2021.09.27

障がい者の就労スキルを競う!アビリンピックとは?

アビリンピック

障がい者の就労スキルを競う!アビリンピックとは?

アビリンピックは障がい者が職場で培った能力を競う大会です。地方、全国、国際大会も開かれています。

2022年の開催は、東京で2月頃予定。2021年5月にはロシアで国際大会が開催される予定です。

アビリンピックとは何か、アビリンピックの歴史や簡単な種目、アビリンピックの選手になる方法をご紹介します。

 

アビリンピックとは?

「アビリンピック」は、「アビリティ(能力)」と「オリンピック」を合わせたもの。

「アビリンピック」は愛称であり、大会の正式名称は「全国障がい者技能競技大会」です。

障がい者が職場で培ったスキルを競い合い、職業能力の向上や、障がい者雇用の促進を目指しておこなわれています。

アビリンピックには地方アビリンピック、全国アビリンピック、国際アビリンピックがあります。

 

地方アビリンピック

地方アビリンピックは各都道府県で1年に1度、開催されています。

アビリンピックに都道府県がつく愛称で呼ばれており、愛知で開催された場合は、オリンピック愛知、沖縄でおこなわれると、アビリンピックおきなわです。

各地の障害者職業センターや職業能力開発校で実施されることが多く、競技の種目は10~15種目程度。

地方アビリンピックで勝ち上がり、成績優秀者になると、都道府県知事の推薦を受けて、全国アビリンピックの参加選手に選ばれる場合があります。

 

全国アビリンピック

全国アビリンピックは、2021年で41回目の開催を迎えます。

地方アビリンピックで選ばれた選手が出場し、職業能力を競います。2020年は愛知国際展示場でおこなわれ、2021年度は東京ビッグサイトで開催予定です。このほか、年に1回、全国各地の主要施設でおこなわれてきました。

(国際アビリンピック開催の年は全国アビリンピックは開催されません。)

種目の数はその年ごとに異なり、産業・技術の変化や、障がい者雇用や職業動向などを見て決定。

全国アビリンピックの一部の成績優秀者は、国際アビリンピックの派遣選手の最終選考に参加できる場合があります。

また全国アビリンピックでは、障がい者雇用に関する展示や体験などをおこなう「ワークウェア」も開催されています。

 

国際アビリンピック

国際アビリンピックは2021年で10回目の開催になります。

世界各地で、おおむね4年ごとに開催されており、各国の成績優秀者が職業スキルを競います。競技の種目は17種目から、30種目以上おこなわれる年も。

日本は第9回国際オリンピックまでに、500人の職業技能選手などを派遣しています。

 

 

アビリンピックの歴史

アビリンピック第1回は、1964年に千葉県千葉市、現在の「ポリテクセンター千葉」で開催されました。

東京パラリンピックを参考にしており、第1回のアビリンピック競技は洋裁や、広告美術、ラジオ・テレビ修理など15種目。36都道府県から133人の選手が参加しました。

当初は知的障がい者や精神障がい者の出場は認められていませんでしたが、平成9年に「知的障がい者の雇用義務化」があり、アビリンピックも知的障がい者の参加を認めます。

平成18年には、法改正で精神障がい者が雇用率の算定対象になったことから、精神障がい者の参加も認められるようになりました。

開催地は、2002年までは千葉県千葉市。その後は全国の地方都市でアビリンピックが開催されています。

 

アビリンピックの種目

アビリンピックが開催される年や、地方・全国・国際などで、種目の数や内容は変わります。以下の表は一例になるので、ご参考ください。

 

種目

参加対象

洋裁

家具組み立てなど

DTP

身体障がい者

知的障がい者

精神障がい者

機械CAD

建築CAD

電子機器組立

義肢

歯科技工

ワード・プロセッサ

データベース

ホームページ

フラワーアレンジメント

プログラミング

ビルクリーニング

製品パッキング

喫茶サービス

オフィスアシスタント

表計算

ネイル施術

写真撮影

パソコン組み立て

パソコン操作

視覚障がい者

パソコンデータ入力

裁縫

木工

知的障がい者

 

※各競技については別記事にまとめています。

アビリンピック競技種目一覧(電子・機械系)

アビリンピックに出場するには?

アビリンピックに出場するには、まずは地方アビリンピックで優勝し、その後全国アビリンピック、国際アビリンピックと続きます。

 

地方アビリンピックは申込書が必要

地方アビリンピックに参加するための面接や技能試験などはありません。

申込書を提出して受理されれば、手帳や判定書をもつ障がい者は誰でも参加できます。

申込書は各都道府県の「独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構」のホームページに公開されます。

申込書がホームページに掲載される期間や、申込書の締め切りは、各都道府県によってちがいます。事前にお住まいの都道府県の支援機構にご確認ください。

申込書をサイトからダウンロードできたら、支援機構に送ります。

ただし各種目には定員があり、満員になると先着順などになる場合があるので、早めに準備をしましょう。

 

全国アビリンピックは条件がある

手帳や判定書をもつ障がい者であることのほかに、以下のような条件を満たす必要があります。

 

・15歳以上であること

・直近で開催された5回の全国大会で金メダルをとっていないこと

・直近で開催された5回の全国大会で、参加を希望する技能競技種目に3大会連続して参加していないこと。

・地方アビリンピックで金メダルをとり、各都道府県知事の推薦を受けること

 

各都道府県知事が推薦できる選手の人数は、原則、1競技種目につき1名。

ただし、以下の種目は3名まで推薦を受けられる可能性があります。

洋裁

家具

義肢

歯科技工

写真撮影

パソコン組立

コンピュータプログラミング

機械CAD

狭き門になるので、高度な職業スキルが必要です。

 

国際アビリンピックは成績上位者が選ばれる可能性

国際アビリンピックの選手は、全国アビリンピックに出場した選手のなかで、成績上位にいる方が選ばれる可能性があります。

全国アビリンピック1大会だけではなく、過去の4大会の平均的な成績をみて、国際アビリンピック出場をお願いされることも。

成績順に国際アビリンピック選手に選ばれるので、まず成績1位の方に国際アビリンピックの出場の機会があたえられます。その後、2位、3位…と声をかけられるかたちです。

 

まとめ

アビリンピックは障がい者の職業スキルを競う大会。障がい者の働く意欲を強めたり、スキルの向上や、障がい者雇用促進のために開催されています。

全国や国際アビリンピックの選手になるには、地方アビリンピックの出場が必要です。

地方アビリンピックは面接や技能試験はなし。申込書が受理されれば、だれでも出場の機会を得られます。

今の職業で努力して身につけたスキルを、アビリンピックで試してみませんか?

 

 

<<参考>>

http://www.yomei-sh.open.ed.jp/39th_zenkokuabirin_panfu2.pdf

第40回全国障害者技能競技大会実施要綱 

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構

アビリンピックで全国の障害者が技能を競う|参加資格・種目と結果 | 障がい者としごとマガジン

abilympics.jp

https://abilympics.jp/f782501bf237674ce956955805326861/2020AP_GB.pdf

 

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