2021.10.11

大人の発達障がい…使用する薬は?依存性や危険性はある?

大人の発達障がいの薬

大人の発達障がい…使用する薬は?依存性や危険性はある?

ケアレスミスが頻発して仕事がうまくいかなかったり、コミュニケーションに失敗して人間関係が悪くなったりして、「大人の発達障がい」かもしれないと悩む人がふえています。

日常生活の問題が改善されるのであれば、薬を服用したいと考えるでしょう。しかし、どのような薬を使うのか、依存性や危険性が指摘されていないか、不安になりますね。

大人の発達障がいの代表的なADHDに使用される薬や、その依存性、危険性についてふれていきます。

 

大人の発達障がいに薬が使われるのはどんなとき?

・環境調整や行動療法で症状が改善しない

・日常生活に支障をきたしている

・不眠やうつ病などの二次障がいが起こっている

 

大人の発達障がいの治療はまず「環境調整」や「行動療法」から始めます。「環境調整」とは、症状に合わせて環境を変えること。「行動療法」は、行動を変えることで症状をやわらげる処置を指します。環境調整や行動療法をおこなっても改善せず、日常生活に支障をきたしていたり、すでに不眠やうつ病などの障がいがおこっていたりする場合は、薬物治療に入ります。大人の発達障がいへの薬物治療はあくまで補助的なものになります。

 

大人の発達障がいになぜ薬が効くの?

発達障がいである自閉症やアスペルガー、ADHDの薬物治療では、発達障がいによって起きている症状を緩和するために処方されます。なので、発達障がいそのものを治療するものではありません。(服薬を続けたからといって、発達障がいが完治するものではないことは忘れないようにしましょう。)

たとえば気分障がいや不安障がいなどが起こっている場合は、気分安定薬や抗不安薬。睡眠障がいが起こっている場合は睡眠薬といったように、症状に合わせて薬を使用します。

ADHDの「忘れっぽい」「集中できない」「衝動的に動いてしまう」「過度に集中する」などの特性には、専門の薬があります。

ADHDの特性が出るのは、アドレナリンやドーパミンが関係していると推測されているからです。専門の薬によってアドレナリンやドーパミンを活性化したり、脳内の情報伝達の環境を整えたりすることができ、ADHDに薬が効くと考えられています。

 

 

大人の発達障がいに使われる薬は?

大人の発達障がいで代表的な「ADHD」に使われる薬をご紹介します。 

ADHDの主な症状には、以下の3つの薬が使用されます。

・コンサータ

・ストラテラ

・インニチュブ

それぞれの薬の特徴、どんな時に使用するのか、副作用、服用のし方を見ていきましょう。

 

コンサータ

コンサータは3つの中で最も効果が強く、ADHDの不注意、衝動性、多動に効果が期待される薬です。ジョンソン・エンド・ジョンソンの医療用医薬品開発部門である、ヤンヤンファーマ株式会社が販売しています。

 

特徴

コンサータは主にドーパミンという脳内の神経伝達物質をふやします。ドーパミンが増えると脳の覚醒度が上がるので、不注意や集中力が持続できない状態、頭の中の雑音をなくすのに作用するとされています。

 

服用のし方

1日1回、朝に服用します。効果があらわれるのは早く、3回程度の服薬で効果があったかどうかがわかります。コンサータの効果の持続時間は10~12時間です。

 

副作用

コンサータの主な副作用は「食欲低下」「寝つきが悪くなる」です。食欲低下の副作用は、30~50%の確率で起こります。また副作用として、眠りに入りにくくなるので、朝にコンサータを服用します。入眠に1時間ほどの遅れが出ると指摘されていますが、服用時間を守っていれば、早朝覚醒や夜中に何度も起きるということは起こりません。

 

ストラテラ

米国の国際的な製薬会社イーライリリーが販売している「ストラテラ」は、比較的副作用が軽く、子どもから大人まで服用することができるので、治療薬にえらびやすい薬です。

 

特徴

ストラテラはノルアドレナリンの濃度を高めます。コンサータとは逆で、脳の過剰な働きを落ち着かせます。不注意や多動性、衝動性にも作用しますが、コンサータほどはっきりとした効果はあらわれません。特に「過集中」の特性に働きかけ、視野を広げる効果があるといわれています。

 

服用のし方

ストラテラは、飲み始めは適用量より少なめにして、少しずつ量をふやして服薬します。3段階を経て、適切な服用量にもっていくので、効果が感じられるまでは1~2ヵ月ほど必要とします。

錠剤タイプと液剤タイプがあり、大人は1日1回の服用が推奨されます。効果の持続時間は24時間です。

 

副作用

ストラテラの主な副作用は「眠気」「気持ち悪さによる食欲低下」「頭痛」です。これらの副作用は、飲み始めや、薬をふやしたときにあらわれやすいです。しかし、生活に影響が出るほどではなく、2~3日ほどで治まる場合が多いです。

 

インチュニブ

インチュニブは日本国内の大手製薬企業シオノギ製薬が販売している薬です。ADHDの治療薬としては最も新しく、2017年5月に発売されました。インニチュブは情報伝達物質の分泌を促すのではなく、情報を受け取る機能を調整するため、非刺激治療薬と呼ばれています。

特徴

インチュニブは、ノルアドレナリンをふやすものではなく、ノルアドレナリンが働きやすい環境を整える薬です。前頭前野の働き良くしたり、交感神経の働きをおさえて神経の緊張をほぐす働きがあるため、感情を抑制できない、癇癪、ルールを守れない、多くの事に集中してしまう「多集中」の症状が見られるときに使用されることが多いです。

 

服用のし方

インチュニブは1日1回服用します。効果が持続するのは24時間です。効き目はコンサータよりはマイルドで、効果が出るまでは約1~2週間ほどかかります。

 

副作用

インチュニブの主な副作用は「血圧低下」と「眠気」です。

もともとインチュニブは高血圧への薬として使用されており、成分には血圧を低下するものも含まれます。そのため、心疾患がある方のインチュニブの服用は細心の注意が必要です。

血圧が低下することで、脈が遅くなったり、頭痛やめまい、立ちくらみなどが副作用としてあらわれます。

副作用の眠気は、インチュニブを服用する約半数の患者から報告されています。眠気で頭がぼーっとしたり、体がだるくなったりします。まれに、朝起きられない、日中に眠ってしまうほどの強い症状が出ることもあります。

 

 

薬の依存性や危険性はある?

多くの薬は、薬を服用し続けることで、体に「耐性」がつきます。薬が効きにくくなって、薬の量をふやしたくなったり、薬をやめられなくなってしまったりする危険はあります。ただし精神科で出される薬は、依存しにくくするために、配合量や服薬量が調整されています。

大人の発達障がいに効く薬の依存性や、長く服用をし続けたことによる危険性についてはどのように対処されているのかを確認しましょう。

 

休薬日を設けて対処する

ADHDの治療薬「コンサータ」は3つの薬の中で最も依存性が高いとされていますが、薬をやめるとイライラしたり、手が震えたりするといった身体的な反応はありません。ただ効き目が強いこともあって、「この薬をやめたくない」「薬がない状態で生活できるか不安」といった精神的な依存が見られることはあります。

そのため、精神科では患者の症状や生活パターンから、コンサータを飲まない日(休薬日)を設けたり、一時中断したりします。

薬への精神的な依存は、薬を飲むのを止めれば、徐々に消えていきます。

 

医師の診断のもと適量を

基本的には、医師の診断のもと、薬の服用時間、服用量を守ることが大切です。決められた量以上の薬を服用したり、飲み忘れたからといって、まとめて薬を飲んだりしないようにしましょう。

また医師は症状や生活パターンなどから服薬の量や頻度を変えています。重い副作用が出たり、気になることがあれば、医師に相談してください。

 

まとめ

大人の発達障がいに使用される薬は、発達障がいによる症状を緩和するものです。発達障がいそのものを治療する薬ではなく、あくまで補助的なものとして使用されます。

ADHDなど大人の発達障がいに効く薬には、重い副作用や依存性、危険性がないわけではありません。そのため、精神科では患者の生活パターンや症状から服薬の量や頻度を変えて対処しています。医師の診断のもと、服薬の時間や量を守り、なにか気になることがあればすぐに相談してください。

 

<<参考>>

 

大人の発達障害 ADHD治療薬はどれを使えばいいの?不注意型ADHDの場合|治療法について|名古屋市瑞穂区の心療内科・精神科あらたまこころのクリニック

大人の発達障害 ADHD治療薬について|疾患について|名古屋市瑞穂区の心療内科・精神科あらたまこころのクリニック

ADHDの症状、原因と治療薬|心療内科|ひだまりこころクリニック栄院

ADHDは薬物治療で治る? 薬の種類と特徴 | メディカルノート

大人の発達障害|病気解説|医療法人 池澤クリニック|心療内科・精神科・内科

 

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