2022.04.22

発達障がいには睡眠障がいが多い?睡眠障がいへの対策は?

ADHDの睡眠障がい

発達障がいには睡眠障がいが多い?睡眠障がいがADHDを引き起こす?睡眠障がいへの対策は?

発達障がいとは脳機能の偏りにより、知能は健常者と同じでもこだわりが強かったり、不注意がひどかったりするなど、特性が見られる障がいのことです。発達障がい者の方の多くが「睡眠」に悩まれています。また睡眠障がいがADHDを引き起こすというデータもあります。ADHDと睡眠障がいの関係性や原因、睡眠障がいの改善方法をご紹介します。

 

発達障がいに睡眠障がいが起こりやすい?その理由は?

ADHDの方は、健常者とくらべて、1.9倍、眠気をもつリスクが高いことがわかっています。また眠気がある人が、注意散漫になったり集中力が低下したりするなど、ADHDと似た症状を発することがあり、発達障がいと睡眠障がいには深い関係性があることが考えられています。

さらに子どもを対象とした調査では、「いびきや口呼吸、無呼吸など睡眠呼吸障がいが見られる子どもは問題行動を起こす割合が多い」ことが明らかになりました。

とくに睡眠障がいが多く見られるのは「自閉症スペクトラム障がい(ASD)」や「注意欠陥多動性障がい(ADHD)」です。なぜ発達障がいに睡眠障がいが起こりやすいのか、メカニズムは明らかになっていません。

あくまで考えられる要因として、以下のことがあります。

  • 睡眠のためのホルモンの分泌が遅い
  • ノルアドレナリンやドーパミンの不足
  • 発達障がいの特性によるもの
  • リベンジ夜更かし

 

 

睡眠のためのホルモンの分泌が遅い

アムステルダム自由大学医療センターの調査によると、ADHD患者の75%は、睡眠のためのホルモンであるメラトニンの分泌が、健常者よりも1.5時間遅いといわれています。

メラトニンの分泌が遅いと、睡眠中の体温変化も遅れます。そのため、昼夜のリズムが乱れた結果、睡眠だけではなく、体温や行動、食事のタイミングなども乱れ、ADHDの特性のような不注意や問題行動につながっているのではないかと報告されています。

 

ノルアドレナリンやドーパミンの不足

発達障がいによる睡眠障がいの一つに「日中の眠気」があります。同じく日中に眠くなる過眠症などと違って、発達障がいによる「日中の眠気」は以下のような症状になります。

・興味がないこと、退屈なことをしようとすると眠ってしまう

・関心のあることには夢中になり、眠気を忘れる

さらに日中に居眠りをすることで、夜の睡眠の質が悪くなり、睡眠障がいが起こりやすくなります。

日中の眠気の原因は、「ノルアドレナリン」や「ドーパミン」が健常者よりも不足しているためと考えられます。ADHDの方に多く見られます。ノルアドレナリンやドーパミンは、「やる気」や「集中力を高める」ために必要な物質です。このノルアドレナリンやドーパミンが不足しているため、日中に眠気が生じ、睡眠障がいにつながっているといわれます。

またADHDのように注意力が散漫だったり、自閉症スペクトラム障がいのように注意や関心が向く先が少ないと、やる気や集中力が高まる場面が少ないので、さらに脳内物質の分泌が不足しやすいです。

 

発達障がいの特性のため

ADHDや自閉症スペクトラム障がいの強い特性が、睡眠障がいを引き起こすことも指摘されています。

ADHDの特性には「衝動性が強いタイプ」と「不注意が強いタイプ」があります。

「衝動性が強いタイプ」・・・夜にゲームやスマホなどにのめり込んでしまい、頭が覚醒して寝つけづらくなる傾向があります。

「不注意が強いタイプ」・・・課題などやらなくてはいけないことを先延ばしにする傾向があるため、夜遅くギリギリまでやらなくてはいけないことをやっていて、就寝できず、寝つきが悪くなり、夜に何度も起きてしまうといった症状があらわれます。

またADHDや自閉症スペクトラムには「過集中」という特性があります。あることにのめり込みすぎて、食事や睡眠を忘れるほど集中することです。以上のような特性が、睡眠障がいを引き起こすことが考えられます。

 

リベンジ夜更かし

発達障がいの方や発達障がいグレーゾーンの方によく見られるのが「リベンジ夜更かし」です。睡眠障がいを引き起こす原因にもなっています。

リベンジ夜更かしとは、日中に「やらなくてはいけないこと」が多い不満や、仕事や人間関係に感じるストレスなどを解消するために、好きなことなどをして、夜更かしすることです。

とくに発達障がいの方は仕事や人間関係などにストレスを感じやすく、また「やりたいこと」と「やらなくてはいけないこと」のバランスをとることが上手くないので、リベンジ夜更かしをしてしまう傾向があります。

 

 

発達障がいによる睡眠障がいの対策・治療法は?

発達障がいによる睡眠障がいは、自身で生活管理をおこなうことや、リベンジ夜更かしへの対策が必要になります。

 

自身で生活管理をおこなう

  • ・早寝早起き
  • 朝食をしっかりとる
  • 朝昼夜の食事時間を一定にする
  • 日中体を動かす

など規則的な生活を心がけましょう。

また、夜寝る前の環境も大切です。

・眠る前にスマホなどを見ない

・入眠儀式をおこなう

夜眠る前にスマホなど強い光を浴びると脳が覚醒してしまうので、寝る1時間前にはスマホやゲーム、パソコンなどを見るのを控えましょう。

入眠儀式をおこなうことも睡眠障がいに効果的です。本を読んで眠るなど眠る前の決まり事をつくることで入眠しやすくなります。

 

やるべきことから「やらなくていいこと」を見つける

リベンジ夜更かしをしてしまって睡眠障がいになっている方は、夜に「やりたいこと」をへらすよりも、「やるべきこと」から「やらなくていいこと」を見つけ、夜の時間を確保することがおすすめです。睡眠時間を確保するために、「やりたいこと」を削るとストレスがたまり、かえって悪影響になるおそれがあります。

「やるべきこと」のなかで、今日はやらなくていいことを見つけ、やりたいことをする時間や睡眠時間を確保しましょう。

 

 

薬物治療はどのような薬を使う?

生活管理がむずかしい、またどうしても日中に眠ってしまう場合は、発達障がいにくわしい医師に相談し、薬物治療をおこなうのもひとつの手です。

薬物治療では、日中の眠気を解消するために、

・コンサータ

・ストラテラ

などを使用します。

コンサータは、脳内のドーパミンとノルアドレナリンを増加させる働きがあり、不注意や多動性を改善します。ADHDの特性に効きますが、もともとコンサータは、十分に睡眠をとっても日中にも眠気が生じる「過眠症」の治療薬として用いられていました。なので、日中の強い眠気を解消してくれる強い薬になります。

ストラテラは、脳内のノルアドレナリンを高める働きがあります。コンサータとくらべると、効果があらわれるのに時間がかかります。

 

 

まとめ

発達障がいと睡眠障がいの関係性は深いです。発達障がいの特性や脳機能の偏りが睡眠障がいを引き起こしやすかったり、睡眠障がいになることで発達障がいのような特性が出ることがあります。

規則正しい生活管理、睡眠時の環境を整える、リベンジ夜更かしへの対策をおこなうなど気を付けて、質の良い睡眠をとれるようにしましょう。

 

 

参考

発達障がいに多い睡眠障がいの特徴【岐阜駅すぐ】| 阪野クリニック

発達障がいが引き起こす眠気の問題【岐阜駅すぐ】阪野クリニック

発達障がいの人ほど「リベンジ夜ふかし」をやめられないメカニズム | だから、この本。 | ダイヤモンド・オンライン

そのADHD、夜更かしが原因かも? 診断には睡眠習慣の聴取が肝に | ヨミドクター(読売新聞)

関連情報

みんなの障がいへ掲載希望の⽅

みんなの障がいについて、詳しく知りたい方は、
まずはお気軽に資料請求・ご連絡ください。

施設掲載に関するご案内