がありました。
自身はSNSやギターなどを通じて、
障害の有無に関係なく人とのつながりを広げているそうです。
そこから
「障害者同士のコミュニティをどう活かしていくか」
「障害のない人たちとのつながりをどう作っていくか」
「そもそも、なぜ障害者と健常者という分け方があるのか」
と、話はどんどん広がっていきました。
サムライブルー41号さんからは
「障害を持っているからこそできることもある」
という話がありました。
障害者同士のコミュニティには、
障害があるからこそ共有できる経験や感覚があります。
このコミュニティを「閉じた場所」と考えるのではなく、
そこで得た経験やつながりを社会へ持っていく。
そんな考え方も共有されました。
私からは、特別支援学校と一般の学校が
分かれていることなどを例に挙げながら、
「障害者と社会の分断は本人たちだけの問題ではないのではないか」という話も。
一方で、幼い頃から地域の学校に通い、
障害の有無をあまり意識せず「みんな友達」
という感覚で過ごしてきたという経験も共有されました。
「障害がある人とない人」という線引きを意識する前に、
人と人として出会える環境があれば見え方は変わるのかもしれません。
これは今回の交流会だけで答えが出るような簡単な問題ではありません。
だからこそ、これからも考え続けたいテーマです。
スマホやAIは「分断するもの」なのか「つなぐもの」なのか
さらに話は、スマートフォンやAIにも広がりました。
サムライブルー41号さんが駅前で困っている男性を助けた経験から、
「周囲には人がたくさんいたのに、誰も動かなかった」という話が出ました。
そこから、スマートフォンやAIが
人と人との距離を遠ざけることがあるのではないか、という議論に。
一方で、光さんからは
「スマートフォンがあったからこそ、ギターを通じた新しい人とのつながりが生まれた」
という話もありました。
つまり、スマホやSNS、AIそのものが良い・悪いというより、
私たちがどう使うのかが重要なのかもしれません。
便利な道具に「使われる」のではなく、自分の目的のために「使いこなす」。
そして最後は自分の頭で考え、自分で判断する。
これは今回の交流会全体を通じて、何度も出てきた大切なテーマでした。
障害者手帳を「どう活用する?」体験談も
障害者手帳についても参加者それぞれの経験が共有されました。
久智さんは、自身が軽度知的障害と分かった経緯について話してくれました。
20歳で陸上自衛隊に入隊し、約6年間勤務。
その後、テレビ番組をきっかけに
自分自身に当てはまるものがあると感じ、
親に確認したことから障害が分かっていったそうです。
そして、療育手帳を取得したことで利用できる交通機関の割引や、
携帯電話に関するメリットなどについても紹介。
一方で、手帳を取得した当初は
「障害者手帳を持つことが嫌だった」
という参加者の経験もありました。
障害が分かることや、手帳を持つことに抵抗を感じる人は決して少なくありません。
それでも、実際に取得してみると「持っていて良かった」と感じる人もいる。
こうした実体験を直接聞けることも、交流会ならではだと感じます。
「止めたい。でも、止められない」ジレンマ
後半では、少し考えさせられる話題も。
サムライブルー41号さんが、カフェで
店員に強く謝罪を求める男性を見かけた経験を話してくれました。
さらに、その矛先が制止に入った外国人女性に向いたものの、
一緒にいた人が恐怖を感じていたため、介入することができなかったそうです。
「自分一人だったら止めに入っていた。
でも、誰かと一緒にいるとその人の安全も考えなければならない」
この葛藤について、参加者からさまざまな意見が出ました。
私からは、もし自分が一人なら止めに入ると思う一方、
パートナーなど同伴者がいて、
相手が逆上する可能性があるなら警察への連絡を促すと思う、と発言。
チャットからは
「何を守るかによって行動が変わる」
という意見もありました。
「助けたい」という気持ちだけでは解決できない場面があります。
自分自身や一緒にいる人の安全も考えなければなりません。
それでも私は、
「止めに入りたいと思っていても、状況によって止められないこと」と、
「最初から関わる気がないこと」は大きく違うのではないか
と感じました。
正解が一つではないからこそ、こうしたテーマについて
安心して話し合える場所が必要だと思います。
「働く」は、身近な人を楽にすることから?
最後に、とても印象的だったのが「働く」という言葉についての話です。
サムライブルー41号さんから
「働く=傍(はた)を楽にする」
という考え方が紹介されました。
自分の身近にいる人を少し楽にする。
困っている人を助ける。
落ちているゴミを拾う。
誰かに優しい言葉をかける。
そんな小さな行動も、誰かの負担を減らしたり、
誰かを幸せにしたりすることにつながります。
水たまりに石を投げると、そこから波紋が広がっていくように。
まずは自分のすぐそばにいる人を大切にする。
その小さな行動が積み重なれば、
やがて社会全体にも影響していくのではないか。
今回の交流会の最後に、そんな温かい考えが共有されました。
一人では答えが出ないことも、みんなで話すと見えてくる
今回の交流会では、ドライマウスという身近な悩みから、
「障害者と社会の分断」という大きなテーマまで、
本当にさまざまな話が出ました。
すぐに答えが出たものもあれば、
今回だけでは解決できなかったものもあります。
でも、凸凹村交流会では、それでいいと思っています。
「これが正解」と決めるのではなく、
「自分はこう思う」
「私はこういう経験をした」
「こんな方法もあるかもしれない」
と、それぞれの経験や考えを持ち寄る。
一人では思いつかなかったことを、誰かの言葉から考えてみる。
そして、次に自分が何かをやってみる。
それが凸凹村交流会の大切な時間です。
今回、ドライマウスについて話してくれた清水さんは、
実際に提案された方法を試してみることになりました。
次回の交流会では、その結果も聞けるかもしれません。
そして、今回話し合った
「障害者と社会の分断」や「人を助けるとはどういうことか」
というテーマも、これから引き続き考えていきたいと思います。
一人ではできないことも、仲間とならできる。
そんな時間を、これからも凸凹村で作っていきます。
今回の交流会について
今回の交流会では、録画動画を公開することについて
参加者の皆さんから同意をいただきました!
動画は編集が終わり次第
凸凹村Youtubeチャンネルで公開予定です。
また、来月の交流会の日程についてもアンケートを実施しています。
次回も
「聞くだけ」
「一言だけ」
「チャットだけ」
「途中から参加」
「途中で退出」
どんな参加の仕方でも大丈夫です!
話したいことがある人も、ただ誰かの話を聞きたい人も。
それぞれのペースで参加できるのが凸凹村交流会です。
また次回、みんなでお話ししましょう!
交流会のお知らせはこちらで随時投稿しています。
