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障がいがある人のための省エネ生活術

「今日は何もできなかった」
そう感じる日が続くと、自分を責めてしまうことはありませんか。
特に冬は、寒さや日照時間の短さ、体調の変化が重なり、障がいがある人にとって心身のエネルギーが大きく削られやすい季節です。
そんな時に役立つ考え方があります。それが「やることリスト」ではなく「やらないことリスト」です。
この記事では、調子が悪い日に無理をしないための「省エネ生活術」を、障がい特性に配慮しながら紹介します。
なぜ「やることリスト」がつらくなるのか

調子がいい前提で作られている
一般的なToDoリストは、「今日もある程度元気に動ける」ことを前提に作られています。
しかし、発達障がいや精神障がい、慢性疾患などがある人は、日によってエネルギー量が大きく変わることが珍しくありません。
調子が落ちている日に、元気な日の基準で作ったリストを見ると「できない自分」だけが強調されてしまいます。
できなかった項目が自己否定につながる
ToDoが消えない、終わらない。
それが積み重なると、「怠けている」「ダメな人間だ」という思考に結びつきやすくなります。
本当は体や脳が休息を必要としているだけなのに、心だけが追い詰められてしまうのです。
「やらないこと」を決めるという発想

エネルギーを守るための選択
「やらないこと」を決めるのは、諦めではありません。
それは自分のエネルギーを守るための戦略です。
限られた体力や集中力を、最低限必要なことにだけ使う。
それが結果的に、回復を早めることにもつながります。
頑張らないためのルールを持つ
調子が悪い日は、その場の気分で判断すると「少しだけなら…」と無理を重ねがちです。
あらかじめ「やらないこと」を決めておくことで、迷いや自己交渉を減らすことができます。
障がいがある人が冬に消耗しやすい理由

感覚・自律神経への影響
寒さや気圧の変化、日照時間の短さは、自律神経のバランスを崩しやすくします。
発達障がいの感覚過敏や、精神障がいの気分変動が強く出る人も少なくありません。
これは気合や根性でどうにかなるものではなく、身体的な反応です。
社会のペースと合わなくなる
年度末に向かって社会全体が慌ただしくなる2月は、「周りは動いているのに自分は動けない」という感覚を抱きやすい時期でもあります。
そのギャップが、さらに疲労感を強めてしまうのです。
「やらないことリスト」の具体的な考え方

調子が悪い日の基準を決める
まずは「今日は省エネモードに入る」という基準を自分なりに決めておきます。
たとえば、朝起きた時点で強い倦怠感がある、頭がぼんやりする、感情が不安定など。
基準があることで「今日はやらない日」と判断しやすくなります。
生活編:やらなくていいことを明確にする
調子が悪い日は、掃除や料理、完璧な身支度を手放しても構いません。
レトルトや宅配、最低限の清潔さで十分です。
「ちゃんとやらない」を選ぶことが、回復への近道になることもあります。
人間関係編:無理な対応を減らす
返信を急がない、会話を最小限にする、予定をキャンセルする。
これらも立派なセルフケアです。
相手に説明できない日があっても問題ありません。
自分の調子を最優先していいのです。
「やらない」を決めると、実は回復が早い

無理を減らすと反動も減る
調子が悪い日に無理をすると、その後に大きな反動が来ることがあります。
数日、あるいは数週間動けなくなるケースも珍しくありません。
最初から省エネで過ごすことで、結果的に生活全体が安定しやすくなります。
自己肯定感を下げにくくなる
「今日はやらないと決めたからOK」
そう思えるだけで、できなかった自分を責める回数が減ります。
これはメンタルヘルスの観点からも重要なポイントです。
周囲との関係で気をつけたいこと

すべてを理解してもらう必要はない
家族や職場に「今日は何もできない理由」を完璧に説明しようとすると、それ自体が負担になります。
必要最低限の共有で十分です。
理解されないことがあっても、自分の選択が間違っているわけではありません。
支援制度や相談先も選択肢に
調子の波が大きい場合、医療機関や支援機関に相談することも一つの方法です。
「頑張り方」を増やすのではなく、「休み方」を一緒に考えてもらう視点が大切です。
参考リンク:
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「こころの情報サイト」
https://kokoro.ncnp.go.jp/
NHK ONE(こころ・脳・神経)
https://www.web.nhk/tv/dk/editorial-tep-kenko-Y5BQSMXNYK
まとめ:やらないことは、生きるための知恵
調子が悪い日は、「何をするか」より「何をしないか」が重要になります。
やらないことを決めるのは、甘えではなく、生き延びるための工夫です。
冬は誰でも消耗しやすい季節。
障がいがある人なら、なおさらです。
できない日があっても大丈夫。
省エネで過ごす選択は、あなたの人生を長く、安定させる力になります。
今日は、やらないことを一つ決めてみませんか。