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共生社会をつくるために私たちにできること

はじめに:共生社会とは何か、自分の立ち位置を知る
「共生社会」とは、障がいのある人・高齢者・子育て世帯など、社会を構成する多様な人々が互いに尊重し合い、助け合いながら暮らせる社会のことです。
単にバリアを取り除くだけでなく、制度・文化・日常の中で「一人ひとりの違い」を当たり前に受け入れられることが求められています。
では、私たちは具体的にどのような行動を取れるのでしょうか。
この記事では、個人でもできる「共生社会を育むアクション」を紹介します。
自分ができることのヒント:理解と態度を変える

障がいについて学んで誤解を減らす
障がいには外見で見えるものだけではなく、見えにくい・見えないもの(発達障がい、精神障がい、知的障がいなど)があります。
まずは、新聞・書籍・公式サイトで正しい情報を収集すること。
知識を持つことで、「どう声をかけたらいいのか」「どう接したらいいのか」が見えてきます。
例えば、日本財団の DO-IT Japan では、若者たちに障がいについての理解や自己決定、自己主張(セルフアドボカシー)の教育プログラムを提供しています。これにより、当事者も周囲の人も「共に選択できる社会」への意識が育まれています。 日本財団
日常の行動で「小さな配慮」を実践
理解が深まった後は、具体的な行動へ。
例えば、公共交通機関で高齢者・障がい者を見かけたら席を譲る、歩く速度を少し落とす、話しかけるときにゆっくり明瞭に話す、案内表示に注意を向けるなど。
これらは非常に小さな行動ですが、周囲への影響は大きいです。
また、情報の受け取り手の立場を考えた発言や書き言葉を使うことも含まれます。
「健常者」「障がい者」で区別する言葉遣いを見直したり、バリアを感じさせない表現を心がけたりすることなどが、理解ある共生の環境を作る上で役立ちます。
自分の得意を活かして関わる場を見つける
誰でも得意なこと、好きなことがあるはずです。
それを共生社会づくりに活かすことができます。
例えば、絵や音楽などのアートが好きなら地域の学校や福祉施設でワークショップを手伝う、本の読み聞かせ、イベントでの手話通訳やサポートなど。
得意分野を活かすことで、障がいのある人々との距離が縮まり、自分自身にとっても達成感が得られるでしょう。
制度・コミュニティと手をつなぐ

地域共生社会の制度を知ること
日本では「地域共生社会」の実現に向けて、自治体・国による政策が進められています。厚生労働省の「地域包括ケア」や障がい者基本法の合理的配慮など、制度を知ることで、どこでどう参加できるかのヒントがつかめます。
特に自分の住む自治体がどんな共生社会政策を導入しているかを調べることは有用です。
参考リンク: 「地域共生社会」の実現に向けて
ピアサポートやボランティア活動に参加する
障がいのある人自身が参加する活動(ピアサポート)や、障がい者支援団体のボランティアは、共生社会を体現する場です。
参加者は互いの経験を共有し、学びあいながら、支え合いのかたちを広げられます。
自分に合ったペースで参加できる活動を探してみましょう。
「合理的配慮」をくり返し求める声を上げる
学校、職場、公共施設などで「この部分がこうだったらもっと使いやすいのに」という場面に出くわしたら、声を上げるまたは改善案を提示することが共生社会につながります。
合理的配慮は法律で定められており、その要望は決して特別扱いではなく、平等のための調整です。
参考リンク:共生社会の形成に向けて
支えられる側の視点も尊重する

自己決定・自己表現を尊重する
共生社会では、障がいのある人が「何を望むか」「どう暮らしたいか」を自分で決めることが重視されます。
周囲が先回りして判断するのではなく、意見を聞き希望を尊重することが大切です。
これは学校・家庭・医療・福祉などあらゆる場面で意識されてきています。
参考リンク:共生社会とは?実現のために自分でできること・取り組みの具体例
支援される側が支援を求めることを遠慮しない
もし何かに困っていたら、支援を求めることは恥ずかしいことではありません。
合理的配慮をお願いする、相談窓口を利用する、必要な情報を得るなど、自分のできる範囲で支援を受けることも、自立と共生の一部です。
実際の取り組み・事例から学ぶ

DO-IT Japan:若者に自分らしい選択を促すプログラム
DO-IT Japan は、中学〜大学院までの障がいや病気のある若者を対象に、テクノロジーを使った学びやワークショップ、オンライン・オフラインでの交流を通じて「自分の未来をどう描くか」を自分で考え、選べるようにするプログラムです。
これにより、多くの参加者が自己理解を深め、自信を持って進学や就労へ歩み始めています。
参考リンク:「自分らしい選択ができる」社会に。DO-IT Japanが活動を通じて障害のある若者に伝えたいこと
政府の政策と制度による土台づくり
日本政府は、障害者基本法・障害者差別解消法などを通じて、教育・就労・公共の場での合理的配慮の提供を促進し、制度として共生社会を支える仕組みを整えています。
これにより、障がいのある人が社会参加しやすくなる環境が少しずつ広がっています。
参考リンク:障害の有無により分け隔てられることのない共生社会の実現に向けた取組
動画で共生を感じる:共生社会の現場を知る
YouTube チャンネル「964万7千分の一」は、障がいや障害者の家族の日常をリアルに伝え、共生社会に必要な視点を届けてくれます。
参考リンク:964万7千分の一
まとめ:共生社会を形にするために今、できること
- 障がいについて正しく学び、誤解を減らす
- 日常の中での小さな配慮を意識する
- 自分の得意を活かして支え合いに参加する
- 制度を知り、必要な合理的配慮を求める
- 自分の希望・意見を大切にし、声をあげる
共生社会は「待つもの」ではなく「つくるもの」です。
ひとりひとりができることを少しずつ行動に移すことで、障がいの有無に関わらず居心地のいい社会は確実に近づいてきます。
あなたにも、あなただからできる共生社会への一歩があります。
その一歩を今日から、踏み出してみませんか?